おそろしくて言えない

おそろしくて言えない

霊に祟られやすい性質の新名皐月と、霊能力者でクラスメイトの御堂維太郎の交流を中心に描いた作品。死者や幽霊が大勢登場するが、ホラー的な要素はほとんどないオカルト・コメディ。

正式名称
おそろしくて言えない
ふりがな
おそろしくていえない
作者
ジャンル
お化け・妖怪
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概要・あらすじ

新名皐月は霊に祟られやすい体質の少年。いつも霊絡みでひどい目に遭っており、さらに御堂維太郎からもたびたび霊的な嫌がらせを受けているが、くじけずに強く生きている。ある日、出会った少女と恋に落ちカップルとなるが、彼女は二重人格であるうえに、その正体は維太郎の妹の御堂維積であった。

登場人物・キャラクター

新名 皐月 (にいな さつき)

彼岸花高校2年4組の男子。霊感はまったくなく、本人も心霊現象など存在しないと信じているが、霊に祟られやすく憑かれやすい体質。いつも霊のせいで散々な目に遭っている。非常に気丈な性格で、自分の不幸体質を恨んだりすることがなく、打たれ強く、また立ち直りも早い。自分に絡んでくる御堂維太郎を嫌っている。

御堂 維太郎 (みどう いたろう)

彼岸花高校2年4組の男子で、新名皐月のクラスメイト。天賦の才を持つ霊能力者で、「七つのひみつ」をはじめとする、さまざまな心霊関係の術や技を使える。根の暗そうな外見をしているが、どちらかといえば意地悪な快楽主義者。皐月をからかったり、おちょくったりすることを最大の喜びとしている。

御堂 維積 (みどう いづみ)

御堂維太郎の妹。恐山に山村留学していたが、彼岸花高校に転校して来た。二重人格者で、兄に似て意地の悪い性格の「維積B」と、お姫様に憧れる純朴な性格の「維積W」の2人がいる。御堂維積と出会った新名皐月は、紆余曲折の末に両方の人格を口説き落とし、恋人同士となる。

新名 葉月 (にいな はづき)

新名皐月の腹違いの妹で、5歳の幼稚園児。兄の皐月に懐いているが、それ以上に御堂維太郎に懐くようになり、皐月はその事実に対して非常に複雑な感情を抱いている。幼児ながら優しい性格の持ち主で、維太郎は新名葉月の存在により、精神的な救済を得ている。

桐島 拓哉 (きりしま たくや)

彼岸花高校2年4組の男子で、新名皐月のクラスメイト。皐月と同じく、まったく霊感がない。事故で失った恋人の橘麻里の霊が、今は背後霊になって自分を見守っている、という事実を教えてもらったため、御堂維太郎に友情と親しみを感じている。

橘 麻里 (たちばな まり)

桐島拓哉のかつての恋人。亡くなってから、拓哉の背後霊になっている。桐島をただ1人、「拓ちゃん」と呼んでいる。桐島に新しいガールフレンドができそうになった際、これ以上一緒にいると辛くなる、と助言した御堂維太郎の協力を得て、桐島のもとを去っていく。

中嶋 (なかじま)

彼岸花高校2年4組の男子で、新名皐月のクラスメイト。幽霊を怖がっているため、御堂維太郎と同じクラスになったことを辛く思っている。違う学校のガールフレンドがいて、それなりにうまくいっている。いつも皐月がひどい目に遭っているところを、松原とともに遠巻きに眺め、何か評論するという役回りを担う。

松原 (まつばら)

彼岸花高校2年4組の男子で、新名皐月のクラスメイト。クラスメイトから「委員長」と呼ばれている。眼鏡をかけたオタク少年だが、眼鏡を外すとそれなりの二枚目で、クラスの女子に人気がある。いつも皐月がひどい目に遭っているところを、中嶋と共に遠巻きに眺め、何か評論しているという役回りを担う。

山本 幸子 (やまもと さちこ)

