るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-

和月伸宏の代表作『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の続編。前作から5年の歳月を経た明治16年(1883)の北海道を舞台に、緋村剣心や斎藤一達の新たなる戦いを描く。前作の時点では構想だけが発表されていたが、その連載終了から17年を経て、「ジャンプスクエア」2017年10月号から連載された。

正式名称
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-
ふりがな
るろうにけんしん めいじけんきゃくろまんたん ほっかいどうへん
作者
ジャンル
バトル
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊9巻
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あらすじ

時は明治16年。緋村剣心らと志々雄真実一派の戦いから5年が過ぎていたが、なおも真実の残党である「“賊”」は活動を続けていた。生き残りの一人である長谷川明日郎は、真実の無限刃を所持しているために“賊”に追われ、戦いの中で剣心と出会う。明日郎は友人となった井上阿爛と共に、剣心の暮らす神谷活心流の道場で暮らす事になったが、まもなく剣心の妻、の父親である神谷越路郎が北海道にいる事が判明。剣心は明日郎や阿爛、薫、それに息子の剣路らを連れて、北海道行きの船に乗る。一方、北海道の函館では、「剣客兵器」と称せられる武装集団が函館山を占拠、剣客警官・斎藤一らと戦いを繰り広げていた。

登場人物・キャラクター

緋村 剣心 (ひむら けんしん)

幕末に「人斬り抜刀斎」の名で恐れられた剣客の男性。現在は、神谷活心流道場を営んでいた薫を妻に迎えている。かつて愛用していた逆刃刀は明神弥彦に託していたが、北海道へ向かうにあたって弥彦から返却されている。全盛期の力は失われているが、まだ飛天御剣流の技を使う事はできる。

長谷川 明日郎 (はせがわ あしたろう)

かつて志々雄真実の一派に所属していた少年。その関係で5年間投獄されていたが、たまたま井上阿爛と同じ日に釈放され、知り合いとなった。何故か無限刃が手になじむと語り、この剣がないと使う事のできない真実の秘剣「焔霊」を使いこなす事ができる。元の名前は「長谷川悪太郎」だったが、緋村剣心によって神谷活心流道場に引き取られた際、「長谷川明日郎」と改名した。 剣心達に連れられ、共に北海道へと向かう事となる。

井上 阿爛 (いのうえ あらん)

「文明開化の申し子」を自称する少年。アメリカに密航しようとして逮捕され、3か月ほど刑務所にいた。釈放された際に長谷川明日郎と出会い、以後行動を共にしている。ふだんは隠しているが実は金髪で、西洋人の血を引いている。塚山由太郎とは知り合い。緋村剣心達に連れられ、共に北海道へと向かう事となる。

久保田 旭 (くぼた あさひ)

かつて志々雄真実の一派に所属していた少女。“賊”の一人として無限刃の行方を追い、刑務所から釈放された長谷川明日郎に接触を図る。もともとは詳細不明の別組織から真実の一派へと派遣されていた身で、自分の身請け代を稼いで自由になる事を目標としている。緋村剣心達に連れられ、共に北海道へと向かう事となる。

明神 弥彦 (みょうじん やひこ)

神谷活心流道場の師範代を務めている青年。緋村剣心が北海道へ向かう決意を固めた時、自分は道場を守るために東京に残ると宣言し、逆刃刀を剣心に渡した。赤べこの看板娘である三条燕と恋愛関係にあり、剣心らが北海道へと向かったあと、プロポーズした。

(かおる)

緋村剣心の妻である若い女性。かつては神谷活心流道場の主であったが、現在はその身は退いて主婦となっている。剣心とのあいだに、剣路という幼い息子がいる。父親である神谷越路郎の生存を知り、剣路を連れて剣心と共に、その現在の居場所であるという北海道に向かう。

塚山 由太郎 (つかやま ゆたろう)

塚山商会という貿易商の若旦那である青年。緋村剣心や明神弥彦とは昔なじみ。長谷川明日郎と共にやって来た井上阿爛に無限刃の鑑定を依頼されたが、少なくとも美術品としては何の価値もないとの判断を下した。

