きぐるみ防衛隊

きぐるみ防衛隊

突然あらわれた着ぐるみとパートナーを組んで、世界を守るために戦う少年少女を描いたバトルアクション。着ぐるみが人間男性になることで、中学生の少女たちとの恋愛が並行して描かれている。1巻の最後には、初めて着ぐるみが正体をあかした時の様子が、描きおろしマンガとして収録されている。

正式名称
きぐるみ防衛隊
ふりがな
きぐるみがーでぃあんず
作者
ジャンル
頭脳スポーツ
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概要・あらすじ

中学生の笹倉はっかの家に、ある日突然珍妙な着ぐるみのジンジャーが現れた。怪しがっていたところ、宮森のばらのもとにはバジリコ那須五月のもとにはフェンネルという似たような着ぐるみが現れたことがわかった。生徒会長の鏡チガヤの話によると、「他の世界の悪い敵」から守るために、自分たちが「ガーディアン」として選ばれたらしい。

着ぐるみたちはキスにより変身を解かれ、本来の人間の男性の姿に戻る。はっかは毎回キスをすることにドキドキしながらも、敵にハートを奪われていく人を助けたいと願い、ガーディアンズとして戦うことを決意する。次第にジンジャーとはっかは惹かれあうようになるが、ジンジャーは、はっかに秘密があることを知っており、悩みを募らせるのだった。

登場人物・キャラクター

笹倉 はっか (ささくら はっか)

明るく元気で、ポジティブな性格の中学2年生の少女。4月12日生まれ、身長150センチ、体重42キロ。運動が得意で、本人は歌が上手いと思い込んでいたが、後にオンチだったことが判明する。大きなリボンがトレードマーク。誰とでも仲良くなろうとする積極的な性格で、最初はツンケンしていた宮森のばらともすぐに親友になった。またパペットとして狙われていたアイドルのらなんともすぐ親しくなり、ジンジャーのケイタイで連絡を取り合う仲になる。 家にジンジャーの着ぐるみが突然現れた後、気遣いのできる彼女は、すぐに彼のやさしさに気づいて親しくなった。しかし、ジンジャーが本当は人間の男性であることを知る。ジンジャーがやたらと子供扱いしてちょっかいを出してくるため、けんか友達のような関係になる。 生徒会長の鏡チガヤに惚れ込んでおり、彼が言い出したガーディアンズの結成についてもすぐに理解した。使命感は強く、自分自身が「戦うことはできない」と知りながらも、身体を鍛えようと頑張っている。ある秘密があり、その内容はジンジャーらしか知らない。正体の分からない敵と戦い続けているうちに、パートナーであるジンジャーへの思いが恋心に近いものへと変わっていく。

ジンジャー

ペンギンと牛をあわせたような不思議な形状の着ぐるみ。24歳、2月24日生まれ、身長176センチ、60キロ。世界を守るガーディアンとして、笹倉はっかと共に戦うことになった黒髪の男性。はっかとキスすることによって、着ぐるみ状態と人間状態を切り替えることができる。クールな上に少しいじわるな性格で、子供っぽいはっかをからかって遊んで楽しんでおり、けんかを繰り返している。 また自分勝手で横暴な物言いが多く、周囲を困らせることもある。しかし頑張り屋のはっかの姿にどんどん惹かれていき、彼自身困惑しはじめている。着ぐるみの時はしゃべることができないので、フリップに文字を書いて意思表示をする。また着ぐるみの時はやたらハイテンションで、コスプレをして楽しんでいる。 はっかが持つ秘密を知る人物。

宮森 のばら (みやもり のばら)

気が強い中学2年生の少女、1組所属。11月30日生まれ、身長156センチ、体重47キロ。父親と2人暮し。学校では「学年№1美少女」と呼ばれており、本人も強く意識している。バジリコが彼女の前に出現してから、ガーディアンズの一人になる。合唱部所属。周囲からはお嬢様だと思われて、ちやほやされているが、実際は「青果宮森」で働く下町の看板娘で、学校ではそれを隠していた。 馴れ馴れしいバジリコに対しては、人間化するときにどうしてもキスが必要なため応じているが、その度に照れてしまい、彼をビンタで殴っている。高飛車に見えて友達思いの優しい性格ゆえに、ガーディアンズとしての戦いに苦しみを覚える一面もある。彼女のことを深く愛していてアプローチをかけてくるバジリコには、距離を保つ態度をとりつつもまんざらではなく、困惑している。

