すくらんぶるエッグ

すくらんぶるエッグ

中学2年生の男子の上条あゆむは父親との喧嘩をきっかけに、中学生ながら一人暮らしをすることになった。周囲の人々に助けられながら人間的に成長していくあゆむの、中学2年生から高校2年生までの約3年間の姿を描いた青春コメディ。

正式名称
すくらんぶるエッグ
ふりがな
すくらんぶるえっぐ
作者
ジャンル
ラブコメ
 
青春
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あらすじ

第1巻

上条あゆむは、中学2年生の時に上条あゆむの父親と大喧嘩をし、自宅のとなりのアパートで一人暮らしをすることになった。あゆむは突然始まった自由な暮らしに大いに満足するが、初日から1か月分の生活費を使い込み、一日9円で生活しなくてはならなくなってしまう。そんな窮地に陥ったあゆむを助けてくれたのは、向かいの部屋に住む北川だった。その日は北川に食事をごちそうになるだけでなく、洋服まで借りたあゆむだったが、これを機に一人暮らししていることがクラスメートにばれてしまう。そして不良グループに目をつけられたあゆむは、アパートをたまり場にされそうになる。そんな中、不良グループの一人である伊藤なぎさと親しくなる。しかし、なぎさはほかの不良少女たちとは違って明るく親切で、なぜなぎさのような女性が不良グループに所属しているのだろうと、あゆむは疑問に思うのだった。こうしてあゆむはなぎさといっしょに過ごすようになるが、これに嫉妬した若尾文子が二人に加わり、アパートでいっしょに暮らすようになる。結局なぎさはすぐに両親に連れ戻されるが、その後もあゆむのアパートに入り浸り、とうとう学校では二人が同棲しているという噂が広まる。それはあゆむの思い人であるケーコの耳にも入り、ケーコに冷たくされてショックを受けたあゆむは、学校とアルバイトをサボってしまう。そんな落ち込むあゆむの前に現れたのは、担任の山田だった。

第2巻

伊藤なぎさは母親と話し合った結果、両親の離婚後は母親の住む田舎へは行かず、上条あゆむと同じアパートに住むモモエの家にお世話になることになった。そんな冬のある日、あゆむは3年生の女子の若杉美江から、演劇部に誘われる。演劇部では12月に定期公演があり、あゆむはその作品のヒーロー役にぴったりなのだという。あゆむは美江に強引に押し切られる形で承諾するが、美江はその日からあゆむの部屋を部の練習場所として使ったり、演技の練習と称して突然キスをしたりと、あゆむを翻弄する。しかし、キスをした翌日から美江は突然そっけない態度を取るようになり、ショックを受けたあゆむは、公演の本番でも失敗してしまう。その後も美江は冷たい態度で、見かねたモモエはあゆむに、美江は手頃な相手としてあゆむに近づいただけで、今はもう関心をなくしているため、彼女を追っても無駄だと諭す。このアドバイスによってあゆむは美江をあきらめ、クリスマスはなぎさやケーコたちと過ごすことを決める。こうして年末になり、突然なぎさの友人男性のミキがアパートにやって来る。

第3巻

上条あゆむは、ミキの就職先の件で3日も学校を休んだことが原因で、とうとう生活指導の金子に呼び出されてしまう。それでもなんとか一人暮らしを続けられることになったあゆむだったが、今度は変わり者で有名な安藤のぼるに気に入られ、たびたび部屋に遊びに来られるようになってしまう。困ったあゆむはのぼると距離を置こうとするが、ケーコから彼の複雑な家庭環境を聞き、苦悩する。結局のぼるを受け入れることにしたあゆむは、三学期期末テストの日を迎えるが、上条あゆむの父親からはもしテストで学年10位以内に入らなければ、一人暮らしを打ち切ると宣言されてしまう。さらに最近ケーコに恋人ができたことを知り、あゆむは深く落ち込むのだった。結果あゆむは、のぼるのおかげで思ったよりはよい成績をおさめるものの、学年10位には届かずに終わってしまう。これによってあゆむの一人暮らしは終了するかに思えたが、このまま実家には戻れないと考えたあゆむは、父親に頭を下げて直訴する。そして、次のテストでよい成績を取るという条件で、一人暮らしを続けることを許される。

