たんさんすいぶ

たんさんすいぶ

少年誌で連載してきた上条明峰が、初めて青年誌で連載した作品。吹奏楽を題材にしている。作者が学生時代に吹奏楽部員だったため、楽器や曲などについて詳しく、わかりやすく描かれている。コミックス第1巻で、作者は「何かしらの対談で楽器の話になり、楽器どころか楽譜も読めない人が多いことを知ったのが、本作を描いたきっかけ」と語っている。「イブニング」の2014年12号から2016年4号に連載された。

正式名称
たんさんすいぶ
ふりがな
たんさんすいぶ
作者
ジャンル
部活動
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概要・あらすじ

丹波第三高等学校に入学した滝進太郎は、中学から付き合いのある山田京作と一緒に部活巡りをしていた。進太郎はさまざまな部活に目移りするが、これという部活は見つからない。それに対して山田は、中学のときと同じく吹奏楽部に入部することを決めており、進太郎を吹奏楽部の見学に連れて行く。強引に付き合わされた進太郎は、そこで古ぼけたアルトサックスのマークⅥを見かける。

團拓磨から、アルトサックスを磨く作業を命じられた進太郎は、一晩で見違えるほどに綺麗にする。そして、芥川高志の薦めもあって、マークⅥの奏者となる。

登場人物・キャラクター

滝 進太郎 (たき しんたろう)

丹波第三高等学校に通う高校1年の男子生徒。幼い頃は「楽器がトモダチ」と言うほど音楽が好きだった。ところが、ある出来事がきっかけで嫌いになり、今は興味を持っていない。代わりにジオラマ作成、といった細かい作業を好むようになった。無表情なため、他人から誤解を受けやすい。ある日、中学からの知り合いである山田京作に付き合って、吹奏楽部を訪れた。 そこで、古びたアルトサックスを見かけ、それを磨く作業をしたことにより、吹奏楽部に入部。演奏する楽器はサックス。

マークⅥ (まーくしっくす)

丹波第三高等学校の吹奏楽部にあるアルトサックス。長年放置され、緑青とカビまみれだった。細かい作業が大好きな滝進太郎によって磨かれ、輝きと音色を取り戻す。ただの古い楽器だと思われていたが、その正体は、歴史的名器「セルマーのマークⅥ」。プロのサクソフォン奏者にとっても憧れで、現在のサクソフォンの基となったもの。普通の楽器に見えるが、進太郎や古賀政の前では人間のような姿をとり、会話することもできる。

山田 京作 (やまだ きょうさく)

丹波第三高等学校に通う高校1年の男子生徒。滝進太郎とは中学からの付き合いで、高校の寮では進太郎と同室。中学時代と同様、高校でも吹奏楽部に入部。演奏する楽器はトロンボーン。吹奏楽部員が型破りな人間ばかりなため、彼らに振り回される日々を送る。

本居 倫世 (もとおり ともよ)

丹波第三高等学校に通う高校3年の女子生徒。吹奏楽部の副部長で、演奏する楽器はフルート。ファミレスの全男性が、思わず見つめてしまうほどの美貌。甘味が大好き。穏やかな性格だが、「吹奏楽部を壊すために入部した」など冗談交じりで言ったり、滝進太郎を以前から知っていたりと、何かを企んでいる様子。

團 拓磨 (だん たくま)

丹波第三高等学校に通う高校3年の男子生徒。吹奏楽部に所属し、演奏する楽器はトランペット。元は野球部の有望選手だったが、肩を壊して1年の途中から吹奏楽部に入部。野球部のときは丸坊主だった髪を、野球をやめてから伸ばし始めると、急に女性にモテ始めた。性格はマジメな体育会系の熱血漢。音楽の知識のない滝進太郎に悪態をつきながらも、さまざまなアドバイスを送っている。 周囲の男子生徒からは、死語である「ハンサム」と呼ばれ、よくからかわれている。

草川 信愛 (くさかわ しあ)

丹波第三高等学校に通う高校2年の女子生徒。草川信乃と双子の姉妹。吹奏楽部に所属し、演奏する楽器はクラリネット。いつも信乃と一緒にいて、部室でダンスゲームをプレイして、2人のリズム感を合わせている。

草川 信乃 (くさかわ しの)

