ありす19th

ありす19th

謎のウサギ、ニョゼカに聖なる言葉の使い手であることを告げられた瀬野ありすは、自分の持つ強大な能力を恐れながらも、その力を駆使して魔邪との戦いに身を投じていく。ありすの成長を描く、現代ファンタジーロマンス。「少女コミック」2001年14号から2003年7号まで掲載された作品。

正式名称
ありす19th
ふりがな
ありすないんてぃーんす
作者
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

瀬野ありすはいつも優秀な姉である瀬野真由良の「妹」としてしか、周囲に認識されていなかった。そんな彼女が好きになったのは、真由良と同じ部活の先輩、若宮叶。だが、叶が真由良と交際を始めたことを知り、ありすは困惑する。そんなある日、ありすは一羽のウサギから自分が聖なる言葉の使い手であることを告げられる。

それを聞いたありすは、叶と付き合っていることに対する嫉妬から、姉に対して聖なる言葉を使い、それによって真由良が消えてしまうという事態を招く。真由良を救うために、ありすは聖なる言葉の使い手として、叶と共に戦うことを決意する。

登場人物・キャラクター

瀬野 ありす (せの ありす)

姉の瀬野真由良に強いコンプレックスを抱えた、高校1年生の女子生徒。動物が好きだが、真由良が動物アレルギーのため飼えずにいる。メールやチャットではコミニュケーションを取れるが、腹を割って話せる親友はいない。内気ではあるが、芯は強く、純粋で心優しい。他人の気持ちを考えすぎて、自分のことは後回しにすることが多い。若宮叶に想いを寄せているが、真由良が彼のことを好きだと知っているため、自分は一歩引いてしまっている。 ある日助けたウサギのニョゼカからブレスレットを貰い、それ以来聖なる言葉の使い手として、魔邪と戦う運命に立ち向かっていく。魔邪に取り込まれた真由良を救うため、叶と共に戦う。

若宮 叶 (わかみや きょう)

弓道部に所属する高校2年生の男子生徒で、瀬野ありす、瀬野真由良の想い人。自分に厳しい努力家で、普段は穏やかで優しいが、時折激情的な面を見せることもある。父親が酒乱で暴力を振るう男だったため、暴力を極度に嫌い、人を傷つけることに対しても非常に臆病。両親が亡くなってからは、親戚をたらいまわしにされてきた過去があり、普段から「良い子」を演じてしまう部分がある。 真由良と付き合っていたが、聖なる言葉の使い手としてありすと行動を共にしているうちに、ありすに惹かれていく。

瀬野 真由良 (せの まゆら)

弓道部に所属する高校2年生の女子生徒。瀬野ありすの姉で、若宮叶とは恋人同士。あらゆることをそつなくこなすが、それは両親に期待されているというプレッシャーによるところが大きい。おっとりしているありすに少々イラついている部分もあるが、その反面期待されずにいるありすを羨ましくも思っている。美少女で友人が多い。思ったことを素直に口に出すため相手を傷つけることもあるが、面倒見がよくサッパリとした性格なので、好感を持たれやすい。 ありすの言葉を引き金にして魔帝に捕らわれてしまい、現在はありすと叶を引き裂くために行動している。

ニョゼカ

聖なる言葉や聖なる言葉の使い手について詳しいウサギ。人の言葉を話す時は、ウサギではなく幼女の姿をすることが多い。また、人に気取られないように瀬野ありすのポーチに変身することもある。その正体は、昔ローツアンに飼われていたウサギ。

フレイ・ウィルハーゼン (ふれいうぃるはーぜん)

北欧出身の聖なる言葉の使い手、北欧の教導院に属している青年。予言に従って、新生マスターを探すために日本にやってきた。趣味はジャム作りとガーデニング。左側の髪に三つ編みをしているが、これは北欧支部ローツアン聖導院のスタイル。おちゃらけた女好きを装っているが、真面目で思慮深い一面を持つ。聖なる言葉の使い手としての力はオールマイティ。

クリス

世界中の聖導院に資金を出している大富豪で、ローランド家の13代目の少年。本名は「クリストファー・ウィリアム・オーソン・アンドリュー・ローランド13世」で、略して「クリス」と呼ばれている。秀才で、13歳にして既に大学生。クールな印象を持つが、大の甘党で、甘いものを食べている時は顔が溶けている。富と家柄、優秀な頭脳も持ち合わせているため、相手に嫉妬されることが多く、友人が作れない。 新生マスターたちの護衛として日本にやってきた。