第4巻

春になり、上条あゆむたちは中学3年生になった。しかし、安藤のぼるは相変わらずあゆむの部屋に入り浸っており、ケーコも同じクラスになるなど、あゆむの悩みは尽きない。特にあゆむは、新担任の若月が頼りないことに苛立っていた。若月はあゆむのアパートの新入居者でもあるものの、あゆむは事あるごとに若月と去年の担任の山田を比べてしまい、落胆していたのだった。そんなある日、あゆむとのぼるは若月に夕飯をごちそうになったことで、若月の心優しい人柄に触れたあゆむは、彼に対するこれまでの態度を反省する。しかしその直後、若月は恋人にふられたショックで、授業ができなくなってしまう。これによってますます自信を失った若月は、とうとう教師を辞めると言い出すようになるが、あゆむやモモエの励ましにより、なんとか元気を取り戻す。こうして若月の問題は解決するものの、一方のあゆむは未だにケーコへの思いを引きずっていた。そんな中、あゆむはケーコが恋人と別れたことを知るが、何も言えないままに修学旅行が始まり、さらにあゆむは伊藤なぎさとのあらぬ噂を立てられてしまう。

第5巻

上条あゆむは修学旅行を機に伊藤なぎさへの思いをあらためて自覚するが、なぎさはある日突然、母親のもとへと引っ越してしまう。そのまま夏休みになり、あゆむは受験勉強に励むが、以前と比べて自分が漫然とした日々を送っていることに気づき、不安な気持ちになる。そんなある日、生活費が少なくなってきたあゆむは、自分のお金を浪費している安藤のぼるに、実家へお金を取りに行ってもらうことにする。あゆむはのぼるの生活費も負担しているため、あゆむがアルバイトをしても、生活は全然楽にならないでいたのだ。しかしその日、のぼるは帰ってくることはなく、あゆむはいい加減なのぼるの態度に腹を立てる。だがその頃、のぼるは父親と喧嘩して家に閉じ込められていたのだった。翌日のぼるは、ケガをしながらもなんとかあゆむのもとへ戻り、事態を察したあゆむは怒ることなく、二人の生活を続けることにする。その直後、モモエの姪の和枝がアパートにやって来る。和枝は両親と喧嘩してモモエのもとへとやって来たが、モモエと二人で暮らすのは嫌だからと、あゆむとのぼるの部屋に住みたいと言い出す。あゆむは仕方なく和枝を受け入れるが、そこに嫉妬した若尾文子が現れ、四人で生活することになってしまう。

第6巻

上条あゆむは、すっかり和枝に懐かれ、いつしか彼女をかわいく思うようになっていた。しかし和枝は、あゆむ以外の人間にはとにかく攻撃的だったため、若尾文子安藤のぼるはアパートを出ていくことを考え始めていた。そんなある日、和枝の同級生である瀬古正がアパートにやって来る。正は和枝に思いを寄せているらしく、それを知ったあゆむは、和枝の関心を自分から正に向けさせることで距離を置く作戦を思いつく。しかし、この企みはすぐに和枝にばれてしまい、ショックを受けた和枝は川に飛び込んでしまう。すぐさま正と若月が助けたことで事なきを得たものの、和枝と正は体調を崩してしまう。さらにその後、あゆむとのぼるも体調を崩してしまい、満足に勉強することができないまま二学期の中間テストが訪れる。一人暮らしを続けるためにも、よい成績をおさめなくてはならないあゆむは、病気を押して徹夜で勉強するが、惨憺たる結果に終わってしまう。そして、このままではどこの高校にも進学できないと、深く落ち込むのだった。そんなあゆむが帰宅すると、和枝が実家に戻ったという知らせが届く。和枝はあゆむと過ごした日々の中で自分を見つめ直し、素直な気持ちとなって両親のもとへ戻っていったのである。しかし、和枝を立ち直らせた功労者であるあゆむは、すっかり意気消沈したまま冬休みを迎えていた。

第7巻

上条あゆむは、伊藤なぎさから東京の高校を受験予定だと聞かされてやる気を取り戻す。しかしこれは、なぎさがあゆむを受験勉強に集中させるためについたウソで、本当は地元の高校を受験する予定となっていた。こうしていよいよ高校受験が近づき、すべり止めの私立高校受験の日、あゆむは若尾文子が作ったお菓子を食べたことが原因で体調を崩し、会場に行けなくなってしまう。これによってあゆむは、本命の都立高校に合格しなければ、中学浪人が確定するピンチに陥る。そんなあゆむを案じたケーコは、精一杯あゆむを励まそうとするがうまくいかず、二人は喧嘩になってしまう。そしてとうとうやけになったあゆむは、入試10日前であるにもかかわらず、高校受験をあきらめ、ミキの働くロッジで働かせてもらおうと旅立つ。しかし、結局ミキには冷たくあしらわれ、帰る途中で出会った夫婦や千恵子に励まされたあゆむは、合格は難しいと思いながらも入試までできる限りのことをしようと決意する。そして、その日から心を入れ替えて猛勉強したあゆむは、無事に都立水橋高校に合格を果たす。

