ぶぅ

ぶぅ

身近だが、実は奥深い食材である豚肉をテーマに、食べ方の作法から養豚場見学まで、バツイチの売れない役者・猪部勝太の日常を通し、豚肉への拘りを描いたグルメ漫画。「モーニング」2013年31号から2014年11号、2014年13号から16号にかけて連載された作品。

正式名称
ぶぅ
ふりがな
ぶぅ
作者
ジャンル
グルメ
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概要・あらすじ

劇団破門座で売れない役者をしている猪部勝太は、毎日のように劇団仲間たちと稽古に励んでいた。しかし、次の芝居の豚に因んだセリフで演出家の白井に散々怒られ、苦悩する日々が続いていた。そんな中、勝太は役者仲間として先輩の黒須に、フランス料理屋へと連れて行ってもらうことになる。この店は毎月食材を決めて料理を提供していて、今月の食材はなんと「豚」だという。

実は勝太を心配した黒須が、豚のフルコースを食べてスランプを脱出するきっかけを摑んで欲しいと願い、この店に勝太を連れてきたのであった。各地から厳選した豚肉を使用した料理が、次々とテーブルに並べられていく。美味しい豚料理を食べながら黒須と談笑していた勝太は、ふと店内に飾られていた豚の絵が描かれた皿に目を留める。

その瞬間、その皿から光が放たれ、目の前に並べられている豚肉料理までもが光り輝き出す。驚いて椅子ごとひっくり返ってしまった勝太を見たフランス料理屋のシェフは、勝太が体を張って料理の美味しさを表現してくれたのだと勘違いし、その豚の絵が描かれた皿を勝太にプレゼントするのだった。こうして豚肉料理を楽しみ、フランス料理屋を後にした勝太は、この日を境に豚への強いこだわりを抱き、ブタ道(ぶたみち)を邁進していくこととなる。

登場人物・キャラクター

猪部 勝太 (いべ かつた)

劇団破門座に所属している役者の男性。黒い短髪で鼻が高く、主にカジュアルな服を好んで着用している。真面目な性格ではあるが、思い込みの激しいところがある。かつては梨子と結婚していて、桃という名の娘もいる。桃とは月に2回会うことができ、時には梨子も一緒に自宅のマンションに呼んで食事を振舞うなど、離婚後も良好な関係を築いている。 現在はマンションで一人暮らしをしながら、一流の役者を目指して劇団仲間たちと稽古に励んでいる。稽古や舞台がない日には、銭湯で清掃のアルバイトをしている。

梨子 (りこ)

猪部勝太の元妻。黒髪のショートカットの髪型で、黒いシャツにスーツを合わせたり、黒いタンクトップに白いタイトスカートを着たりと、さまざまな服を着こなす。明るい性格ながら気が強いところがあり、時々勝太と口論になることがある。離婚後は娘の桃を引き取って女手一つで育てており、仕事帰りに学童保育所へお迎えに行く忙しい日々を過ごしている。 勝太には月に2回桃と会わせており、時には一緒に食事をすることもある。また、勝太が演劇の舞台に出演する時には弁当を作ってあげたりと、離婚後も良好な関係を築いている。

(もも)

猪部勝太の娘。長い黒髪を頭頂部で左右に分けてツインテールにしており、Tシャツに8分丈のパンツ、といった動きやすい服装を好んで着用している。明るくて自由奔放な性格をしているが、おてんばでわがままなところがある。両親の離婚後は、母親の梨子と二人暮らしをしており、小学校が終わった後は、梨子の迎えが来るまで学童保育所で時間を過ごしている。 勝太とは月に2回会っており、一緒に遊びに出かける他、勝太の住むマンションでともに過ごすこともある。

錦華 (きんか)

猪部勝太のガールフレンド。長い黒髪にパーマをかけていて、ワンピースなどの女性的な服装を好んで着用している。かつて世話になった主治医の男性に好意を持たれており、その好意をどうやって断ろうか悩んでいる。勝太とは、主治医の男性に連れて行ってもらった洋食屋で知り合った。それからは勝太が出演する舞台を見に行ったり、時々弁当を作って差し入れをしたりと、勝太と親交を深めていく。

白井 (しらい)