白 梅玲 (ぱい めいりん)

聖なる言葉の使い手の一人で、アイドルを目指している美少女。中国の聖導院の代表として、新生マスターたちを護衛するため日本にやってきた。上海ではマンションに一人暮らし中。姉御肌でサッパリした性格の持ち主だが、その気丈さが災いしてか、彼氏がなかなかできないのが目下の悩み。

ビリー・マクドウェル (びりーまくどうぇる)

聖なる言葉の使い手の一人である黒人の男性。USAの聖導院の代表として、新生マスターたちを護衛するため日本にやってきた。下町育ちで口が悪く、喧嘩っ早い。しかし根は優しく、面倒見もいい。普段は真面目な郵便局員として生計を立てている。

サムエル

闇の言葉の使い手の少年。かつて聖歌団に所属していたが、ガラスの破片を飲み込んで喉を大怪我し、聖歌団員として歌うことができなくなった過去を持つ。この事件がきっかけで、魔帝によって闇に取り込まれた。魔帝に取り込まれている瀬野真由良の依代として、瀬野ありすたちの前に立ちはだかる。

ケイナ

闇の言葉の使い手の女性。付き合っていた男性を他の女性に取られたため、復讐を強く願ったことがきっかけで、魔帝によって闇に取り込まれた。老いに対する恐怖と復讐への強い念から、闇の言葉の使い手として暗躍する。

エリク

元北欧支部ローツアン聖導院の男性で、現在は闇の言葉の使い手の一人。フレイ・ウィルハーゼンの先輩だったが、後輩のはずのフレイが自分より早く、そして多くの聖なる言葉を習得していくことに嫉妬している。また、不治の病を患っていることもあって死の恐怖にさらされていた。そこにつけ込んだ魔帝によって、闇に取り込まれた。

松城 達也 (まつじょう たつや)

瀬野真由良に仲介をお願いして、瀬野ありすに告白してきた高校1年生の男子。弓道部に若宮叶を見に来ていたありすに想いを寄せていた。真由良の後押しもあって、念願かなってありすとの交際にこぎつけたが、叶のことを忘れられないありすにインナーハートで振られてしまう。

大石 (おおいし)

若宮叶に想いを寄せていた女子生徒。彼を瀬野真由良に取られたことを根に持っていたが、相手が真由良ならば仕方がないとあきらめてもいた。のちに瀬野ありすと叶が仲良くなっていくところを見て嫉妬心をあらわにし、インナーハートにてありすと決着をつけた。

和喜 (かずき)

若宮叶の友達の男子生徒。叶に頼まれて瀬野真由良を見張っていたが、逆に真由良に闇の言葉を植えつけられてしまう。叶に真由良を取られた嫉妬心から、瀬野ありすを襲うことで鬱憤を晴らそうとしている。

ローツアン

ある東の国に現れ、その姿はすべての人種の特徴を持っていたとされる人物。あらゆる「生命の力」をはじめに知ることができ、その言葉を「ナ・サダル・ローティス・ラーン」という言葉で表した。その言葉をもっと分かりやすくするため24の聖なる言葉にし、10人の弟子に聖なる言葉を世界中に伝える使命を与えた。

魔帝 (だるゔぁ)

瀬野ありすの「消えちゃえ」という一言に動揺した瀬野真由良を、巧みな言葉で操り取り込んでしまった存在。魔邪や闇の言葉の使い手を操り、真由良を完全に支配下に置き、自分の贄として完成するのを待っている。

集団・組織

聖なる言葉の使い手 (ろーてぃすますたー)

聖なる言葉を操る者。聖なる言葉の使い手は世界中にいて、その殆どが聖導院に属している。フレイ・ウィルハーゼンやクリス、白梅玲、ビリー・マクドウェルなどが聖導院に属して、聖なる言葉の使い手として活動している。

新生マスター (ねおますたー)

瀬野ありすと若宮叶のこと。「いつの日か、新生マスターが現れる時、失われし言葉を持って、闇の言葉の使い手を払うことができる」という伝承がある。この伝承通りに失われし言葉を見つけることを、各聖導院から期待されている。

闇の言葉の使い手 (まーらむますたー)