第8巻

高校生となった上条あゆむは、若尾文子と違う部活に入部しようとしたが、成り行きで廃部寸前の男子柔道部に文子といっしょに入部することになってしまう。さっそく部員たちはあゆむの部屋を部室にしようとするが、あゆむは安藤のぼるが突然どこかへ行ってしまい、帰ってこないことが気になっていた。そんなある日、あゆむたちは「死神」というあだ名の男子生徒につきまとわれるようになる。彼はケーコに思いを寄せており、ケーコと親しいあゆむが気に入らなかったのである。そんな中、区の高校柔道大会が始まり、あゆむは初心者、文子は女性であるにもかかわらず出場を余儀なくされる。結局、水橋高校男子柔道部は惨敗し、あゆむは自分が死神に襲われても先輩たちには守ってもらえそうにないと落ち込んでしまう。さらに試合中ケガをしたあゆむは、その日からギプスの不自由な生活が始まる。そんなある日、あゆむは突然死神に呼び出されるが、そこに文子が現れ、死神を倒してしまう。それに感謝したあゆむは、お礼に文子とキスをするが、その直後からあゆむは体調不良に悩まされることとなる。

第9巻

上条あゆむは、アパートの新入居者である水沢に家庭教師になってもらい、期末テストに向けて勉強に励んでいた。こうしてあゆむはこれまでにないほどの手ごたえを感じてテスト初日を終え、放課後、クラスメートの河田三郎を家に招く。三郎は勉強ばかりしているためにクラスでは浮いた存在で、あゆむのことも嫌っている様子だった。実際三郎はその日すぐに帰ってしまうが、あゆむは彼の行動を不思議に思っていた。こうしてテスト最終日、なぜか三郎は登校しなかったため、自殺でもしたのではないかという変な噂が広まる。テストも終わり、気分よくあゆむが帰宅すると、そこには三郎の姿があった。訳もわからず仕方なく三郎を受け入れるあゆむだったが、数日すると三郎は何も言わずに出ていき、ますます混乱してしまう。そして夏休みに入り、男子柔道部の合宿が始まると、三郎が心配になったあゆむは彼を合宿に誘うことにする。合宿初日、結局三郎は現れることはなかったが、翌日練習風景を覗いているところを、マネージャーの太田に発見される。そして同じくマネージャーであるケーコの機転で、三郎はその日の練習に参加することとなる。

第10巻

上条あゆむたちのアパートに、安藤のぼるが戻ってきた。のぼるはあゆむたちと同じ都立水橋高校に合格していたが、学費を自分で払うために一学期は休学して、大阪府でアルバイトをしていたのである。こうして二学期から水橋高校に通い始めたのぼるだったが、あゆむは太田がのぼるに思いを寄せていることを案じていた。河田三郎は太田に思いを寄せているが、太田はそれにまったく気づいていないのである。そんなある日、あゆむは若尾文子とのぼるから、ケーコが男性と親しくしているところを目撃したことを聞く。最近のあゆむとケーコは、すっかり仲のいいきょうだいのようになっていたのだが、その話を聞いたあゆむは動揺してしまう。さらにその直後、千恵子が突然あゆむたちのアパートにやって来る。千恵子は交通事故で両親を突然失い、千恵子のおじに引き取られたのだ。しかし千恵子のおじとはうまくいかず、おじの家を飛び出してきたのだという。千恵子はもうおじの家には戻らず、このアパートで一人暮らしをしたいと言い出すが、そこにおじが千恵子を連れ戻しにやって来る。できるだけ千恵子の意思を尊重したいあゆむたちは、おじと話し合って最終的に千恵子のおじは、あゆむたちのアパートが千恵子が住む場所にふさわしいかどうか、しばらく泊まって見極めることにする。

第11巻

千恵子のおじは、しばらく上条あゆむたちと暮らした結果、今後自分からの仕送りを受け取り、且つ高校を卒業するという条件で千恵子の一人暮らしを認めた。しかし千恵子は、おじの厳しい経済状況を理解しており、この条件は飲めないと考えていた。そこで千恵子はおじに手紙を書き、それを読んだおじは千恵子の思いを全面的に受け入れる形で決着するのだった。こうして千恵子の問題は無事解決し、千恵子は正式にアパートの住人となる。しかし、若尾文子は千恵子を優先するあゆむの態度と、千恵子の身勝手な行動にすっかり気分を害していた。そこで文子は、あゆむの部屋の中に自分の小屋を建てて居座り、そこになんと犬を飼い始めて高校にも来なくなってしまう。これを不憫に思った太田河田三郎はあゆむにあやまるように勧めるが、あゆむは文子のことよりも、就職したばかりの千恵子のことが気になっていた。しかしそんなあゆむの心配をよそに、千恵子は就職先ですぐに親しい男性もでき、あゆむはなんともやりきれない気持ちになるのだった。