バジリコ

くまのような着ぐるみ。23歳。7月9日生まれ、身長173センチ、体重55キロ。実際は世界を守るガーディアンとして、宮森のばらと共に戦うことになった茶髪の男性。のばらとキスをすることで、着ぐるみ状態と人間状態を切り替えることが可能。ノリのよいお調子者な熱血漢。のばらのことを心の底から好いており、彼女に対して積極的に愛を訴えるが、ほとんどスルーされていた。 変身のキスをするたびに、のばらに照れ隠しのビンタをされている。はたから見ると仲が悪そうだが、実際は、のばらが私服を買ってあげたり、家では普通に話をしたり、バジリコがのばらのことを抱きしめたりと、パートナーでありつつ恋人未満といった関係。苦しい局面に立たされがちなのばらを守るために奮闘し続けている。

那須 五月 (なす さつき)

落ち着きがあり寡黙な中学1年生の少年。5月1日生まれ。身長167センチ、体重51キロ。大きな屋敷に住んでいるが、両親はほとんど帰ってこない。笹倉はっかと宮森のばらがガーディアンズの着ぐるみたちにキスをするとき慌てているのに対し、パートナーであるフェンネルには冷静にキスをして、共に淡々と戦っている。 両親が自分のもとからどんどん離れていくのに強い寂しさを感じており、皆が離れていく不安をごまかすために、自分の気持ちを押し殺し続けている。家事代行の香理には、親切にしてもらっているので、感謝をしている。

フェンネル

鷲のような着ぐるみ。27歳。11月5日生まれ、身長182センチ、体重70キロ。実際は世界を守るガーディアンとして、那須五月と共に戦うことになった男性。知的で落ち着きがあり、大人びている。仲間であるジンジャーやバジリコからも、完璧すぎて人間味がないと思われていた。五月のキスによって、人間と着ぐるみの姿を切り替えることができる。 お互い冷静沈着なため、笹倉はっかや宮森のばらがキスをためらっている時も、すぐにキスをして準備体制に入っている。孤独な境遇にある五月のことを深く心配しつつも、ガーディアンズや「敵」についての真実を伝えることができず、モヤモヤを抱えている。

鏡 チガヤ (かがみ ちがや)

生徒会長の男子。後ろ髪が長い。いつも王子様のような格好をしている美形で、一部の女子に絶大な人気がある。笹倉はっかと宮森のばらは彼の大ファンで、特にはっかは彼の言うことなら何でも聞くほど熱をあげている。一方で冷静な生徒からは、その格好と言動ゆえに訝(いぶか)しげな目で見られている。特に合唱部の部長白藤花梨からは「コスプレ野郎」と呼ばれて敵視されている。 「ほかの世界の悪い人たち」から世界を守るガーディアンズを結成し、はっか、のばら、那須五月を集めて、共に戦うよう勧誘する。常に副会長の喜納柾をそばにおいている。

喜納 柾 (きのう まさき)

副会長。生徒会長鏡チガヤの側近的立場の男子。チガヤがガーディアンズを作った理由や、何を敵として戦っているのかを知る人物。寡黙で表情がほとんど変わらない。

八木 里美 (やぎ さとみ)

笹倉はっかに話しかけてきた少女。元々はのんびりした性格だったが、突然美人になって周囲を驚かせた。地味な自分に自信がなく悩んでいた思いをラベンダーにつけこまれて、ハートを奪い取られてしまいシェルとなった。

白藤 花梨 (しらふじ かりん)

合唱部の部長。ショートカットですらりと背の高い女子。天然のジゴロで、女の子たちにさらりと優しい声をかける。特に部員の宮森のばらを気に入っており、「愛しの宮森」と呼んでいる。生徒会長の鏡チガヤを「コスプレ野郎」と呼んで嫌っている。一方チガヤからは「男なんだか女なんだかわからない」「昔はかわいい女の子だった」と言われている。

