ふわふわポリス 〔比留ヶ谷駅前交番始末記〕

ふわふわポリス 〔比留ヶ谷駅前交番始末記〕

比留ヶ谷駅前交番に勤務する、28歳独身の熱血女性警官・佐倉エリが、新しく交番に赴任して来た相棒の倭漢道荒田井芙蓉子とともに、街で起こるさまざまな事件やトラブルを解決していく、痛快ポリス・アクション・コメディ。「flowers」2010年4月号から2010年9月号にかけて連載された作品。

正式名称
ふわふわポリス 〔比留ヶ谷駅前交番始末記〕
ふりがな
ふわふわぽりす
作者
ジャンル
警察官・刑事・検察官
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概要・あらすじ

比留ヶ谷駅前交番に配属となって3か月目の佐倉エリは、今までの相棒である佐藤が明後日付けで異動することになり、交番の前でぼーっと思いを巡らせていた 。そんな時、小さな女の子が年の離れた男性に声を掛けられ、連れて行かれそうになっている現場を目撃。あわてて女の子を保護し、知らない人に付いていかないようにと諭しながら、交番にやって来る人たちには道案内をしたりして、忙しい時間を過ごすことになる。

そんななか、一期上の先輩が慌てた様子で交番にやって来る。先輩によれば、容疑者を尾行中にミスを犯してしまい、相手が人質を取って立てこもってしまったのだという。エリは急ぎ先輩の後に続き、立てこもり現場に向かうのだった。

登場人物・キャラクター

佐倉 エリ (さくら えり)

黒髪のおかっぱ頭で、前髪を中分けにした女性警察官。年齢は28歳で独身。現在は寮で一人暮らしをしており、時々魚屋を営んでいる実家から食べ物などが送られて来る。彼氏はおらず、比留ヶ谷駅前交番でともに働いていた同期の友人が3歳年下の佐藤と来年結婚することになり、このままでは行き遅れになると焦り始めている。結果、恋愛や結婚、出世やスキンケア、ダイエットなどさまざまなことに行き詰まってストレスを溜め、就職してから8年目の今年が仕事の辞め時なのかもしれないと思い始めている。 基本的には熱血漢の体育会系。足が速く、逃げる犯人を追いかけるスピードには自信を持っている。

倭漢道荒田井 芙蓉子 (やまとのあやのあたえあらたい ふよこ)

茶髪の長い髪にゆるくパーマをかけた女性警察官で。年齢は22歳の警察官になったばかりのエリート大学出身の有望株。これからコンビを組むことになる佐倉エリとは別の、吉祥寺にある寮で一人暮らしをしている。異動することになった佐藤の後任として、比留ヶ谷駅前交番に着任することになった。おっちょこちょいでぼんやりしており、いまいち何を考えているのかわからないが、管轄地域の地図を丸暗記してしまうほどに記憶力が良い。 絵も上手く、犯人の人相書きを描くのが得意。

岸本 (きしもと)

一人暮らしをしながら大学の理工学部に通っている青年。長髪の黒髪で、眼鏡をかけており、背が高くて痩せ型の体型。腰にベルトの付いた黒いコートを着用している。実家は使用人を抱えるほどの金持ち。痴漢と勘違いされて比留ヶ谷駅前交番に連れて行かれた際、佐倉エリと知り合う。その嫌疑は晴れたものの、痴漢現場を見ていたのにも関わらず痴漢されていた女性を助けようとしなかったことが判明し、そのことをにエリに責められて以降、彼女のことが気になり始める。 しかし、おとなしくて奥手な性格から、遠くで見つめているだけで気持ちを伝えられないままでいる。

高田警部補 (たかだけいぶほ)

佐倉エリの上司にあたる男性警部補。ワイシャツにネクタイを締めて黒いイタリア製の高級スーツを着用した、ウェーブのかかった癖のある髪が特徴。指名手配犯をなかなか逮捕できないといった、警察への批判が強まっていることを懸念しており、自らも連続窃盗事件の捜査にあたったりと、一見忙しそうにしている。しかし、比留ヶ谷にあるカフェでお茶をしてサボることがしばしばある。 エリの勤務している比留ヶ谷駅前交番に立ち寄っては嫌味を言うが、基本的にエリに言い負かされている。高給取りで金持ちの息子。

佐藤 (さとう)

佐倉エリの後輩にあたる、黒髪の男性警察官。今まではエリとコンビを組んで比留ヶ谷駅前交番に勤務していたが、この春から板橋にある交番に異動することになった。エリの同期で3歳年上の女性と来年結婚することが決まっている。真面目な好青年で、比留ヶ谷駅前交番に勤務していた頃はエリに従順に従う良き後輩として働いていた。

一期上の先輩 (いっきうえのせんぱい)

佐倉エリの一期上の先輩にあたる、眼鏡をかけた女性警察官。長い黒髪を後頭部でまとめている。スタジャンを着た若い男性容疑者を尾行している最中に気取られ、比留ヶ谷駅前交番近くの郵便局に、人質を取って立てこもられてしまう。この事件に対応するため、エリに緊急の応援を頼む。