第12巻

千恵子は会社で親しい男性ができ、ケーコも恋人とうまくいっている様子だった。この現実に落ち込んでいた上条あゆむは、若尾文子からあゆむはその時一番交際できそうな女性に恋した気分になっているだけで、成就しそうにないと判断したらまた違う女性に近づくことを繰り返しているだけだと指摘されてしまう。文子の言葉どおりだと反省したあゆむは、一人暮らしをやめることさえ考えるようになる。そんな中、安藤のぼるに誘われ、伊藤なぎさの家を訪れると、そこに文子から電話がかかってくる。そこでなぎさは、あゆむと相性がいいのは文子だと告げ、のぼるもその意見に同意。こうしてあゆむは、追いかけてきた文子といっしょに東京に帰ることにする。そしてあゆむが高校2年生の10月、千恵子は交際相手と結婚。あゆむはますます寂しさを覚えるが、そんなある日、太田が久しぶりに友人みんなで遊びに行こうと提案。そこで文子は絶対にハイキングに行きたいと主張し、ここで何が何でもあゆむとの仲を進展させようとはりきる。

登場人物・キャラクター

上条 あゆむ (かみじょう あゆむ)

東京都にある、区立第三中学校の2年4組に在籍する男子。のちに3年4組に進級し、都立水橋高校1年4組に進学する。黒のふんわりとしたショートヘアが特徴。若尾文子からは「ダーリン」がなまった「ダージン」と呼ばれている。明るい性格で、困っている人を放っておけないが、一方で流されやすく、その場の勢いで行動してしまうことがある。そのため中学2年生のある日、上条あゆむの父親と大喧嘩になった際、勢いで自宅のとなりにあるアパートで一人暮らしを開始する。しかし家事が苦手で浪費癖があるため、アパートの向かいの部屋に住む北川や、アルバイト先の娘であるケーコ、担任教師の山田などの周囲の人々にサポートを受けながら生活している。一人暮らしでは羽目を外しがちで、お酒や煙草、ギャンブルといった不良行為にも手を染めている。しかしお酒は弱く、煙草はむせて吸うことができず、ギャンブルは極端に弱いなど、どれもあまり向いていない。将来の夢はジェット機のパイロットになること。特技は変装で、お酒を飲んでいるときにこのんでいる。成績は芳しくなく、特に一人暮らしを始めてからは成績が急降下し、中学2年生の二学期末には学年最下位になったこともある。しかし、高校入学を機に家庭教師の水沢から勉強を教わり、学力も向上していく。

ケーコ

区立第三中学校2年1組に在籍する女子で、パン店「サブリナ」の店主の娘。のちに3年4組に進級し、都立水橋高校に進学する。高校1年生の夏、男子柔道部の合宿を手伝ったことで、マネージャーに就任する。前髪を真ん中で分け、肩まで伸ばしたピンク色のセミロングウエーブヘアが特徴。長身でスタイル抜群のため、実年齢より上に見られることが多い。若尾文子とはなんだかんだで仲がいいが、「冷血である」ことから「レーコ」と呼ばれている。明るく面倒見のいい性格で、中学2年生のある日、川村からのラブレターを届けてくれた上条あゆむと知り合う。その直後、あゆむが「サブリナ」でアルバイトを始めたことで親しくなり、あゆむと伊藤なぎさの関係を疑ったり、あゆむとデートをしても失敗したりと、トラブルを繰り返しながらも仲を深めていく。しかし、どちらもはっきり気持ちを伝えなかったこともあり、ケーコは4年間のあいだに二人の男性と交際し、あゆむとはきょうだいのような関係となる。

伊藤 なぎさ (いとう なぎさ)

区立第三中学校2年2組に在籍する女子で、のちに3年3組に進級する。しかし修学旅行後に引っ越し、関西で暮らすようになる。前髪を眉の上で短く切り、ふんわりとした赤のベリーショートヘアが特徴。長身でスタイル抜群で、露出度の高い服装を好んで身につけている。明るく爽やかな性格で、もともとはまじめな女子だったが、両親の不仲に悩むようになってからは家に帰らず、不良仲間とつるむようになった。中学2年生のある日、同級生の上条あゆむが一人暮らしを始めたことを知り、彼の家に入り浸るようになる。その後、両親の離婚に伴って一度は母親についていくが、二人で相談した結果、母親からも離れてモモエの部屋に居候することとなる。その後は中学3年生の修学旅行までモモエの部屋に住んでいたが、自分がそばにいてはあゆむに迷惑ばかりかけると判断し、母親のもとへ帰っていった。自由でありたいという気持ちが強く、周囲に何を言われても、基本的には聞く耳を持たない。あゆむとは一時期両思いであったにもかかわらず、彼に迷惑をかけると考えて交際には至らなかった。

