もう学校へなんかいかない

もう学校へなんかいかない

美人で男性は誰でも虜にしてきた岸辺野ばらだが、女友達は一人もいない。学校に来るようにと家まで誘いに来る優等生の上荻佑子だけが彼女を気にしていた。奔放な野ばらと真面目な佑子、正反対の2人が友達になることで互いに新たな世界を知ることになる友情センシティブ・ストーリー。

正式名称
もう学校へなんかいかない
ふりがな
もうがっこうへなんかいかない
作者
ジャンル
学園
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概要・あらすじ

岸辺野ばらは元々髪の色が赤茶色だったが、ある日ピンクに染める。もうこれで学校へは行けないと思う野ばらの家に、同級生の上荻佑子が、先生のいいつけで通っていた。佑子は自由奔放な野ばらをまったく理解不能だと思っていたが、優等生でありながら友達が一人もいない佑子も、実は彼女と同じではないかと考えるようになる。互いに初めての女友達になった2人は、恋愛よりずっとドキドキする少しせつない友情を育んでいく。

登場人物・キャラクター

岸辺 野ばら (きしべ のばら)

非常に美人だが学校へはほとんど行かず、成績は最低レベル。赤茶色の髪を黒く染めるか「頭髪証明書」を持ってくるまで登校を禁止されており、それに反発して髪をピンクに染めた。バラの咲く家に住んでいて、バラが良く似合う。父親は有名な小説家の岸辺隆二で金銭的な不自由はなく、その美貌で気に入った男性は皆手に入れてきたため、女子には嫌われている。 優等生だが友達のいない上荻佑子を自分の同類だと思っている。

上荻 佑子 (かみおぎ ゆうこ)

真面目に学校へ通う女子生徒で、成績が良く、自らもいい生徒だと自負している。学年主任の田山に言われ、頭髪証明書を持って岸辺野ばらの家に通っている。ほのかに恋心を抱いている入江が野ばらを気にしているのが面白くないが、自分は地味でバラが似合わないからとあきらめている面もある。優等生だが、学校には一人も友達はいない。 地味な顔は父親ゆずり。

朱鷺夫 (ときお)

岸辺野ばらのいとこで恋人。音楽雑誌のライターを生業としている。来月別の女性と結婚するが、結婚した後もセックスする関係は続けようと野ばらに告げている。結婚相手には野ばらを妹みたいな存在と紹介している。

入江 (いりえ)

うさぎや花の面倒を見ているおだやかな性格の教師で、代々教師の家系で育つ。岸辺野ばらが持って来たミニバラをずっと世話している。野ばらにずっと好意を寄せており、朱鷺夫と別れた野ばらに「付き合ってくれたら黒髪にして学校へ通う」と言われたことから道を踏み外してしまう。

芳江 (よしえ)

死んだ岸辺野ばらの母親のいとこで岸辺隆二の愛人だったが、今は野ばらと家のバラの世話をするため、野ばらの家に住んでいる。隆二は既に別の女性と暮らしているが、芳江はそれでいいと思っている。野ばらの母親代わり。

田山 (たやま)

眼鏡をかけた、太った男性教諭で学年主任。岸辺野ばらに「頭髪証明書」を提出させようと、優等生の上荻佑子を野ばらの家に通わせている。ピンクの髪で登校した野ばらの髪を切ろうとした。

上荻佑子の母親 (かみおぎゆうこのははおや)

離婚し上荻佑子を引き取り、夜の店で働きながら佑子を育てている。派手目の外見と性格で佑子には似ていないが、勉強のできる佑子を自慢に思っており、自分に似なくて良かったと思っている。

高林 (たかばやし)

上荻佑子の父親。地味で真面目な男性で、佑子の将来のことも一応は心配していたが、大学の面倒までは見られないと言い放つ。今は別の家庭があり、佑子のことを自分の子と認めない態度を取っている。新しい家庭には若くて美人な嫁と、小さな子供が2人いる。

岸辺 隆二 (きしべ りゅうじ)

岸辺野ばらの父親。有名な小説家で、作品が映画化されることになっている。野ばらと野ばらの母親、さらに芳江を捨てて別の彼女と暮らしているが、今でも野ばらと会えば優しい。「私が棄てた娘」という短編で、「一人娘の苺」として野ばらのことを書いている。

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