彼岸花高校の屋上に現れる地縛霊。御堂維太郎の力を借り、新名皐月に取り憑いて身の上を明かした。もともとは彼岸花高校に通っていた女生徒で、屋上から投身自殺をして自殺霊となった。転落した先に、たまたま誰かの三色オニギリがあったため、屋上から落としたオニギリを追いかけて、転落死した悲劇の人物だと思われている。その誤解を解きたがっている。

耳の大きい一年生 (みみのおおきいいちねんせい)

彼岸花高校1年生の女子。亡霊が新名皐月に取り憑き、自動書記で書かせたラブレターを受け取った。皐月のことが好きだったために、待ち合わせ場所に出かけて行くが、自動書記のことを記憶していなかった皐月はそこにはおらず、耳の大きい一年生は、怒って皐月たちの2年4組にやって来る。

小黒 美沙 (おぐろ みさ)

彼岸花高校2年7組の女子。御堂維太郎に想いを寄せており、御堂にしょっちゅうかまわれている新名皐月に、理不尽な敵意を抱いている。当初は皐月に好意があるようなそぶりで接近したが、それは自作の呪いの藁人形に入れるため、皐の髪の毛が必要だったため。のちに維太郎に告白するが、あっけなく玉砕する。

御堂 破太郎 (みどう はたろう)

御堂維太郎の祖先の霊。顔は維太郎によく似ていて、自身の夢の中に現れた御堂破太郎を見た新名皐月が、2人を間違えたほどであった。もともと御堂一族の中で最も高い力を持つ霊能力者であった。維太郎は破太郎をも圧倒する霊能力を持っているため嫉妬しており、一度ぎゃふんと言わせたいと思っている。

鈴木 美恵那 (すずき みえな)

もと彼岸花高校1年6組の女子。交通事故死し、亡霊となった。新名皐月に想いを寄せており、生前にバレンタインデーのチョコレートを郵便で送った。ところが、郵便事故によりチョコレートが皐月のもとに届かず、返事がないことを気に病んでいる。御堂維太郎によって強制的に幽体離脱させられた皐月の霊体と対面し、想いを伝えて成仏する。

香川 (かがわ)

新名皐月が彼岸花高校に転校して来る前のクラスメイト。皐月の親友だったが交通事故死し、亡霊となった。自分の死に際に対して悔いがあり、また皐月に対して思うところもあって、彼岸花高校にやって来て一騒動を巻き起こす。

集団・組織

大霊団 (だいれいだん)

幽霊に取り憑かれやすい体質の新名皐月に、日常的に取り憑いている無数の悪霊。非常に禍々しい存在であり、年季の浅い幽霊などは、この大霊団に取り憑かれている皐月の姿を見ただけで畏れを抱くほど。霊能力者でなくても、ある程度以上の霊感のある人間や、あるいは幽霊であれば、その姿を見ることができる。御堂維太郎の力を使えば、一時的に除霊することができるが、維太郎にも、皐月の霊障体質そのものを変えることはできないため、大霊団はすぐもとに戻ってしまう。

その他キーワード

七つのひみつ (ななつのひみつ)

御堂維太郎が持つ能力。他人の来し方行く末を霊視したり、自動書記の能力を披露したりした時に、維太郎が自分には全部で七つのひみつがあると語った。ちなみに残りの5つは、「制服の胸のところに数珠を携帯している」「被服検定4級」「きき線香正解率100%」「エクトプラズム遠隔操作」「音痴」である。

自動書記 (じどうしょき)

霊が生きた人間の身体に宿り、何らかの文章を書くこと。御堂維太郎は自分の好きな時に、漢字検定1級合格者の霊を降霊して、自動書記を行わせることができる。新名皐月は一時、死霊に取り憑かれ、自動書記体質となってしまったことがある。

霊的いやがらせ (れいてきいやがらせ)

御堂維太郎が主に新名皐月に対して行う、心霊現象などにまつわる精神的なからかいやおちょくりのこと。その内容は多岐にわたる。御堂維積の人格の1つである維積Bもこれを得意とするが、もう1つの維積Wは決してやらない。

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