黒の組曲

黒の組曲

グリンフォード音楽院に通うジェスが、悪魔主義者の天才ピアニスト、リカルドに目をつけられ、運命を弄ばれる。恋人を奪われた主人公ケティがリカルドの本当の姿を暴いていくオカルトミステリー。魔女や悪魔主義者を題材にした松本洋子「黒シリーズ」3部作のうちの一つ。

正式名称
黒の組曲
ふりがな
くろのくみきょく
作者
ジャンル
オカルト
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概要・あらすじ

グリンフォード音楽院に通うケティジェスは、幼なじみで恋人同士。ある日、二人は「黒の組曲」を弾きこなす世界的に有名なピアニスト、リカルド=ドナーのリサイタルを聞きに行く。同じ音楽院出身のリカルドに花束を届けようと楽屋を訪れたところ、ジェスリカルドの飼い猫ライアードに手を引っ掻かれてしまう。

その出来事がきっかけで、リカルドジェスのピアノの指導を申し出る。そんな中、ケティジェスはメルヴィン村に帰省する。遠く離れた地元でケティは黒猫ライアードを見かける。その夜、ジェスの母親が獣に襲われて、死亡してしまう。

登場人物・キャラクター

ケティ

グリンフォード音楽院声楽科1年。メルヴィン村出身。金髪巻き毛でショートヘアの可愛らしい女の子。幼なじみで、恋人のジェスを追ってグリンフォード音楽院へ入学する。勘が良く、芯の強い女性。

ジェス

グリンフォード音楽院ピアノ科1年。黒髪の男の子。メルヴィン村出身。ケティとは同郷で幼なじみ。恋人でもある。父を早くに亡くし、母一人子一人。心優しい性格で、あがり症。陽だまりのような優しいピアノを弾く。ある日を境にリカルドそっくりの禍々しいピアノを弾くようになる。

リカルド

天才ピアニスト。グリンフォード音楽院出身。世界で「黒の組曲」を唯一弾きこなせる人物。音楽界で注目されはじめた頃、当時の婚約者と一方的に縁を切り、その直後、婚約者は変死。犯人と疑われたものの本人にはアリバイがあった。気難しく、弟子をとらない主義だが、ジェスを気に入ってピアノの指導を申し出る。 ガンで余命が少ししかないことを本人は知っている。

クレール

リカルドの妻。黒髪のロングで妖しい美しさを持つ女性。以前、マックスという男性とつきあっていたが、一方的に別れを切り出す。

ラインハルト=シュタルナー

故人。19世紀のドイツの作曲家。悪魔主義者であることを自ら公表、悪魔を称える曲「黒の組曲」を作曲し、その後、自死してしまう。「黒の組曲」は難曲で世界で一人しか弾きこなせないという。

ライアード

『黒の組曲』に登場する動物。リカルドが飼っている黒猫。ジェスの手を引っ掻き、その後、ケティやジェスを監視するように出現する。ジェスの母親が亡くなった時も、クレールの元恋人マックスが死亡した時も近くに姿を現していた。

アデラ

グリンフォード音楽院の学生。ケティの友人でルームメイト。長い巻き髪で、ヘアバンドでおでこを出しているヘアスタイル。明るく元気な性格で、ケティが落ち込んでいたら、励ましたり、元気づけようとショッピングに誘う。

マックス

クレールと以前つきあっていた男性。リカルドの母親の死後、二人の関係はうまくいかなくなる。その後、クレールはリカルドと結婚。リカルド死亡のニュースを聞いて、クレールを心配し、また、よりをもどせるのではないかと様子を見にきた。その後、ホテルで獣のようなものに襲われて死亡。その傍らには黒猫ライアードがいた。

集団・組織

グリンフォード音楽院 (ぐりんふぉーどおんがくいん)

『黒の組曲』に登場する学校。ケティやジェスが通う全寮制の音楽院。天才的ピアニストのリカルドもかつてここの生徒だった。

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