若尾 文子 (わかお ふみこ)

区立第三中学校2年4組に在籍する女子。のちに3年4組に進級し、都立水橋高校1年4組に進学する。前髪を真ん中で分け、肩まで伸ばしたセミロングヘアを耳の下の位置で二つに結び、眼鏡を掛けている。大柄で太めの体型で、スリーサイズはバスト92センチ、ウエスト120センチ、ヒップ120センチ。実年齢より年上に見られることが多く「おばさん」と言われると激怒する。高校入学後は男子柔道部に入部し、大会に出場する時は男装して「文男」と名乗っていた。語尾に「~だ」をつける、なまりのある口調で話す。明るく押しの強い性格ながら、自分の気持ちを伝えるのが非常に苦手。よかれと思って行動したことで問題を起こしたり、事態をこじらせてしまったりと、トラブルメーカー的な存在。そのため、思いを寄せる上条あゆむにアプローチを繰り返しているが、ことごとく失敗して煙たがられている。中学2年生のある日、一人暮らしを始めたあゆむのもとに伊藤なぎさが居候していることを知り、二人きりにさせないために自分もあゆむの家に泊まり込むようになる。これをきっかけに、ますますあゆむに熱烈なアプローチを繰り返すことになる。家は非常に裕福で、将来の夢は出版社に入って女性向け雑誌の編集をすること。非常に寝相が悪い。

千恵子 (ちえこ)

上条あゆむたちとは別の地域に住む、中学2年生の女子。実家は自転車店を経営している。前髪を左寄りの位置で分け、胸の高さまで伸ばした癖のあるロングヘアを、二本の三つ編みにしてまとめている。あだ名は「千恵」。明るく親切な性格で、中学2年生の冬に東京都からバイクを売りに来たミキとあゆむがお金に困っていると知り、自宅に泊めることにした。これがきっかけに長期休暇はあゆむたちと遊んだり、受験勉強に疲れて突然遊びに来たあゆむを温かく迎え入れ、良好な友人関係を築いた。高校1年生の冬、両親が交通事故で亡くなったことで、千恵子のおじに引き取られることとなった。しかし、おじの家には経済的な余裕がなかったことから、一人暮らしをするためにあゆむのアパートを訪れる。以後はあゆむたちのサポートを受けながら、おじと話し合いを重ねて最終的に高校を中退し、一人暮らしを始めた。この頃、あゆむとの距離が急接近するが、就職後はすぐに別の男性と親しくなり、あゆむが高校2年生の時に結婚した。

安藤 のぼる (あんどう のぼる)

区立第三中学校2年1組に在籍する男子。のちに3年4組に進級し、都立水橋高校1年六組に進学する。前髪を眉の上で切り、癖のある短髪にしている。眉が太く、左右の眉毛がつながっている。社交的な性格で、女子から非常に人気がある。しかし、他人とどこか一線を引いているところがあり、親友はいない。また、家庭内でも父親の厳しすぎる教育方針に反発しているために浮いており、孤独な日々を送っている。そんなある日、上条あゆむが一人暮らしをしていることを知り、彼の部屋に入り浸るようになる。しかし、家事はまるでしないうえにお金にもだらしなく、あゆむに迷惑をかけることが多い。だが、いざという時にあゆむの強力な味方となり、さりげなく助けたり、いっしょに騒ぐことでストレス解消の手伝いをしたりしている。高校はあゆむたちと同じ水橋高校を受験するが、その後あゆむたちの前から姿を消した。これは、学費を捻出するために大阪府でアルバイトをしていたためで、お金がたまったことで二学期から高校に通うようになる。頭は切れるものの、わざと不まじめに振る舞っているために成績は悪い。

川村 (かわむら)

区立第三中学校2年4組に在籍する男子で、上条あゆむの友人。もじゃもじゃの髪をスポーツ刈りにしている。ケーコに思いを寄せており、ケーコと親しいあゆむにケーコあてのラブレターを渡してもらった。しかし川村はふられてしまい、ケーコや伊藤なぎさと親しいあゆむをうらやむようになる。そこで、あゆむがなぎさと同棲しているという噂を流して、あゆむを孤立させようとした。しかしすぐにこれを反省し、謝罪した。

石内 (いしうち)

区立第三中学校2年4組に在籍する男子で、上条あゆむの友人。前髪を額が見えるほど短く切った短髪にしている。内気な性格で、自分に自信が持てずにクラスでは孤立している。そのために自分を退屈な人間であるととらえており、クラスメートと積極的なコミュニケーションを取れずにいる。そんなある日、あゆむが一人暮らしをしていることを知り、家に遊びに行くことになる。この時はあゆむが体調を崩したために遊ぶことは叶わなかったが、以降はあゆむと親しくなる。