聖なる言葉の使い手が生まれたせいで、その対として生まれてしまった反勢力の長。闇の言葉を操り、闇の言葉と聖なる言葉の果てしない戦いを始めた。24の闇の言葉を使って、新生マスターの2人を潰そうと目論んでいる。

その他キーワード

ブレスレット

聖なる言葉の使い手の印であり、瀬野ありすなどが所持している。聖なる言葉をマスターするたびに玉が一つずつ増え、すべての聖なる言葉をマスターすると24個の玉の連なるブレスレットになる。ありすは始め「ラング」しか使えなかったため、玉は一つだけだった。

命の鏡 (ろたのかがみ)

人間の内面を映し出す生命の鏡。これを持った聖なる言葉の使い手が聖なる言葉を使う時、あらゆる願いを叶え、宿命を切り開き、全神々を味方とし、永遠の幸福を得る力を持つとされる。これを装着してはじめて瀬野ありすと若宮叶は新生マスターとなったが、それには魔邪と戦い人々を救っていくのが前提条件である。

聖なる言葉 (ろーてぃす)

聖なる言葉の使い手が使う「生命の力」を引き出す言葉のことで、全部で24文字ある。古い時代に「我らが師」であるローツアンがこの世に伝えたもの。聖なる言葉をマスターするたびに、瀬野ありすたちが持っているブレスレットの石が増えていく。

インナーハート

もうひとつの現実世界で、聖なる言葉の使い手だけが「ナ・サダル・ローティス・ラーン」を唱えることでのみ入れる。対象となる人の心の中でもあり、人間の欲望渦巻く怖い世界であることが多い。インナーハートに入った者は、その対象に見えている世界を同じように見ることができる。その中に住まう魔邪を浄化することで、対象に取り憑いた闇の言葉を消し去ることができる。

ナ・サダル・ローティス・ラーン (なさだるろーてぃすらーん)

インナーハートに入るための聖なる言葉。鍵の言葉でもある。これを使うことで、聖なる言葉の使い手は、対象のインナーハートに入ることができる。

魔邪 (まーら)

人の心の闇が生んだ、闇を支配するもの。今は瀬野真由良と闇の言葉の使い手を同一化するために動いており、人の心の闇に取り憑いては、周囲を闇に引きずり込もうとする。ちなみに魔邪は闇の言葉を使うことはできない。

闇の言葉 (まーらむ)

闇の言葉の使い手や、その配下が使う言葉。聖なる言葉と対をなす、聖なる言葉に唯一対抗するために作られた言葉。逆もしかりで、聖なる言葉だけが闇の言葉に唯一対抗できる。聖なる言葉と同じく、24個の言葉がある。

予言 (よげん)

「後の世に魔邪がはびこり、人々の生命が穢れ、ローティスの言葉が届かなくなった時、真のローティスの力が目覚める時がくる。その「失われし言葉」を得る使い手は必ず現れる。」というローツアンの残した言葉。

失われし言葉 (ろすとわーど)

新生マスターが取得する、ローツアンが残した言葉。魔帝を打ち倒すほどの力を持つ言葉で、ローツアンや聖なる言葉の使い手を含めたすべての生物はその言葉を知っているはずだが、忘れてしまったとされている。その言葉は「ナーマス・サダルマーラ・ローティス・ソティラーン」である。

ラング

交差点で轢かれそうになったニョゼカを助ける時に瀬野ありすが無意識に使った、19番目の聖なる言葉。「勇気」「行動」などを意味する。聖なる言葉の力が強くなると神聖化して形をとるが、その際には大きな獅子となる。

カーラ

若宮叶が最初に習得した、16番目の聖なる言葉。「守護」「衣」などを意味し、敵の攻撃から身を守ったり、対象を衣で包んだりすることができる。叶はフレイ・ウィルハーゼンに瀬野ありすを連れ去られた時に使った。

ヴィムク

若宮叶が2つ目に習得した、23番目の聖なる言葉。「解放」「風」などを意味する。閉ざされた扉を開く時や、空を飛ぶ時に使ったりする。叶は魔邪に囚われた大石のインナーハートにおいて、心の扉を開く時に使った。

マノー

瀬野ありすが2つ目に習得した、1番目の聖なる言葉。「慈愛」「愛情」などを意味する。魔邪に囚われた者に強く働きかける効果があり、大石のインナーハートにおいて、魔邪から大石を解放するために使った。

