ぼくらの戦国白球伝

ぼくらの戦国白球伝

戦国時代にタイムススリップした野球少年が、名だたる戦国武将たちと野球の試合を繰り広げるファンタジーコメディ。実在した武将の織田信長を筆頭に、明智光秀、武田信玄、上杉謙信、徳川家康らが登場する。荒唐無稽な設定ながら、野球に打ち込む戦国の猛者たちがコミカルに描かれ、スポーツと時代劇の両方が楽しめる作品となっている。

正式名称
ぼくらの戦国白球伝
ふりがな
ぼくらのせんごくはっきゅうでん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

野球大好き少年の吉田裕志は、いつものように甲子園を目指して練習に励んでいた。だが、空から落ちてきた雷によって時空がねじれ、戦国時代へとタイムスリップしてしまう。そこには、「魔王」と恐れられる織田信長の姿が。見慣れぬ恰好の吉田に興味を覚えた好奇心旺盛な信長は、吉田の言う「野球」という未知の「文化」にたちまち魅かれてしまう。

そして、吉田の指導のもと、配下の武将たちにも野球の練習に励むよう命令。その奇妙な風景は忍びによって全国へと伝わり、野球で天下一を決めようという武将たちが続々出現しては、信長に挑戦状を叩きつける。吉田は信長チームの監督兼エースとしてチームメイトの武将たちを引っ張り、野球における天下統一を目指す。

登場人物・キャラクター

吉田 裕志 (よしだ ゆうじ)

16歳の純情な野球少年。練習中に戦国時代にタイムスリップし、そこで出会った織田信長に野球の魅力を伝え指導することになる。現代ではその野球オタクぶりをからかわれ、誰からも相手にされない不遇の状況に甘んじていたが、戦国時代では野球を知る唯一の人間として一目置かれる存在となる。野球ができるだけでなく、その知識や雑学も身に着ける野球マニア。 女性にはウブで、特にかわいい子には目がない。

織田 信長 (おだ のぶなが)

全国統一を目論む尾張の戦国大名。痛快で豪放磊落、周囲からは「魔王」と称され恐れられている。並外れた知力と戦闘力でライバルたちをなぎ倒し、革新的なアイディアと抜群の行動力で勢力を拡大させてきた。未来からやってきた吉田裕志の奇妙な姿と、野球という見知らぬ文化に興味を覚え、またたく間にそのとりことなる。奇想天外な発想と突飛な行動で常に配下の武将たちを戸惑わせるが、野球に打ち込む姿は純粋で愚直。 敵に後ろを見せない武士道精神をこよなく愛するあっぱれな豪傑である。実在した人物、織田信長がモデルとなっている。

お市の方 (おいちのかた)

織田信長の妹。天然っ気のあるじゃじゃ馬娘。信長チームのマネージャーとなるが、勝手が分からず侍たちを怒鳴りつけるなどズレた行動ばかり繰り返す。予測不能な行動で吉田裕志や他の武将たちを振り回して困らせるが、本人はどこ吹く風といった感じである。実在した人物、お市の方がモデルとなっている。

明智 光秀 (あけち みつひで)

織田信長の家臣。冷静な判断力と的確な分析力を誇り、信長チームではコーチ的役割を任される。個性派ぞろいの野球チームを何とかまとめようと孤軍奮闘するが、その働きは評価されず、信長からも嫌われる。もとが理論派なだけに、破天荒な信長とはそりが合わず衝突を繰り返す。実在した人物、明智光秀がモデルとなっている。

木下 藤吉郎 (きのした とうきちろう)

のちの「豊臣秀吉」で、織田信長からは「サル」と呼ばれている。野心家で、何とか取り立ててもらおうと計略を巡らせるが、野球に夢中の信長の前では空回りするばかりでまったくいい場面がない。吉田裕志が戦国の世に現れたことで本来の座を奪われ、微妙に立ち位置がずれたようにも見受けられる。実在した人物、豊臣秀吉がモデルとなっている。

滝川 一益 (たきがわ かずます)