若杉 美江 (わかすぎ みえ)

区立第三中学校に在籍する3年生の女子で、演劇部の部長を務めている。前髪をカールさせ、胸の高さまであるロングヘアで、校内でも美形で知られる有名人。マイペースで押しが強く、やや身勝手な性格をしている。中学3年生の冬、コインランドリーで偶然出会った上条あゆむを気に入り、定期公演の演目である「白雪姫」の王子役として出演してほしいと考えるようになる。そこで半ば無理やりに出演を承諾させ、あゆむの自宅を稽古場にしたり、そのお礼と称して勝手に部屋を模様替えしたりして、ケーコと若尾文子の反感を買うようになる。その後、稽古中にあゆむとキスをするが、その日を境にあゆむに冷たくなって彼を混乱させる。

和枝 (かずえ)

中学2年生の女子で、モモエの姪。学年は上条あゆむの一つ下にあたる。実家は別の地域にあるが、中学2年生の一時期、区立第三中学校に通っていた。前髪を目の上で切りそろえ、肩につくほどまで伸ばしたセミロングヘアにしている。意地っ張りな性格で思い込みが激しく、また感情の起伏も激しい。中学2年生の夏、両親と喧嘩をして衝動的に家を飛び出し、モモエのアパートを尋ねるが、モモエと特に親しいわけでもなかったため、親切にしてくれそうなあゆむに目をつけ、居候させてくれなければ自殺すると言って、彼の部屋に居座った。当初はいっさい口をきかずに怒った状態で部屋にいたが、ある日食べ物を粗末にしたことをあゆむに叱られ、その毅然とした態度に恋をする。これ以降、まるで恋人のようにあゆむにベタベタで、そのまま区立第三中学校に通い始める。通学後も学年が違うにもかかわらずあゆむの教室に居座ったり、気に入らないことがあれば暴れ出したりと、あゆむを困らせている。

瀬古 正 (せこ ただし)

区立第三中学校に通う2年生の男子。学年は上条あゆむの一つ下にあたる。前髪を目の上で切った癖のある短髪で、両目の下にそばかすがある。中学2年生の秋、転校生としてやって来た和枝に思いを寄せるようになる。そこで、和枝と親しいあゆむに相談を持ちかけたところ、和枝から距離を取りたがっていたあゆむから、応援されるようになる。しかし、和枝がこのことを知って自殺騒ぎを起こしたため、和枝のことをあきらめる。

山田 (やまだ)

区立第三中学校2年4組の担任を務める中年男性。眉が太く角刈りで、ひげを生やしている。穏やかな心優しい性格の持ち主。生徒思いのため、上条あゆむが中学2年生のある日、川村に嫌な噂を流されて学校に来なくなった際も、山田が捜しに行って、叱らずに自宅へ招いて話を聞いた。その後も若杉美江との関係に悩むあゆむを励まし、彼を支えている。

金子 (かねこ)

区立第三中学校の男性教師で、生活指導を担当している。前髪を上げて額を全開にした、ぼさぼさの角刈りヘアにしている。非常に厳しい生活指導をすることで有名で、生徒たちからは「鬼の金子」を略して「鬼金」と呼ばれている。中学2年生の冬、上条あゆむの生活態度があまりにも悪いという理由で、あゆむと上条あゆむの父親を呼び出す。

若月 (わかつき)

区立第三中学校の新人男性教師。上条あゆむたちが中学3年生の時に赴任してきて、3年4組の担任を務めることになった。また、あゆむたちのアパートの住人でもある。前髪を上げて額を全開にしたスポーツ刈りにしている。授業もまだ不慣れで頼りなく見えるが、心優しい性格の持ち主。出会った当初はあゆむにあまりよく思われていなかったが、安藤のぼるやアパートの住人たちも交えていっしょに過ごすうちに打ち解け、すぐに信頼を得た。その直後、突然恋人にふられて自暴自棄になるが、モモエの励ましによって元気になり、それ以来ひそかに彼女にあこがれている。料理が得意。

北川 (きたがわ)