丹波第三高等学校に通う高校2年の女子生徒。草川信愛と双子の姉妹。吹奏楽部に所属し、演奏する楽器はクラリネット。見た目や身長が信愛と同じため、他人には区別がつかない。しかし早寝、長風呂派で、かわいい物を身に着ける草川信乃に対して、信愛は夜行性、シャワー派で、ホラーっぽい物を身に着けるなどの違いがある。

宮城 みち (みやぎ みち)

丹波第三高等学校に通う高校1年の女子生徒。吹奏楽部に所属し、演奏する楽器は、滝進太郎と同じくサックス。幼い頃、自分の気持ちをうまく伝えることができず、それがストレスとなって心因性のじんましんを発症。しかし、滝幸太郎の演奏を聴いたため、吹奏楽を始めた。すると、自分の気持ちを表現することができるようになって、じんましんが完治する。 そのため、恩人である幸太郎と距離を置く進太郎を、最初は認めなった。

梁田 貞子 (やなだ さだこ)

丹波第三高等学校に通う高校2年の女子生徒。吹奏楽部に所属し、演奏時はパーカッションを担当し、無数の楽器を操る。美容院に行かないため髪は伸び放題で、前髪は目を隠すほど長い。しかし素顔は「オヒメサマ顔」と呼ばれるくらいに綺麗。部室に持ち込んだテントに入り込んで、木魚を叩いてリズムの精度を高めている。

芥川 高志 (あくたがわ たかし)

丹波第三高等学校に通う高校2年の男子生徒。吹奏楽部に所属し、演奏する楽器はファゴット。高身長で常にガンを飛ばしているので、見た目は非常に怖い。実際は、滝進太郎にサックスのくわえ方(アンブシュア)を教えたり、入部祝いを渡したりと優しい。また手先が非常に器用で、ファゴットのダブルリードを自作している。

中田 喜美 (なかた よしみ)

丹波第三高等学校に通う高校2年の女子生徒。吹奏楽部に所属し、演奏する楽器はチューバ。バイクを乗りこなし、腕力も強く、豪快な性格をしている。また、露出癖の持ち主で、胸元を大きく開けた状態で制服を着ている。

?????

丹波第三高等学校に通う高校3年の男子生徒。吹奏楽部に所属し、演奏する楽器はホルン。部室では置き物のようにほどんど動かず、ヘッドフォンで何かを聴いている。極度の無口だが、滝進太郎にサックス用の楽譜を渡したり、メールで連絡するなど、面倒見は非常によい。なお、作中では氏名が明かされることはなく、キャラクター紹介でも「?????」と表記されている。

古賀 政 (こが まさ)

丹波第三高等学校に通う高校3年の男子生徒。吹奏楽部の部長で、演奏する楽器はコントラバス。「コントラバス界の寵児」という異名を持つ。音楽的才能の塊のような人間で、吹奏楽部以外にも、市民バンドやオーケストラなど複数の団体に所属。夜行性で、昼間はコントラバスのケースの中で寝ていることが多い。マークⅥと会話できる数少ない人物。 ちなみに、周りからは「政兄ちゃん」や「政部長」などと呼ばれており、正確な名前は不明。キャラクター紹介でも「古賀政(?)」と表記されている。

滝 幸太郎 (たき こうたろう)

滝進太郎の兄。日本有数のプロ吹奏楽団「虹成シエネウインドオーケストラ」のコンサートマスター。海外でも認められているサックス奏者。陽気な性格で、曲名を例に出して会話することが多い。丹波第三高等学校吹奏楽部在学中には、全国大会で金賞も獲得。現在はOBとして何度も指導に訪れる。弟の進太郎のことは溺愛しているが、進太郎からは拒絶されている。

(さき)

丹波第三高等学校吹奏楽部の顧問の女性教師。滝幸太郎とは高校時代からの知り合いで、一時は恋人関係でもあった。吹奏楽部に入部した滝進太郎の状況を、幸太郎に報告している。

宮城 カズ (みやぎ かず)

宮城みちの妹。私立明嶺高校に通う1年生。吹奏楽部に所属してアルトサックスを演奏する。実は、みちとは従姉妹だった。しかし、早くに母親を亡くしたうえ、溺れたみちを助けようとした父親も亡くし、宮城家に引き取られる。このことが原因で、みちとの仲もギクシャクしたものとなり、みちへの嫌がらせ目的で滝進太郎に近づく。

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