劇団破門座の演出家の男性。黒い短髪で、細い目に眼鏡をかけ、白いシャツにジャケットを羽織っている。演劇には熱心な性格で、稽古の時には熱が入り過ぎるあまり、大声で怒鳴ってしまうこともしばしば。焼き鳥にはこだわりがあり、手羽先とつくね以外は焼き鳥として認めないと豪語している。嫌いな食べ物は豚肉で、小学生の頃から豚肉特有の脂っこさを苦手としている。 猪部勝太本人に対して直接言うことはないが、その演技を高く評価している。

矢場 (やば)

劇団破門座に所属している役者の男性。恰幅が良く、黒髪をテクノカットの髪型にしている。夏はTシャツ、冬はスカジャンにマフラーを巻いている。猪部勝太とは、稽古帰りによく一緒に食事に行っており、役者仲間では特に仲が良い。稽古のない日には力仕事をしており、仕事の前にはお腹に食べ物を入れないと力が出ないタイプ。焼酎に炭酸だけを入れる純正のチューハイを好んで飲んでいる。

ポン太 (ぽんた)

劇団破門座に所属している役者の男性。金色の短髪で、ジップアップのブルゾンを着用している。明るく社交的で、劇団のムードメーカー的な存在。前歯が2本出ているのが特徴。猪部勝太の後輩で、稽古帰りによく一緒に食事に行っている。クジ運が強いという意外な一面も持っている。

梅子 (うめこ)

劇団破門座に所属している役者の女性。背が高く、長い黒髪で、前髪を目の上で綺麗に切りそろえている。寡黙で物静かだが、一本筋の通った芯の強い性格をしている。猪部勝太とは仲が良く、稽古帰りによく一緒に食事に行っている。好物は「ブタまん」で、からしをつけて食べるのが好き。

勝太の母親 (かつたのははおや)

猪部勝太の母親。黒髪のショートカットの髪型で、白い長袖シャツにエプロンを着用している。築30年の戸建に1人で住んでいる。正月に大掃除をしに実家に戻って来た勝太に、おにぎりや豚汁、おせち料理をご馳走する。世話好きで、兄弟喧嘩をする勝太と桜子に、いい加減にしなさいと叱りつけたり、桜子の息子のヒロが豚汁を食べようとした時に、熱いから気をつけるようにと注意したりしている。

桜子 (さくらこ)

猪部勝太の妹。肩までのソバージュヘアで、タートルネックのシャツの上から黒いワンピースを着用している。夫の雄二郎と息子のヒロと暮らしていて、正月などに定期的に実家に家族と遊びに来ている。思ったことをオブラートに包むことなく無遠慮に言ってしまう性格。久しぶりに会った勝太に、そろそろ真剣に先のことを考えた方が良いんじゃないかと憎まれ口を叩き、正月早々勝太を不機嫌にさせていた。

雄二郎 (ゆうじろう)

桜子の夫。黒い短髪で背が高く、厚い唇をしていて、眼鏡をかけている。白い襟付きのシャツの上からセーターを着用している。桜子と息子のヒロと暮らしていて、正月など定期的に桜子の実家に遊びに来ている。家族と勝太の母親とともに初詣に行くのが毎年の恒例行事となっており、今年の正月はたまたま実家に戻って来ていた猪部勝太も伴い、一緒に初詣に行った。

ヒロ

雄二郎と桜子の息子。サイドの髪を刈り上げた黒い短髪で、顔の付いている機関車のキャラクターがプリントされた、Vネックの長袖シャツを着用している。正月などに定期的に桜子の実家に遊びに来ている。家族と勝太の母親とともに初詣に行くのが毎年の恒例行事となっており、今年の正月はたまたま実家に戻って来ていた猪部勝太も伴い、一緒に初詣に行った。 勝太によく懐いている、明るくて活発な性格の少年。

駒場 (こまば)

猪部勝太の友人の男性。黒い短髪で、眉毛が太く、筋肉質な体にスーツを着用している。勝太とは学生時代からの仲で、今も定期的に行われている同窓会で交流をしている。妻帯者であり、大食漢な駒場の健康を心配した妻に、野菜をもっと多く食べるようにと、口うるさく言われている。営業の仕事をしており、仕事柄、せっかちで忙(せわ)しないところがある。 好きな言葉は「Time is money(時は金なり)」。来週からのアメリカ出張に備えて、英会話のテープで英語の勉強をしている。

大河内 (おおこうち)