ルタ

若宮叶が3つ目に習得した、11番目の聖なる言葉。「忍耐」「意思」などを意味する。インナーハートにおいて病魔と闘った時に弓をつがえて「意思」を伝えることで習得した。だがその「意思」も、魔帝に侵された瀬野真由良には届かなかった。

リイヤ

「防御」「回避」「盾」などを意味する、7番目の聖なる言葉。瀬野ありすが闇の言葉で操られた和喜に襲われた時に、とっさに心の中で唱えたことで危機を脱出した。またフレイ・ウィルハーゼンがインナーハートにおいてありすたちを守る時にもよく使われる。

ジーヴァ

「回復」「癒し」などを意味する、14番目の聖なる言葉。フレイ・ウィルハーゼンは病魔を倒す際に使った。また、クリスが瀬野ありすの傷を癒すためにも用いられた。聖なる言葉の力が強くなると神聖化して形をとるが、その際には女神のような姿となる。

ダナ

「恵み」「水」などを意味する、3番目の聖なる言葉。大石のインナーハートに入った時に、フレイ・ウィルハーゼンが攻撃目的で使用した。また、インナーハート内のみならず現実世界でも、水を湧き出させることが可能。

ラジェ

「光」「太陽」を意味する、17番目の聖なる言葉。瀬野ありすや若宮叶は習得しておらず、フレイ・ウィルハーゼンだけが使うことができる。魔帝に取り込まれた瀬野真由良が闇から現れてくる時に、フレイが使った。

ユグ

「成就」「木」などを意味する、24番目の聖なる言葉。フレイ・ウィルハーゼンが若宮叶をインナーハート内で休ませるために使った言葉。木を出現させることができ、ユグとジーヴァをもって、叶を休ませた。

イル

「炎」「情熱」などを意味する、4番目の聖なる言葉。瀬野ありすの母親を救う時に、フレイ・ウィルハーゼンが使った。他の聖なる言葉に比べて攻撃的な言葉のため、フレイでも滅多に使わない。

サン

「友情」「仲間」「輪」などを意味する、15番目の聖なる言葉。魔邪に操られた和喜を救うために、若宮叶が使った聖なる言葉。基本的に攻防を目的とした言葉ではないため、相手のインナーハート内で使うことが多い。

ウティ

「見る」「透視」「覚醒」などを意味する、20番目の聖なる言葉。瀬野真由良を媒介にして瀬野ありすたちの前に現れたサムエルたちや闇の言葉の使い手たちを退けるために、白梅玲が使った。

パーサ

「真実」「誠意」「決定」などを意味する、2番目の聖なる言葉。ビリー・マクドウェルは若宮叶に埋め込まれていた闇の言葉をパーサの「真実」の力で特定した。この聖なる言葉を使うと、真実の言葉を相手にぶつけることができるため、日常的に使える言葉。

サマ

「道」「導く」「可能性」などを意味する、22番目の聖なる言葉。瀬野真由良が魔帝と共に立てこもっている都庁で、真由良のもとへ行くための道を切り開く時に、瀬野ありすが使用した聖なる言葉。対象の場所まで導いてくれるので、ありすは真っ直ぐ真由良のところへ行くことができた。

ジェタ

「勝利」「戦」「正義」「入手」などを意味する、6番目の聖なる言葉。敵を退けるためにフレイ・ウィルハーゼンが「戦」を使った。瀬野ありすは「死魔」と呼ばれる闇の言葉の使い手をから若宮叶を取り戻すために、「入手」を使った。

シビ

「平和」「穏やか」「安心」などを意味する、13番目の聖なる言葉。瀬野ありすが瀬野真由良の闇の言葉の攻撃から身を守るために使った。主に周囲を鎮圧させる「穏やか」の意味で使われることの多い聖なる言葉。

ウイド

「信頼」「感謝」「献身」などを意味する、10番目の聖なる言葉。若宮叶が一緒に暮らしている叔父から、魔邪を引き離すために無意識に使った言葉。信頼している相手に信じて欲しい時に使う言葉でもある。

アレト

「浄化」「清純」「理性」などを意味する、8番目の聖なる言葉。魔邪を浄化することができる。瀬野ありすと若宮叶は、闇の言葉の使い手であるサムエルとケイナを「浄化」するために、この言葉を用いた。

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