天使禁猟区

天使禁猟区

作者・由貴香織里の代表作。救世主と言われる無道刹那が妹の無道紗羅に恋をしながらも天界や地獄を舞台に困難を切り開いていく。白泉社『花とゆめ』1994年15号から連載。2022年4月、続編『天使禁猟区-東京クロノス-』が「花とゆめAi」にて連載開始。2022年9月から翌年1月まで『愛蔵版 天使禁猟区』全10巻が刊行された。

正式名称
天使禁猟区
ふりがな
てんしきんりょうく
作者
ジャンル
ダークファンタジー
レーベル
花とゆめコミックススペシャル(白泉社)
巻数
既刊10巻
関連商品
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概要・あらすじ

無道刹那は妹の無道沙羅のことが好きな普通の高校生だったが、ある日自身の前世がアレクシエルという天使だったと告げられる。そのことを信用しなかった無道刹那だったが次第に不可解な事件に巻き込まれ、超自然的な力を発揮していく。

登場人物・キャラクター

無道 刹那 (むどう せつな)

イギリス人クォーターの男子高校生。素行不良で見た目も目立つ。実の妹の無道沙羅のことが好き。口は悪いが前向きで仲間思いのさばさばした性格。実はカリスマである天使・アレクシエルの生まれ変わりで救世主だと言われていた。自分を庇って無道紗羅が死んだ時、そのあまりの悲しみと怒りによって前世のアレクシエルの力が覚醒してしまう。 その力が強大すぎて地球が崩壊しかけるが、その後、アダム・カダモンにより地球は覚醒直後の瞬間に戻される。幽体となったアダム・カダモンから「創世神に捕らわれた自分を救出し、世界を救って欲しい」 と頼まれるが、「無道紗羅の魂の救い方を教えないと世界を救うことはできない」とアダム・カダモンに取引をもちかけ、刹那は星幽界に旅立つ。

無道 沙羅 (むどう さら)

無道刹那の実の妹。イギリス人クォーターの女子高生。無道刹那の友人達からもかわいいと評判でウェーブのかかったロングヘアが特徴。実兄の無道刹那に恋愛感情を抱いてしまい、二人で逃亡した先でキリエによって殺される。実は四大天使の1人で水を司るジブリールの生まれ変わり。一度命を落としたものの天界でジブリールとして目を覚ます。

九雷 (くらい)

ゲヘナ皇国の第十四皇女。天使でも悪魔でもない邪鬼という種族。小柄で一見女の子には見えない。褐色の肌と銀髪が特徴。関西弁のような訛りで喋る。元気でがさつなところがあるが純粋な性格。かつて共闘していたアレクシエルに心酔しておりアレクシエルを復活させるために物質界へやってくる。 邪神唯一の竜使いで竜主上でもある。次第に無道刹那に恋心を抱くようになる。

紫羅九音 (あらくね)

ゲヘナ皇国の男性。ロングヘアでミニスカートという女性的な格好をしており、振る舞いや言葉使いも女性的。いつも九雷と一緒おり、何かとサポートしていた。表向きは九雷のイトコだ実は九雷の兄。ゲヘナ皇国の皇位を奪うためにベリアルのスパイをしていた。

吉良 朔夜 (きら さくや)

無道刹那の先輩。不良ではあるが読書を好み、いつも無道刹那の暴走を止めていた。正体はかつてアレクシエルと共に戦った七支刀御魂剣という刀でアレクシエルが転生する度、近くにいてアレクシエルを見守っていた。現在の姿は交通事故で死にかけていた7歳の少年吉良朔夜の肉体を借りたもの。 更に七支刀御魂剣はルシフェルの魂が転生したものでもある。

加藤 故 (かとう ゆえ)

無道刹那の先輩であり吉良朔夜の不良仲間。乱暴でキレっ早い性格だがサバサバしていて優しい一面もある。家庭環境が複雑でよく違法の薬を飲んでいた。ロシエルのチップを飲んでしまい死亡。後に星幽界で無道刹那の守護として再会する。無道刹那に精神世界から救い出され、以後行動を共にする。

斉木 翠雀 (さいき るり)

無道沙羅の親友。同級生の女の子。メガネをかけており大人しい性格をしている。無道刹那に恋心を抱いており心の底では無道沙羅にコンプレックスを抱いていた。カタンから渡されたPCゲームの天使禁猟区をプレイしたことでロシエルに操られてしまい、人格がどんどん変わっていってしまう。

無道刹那の母親 (むどうせつなのははおや)

無道刹那と無道沙羅の母親。おそらくイギリス人ハーフ。無道刹那と無道沙羅が実の兄妹でありながら惹かれ合っていることに感づいており、二人を引き離そうとする。夫である無道刹那の父親とは離婚しており、無道沙羅だけを引き取っている。

神竜三姉妹 (しんりゅうさんしまい)

自然界を司る神竜の姉妹。九雷によって召喚される。長女は翡翠で未来を予見する。次女が琥珀で火を司り、三女が瑪瑙で風を操る。翡翠以外の琥珀と瑪瑙はまだ幼い九雷を小馬鹿にしているところがある。

ザフィケル

長髪でメガネをかけた盲目の座天使長。非常に穏やかな語り口で表面上は飄々としているが意志が強い。無道刹那の自殺を止める等無道刹那を間接的に救世主としての役目に導いた。かつては残忍で女たらしの軍人であったがセヴォフタルタの策略により恋人のアナエルを殺してしまい堕天使の烙印を押される。 その際にアダム・カダモンにより命を救われ、視力を失う。実は反乱組織アニマ・ムンディの影のリーダーでありラジエルの父親だった。