大スターの男性。白髪をオールバックにして、サングラスをかけ、派手な柄シャツにジャケットを羽織っている。仕事が終わると、マネージャーとともに早々に帰宅することが多い。強面な外見のため近寄り難い雰囲気を醸し出しているが、後輩の役者たちを労うために食事をご馳走してあげるなど、優しい一面を持つ。好物はチャーシュー麺で、麺と肉を大盛りにして食べるのが好き。

黒須 (くろす)

役者の男性。黒髪で、面長の顔に大きな鷲鼻が特徴。黒いスーツを着用している。劇団破門座に所属している猪部勝太と親しく、勝太がスランプに陥っている時に話を聞いたり食事に連れて行ったりと、面倒見の良い、役者仲間としての先輩。現代物から時代劇まで、幅広い役をこなす。

山下 (やました)

役者の男性。黒髪の丁髷に着物を着用している。時代劇のドラマで猪部勝太と共演して以来親しくなり、収録の間の休憩時間を、一緒に談笑して過ごしている。好物はサラミで、ウイスキーを飲みながら食べるのが好き。

沢田 (さわだ)

助監督の男性。くせのある黒髪で、眼鏡をかけており、チェック柄のシャツの上から丸首のセーターを着用している。分厚い唇が特徴。助監督として監督のサポートをしながら、役者たちの出番待ちの休憩室の飲み物やつまみを用意している。山下と仕事現場で一緒になることが多く、収録の合間の休憩時間に呼ばれて、役者たちに混じって談笑していることもある。 好物はサラミ。

丹野 (たんの)

「ゼブラテレビ」に勤めている男性。くせのある黒髪で、眉毛が太く厚い唇をしており、ストライプシャツの上からVネックのセーターを着用している。沖縄の出身で、琉球料理が大好き。現在は特撮ドラマのプロデューサーを務めており、丹野が手掛けるこの特撮ドラマには、猪部勝太も「いのしし怪人」という役で出演している。仕事柄、演劇を見に行くことが多く、劇団破門座の公演に出演している勝太の演技を見て、勝太の演技力を再評価。 勝太が「いのしし怪人」として出演している特撮ドラマの脚本の変更を考え、勝太を沖縄料理の店へと誘う。

トンペイ

猪部勝太のアルバイト先の同僚の男性。黒いドレッドヘアで、大柄で筋肉質の体格。口の周りにひげを生やし、鼻にピアスを付けている。仕事中はタンクトップで動きやすい服装をしているが、普段はパーカーなどのカジュアルな服装を好んで着用している。強面な外見から近寄り難い印象を受けるが、実際は真面目でおとなしく、仕事にも熱心。先輩の勝太とも仲が良く、仕事帰りによく一緒に飲みに行っている。 プロのミュージシャンを目指し、ライブ活動をしている。

シェフ

フランス料理屋のシェフを務める男性。黒髪で眼鏡をかけている。月替わりで料理のメイン食材を変えているため、メニューは毎月入れ替わる。黒須が猪部勝太を店に連れて来た時には、豚がメイン食材だった。この料理屋で豚肉のコースを食べたことがきっかけで、勝太は演技のスランプを脱出し、豚肉にこだわりを持つようになる。

兼代 (かねしろ)

雑誌編集者の男性。サイドを刈り上げたもじゃもじゃの髪型をしている。恰幅が良く、ボーダーのシャツの上からジャケットを羽織っている。日々仕事に追われていて、頻繁に徹夜仕事をしているため、常に寝不足気味。猪部勝太と親しく、担当している雑誌の食べ歩き取材に同行してもらうこともある。

水口 (みずぐち)

錦華の友人の女性。長い黒髪をひっつめ髪にし、後頭部で1つに束ねてポニーテールにしている。両耳にピアス、首にネックスレスを付けていて、スーツを着用している。ドイツ人の彼氏も含め、錦華と3人で一緒に食事をすることもある。明るく社交的な性格で、初対面の相手にも物怖じすることなく会話をすることができる。彼氏の影響でドイツ料理に詳しく、ビール好き。 特大ジョッキも一気飲みしてしまうほどの酒豪。

場所

劇団破門座 (げきだんはもんざ)

猪部勝太が所属している劇団。演出家の白井が劇団をまとめており、スタジオでは次の舞台に向けて、役者たちが日々厳しい稽古を行なっている。現代物から時代劇まで、さまざまなジャンルの舞台を上演する。

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