高校3年生の女子で、のちにN女子大学に進学する。上条あゆむと同じアパートで、あゆむの向かいの部屋に住んでいる。また、ケーコの家庭教師も務めている。前髪を左寄りに分けてヘアピンでまとめ、肩まで伸ばした水色のセミロングウエーブヘアにしていたが、その後は髪を切って、ストレートセミロングヘアになった。実年齢よりも大人っぽく見えるため、あゆむと出会った当初はまだ高校生であったにもかかわらず、大学生とカンちがいされていた。明るい性格で面倒見がよく、料理上手。ある日、引っ越してきたあゆむが、お金がなくて困っていることに気づいて声を掛けて親しくなった。その後も洋服を貸したり、パン店「サブリナ」のアルバイトを紹介したりと、たびたびあゆむをサポートしている。若尾文子とは喧嘩ばかりしているが、彼女をアパートに泊めたりして、なんだかんだで仲がいい。長期休暇になると実家に帰省する。

モモエ

クラブに勤務する若い女性で、上条あゆむが暮らすアパートの住人。前髪を目の上で切って真ん中で分け、肩まで伸ばした外はねセミロングヘアにしている。あゆむたちが中学2年生の冬から中学3年生の夏頃まで、伊藤なぎさを彼女の母親から預かっていっしょに暮らしていた。マイペースな性格で、お酒と煙草が大好き。自分が学生時代から不良であったため、他人に対しても寛容で困ったときはお互い様であるという考え方を持つ。また、黒木のことを気にかけていたり、若月が失恋した際には慰めたりと、人に対して親身に接している。一方で、酔うと服を脱いだり暴れたりと、手が付けられなくなる。

黒木 (くろき)

浪人生の男性で、上条あゆむが暮らすアパートの住人。前髪を眉の上で短く切った短髪にしている。無精ひげを生やし、太眉毛で左右の眉毛がつながっている。東京大学を目指して勉強を続けているが、あゆむが中学2年生の時点で、すでに五回の受験に失敗。さらに不合格になるたびに毎回自殺騒ぎを起こすため、モモエや北川からは非常に心配されている。その後も勉強を続けていたが、七回目の受験が失敗したことでとうとう東京大学進学をあきらめ、アパートを去っていった。

水沢 (みずさわ)

W大学に通う3年生の男子で、長野県出身。上条あゆむの住むアパートに大学3年生の春に入居してきた。前髪を額が見えるほど短く切った短髪にしている。明るくさわやかな性格で、入居してすぐにあゆむたちと親しくなる。そこで、あゆむから家庭教師になってほしいと頼まれ、以来勉強を教えるようになった。また、あゆむに思いを寄せている若尾文子に気に入られてしまい、熱烈なアプローチを受けるようになる。

上条あゆむの父親 (かみじょうあゆむのちちおや)

上条あゆむと上条千鳥の父親。前髪を左寄りに分けた短髪にしている。妻と子供二人の四人暮らし。妻と千鳥には甘いが、あゆむに対しては非常に厳しく接しており、すぐに怒ってしまう。さらに意地っ張りで素直になれない性格が災いして、あゆむが中学2年生の日に喧嘩した際、勢いで自宅のとなりのアパートで一人暮らしをするように命じた。その後は生活費を月3万円渡すだけで、あゆむにはほとんど干渉しないようにしていた。しかし実はあゆむのことを気にかけており、千鳥におこづかいをあげて様子を見に行かせたりしている。また、担任の金子に呼び出された時は、一人暮らしを続けることは難しいのではないかと考えつつも、最終的にはあゆむの意思を尊重し、一歩離れてあゆむを見守っている。

上条 千鳥 (かみじょう ちどり)

上条あゆむの妹で、幼い少女。前髪を目が隠れないように切ったラウンド前髪にして、肩につかない長さまで伸ばした髪を、耳の下の位置で二つに結んでいる。明るい性格のしっかり者。あゆむが一人暮らしを始めてからは、よく様子を見に行くなど、あゆむと上条あゆむの父親の橋渡し的な役割を務めている。

ミキ

高校生の男子で、伊藤なぎさの友人。前髪を上げて額を全開にした角刈りヘアで、のちに坊主頭にした。釣り目の三白眼で、がっしりとした体型の強面。しかし、繊細な性格で非常に傷つきやすく、自らの努力や親切が空回りすると深く落ち込んでしまう。その一方で、身勝手な振る舞いで他人を振り回すこともある。両親が教師という厳しい家庭で育っため、その反動で中学2年生の頃から不良行為を繰り返すようになる。のちになぎさに会いにやって来た際、紆余曲折を経て上条あゆむの部屋に居候をするようになる。その後、大自然の中で働くことを勧めてくれた人物のことを思い出し、愛車のバイクを売り払って移動資金にして、彼の経営する山奥のロッジで働き始めた。自分よりも優秀で、両親にも大切にされている弟にコンプレックスを抱いている。

本山 明子 (もとやま あきこ)

