この社会主義グルメがすごい!!

この社会主義グルメがすごい!!

大学生の青年である村上真一の部屋には、社会主義国家の生まれ変わりや生き霊を名乗る少女たちが住み着いていた。社会主義の再興を志す彼女たちが、その手段としたものは「社会主義グルメ」だった。擬人化されたソビエト社会主義共和国連邦やドイツ民主共和国が、かつて自国で食べられていたグルメやお菓子を紹介するグルメ4コマ漫画。コミックスには、原作者の内田弘樹による社会主義国家に関するコラムや、作中に登場した料理のレシピも掲載されている。本作品は同人誌として頒布されていた『この社会主義グルメがすごい!』のリメイク作品で、商業化にあたり、漫画部分はすべて描き直されている。

正式名称
この社会主義グルメがすごい!!
ふりがな
このしゃかいしゅぎぐるめがすごい
原作者
内田 弘樹
作画
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
グルメ
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あらすじ

第1巻

大学生になったばかりの村上真一は親元を離れ、新居であるアパートへと向かっていた。しかし、真一がアパートの自室前にたどり着くと、そこには巨大な旗で扉を殴りつける少女がいた。部屋に招き入れて事情を聞くと、少女は自分のことをソビエト社会主義共和国連邦(通称、ソヴィエト連邦)の生まれ変わりである「トロイカ」と名乗る。1991年に崩壊した祖国の復活と社会主義の再興を目指すと語る彼女は、1週間前に生まれ変わってから道行く人々にその素晴らしさを説いてみたものの、誰にも相手にされず無視され続けたのだという。衣食住に困った彼女がすべての資産は共有されるという社会主義思想を曲解し、自分の物にしようとしていたのが真一の部屋だったのだ。過激な行動をルームシェアと語るトロイカの考えにあきれかえりながらも、見るに見かねた真一は食事が作れるのならという条件でトロイカが部屋に住むことを承諾する。その言葉に表情を輝かせたトロイカは、自信満々に料理を始める。だが、彼女が作り始めたのは「死んだおばあちゃん」という恐ろしい名前の付いた、社会主義グルメだった。

登場人物・キャラクター

村上 真一 (むらかみ しんいち)

大学生の青年。進学のために親元を離れたばかりで、引っ越し先のアパートへ向かったところ、自室の扉を殴打しているトロイカと出会った。ソビエト社会主義共和国連邦(通称、ソヴィエト連邦)の生まれ変わりを自称する彼女をいぶかしんでいたが、住む場所がないという彼女の勢いに説得され、料理を作ることを条件に部屋に住むことを認めた。その後もドイツ民主共和国(通称、東ドイツ)の生まれ変わりを自称するオッシーや、ベトナム社会主義共和国(通称、ベトナム)の生き霊を自称するアオザイなど、社会主義国家が擬人化した少女たちに押しかけられている。社会主義国家に対しては高校生レベルの知識しか持たず、村上真一自身が生まれる10年前である1991年に崩壊したソビエト社会主義共和国連邦のこともほとんど知らない。しかし、トロイカたちが差し出してくる料理や、彼女たちが語る社会主義国家の話に対してスマホで調べた情報から、日々、的確な突っ込みを入れ続けている。なお、彼女たちが提供する料理の食費は基本的に真一が出していたが、トロイカがロシアのお菓子を紹介しようとした際には、その高価さから彼女にアルバイトをさせ、自費で支払わせていた。

