デビルマンレディー

デビルマンレディー

同作者による『デビルマン』の派生作品。人間の中から獣人化する者たちが現れ始めた世界を舞台に、獣人に変身する能力を得ながら人の心を失わずに戦い続ける女性不動ジュンの数奇な運命を描く。連載当初は、『デビルマン』とのストーリー上の関連性はなく、獣人化した主人公のデザインに共通性が感じられるのみであったが、物語中盤において『デビルマン』の主人公であった不動明が登場したことで、『デビルマン』のその後を描いた作品であることが明らかになった。また、本作からさらに派生した作品として、やはり同作者の手による『キューティーハニー対デビルマンレディー』が発表されている。

正式名称
デビルマンレディー
ふりがな
でびるまんれでぃー
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

元水泳選手で現在は高校教師として生活している女性不動ジュンは、顧問を務めるテニス部の合宿の最中、人間を喰らう獣人たちに襲われる。その時、どこからか「目覚めよ!」という声が響き、その声に導かれるようにジュンもまた獣人へと変身、本能のままに戦い獣人たちを殲滅した。ジュンを目覚めさせた声の主、それは獣人=デビルビーストから人類を守るために設立された機関H・Aに所属する超能力者アスカ・蘭であった。

アスカからデビルマンレディーの名を与えられたジュンは、自身の変化に戸惑いながらも、闘争への衝動を満たすため、デビルビーストとの闘いを続けていく。

登場人物・キャラクター

不動 ジュン (ふどう じゅん)

元オリンピック日本代表の水泳選手で引退後は高校教師を務めている女性。合宿中にデビルビーストに襲われたことをきっかけにデビルマンレディーとして覚醒、H・Aの指揮下でデビルビーストと戦うことになった。その戦いの中、迷い込んだ異次元の地獄で不動明と出会い、さらに大きな運命に巻き込まれていく。

アスカ 蘭 (あすか らん)

アメリカ出身のブロンド美女。H・A所属の超能力者であり、ジュンの覚醒を促すため、その動向を監視し続けていた。物語の後半において、ジュンとは父親違いの姉であることが判明するが、それ以外にも多くの謎を秘めた存在である。

不動 真人 (ふどう まさと)

ジュンの父親であり、妻と共にデビルビースト研究を続けていた生物学者。娘ジュンがデビルビースト化することを予期し、それを抑制しうる酵素を密かに投与し続けていた。後にその研究成果を認められ、H・Aの長官に就任する。

不動 明 (ふどう あきら)

『デビルマン』の主人公であり、デーモンと合体してデビルマンとなった男。本作では、霊体となって地獄をさまよっていた。デビルビーストとの戦いの中、地獄に落ちたジュンと出会い、大きな助力を与える。

ジム・ランガー (じむらんがー)

H・Aに所属するデビルマンの1人。主にアスカの護衛役を務める。自身の内なる獣性に悩むジュンとは異なり、人間としての自分とデビルマンとしての自分は別の存在であると考えているため、精神的には安定している。

黒崎 あおい (くろさき あおい)

水泳選手時代のジュンのライバルだった女性。幼少期から受け続けた性的虐待のトラウマからデビルビーストとなり、デビルマンレディーに倒された。その後、デビルマンノワールとして復活を遂げH・Aに所属することになったが、ジュンに対する歪んだ愛情を抱き続け、ついには自らの意思で男根を生やし、ジュンを襲おうとした。

早見 青二 (はやみ せいじ)

H・Aに協力してデビルビースト事件に当たることとなった刑事。ジュンがデビルマンレディーであることを知りつつも、その美しさに惹かれていく。ジュンが生きたまま地獄へと落とされることになった事件で、銃弾を受けて殺害される。しかし、ジュンが地獄から現世に戻ると、その事件自体が存在しなかったことになっており、青二も何事もなかったように命を永らえていた。

シレーヌ

『デビルマン』に登場したデーモンの女戦士で、デビルマンとなった不動明と凄絶な戦いを繰り広げた。本作では多くのデーモンと共に地獄をさまよっており、不動明との決着を望んで再び戦いを挑む。

宇津木 涼 (うつぎ りょう)

ダンテの『神曲』を愛読する大学生。実は、(『神曲』の作中人物である)ダンテの生まれ変わりであり、前世において地獄を巡った経験を持つ。今生では、デビルビーストの集団に導かれて地獄へと足を踏み入れ、その最下層であるコキュートスに封じられた悪魔王ゼノンと合体、魔王ダンテとなって地上を襲った。 なお、宇津木涼及び魔王ダンテは、『デビルマン』のプロトタイプとも言える作品『魔王ダンテ』に登場するキャラクターでもある。

サタン

12枚の翼を持ち、かつては「ルシファー」の名で知られた堕天使。『デビルマン』では、デーモンたちを統べる者として不動明率いるデビルマン軍団と戦った。本作では、自身の存在を2つに分け、それぞれが記憶を封じたまま人間社会で活動していたことが、最終盤で判明する。

デビルビースト

『デビルマンレディー』に登場する怪物。遺伝子に潜むビースト因子の活性化により獣人と化した元人間を指す用語。当初は、闘争本能と性欲のみに従う野獣のような存在として描かれていたが、物語が進むと知性的な者も登場するようになった。

デーモン

『デビルマンレディー』に登場する怪物。『デビルマン』に登場した地球の先住種族で、本作では地獄の住人となっていた。魔王ダンテが現世に顕現したことにより、多くのデーモンが地獄からの脱出を果たし、人間に取り付くことで肉体を得て活動し始めた。H・Aでは、複数のデビルビーストが合体したものをデーモンと呼称していたが、どちらも討伐対象であることに変わりはなく、事実上両者を区別する意味は無かった。

デビルマン

『デビルマンレディー』に登場する怪物。ビースト因子によって肉体がデビルビースト化したものの、精神は人間の状態に留まっている者を指す。しかし、デビルマンとなった者は、主人公のジュンを含めてほぼ例外なく戦いと血を好み、性欲も異常に増進するなどデビルビーストと同じ性向を示しており、その境界は非常にあいまいである。 また、ジュンが不動明と出会った地獄では、デーモンと合体することでその力を手に入れたデビルマンたちも登場している。

集団・組織

H・A (ひゅーまん・あらいあんす)

『デビルマンレディー』に登場する組織。デビルビーストの存在を知った各国首脳により設立された、超国家の秘密組織。その目的はデビルビーストの大量発生を止め、殲滅することであり、戦闘要員として多くのデビルマンが在籍している。物語中盤で、ジュンの父である不動真人博士が最高責任者となるが、実はさらにその上に影の意思決定者が存在していた。

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