モモエの知人の少女。前髪を目が隠れないように切ったラウンド前髪に、肩の上の高さで切りそろえたセミロングヘアにしている。上条あゆむが中学3年生の夏に、自分の兄とモモエを通じて知り合い、自分たちの別荘でいっしょに過ごすこととなる。明るく元気な性格で、あゆむたちともすぐに親しくなった。あゆむのことを気に入ってアプローチするようになるが、若尾文子に何度も邪魔されてしまう。

井出 はじめ (いで はじめ)

都立水橋高校に通う3年生の男子で、男子柔道部の主将を務めている。坊主頭で、頰がこけている。部員不足で五人部員がいないと試合に出場できないと困っていたところ、偶然通りがかった上条あゆむと若尾文子に出会う。その際、あゆむと文子に柔道部の顧問とカンちがいされた木崎順一郎が、二人の入部を認めたことで、引退までいっしょに活動するようになる。

小早川 秀人 (こばやかわ ひでと)

都立水橋高校に通う3年生の男子で、男子柔道部に所属している。前髪を目が隠れそうなほど伸ばして左寄りに分け、後ろの髪を伸ばした短髪にしている。部員不足で五人部員がいないと試合に出場できないと困っていたところ、偶然通りがかった上条あゆむと若尾文子に出会う。その際、あゆむと文子に柔道部の顧問とカンちがいされた木崎順一郎が、二人の入部を認めたことで、引退までいっしょに活動するようになる。

木崎 順一郎 (きざき じゅんいちろう)

都立水橋高校に通う2年生の男子。男子柔道部に所属しており、井出はじめが引退してからは主将を務めている。部員不足で五人部員がいないと試合に出場できないと困っていたところ、偶然通りがかった上条あゆむと若尾文子に出会い、文子と距離を置きたかったあゆむの入部を認めた。試合では文子に性別を偽らせ「文男」として登録する。

死神 (しにがみ)

都立水橋高校に通う1年生の男子。あだ名は「死神」で、本名は不明。前髪を目の上で切ったぼさぼさの短髪にしている。細身の体型で目つきが悪く、頰がこけている。また、いつもユラユラとゆれながら歩いているため、不気味な雰囲気を醸し出している。高校に入学してすぐにケーコに思いを寄せるようになるが、ケーコが上条あゆむと親しいことを知り、あゆむに一方的な敵対心を抱くようになる。そこであゆむに、ケーコと距離を置くように脅し、あゆむが腕をケガをした時にはあらためて呼び出して痛めつけようとした。しかし、助けに入った若尾文子によって倒され、以来あゆむたちには近寄らなくなる。

太田 (おおた)

都立水橋高校1年4組に在籍する女子。高校1年生の夏に男子柔道部の合宿を手伝うようになり、マネージャーに就任した。前髪を目の上で切って左寄りに分け、肩につくほどのふんわりとしたセミロングヘアにしている。明るい性格で、同じクラスになった上条あゆむたちとすぐに親しくなる。当初は嫌っていた河田三郎が、あゆむと親しくなったことで自分も接する機会が増えて友人となるが、三郎の思いには気づかずにいた。その後、二学期から高校に通えるようになった安藤のぼるに思いを寄せるようになり、積極的にアプローチを繰り返すようになる。

河田 三郎 (かわだ さぶろう)

都立水橋高校1年4組に在籍する男子で、学級委員を務めている。前髪を上げて額を全開にしたもじゃもじゃのスポーツ刈りに丸眼鏡を掛け、両目の下にそばかすがある。水橋高校の学級委員は、入試の成績がよかった順に決定することを知っており、自分の成績が4位だった事実に非常にショックを受けている。そのため、入学してからはずっと勉強ばかりしており、周囲がうるさいから勉強に集中できないとヒステリーを起こすため、浮いた存在になっていた。実はひそかに太田に思いを寄せており、いつも女子生徒に囲まれているうえに太田とも親しい上条あゆむに嫉妬心を抱いている。のちに交流を深めるうちにあゆむに心を開き、柔道部合宿を経て友人となる。その後はあゆむのグループの一員として太田とも親しくなるが、太田は安藤のぼるに思いを寄せているために失恋した。

千恵子のおじ (ちえこのおじ)

とある地域で電器店を営む中年男性で、千恵子のおじ。坊主頭で、鼻が大きい。短気な性格の乱暴者なために誤解されやすいが、まじめで心優しいところもあり、高校2年生の時に両親を亡くした千恵子を自分が引き取ることになる。しかし、千恵子が家から逃げ出してしまったため、彼女が避難していた上条あゆむたちのアパートまで連れ戻しにやって来た。そこで、千恵子があゆむたちのアパートで一人暮らしをしたいと考えていると知り、あゆむたちのアパートが千恵子にふさわしいかどうか確かめるため、あゆむと安藤のぼるの部屋に居候することになる。

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