トロイカ

村上真一のアパートの一室に押しかけた少女。プラチナブロンドの長い髪に碧眼という外見で、自分のことを、かつて存在した社会主義国家であるソビエト社会主義共和国連邦(通称、ソヴィエト連邦)の生まれ変わりだと自称している。ソビエト社会主義共和国連邦の復活と社会主義の再興を目的としており、生まれ変わってから1週間のあいだ、道行く人にその素晴らしさを説いていたが誰にも見聞きされなかった。衣食住に困り果て、社会主義の思想を曲解してアパートの一室を自分の物にしようとしていたところ、その部屋の借主である真一と出会い、料理することと引き換えに部屋に住み着くこととなった。その後、真一の提案により、ソビエト社会主義共和国連邦で提供されていたさまざまな料理を日本に広めることで、ソビエト社会主義共和国連邦の素晴らしさを伝えようと画策する。しかし、出される料理の数々が現代の日本人の感覚からすると、どことなくズレていたり、名前がおかしかったりと突っ込みどころにあふれているため、いつも真一に突っ込みを入れられている。あとから真一の部屋に押しかけてきたドイツ民主共和国(通称、東ドイツ)の生まれ変わりを自称する少女、オッシーとは国の関係上、生みの親とその子供のような間柄となる。

オッシー

トロイカに次いで、突如として村上真一のアパートの一室に押しかけた少女。自分のことを、かつて存在した社会主義国家であるドイツ民主共和国(通称、東ドイツ)の生まれ変わりだと自称している。ドイツ民主共和国の再興を目的としており、トロイカと同じく、社会主義国家で振る舞われていたグルメを広めることによって社会主義を日本に普及しようと企んでいる。トロイカと同様に住む場所がなく、料理を提供するからという理由で真一の部屋へと強引に住み着いた。つねにクールな表情を浮かべているが、本人はいたって強気な性格をしている。その性格の由来は前世であるドイツ民主共和国の外交姿勢にあり、となりのドイツ連邦共和国と張り合うためにいつも強気の外交を繰り返していたことにある。また、トロイカとのけんかの際には巨大なコンパスのような物を武器として持ち出しているが、これはドイツ民主共和国の国旗や国章に描かれていたディバイダと呼ばれる文具である。トロイカとは二人の前世であるソビエト社会主義共和国連邦とドイツ民主共和国が生みの親と子のような関係であるため、お互いに強く意識し合っている。しかし、傀儡としていた国とされていた国という関係でもあるため、仲は悪い。同様に、ベトナム社会主義共和国(通称、ベトナム)の生き霊を自称するアオザイとは、前世の国の関係が同盟国であったことからお互いの国のことをよく知る仲だが、片や滅びた国、片や現在も存続する国ということからお互いに複雑な感情を抱いている。

アオザイ

村上真一の部屋に突然現れた少女。自分のことを、ベトナム社会主義共和国(通称、ベトナム)の生霊であると自称している。ソビエト社会主義共和国連邦(通称、ソヴィエト連邦)の生まれ変わりであるトロイカや、ドイツ民主共和国(通称、東ドイツ)の生まれ変わりであるオッシーと同様に社会主義国の擬人化された存在である。しかし、ベトナム社会主義共和国は現在も存在する国であるため、二人と異なって余裕にあふれた性格をしている。また、社会主義の文化やグルメを他人に押しつける必要性を感じておらず、行動や言動の数々が、国が滅びてしまった二人の劣等感や罪悪感を刺激してしまっている。日頃から社会主義グルメを食べさせられていた真一が、米を食べたいと願った瞬間に現れ、料理を振る舞った。ふだんは社会主義グルメをあまり褒めない真一が手放しに料理を絶賛したため、その反応を見た二人は、部屋を追い出されるのではないかという恐怖心から、アオザイのことをいずれ自分たちの前に敵として立ちふさがる存在と称している。

ミールケ

ドイツ民主共和国(通称、東ドイツ)に存在した秘密警察「シュタージ」の長官を務めたエーリッヒ・ミールケを女体化した姿。ツインテールの髪型をした少女で、朝食の配置がズレていることすら許せないという、非常に神経質な性格をしている。

ホーネッカー

ドイツ民主共和国(通称、東ドイツ)にて独裁をしいた書記長のエーリッヒ・ホーネッカーを女体化した姿。眼鏡を掛け、腰の長さほどもある黒髪の少女で、無慈悲な独裁者であり、頑迷な性格をしている。特に食事に関しては偏りがひどく、果物や魚をいっさい受け付けない。

クレジット

原作

内田 弘樹

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