くにたち物語

くにたち物語

下町情緒あふれる町屋と国立を舞台に、少女が小学生から中学生へと成長する多感な思春期を、家族の関わりとともに描いたホームドラマ。「Fortnightly mimi」「Monthly mimi」に、1987年から1992年にかけて不定期に掲載された。

正式名称
くにたち物語
ふりがな
くにたちものがたり
作者
ジャンル
家族
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概要・あらすじ

東京の町屋に住む小学3年生の松下友子(モコ)は隣に引っ越してきた小学5年生の保科譲(ポチ)と仲良くなり、まるで金魚のフンのようにいつもポチの後にくっついて歩いていた。大好きなポチのまねをしたいモコは、ポチが食べるおやつと同じものを用意してみたり、ポチと同じ鍵っ子になりたがったり、ポチが新しい自転車を買えば自分も欲しがったりと大騒ぎ。

家族や親せき、友達をも巻き込んで、おてんばなモコがドタバタの毎日を過ごしていた。そんなある日、松下家は町屋を離れ、国立へと引っ越すことになる。それはモコにとって受け入れがたい、ポチとの別れを意味していた。

登場人物・キャラクター

松下 友子 (まつした ともこ)

女の子の友達とおままごとやお人形で遊ぶよりも、男の子と外を飛び回るほうが好きな天真爛漫な女の子。数々の武勇伝を持っているが、意外と怖がりであがり症なところがある。ここ一番という時にはすぐにおじけづく小心者。

松下 邦子 (まつした くにこ)

松下友子(モコ)の妹。小さい頃からモコの一枚上手を行くずるがしこさがあり、したたか者である母の松下明子をも手こずらせる根性の持ち主。気の多いところがあり、バレンタインデーには毎年本命の男の子が変わる。

松下 明子 (まつした あきこ)

松下友子(モコ)の母親。父親によく似た江戸っ子気質で、曲ったことは大嫌い。真っ直ぐな愛情を持って、何よりも大切な家族のために日々奮闘する肝っ玉母さんで、家族は誰も彼女に頭が上がらない。しかし本質はモコによく似ていて、数々の武勇伝を持っている。

松下 豊国 (まつした とよくに)

松下友子の父親。松下家の大黒柱だが、いつも松下明子の尻にしかれている。もともとはお酒が飲めない下戸だったが、明子と結婚するために父親にあいさつに行った際、花札の勝負に勝つまで結婚を認めないと言われたために、負けては酒を飲まされる生活を半年間続けた結果、お酒に強くなった。

岡田 たけし (おかだ たけし)

いつも松下友子(モコ)のあとを追いかけて遊んでいるクラスメイトの少年。保科譲(ポチ)が来てからというもの、モコがポチとばかり遊ぶようになったことに腹を立て、嫉妬心から一時期は絶交状態となった。だが、彼が猫を拾ったことをきっかけに、モコとの関係は無事元通りとなる。

保科 譲 (ほしな ゆずる)

松下家の隣に引っ越してきた保科家の長男。面倒見がよく母親想いの少年だが、実は喧嘩っ早くカッとなると止められないタイプ。このせいで、母親に心配をかけたことは何度となくある。引っ越してきた当日に松下友子に名前を聞かれた際、飼っている犬の名前と勘違いして返答したことから、「ポチ」と呼ばれるようになった。

保科 美香子 (ほしな みかこ)

松下家の隣に引っ越してきた保科家の長女で保科譲の姉。気が強く、松下友子や譲には意地悪することも多いが、入院中の母に代わって家庭を守る女性として、子供ながらに家事炊事をこなす、何かと頼りになる存在。

保科 (ほしな)

保科譲と保科美香子の父親。松下豊国とは大学時代からの知り合いで、サークルの先輩後輩の間柄。大学時代に学生結婚した妻の保科京子が入院中のため、仕事に家事にと忙しい毎日を過ごしている。料理の腕には定評があり、その腕を活かしてのちに喫茶店を開くことになる。

保科 京子 (ほしな きょうこ)

保科譲と保科美香子の母親。心臓が悪いため、出産を境に入退院を繰り返す生活を送っている。無事に退院して自宅に戻った後は、心配性の家族の管理のもと、自由にならないことにジレンマを感じながらも幸せな時を過ごす。

国立のじいとばあ (くにたちのじいとばあ)

松下友子にとっては母方の祖父母にあたる、松下明子の両親。じいは大酒飲みで、花札が好きな生粋の江戸っ子。頑固なじいを優しいばあがたしなめ、フォローするおしどり夫婦。ばあと松下家はのちに国立の家で生活を共にすることになる。

本田 広和 (ほんだ ひろかず)

いわゆるガキ大将で、いじめっこの少年。暴君であることは周知の事実だが、家庭ではいい子を演じていたため、過保護な母親はその事実を知らないでいる。ある事柄がきっかけで心を入れ替え、それまでの行いを謝罪した。

山口 直也、山口 奈津美 (やまぐち なおや、やまぐち なつみ)

松下友子のおじにあたる松下明子の弟とその嫁。山口真奈美、山口多真美の両親でもある。山口直也は山口家の長男でありながら、父に相談なく嫁の親からの援助を受けてマンションを購入したことから、父の怒りを買う。その両親の面倒を見て欲しいと明子に頼みに来たことで、さらに明子の怒りも買うことになる。