斎藤 一 (さいとう はじめ)

明治政府に奉職する剣客警官の男性。現在は「藤田五郎」と名乗っているが、かつての名は「斎藤一」で、幕末には新撰組の二番隊組長を務めていた。「剣客兵器」を名乗る武装集団の討伐のために、緋村剣心よりも早く函館入りしている。実在の人物、斎藤一がモデル。

神谷 越路郎 (かみや こしじろう)

薫の父親である壮年男性。明治10年の西南戦争で戦死したものと思われていたが、明治16年春に函館で撮影されたとされる写真にその姿が写っており、生存が判明した。緋村剣心には、現状何らかの事情があって、戻って来る事ができないのではないかと推測されている。

志々雄 真実 (ししお まこと)

かつて明治政府に対する反乱を企てた集団の首魁を務めた男性。5年前に死亡しているが、今日なお「世紀の大逆賊」とその名を語り継がれている。生前は無限刃を愛用していた。彼の率いていた集団の残党は、「“賊”」と呼ばれており、“賊”の面々からは、名を呼ぶのもはばかられると、「言禁の首魁」と呼ばれている。

集団・組織

“賊” (ぞく)

志々雄真実が、かつて率いていた明治政府への反乱を企てた集団の残党にあたる組織。双武流の蒲原、弩鈍杵という武器を使う「賊長」と呼ばれている久保田旭らが構成員。真実の遺品である無限刃を手に入れようとしている。

剣客兵器 (けんかくへいき)

5年ほど前から北海道で活動している正体不明の武装集団。銃火器を使う事を潔しとせず、剣またはそれに類する武器を使用する。現在、函館山の山頂に立てこもって政府による函館の放棄を要求し、斎藤一や陸軍の小隊と交戦している。

場所

赤べこ (あかべこ)

東京にある人気の牛鍋屋。緋村剣心や薫ら神谷活心流の人々と昔から縁が深い。長谷川明日郎は、この赤べこの屋根の上で剣心と初めて立ち合って敗れた。看板娘である三条燕は明神弥彦の恋人。

その他キーワード

逆刃刀 (さかばとう)

刃と峰が逆についている特殊な日本刀。もともと緋村剣心が愛用していた。明神弥彦が剣心から託されていたが、剣心が北海道へ向かうにあたり、弥彦の手から剣心に返却された。人を斬らないための剣であるが、使いこなすためには人を斬った場数が必要であるという因果な性質を持つ。

無限刃 (むげんじん)

志々雄真実がかつて愛用していた特殊な日本刀。真実が死亡した時に焼失したものと考えられていたが、実は長谷川明日郎が密かに真実のアジトから盗み出し、隠し通していた。現在、刀身は手入れもされておらず、焼けてボロボロの状態となっている。

飛天御剣流 (ひてんみつるぎりゅう)

緋村剣心が使う剣術の流派。肉体に多大な負荷がかかるため、剣心は5年ほど前に、医者から「あと3、4年も経ったら使えなくなる」と指摘されたが、現状はまだかろうじて使う事はできる。「龍昇閃」「双龍閃」「九頭龍閃」などの必殺技がある。

クレジット

ストーリー協力

黒碕 薫

前作

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- (るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん)

幕末の動乱、「人斬り抜刀斎」と恐れられた維新志士緋村抜刀斎は、新時代・明治の幕開けとともに突如姿を消してしまう。抜刀斎の名を捨て緋村剣心として生きる事を決めた彼は、「不殺」の信念のもと、決して人を斬る... 関連ページ:るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-

関連

弥彦の逆刃刀 (やひこのさかばとう)

和月伸宏の代表作『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の後日談にあたる物語で、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 完全版』第22巻に収録されている。緋村剣心から元服の祝いとして、逆刃刀を託された明神弥彦... 関連ページ:弥彦の逆刃刀

書誌情報

るろうに剣心─明治剣客浪漫譚・北海道編─ 9巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2018-09-04発行、 978-4088813240)

第8巻

(2023-01-04発行、 978-4088833453)

第9巻

(2023-11-02発行、 978-4088835969)

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