織田信長の家臣。どんな状況でも動じることのない冷静沈着タイプ。信長チームの精神的支柱でもある。物事を理解する力と正確な状況分析、情報収集能力に優れ、信長の信頼も厚い。実在した人物、滝川一益がモデルとなっている。

柴田 勝家 (しばた かついえ)

織田信長の家臣。嫉妬深く、新参者が頭角を現そうとすると何かと妨害に出る。吉田裕志の存在も快く思わず、信長の覚えがめでたいことに嫉妬して何かと讒言を繰り返すが、不発に終わって自らの評判を落とすことになる。実在した人物、柴田勝家がモデルとなっている。

今川 義元 (いまがわ よしもと)

「東海一の弓取り」と称される駿府の大名。織田信長の挑戦を受け、桶狭間で天下分け目の野球決戦に挑む。吉田裕志と信長のチームのデビュー戦の相手でもある。飛び出しそうな大きな目玉が特徴。東海一の戦国武将を誇るも、負けた時はあっさり相手の実力を認めるなど、潔い一面を持つ。実在した人物、今川義元がモデルとなっている。

武田 信玄 (たけだ しんげん)

甲斐地方に勢力を張る戦国大名で、織田信長のライバル。凄まじい闘気の持ち主で、バッターボックスに立つだけで周囲を圧倒するほどの迫力がある。忍術を使う侍ピッチャーなど、個性的でバラエティに富んだメンバーをそろえ、吉田裕志と信長のチームに挑む。実在した人物、武田信玄がモデルとなっている。

斉藤 龍興 (さいとう たつおき)

美濃国を治める大名。抜群の知名度を誇る父や祖父と比べると能力的にも疑問符がつき、「バカ殿」と陰口を叩かれる。しかし、前評判をくつがえして武田チームを打ち破るなど、意外な活躍を見せる。その勢いをかって信長チームと雌雄を決することに。実在した人物、斉藤龍興がモデルとなっている。

竹中 半兵衛 (たけなか はんべえ)

若年ながら斉藤チームの参謀を務める智略家。機微を掴み、人の心を読む術に長ける。斉藤チームの作戦はすべて彼の頭脳から編み出され、信長チームとの試合においても多彩な策を弄して追い詰める。織田信長の武士道精神に感銘を覚え、吉田裕司のセンスにも目を光らせる。実在した人物、竹中半兵衛がモデルとなっている。

上杉 謙信 (うえすぎ けんしん)

越後の国を治める戦国大名。川中島決戦で武田信玄と名勝負を繰り広げており、野球の試合においても武田軍と対決することになる。歴史上では、「軍神」と恐れられる存在だが、それは自称であり元々は彼のほら話が後世に伝わったのが原因だという。実際は地元である越後の人間からも嫌われ、マウンドに立つやブーイングの洗礼を受ける始末である。 実在した人物、上杉謙信がモデルとなっている。

真田 昌幸 (さなだ まさゆき)

武田軍のエース。容姿端麗のルックスで多くの女性ファンを持つ。吉田裕志がマウンドに立った練習試合を見ただけでカーブを習得した天才タイプ。ギャラリーの熱い声援を受けながらマウンドに立ち、上杉謙信と対決する。実在した人物、真田昌幸がモデルとなっている。

竹千代 (たけちよ)

のちの「徳川家康」。織田信長とは旧知の間柄。幼少時、信長のせいで大恥をかいた経験があり、そのことを根に持って打倒信長を目論む。さわやかな風貌からは想像もつかないほど老獪で謀略に長け、執念深い。我慢強い性格だが、意外と小心で小さなことにこだわるタイプ。実在した人物、徳川家康がモデルとなっている。

お涼 (おりょう)

くノ一。とある大名の指令を受け、織田家の内情を探る。野球の試合で連戦連勝を重ねる織田信長の強さの秘密は、吉田裕志にあることを知り、彼の暗殺を図るが、ひょんなことから織田軍のチアリーダーを任される羽目になってしまう。

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