山口 真奈美、山口 多真美 (やまぐち まなみ、やまぐち たまみ)

山口直也、山口奈津美の娘で、松下友子(モコ)のいとこにあたる双子の少女。モコに対しては年上を年上とも思わぬ言動で意地悪を繰り返すが、両親をはじめとする大人の前では良くできたいい子を演じているため、誰も真実の姿を知らない。

小曾根 (こそね)

松下明子の同級生であった小曾根春美の母親で、国立の家で3匹の猫と共に暮らしている。猫の名前は夫と娘と孫からとった「ガク」「ハルミ」「アユミ」。いつもハツラツとして元気な印象だが、実は寂しがりやの意地っ張りである。

山口 明里 (やまぐち あかり)

松下明子の一番下の妹。美術学校への進学、広告会社への就職、実家を出ることなどなど、自分のやりたいことはすべて親の反対を押し切っての強行だったため、「山口家のフーテン娘」と評されている。

木村 亜弓 (きむら あゆみ)

松下友子が国立に引っ越して一番最初にできた友達。よく大好きな猫の真似をして遊んでいたことから、「にゃんにゃん」というあだ名が付いた。右目の下のほくろが印象的な女の子。轟隆臣に密かな想いを寄せている。

轟 隆臣 (とどろき たかおみ)

松下友子の国立でのクラスメイトの少年。ハーフのジャズシンガーである母親と、日本人の父親の間に生まれたクウォーター。小学生の時に両親が離婚し、父と2人だけの生活を送っている。音楽とバスケットボールを愛し、中学ではバスケットボール部に所属。実力ナンバーワンのプレイヤーとなる。

豪徳寺 久美子 (ごうとくじ くみこ)

松下友子(モコ)と同じ中学に通うクラスメイトの少女。入学初日から何かとトラブルに見舞われ続け、その原因がモコにあると思い込んで彼女を嫌う。だが、モコから久美子に歩み寄ったことでわだかまりを解消し、以後は親友となる。物事を何でもはっきりと言う性格のため誤解されやすいが、不器用なだけで実際は友達思い。幼少の頃より、外見から勝手なイメージを持たれることが多く、苦労が絶えない。

ママ

豪徳寺久美子の母親。私立中学の受験を準備したり、久美子がやりたいと言った習い事はすべてさせたりと教育熱心な女性。しかし、成績が振るわないうえ、いつも母親に対して反抗的な態度を見せる久美子に、家庭教師を付けることを決める。一見、ただの教育ママのようではあるが、実際はきちんと筋の通った理念を持って子育てしているお母さんである。

市村 久美以 (いちむら くみい)

松下友子(モコ)と同じ国立の小学校に通っていたが、中学生になって初めて仲良くなったクラスメイトの少女。名前を呼ぶときに豪徳寺久美子と区別するため、モコが「イチクミ」とあだ名を付けた。中学校ではいつもモコが一緒に過ごした仲良しグループのうちの1人。

根本 直也 (ねもと なおや)

松下友子(モコ)と同じ国立の小学校に通っていたクラスメイトの少年。眉間にあるほくろがトレードマーク。轟隆臣とはいつも一緒に行動している幼なじみ。小学生の時、おばあちゃんの秘蔵の梅酒を持ち出し、子供同士の花見の席でモコに飲ませ、ともに酔っ払って泥酔騒ぎを起こした。中学校ではサッカー部に所属している。

吉本 (よしもと)

松下友子(モコ)と同じ中学校のクラスメイトで、いつも轟隆臣や根本直也と行動をともにしている少年。いたずら好きな性格で、友達と複数でライブを見に行った際、モコのコーラに黙ってウィスキーを入れ、酔わせた。バスケットボール部に所属している。

森岡 真理 (もりおか まり)

中学校で松下友子(モコ)と同じクラスになったクラスメイトの少女。怪談話が大好きで、ネタを仕入れてきては怖がるモコを困らせて面白がっている。中学校ではモコと何かと行動をともにする仲良しグループの1人。

おばあちゃん

ある日突然、松下友子(モコ)の家の玄関先に現れたおばあさん。日本人形の「お千代」をモコに託し、自分以外の人間にこの人形を渡してはいけないと伝えた後、すぐに取りに戻ることを言い残して姿を消してしまう。その正体は、かなり痴ほうの症状が進んでしまった服部千代子のおばあさん。

服部 千代子 (はっとり ちよこ)

松下友子(モコ)の中学のクラスメイトの少女。家庭の事情により、入学式から2か月遅れて登校を始めた。日本人形のような風貌が若干不気味ではあるが、目を見張る美少女である。モコに対して、自分がキツネだと言ってみたり何かと謎の多い人物。

横尾 るり子 (よこお るりこ)

松下友子と同じ中学に通う同級生の少女。複雑な家庭環境で育ち、幼少期は大阪の親戚の家を転々としていた。そのため、バリバリの関西弁で話す。高校生の彼氏がいるせいかまわりよりも少し大人っぽく、他人を寄せつけないように見られがちだが、実は普通の中学生でむしろ情に厚いところがある。

石井 小百合 (いしい さゆり)

轟隆臣(トッド)の初恋の人であり、トッドの父親の再婚予定の女性の娘。トッドとは同じふたば幼稚園出身で、よくいじめられていたようだが、本人は特に気に留めていない。中学ではバスケットボール部に所属しており、よく笑い、よくしゃべる愛嬌のある少女。

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