あの子に恋する 山田に恋した

あの子に恋する 山田に恋した

日向美羽が初めて好きになったのは、幼なじみの先輩・柏木紅音に一途に恋をする山田蒼一郎だった。そして美羽は、紅音が既婚者の教師に叶わぬ恋をしている事を知る。美羽、山田、紅音の三人の恋愛模様と、揺れ動く心を丁寧に描いた作品。「マーガレット」2016年No.21から2017年No.10にかけて連載された。

正式名称
あの子に恋する 山田に恋した
ふりがな
あのこにこいする やまだにこいした
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あらすじ

第1巻

交際経験のない日向美羽は、友達と理想の恋愛について語っていたところ、たまたまとなりにいた山田蒼一郎に全否定されてしまい、憤りを覚える。その日の放課後、美羽は教師の栗原から生徒会室に資料を運んでほしいと依頼されたため向かうと、そこには胸元をはだけさせ、熱烈なキスを交わす山田と柏木紅音がいた。当然恋人同士だと思った美羽だったが、山田から紅音とは交際していないと告げられる。そして美羽は山田とかかわっていくうちに、紅音は栗原に恋心を抱いており、山田は栗原の代わりとして紅音の寂しさを埋めているのだと悟る。山田が時折寂しそうな顔をしている事に気づいた美羽は、山田を遊びに誘うなどして親睦を深めていく。そしていつしか美羽は山田に恋心を抱くようになるが、山田の気持ちは相変わらず紅音に向いていた。二人きりでいる時も当然のように紅音からの呼び出しを優先する山田に対し、美羽は自分を好きになってほしいと告げるものの、気持ちは届かない。せめて山田に幸せになってほしいと願った美羽は、彼に対して紅音と心の通った恋愛をしてほしいと背中を押す。

第2巻

山田蒼一郎柏木紅音に改めて告白をし、二人は恋人同士になった。失恋した日向美羽は落ち込みつつも、空元気を出していた。そんな中、美羽は参加した合コンで、以前ゲームセンターで絡まれた経験のある翠川と再会。そこで翠川の優しさに触れた美羽は、山田の事がまだ好きだという気持ちを素直に打ち明けて涙する。その場面を偶然通りかかったデート中の山田と紅音に目撃され、山田は咄嗟に美羽が翠川に何かされたのではないかと駆け寄る。それを見た紅音は、これまでどんな時でも自分を優先してくれていた山田の気持ちが変わりつつある事に気づきながらも、山田を手放したくないという思いを強くする。次の日、紅音は美羽が生徒会室に来る事を知りながら、わざと山田を誘惑。山田は美羽を気にしてキスを拒むが、いつになく積極的な紅音を断り切れない。その様子を見た美羽は、紅音に対してしっかり向き合った交際をしてほしいと言い放ち、生徒会室から走り去る。美羽は自分を追いかけて来た山田に対し、もう一度告白をする。しかし、それでも山田は紅音を選ぶのだった。

登場人物・キャラクター

日向 美羽 (ひなた みう)

山田蒼一郎と同じクラスに在籍する女子高校生で、明るく人懐っこい性格の持ち主。恋愛に関しては初心で、夢見がちで恋に恋している傾向がある。理想の恋についてクラスメイトと話をしていたところ、偶然となりにいた山田にバカにされ、その事がきっかけで会話を交わすようになる。その後、生徒会室で山田と柏木紅音が熱烈なキスをしている場面に遭遇し、山田と紅音の関係を知る。 紅音に対する一途な思いや、クールなようで実は優しい山田の一面を知り、いつの間にか恋心を抱くようになった。紅音に対しては山田を都合よく扱っていると思いながらも、人柄のよさから恨む対象にはなっていない。少しでも山田といっしょにいたい気持ちから、生徒会の雑用係として働いている。

山田 蒼一郎 (やまだ そういちろう)

日向美羽と同じクラスに在籍する男子高校生で、普段は無口で愛想がない。表向きはクールに装っているが、親しい相手には笑顔を見せたり、動揺した表情を見せたりもする。よくも悪くも意思が強く、頑固な一面を持つ。幼なじみで1歳年上の柏木紅音にずっと片思いをしており、自身が栗原の代わりと知りつつも関係を続けている。 キスをするなどスキンシップをとっているが、身体の関係は持っていない。美羽から好意を抱かれている事は認識しているものの、一途に紅音を愛している。成績優秀で、生徒会の役員を務めている。

柏木 紅音 (かしわぎ あかね)

日向美羽、山田蒼一郎と同じ高校に通う女子で、学年は1つ上。生徒会長を務めており、成績優秀で先生方からも一目置かれている。中学時代に家庭教師としてやって来た栗原を好きになったが、栗原は実姉と付き合い、のちに結婚。しかし栗原への恋心をあきらめる事ができず、今でも好意を抱いている。寂しさを埋めるように山田蒼一郎と、キスをするなどスキンシップをとっており、山田から好かれている事も知っている。 山田に対しては恋心はないものの、美羽と親しそうにしていると嫉妬するなど、自分の方を向いていてほしい気持ちが強い。山田を翻弄する悪女のような一面こそ持つが、本来は優しく穏やか性格の持ち主で、美羽との関係も悪くない。

栗原 (くりはら)

日向美羽達が通う高校に勤務する男性教師。柏木紅音の実姉と結婚している既婚者で、妻を心から愛している。生徒達の前でも遠慮せずにのろけるため、「嫁バカ」とからかわれる事も多い。年齢も若く、明るく親しみやすい性格から、一部生徒達からは「くりりん」の愛称で呼ばれている。大学生時代に中学生だった紅音の家庭教師をしており、その縁で紅音の実姉と知り合っている。 紅音から恋心を寄せられている事には気づいていない。

翠川 (みどりかわ)

工業高校に通う男子で、山田蒼一郎とは小学校から中学校まで同じだった。中学時代までは人に流されやすく、周りからいいように扱われていた。そのため、人に流されないクールな山田に密かにあこがれていた。ゲームセンターで日向美羽と山田がいっしょにいる場面を目撃した際、山田が弄ばれていると勘違いし、初対面の美羽を叱責した。 美羽とはのちに合コンで再会し、その時の事を謝罪した。その後、美羽と親交を深め、「翠君」と呼ばれるようになる。高校生になってから派手になったいわゆる「高校デビュー」をした人物でもあり、その事を同じ高校の同級生からはからかわれている。会話をした事はないものの、柏木紅音の存在は知っている。

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