やさしさいっぱいの土の上で

やさしさいっぱいの土の上で

汚染された地球を救うために生み出されたはずのロボットが人間に反旗を翻し、ロボット対人類の戦いが勃発した。ロボットの捕虜となった一人の人間と、ロボットたちの交流を描いたヒューマンドラマ。

正式名称
やさしさいっぱいの土の上で
ふりがな
やさしさいっぱいのつちのうえで
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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あらすじ

クローンの研究を行っていた八津は、クローンを生み出す実験に成功し、自分のクローンを次々に誕生させる。しかし八津は、今の医学力では治すことのできない病に冒され、このままだと遠くない未来に死亡してしまう。そこで八津の同僚であるななは、治療法が見つかるまで八津をコールドスリープさせることにする。そして時は流れ、八津が目覚めると目の前には年老いたなながおり、ななの手術によって八津は完治する。そんな中、八津が外に出ようとすると、眠っているあいだに戦争が起こって地球は汚染され、人間はシェルターでの生活を余儀なくされる状況であることを知らされる。その後、ななと八津によって開発された地球清掃ロボットのHANAと、その量産機によって再び地上で住める環境になったものの、HANAたちは地球が汚染された原因は人間であると認識して排除を始める。ロボットと人間の戦争が続く中、クロは任務でロボットたちが暮らす島の近くを戦闘機で通過中に撃ち落され、ロボットの捕虜となってしまう。しかし、クロは心優しい1体のロボットのおかげで殺されずにすみ、クロと共に生活していくうちに、人間に対して憎悪しか持っていなかったロボットたちの気持ちが少しずつ変化していくのだった。

登場人物・キャラクター

クロ

ロボットの捕虜となった少年。八津のクローンである八八型の一種で、正式名称は「八八型クローンVer2.3」。「クロ」という名前はロボットが勝手に付けた名前。「オリジナル様」と呼ばれる指揮型のクローンから、ロボットとの戦争はロボットを倒した数を競うゲームだと教わっているため、捕虜となってもふだんと変わらない態度を示していた。能天気な性格でロボットに対しても距離感なく接し、特に「マザー」と呼ばれている子育て用人工知能ロボットに懐いている。マザーをはじめとしたロボットたちと過ごす中で、すべての人間とロボットがなかよくすることのできる世の中がくることを願っている。

八津 (やつ)

クローンの研究をしている天才科学者の少年。自分のクローンを作る実験を繰り返し、実験成功後は次々にクローンを作り出す。しかし、現在の医学では治療法のない病に冒され、治療法が見つかるまでななによってコールドスリープ状態となる。その後、ななの手術で完治する。眠っているあいだに戦争が起こって地球は汚染され、人間はシェルターでの生活を余儀なくされる状況であることを知らされると、ななと共に地球清掃ロボット「HANA」の開発に着手する。ななの死後もHANAの開発を継続していたが、身勝手な人間の命令によって命を削りながらの開発で心身が疲弊し、HANAを完成させた末に亡くなってしまう。HANAに対しても人間と同じように接し、ロボットに感情が生まれるきっかけを作る。

なな

八津と同じ研究所で働いていた女性。クールな性格ながら、同僚で年下の八津のことを大切に思っており、病に冒された八津をコールドスリープさせて治療法を必死に模索している。八津を完治させると、八津と共に汚染された地球を清掃することのできるロボット「HANA」の開発を進め、人間のロボットへの悪いイメージを払拭しようとする。しかし志半ばで八津にHANAのことを託し、老衰によって亡くなる。

HANA (はな)

八津とななによって開発された地球清掃ロボットの1号機。学習型の人工知能を搭載しており、八津といっしょに汚染区域で活動しながら多くのことを学ぶ。八津からは我が子のようにかわいがられていくうちに、プログラムされていない感情のようなものが生まれるようになる。その感情は量産されたHANAにも伝わり、八津の死や地球の汚染などの原因は人間であると認識し、地球にとってゴミとなる人間を清掃するために行動を開始する。

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