あさがおと加瀬さん。

あさがおと加瀬さん。

西高に通う女子高校生の山田は、学校の中庭に植えたあさがおに水やりをしていた時、陸上部のエースである加瀬から声をかけられる。そこで、男子よりもカッコイイ加瀬にすっかり魅せられてしまった山田は、同性なのにもかかわらず、加瀬に惹かれていく自分の気持ちを止められない。ピュアな思いを胸に秘めた少女たちの、青くて甘酸っぱい日々を描く、ドキドキピュア百合ストーリー。「ひらり、」2010年Vol.2から2012年Vol.7にかけて不定期に掲載された作品。

正式名称
あさがおと加瀬さん。
ふりがな
あさがおとかせさん
作者
ジャンル
百合
 
青春
関連商品
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あらすじ

第1巻

緑化委員の仕事で、中庭のあさがおに水をやりにきた山田は、そこでとなりのクラスの加瀬に声をかけられる。陸上部のエースでもある加瀬は、誰が植えたかわからないあさがおに、なんだか小学生の頃の懐かしさを感じ、朝練のあとに時おり水をやっていたと笑顔で話す。このあさがおは、実は山田が植えたものだった。山田は水をやっている加瀬をまじまじと見つめ、クラスの男子よりも全然カッコイイと、性別を超越した加瀬の完璧さを改めて実感する。すると、加瀬は突然水道から水を出し、頭から水を浴びる。びしょ濡れになった体育着からは、下着が透けて見えていたが、加瀬は特に気にする様子もなく、キラキラと輝いていた。それ以来、加瀬を意識するようになった山田の学校生活は、180度激変する。いつも視線は加瀬を探し、加瀬を見つければドキドキと胸が高鳴る。となりのクラスと合同で行われる体育の授業では、更衣室で当然のごとくブラジャー姿になる加瀬をついつい目で追ってしまい、加瀬がまごうことなき女子であることを再確認し、落胆する。同性である加瀬に抱く思いが、恋心であることに戸惑いつつも、山田は加瀬のことが好きという事実に向き合い、受け入れようとする。そして夏休み前の最後の登校日、あさがおに水をやっていた山田は、加瀬から声をかけられ、夏休みも会いたいから水をやりにきて欲しいと打ち明けられる。山田は驚きとうれしさで涙し、それ以来二人は急速に距離を縮めていく。(第1話「あさがおと加瀬さん。」。ほか、4エピソード収録)

関連作品

漫画

本作『あさがおと加瀬さん。』は「加瀬さんシリーズ」としてシリーズ化されており、新書館の「ひらり、コミックス」より続編の『おべんとうと加瀬さん。』『ショートケーキと加瀬さん。』『エプロンと加瀬さん。』『さくらと加瀬さん。』『山田と加瀬さん。』が刊行されている。

メディアミックス

劇場版アニメ

2018年6月、本作『あさがおと加瀬さん。』の劇場版アニメ『あさがおと加瀬さん。』が公開された。監督は佐藤卓哉、キャラクターデザインは坂井久太が務めた。ちなみに劇場版アニメでは主要登場人物はフルネームで、山田結衣を高橋未奈美、加瀬友香を佐倉彩音が演じている。

登場人物・キャラクター

山田 (やまだ)

西高に通う女子高校生。運動音痴で、何をしてもどんくさいことにコンプレックスを感じている。自らの「山田」という苗字にすら、イモっぽく田舎くさいイメージを持っており、まるで自分の性格そのものを表しているように感じて苦手意識がある。クラスの一部の女子からは、そんな不器用さを揶揄(やゆ)され、悪意を持っていじられることが頻繁にある。緑化委員を務めていることから、学校の中庭にあさがおを植えたり、日々水やりや片づけを率先して行っている。あさがおをきっかけに、となりのクラスの加瀬と話をするようになり、加瀬のことを気にするようになる。加瀬は女子だからと自分の気持ちにブレーキをかけようとしていたが、三河っちから、「加瀬は女子と付き合う人」という情報を聞き、次第に加瀬への思いが恋心であることを自覚。そして、自分の気持ちを止められなくなっていく。通常はバスを利用して通学しているが、夏休み頃から急に加瀬となかよくなり、下校時には自転車通学の加瀬と自分が利用するバス停までの短い時間、いっしょに帰るようになった。その後も、休日には加瀬といっしょに買い物に出かけたり、冬にはマラソン大会に向けて練習したりと、二人だけで過ごす時間が増えていく。そして、マラソン大会当日に保健室で加瀬から告白され、交際を始めることになる。

加瀬 (かせ)

西高に通う女子高校生。山田のとなりのクラスのために通常の授業は別々だが、体育の授業は2クラス合同のために山田といっしょに受けている。ショートヘアの長身美人で、スポーツ万能な陸上部のエース。少々乱暴な振る舞いをすることがあるが、明るく中性的な魅力があるため、特に女子から人気が高い。つねに数人の女子との関係が噂されているが、実際に加瀬自身は女子を恋愛対象としており、過去には同じ陸上部の女子と付き合っていた。学校の中庭に植えてある、あさがおをきっかけに山田と話すようになり、夏休み頃から急になかよくなった。実は以前から山田のことを気にしており、中庭で緑化委員として作業に励む山田をよく見つめていた。通常は自転車通学をしているが、山田となかよくなってから、下校の時にはバス通学の山田が利用するバス停まで、自転車を引いていっしょに歩いて帰るようになった。休日には山田といっしょに買い物に出かけたり、冬にはマラソン大会に向けて練習したりと、二人だけで過ごす時間が増えていく。そして、マラソン大会当日に保健室で山田に告白して、交際を始めることになる。

三河っち (みかわっち)

山田のクラスメートの女子。校内の情報通で、いつも元気な明るい性格をしている。山田とはもともと仲がよく、お昼休みにはいっしょにお弁当を食べたりしている。山田が自分の苗字に苦手意識を持っていることを知っており、わざと「山田」を連発するなど、日常的に山田をいじって遊んでいるが、これも仲がいいからこその関係性。山田が一部の女子から悪意あるいじられかたをすると、自分のことのように腹を立てる。夏休み頃から、山田がとなりのクラスの加瀬となかよくしていることを知り、「加瀬は女子と付き合う人」という情報を山田に伝えた。冬のマラソン大会では、スタート直後に走る集団に巻き込まれてケガをして保健室に運ばれた山田に付き添ったが、血を見るのが苦手なため、鼻血を出した山田を直視することができなかった。

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