川本 義弘 (かわもと よしひろ)

詐欺常習犯の男性。年齢は26歳で身長は168センチ、痩せ型でなで肩、右耳の後ろにハート型の痣があるのが特徴。短髪で眉毛が薄く、うっすらと無精ひげを生やしている。家政婦などになりすまして金品を窃盗する事件を何件も起こし、指名手配されている。中学生時代にいじめられていた経験を持つ。

健太 (けんた)

中学生の少年。髪が長く、白いTシャツの上からチェック柄のネルシャツを羽織り、サンダルを履いている。両親が離婚しており、父親は現在行方不明、母親は再婚して静岡に住んでいる。そのため、現在は釣り堀を経営している祖母のもとで生活をしている。日本中を旅しているという若い女性が家に居候をしており、健太も彼女のことを気に入り、よく懐いている。

兄貴 (あにき)

食い逃げ犯の男性。短髪で眼鏡をかけており、白いワイシャツにネクタイを締め、黒いスーツを着用し、白いバッグを肩にかけている。公園に1人でいたケンに声をかけ、ともに都内近郊の飲食店やスーパーで食い逃げをするようになり、現在指名手配されている。帰る家がなく、ケンとともに他人の家に不法侵入して生活をしている。ケンからは「兄貴」と呼ばれ慕われている。

ケン

食い逃げ犯の男性。長髪で白いワイシャツにネクタイを締め、黒いスーツを着用し、白いリュックを背負っている。地方から東京に出て来たが住む家がなく、公園のベンチに1人座っていたところを兄貴に声をかけられ、ともに都内近郊の飲食店やスーパーで食い逃げをするようになった。現在は兄貴とともに常習犯として警察から指名手配されている。 帰る家がなく、兄貴とともに他人の家に不法侵入して生活をしている。

山下 源三 (やました げんぞう)

比留ヶ谷駅前交番に道を尋ねに来た男性。眼と口が隠れて見えなくなるほどボリュームのある白髪と白いひげを生やしている。白いワイシャツにネクタイを締め、スーツを着用し、ロングコートを羽織っている。ある用事で久しぶりに比留ヶ谷駅にやって来たが、道がわからなくなり、最寄りの交番に立ち寄って、警察官の佐倉エリと倭漢道荒田井芙蓉子に道を尋ねる。 エリが亡くなった妻に似ているため、エリのことを気に入り、道案内をしてもらうことになる。マイペースで気まぐれな性格のため、さりげなくセクハラをしたり、あやふやな記憶で物を言ったりと、エリを振り回しては困惑させている。

マダム優麗 (まだむゆうれい)

占いの館「ミステリーフォーチュン」に勤める女性占い師。長くて毛先にパーマをかけた髪を後頭部で1つに束ね、髪飾りを付けている。普段は首に黒いスカーフを巻き、大きく背中の開いたドレスを着用しているが、仕事中はフリルの付いたドレスを着用し、首や耳を装飾品で飾っている。比留ヶ谷駅前交番を通るたびに、交番前に立っている佐倉エリが気になり、ついじろじろと見てしまう。 交番の前を通るたびにそんなことを繰り返しているある日、エリから声をかけられ、軽く占いをしてあげた。これがきっかけとなって、自身が勤める「ミステリーフォーチュン」の連絡先を教えることになる。

白石 有由 (しらいし ゆう)

比留ヶ谷駅前交番に相談に訪れた女性で、区役所に勤めている。眼鏡をかけており、くせ毛の長い髪で、毛先が少しカールしている。前髪は短く、眉毛の上で切りそろえており、スカートの下にタイツを履き、白いコートを着用している。飲み屋で知り合った北岡始から必ず儲かる話があると持ちかけられ、資金として300万円もの現金を手渡した。 しかし後に騙されていたことに気付き、交番を訪れた。

北岡 始 (きたおか はじめ)

詐欺の容疑をかけられている男性。長髪で白いTシャツの上からチェック柄のネルシャツを着用している。金を騙し取られたと白石有由に比留ヶ谷駅交番に被害届を出され、令状を持って来た佐倉エリと倭漢道荒田井芙蓉子の家宅捜査を受けることとなる。アパート「すみれ荘」で一人暮らしをしているが、このアパートは以前に高田警部補が張り込みをしていたことがあった。

場所

比留ヶ谷駅前交番 (ひるがやえきまえこうばん)

中央線の阿佐ヶ谷駅と荻窪駅の間にある小さな駅の前にある小さな交番。佐倉エリが勤務している交番で、今までは佐藤とコンビを組んでいたが、彼の異動に伴い倭漢道荒田井芙蓉子と新たにコンビを組むことになった。「昼寝交番」と言われるほどに暇な交番として警察官の間では有名で、時々上司の高田警部補がエリたちを冷やかしに訪れる。

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