らなん

人気アイドル。テレビやグラビアに頻繁に登場しており、知名度は非常に高い。歌もダンスもとても上手いと多くの人に言われている。フワフワとした髪型が特徴。彼女の周囲にいるファンやマネージャーの間でトラブルが絶えず、ガーディアンズである笹倉はっからは、彼女を巡って「敵」が策略を立てて、ハートを狙っているのではないかと疑う。 純真な心の持ち主で、後にはっかと親友になる。

香理 (かおり)

那須五月の家に通う家事代行の女性。両親が不在の五月に対してとても優しい態度を取っている。常に五月の容姿を気にしており、どうやったら五月のようになれるかマイペースに考え続けていた。フェンネルのことが好きで、彼を一途に思う心を敵に狙われてしまう。

笹倉はっかの母 (ささくらはっかのはは)

笹倉はっかの母親。明るく楽観的な性格。人間サイズの着ぐるみであるジンジャーが家にやってきたとき、学校のカリキュラムの導入実験だと聞いて信じ、家に住まわせることにした。ジンジャーのことを「ジンちゃん」と呼ぶ。ジンジャーの人間時の姿を見た時も動揺せず、はっかとの関係を見守ろうとした。

笹倉はっかの父 (ささくらはっかのちち)

笹倉はっかの父親。快活で元気のいい性格。ジンジャーが家にやってきたとき、どんな存在なのかと強く興味をいだいていた。ジンジャーの正体を知らないまま、彼が人間の姿に戻ったときにはっかの恋人だと勘違いし、大慌てした。

笹倉はっかの兄 (ささくらはっかのあに)

笹倉はっかの兄。ゲームが好きな少年。高校2年生。ジンジャーには家でテレビゲームの相手をしてもらっている。妹のはっかがジンジャーを人間に戻しているのをたまたま目撃してしまい、家族会議を開いた。妹のことをとても心配している。

ラベンダー

髪の毛を大きなツインテールにした、高圧的な少女。八木里美をパペットにするため、彼女のハートを奪い取った。一度は笹倉はっかやジンジャーらに追い返されるが、再び彼らの前に現れて、合唱コンクールでハートを大量に奪うことを宣言。宮森のばらの友人3人をパペット化する。

ハリッサ

アイドルらなんを雇っている社長。らなんに対しては厳しい態度をとり、時折殴りつけている。正体は「敵」の幹部で、らなんを利用してファンになった人間だちのハートを奪い、最後にらなんのハートをも奪ってパペットにしようと企んでいた。後に那須五月の家に来ていた香理を手に入れようとし、五月と対峙する。

コンフリー

ラベンダーの補佐として現れた「敵」の男性。ジンジャーらのことを以前から知っている。合唱部部長の白藤花梨を人質にとり、笹倉はっかを足止めした。女性にしか興味がなく、男子である那須五月には冷たい態度を取る。

ジオウ

ハリッサの手伝いとして現れた「敵」の男性。フェンネルに惚れ込んだ香理に対して、追い打ちをかけるようにそそのかしたことで、彼女は心が揺さぶられてハリッサにハートを奪われ、パペット化してしまう。

その他キーワード

シェル

「ほかの世界の悪い人たち」によってハートを狙われている人間のこと。シェルになった後にハートを奪われるとパペットになってしまう。着ぐるみはパペットと戦うことができるが、シェルに手出しはできない。また人間はシェルの心を取り戻すことができるが、パペットには対抗できない。通常の人間と見分ける方法として「容姿の変化」「黒目の変形」「ガーディアンズへの態度の変化」があげられている。

パペット

完全にハートを奪われてしまった人間の姿。一度パペット化すると、元の人間には戻すことが出来ないと言われている。「ほかの世界の悪い人たち」は、心に揺らぎがあり、特に思いが純粋な人間を狙ってシェルにし、そこからハートを奪い取ることでパペットを大量に作ろうと目論んで行動している。

ガーディアンズ

「ほかの世界の悪い人たち」と呼ばれる「敵」に対抗するために、生徒会長の鏡チガヤが結成した守護戦闘集団。笹倉はっかにはジンジャー、宮森のばらにはバジリコ、那須五月にはフェンネルがパートナーとして与えられている。ガーディアンとなったパートナー側はハートを奪われたパペットと戦うことができ、人間は心を奪われたシェルにハートを戻すことができる。 そのため必ず組になって戦う必要がある。「敵」としてあらわれる集団の正体は、物語最初の時点では明らかにされていない。

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