キリエ

大天使シンクタンク候補生の天使。学生服を着ておりロングヘアの美しい容姿をしている。ロシエルに心酔しておりロシエルの部下として何とか功績を上げようと無道刹那を襲い無道沙羅を殺す。

カタン

ロシエルの腹心の部下である智天使。元々は実態のない精霊天使だったがロシエルによって肉体と名前を与えられる。無道刹那の覚醒に巻き込まれ死にかけるもロシエルのチップを飲み言いなりになることを拒絶した。ロシエルに絶対の忠誠を誓っていると同時にロシエル真の理解者でもある。

ロシエル

アレクシエルの双子の弟である無機天使。三枚の羽を持ち絶大な力を誇る。長い色素の薄い髪が特徴で女性のように美しい容姿をしている。傍若無人で高飛車な性格。天地大戦でアレクシエルに封印されていた。生まれた時は老人の肉塊と力の塊であり、時を経るに連れて身体が若返る逆成長を遂げる身体を持つ。 かつてはまともだったが身体が若返るに連れて精神は不安定になり正気を失っていった。姉のアレクシエルに愛されていないことに耐えらず、強い執着を抱いている。実はアダム・カダモンが創世神によって封じられる前に生み出した無の力を持った天使。

アレクシエル

ロシエルの双子の姉である有機天使。三枚の羽を持ちロシエル同様絶大な力を持つ。長く黒い髪と抜群のスタイルを誇る美女。ロシエルを生かす為に創世神と取引してロシエルとの接触を拒んでいた。堕天して創世神に反旗を翻し九雷達と共闘したため天地大戦後、転生のたびに非業の死を遂げるという罰を与えられた。 本当はロシエルのことを愛している為にロシエルを殺すことができず無道刹那の深層意識に隠れている。実はアダム・カダモンが創世神によって封じられる前に生み出した有の力を持った天使。

吉良朔夜の父親

吉良朔夜の父親。交通事故で妻と息子の吉良朔夜を一度に失った。現在、生きている吉良朔夜が本来の息子ではなく七支刀御魂剣が入り込んだ息子だということを知らない。吉良朔夜の非行に手を焼きながらも愛を注いでいる。

セヴォフタルタ

熾天使長付宰相の天使。白い衣装と床につくほどの長い髪が特徴。常に顔半分を覆うほどのマスクをしている。潔癖で残忍な性格。メタトロンの面倒を見ている。正体はサンダルフォンの研究員ライラで声や体格を変えて男に化けていただけだった。

メタトロン

大熾天使長を務める天使。ロシエルとアレクシエルに対抗するために作り出された双子の一人。サンダルフォンの双子の兄。まだ幼い少年で寂しがり屋で泣き虫。セヴォフタルタとジブリールに懐いている。夢でサンダルフォンと繋がり利用されてしまう。

ジブリール

四大天使の一人。水の守護者の天使。元智天使長。生真面目だが慈悲深い性格の美しい女性。セヴォフタルタと対立していたため、セヴォフタルタによって身体は自由を奪われ、魂は無道紗羅として転生させられてしまう。

閻羅王 (えんらおう)

星幽界で冥界を統治している存在。昇華した上級霊の結晶体で顔がたくさんあり巨大な樹木のような様態をしている。加藤故を利用して無道刹那と同士討ちをさせようとした。

ボイス

邪鬼の生き残りの少年。ノイズの双子の弟。九雷のことが好きで無道刹那に敵対心を抱いている。紫羅九音の裏切りに気づいてしまい殺される。

ノイズ

邪鬼の生き残りの少女。ボイスの双子の姉。真面目でボイスの暴走を止めることが多い。ベリアルによって魔物に寄生されてしまう。

ドビエル

智天使長代行の天使。黒縁のメガネをかけている。ジブリールの代わりにセヴォフタルタによって智天使長代行に選ばれた。ロシエルの命を狙うようセヴォフタルタの命を受けるも、逆にロシエルに捕まってチップを飲まされてしまう。

ドール

ウリエルの使用人。星幽界へ迷い込んできたキリエの魂を自分に重ねたウリエルが人形に移植したことで誕生した。ウリエルに忠誠心を持っており、無邪気だがその分悪気なく残酷でもある。無道紗羅の顔に似せて作られている。

ウリエル

四大天使の一人。大地の守護者の天使。地獄門鍵守人であると同時に裁判の際に罪人に言霊呪法で刑を言い渡す。アレクシエルのことを深く愛していたもののアレクシエルに刑を言い渡した。それを苦に思って自ら声帯を引きちぎり星幽界に隠居していた。褐色の肌と黒髪を持つ大男で本来は穏やかで気弱な性格。 それを隠すために仮面をつけていたが、その邪念に思考を乗っ取られてしまっていた。

ティアイエル

堕天使の少女。人の思考を読むことができるため不気味がられ共同地下墓地に閉じ込められた際に天使の死体を食べたことで堕天使の烙印を押された。葛藤するカタンと心を通わせ共に逃げようとする。

加藤 冴 (かとう さえ)

加藤故の5歳年上の異父姉。家庭内で目の敵にされている加藤故にも優しく接していたが少し無神経なところがあり加藤故の気持ちを逆なでした。

加藤故の父親 (かとうゆえのちちおや)

加藤故の父親。自分の妻が浮気してできた子である加藤故を目の敵にして冷たく、時には暴力も振るっていた。加藤故が早死にすることを願って故という名前をつけた。

廃竜 (にどへっぐ)

星幽界のウリエルの元にいる竜。ウリエルの言うことしかきかなかったが無道刹那のことを待ちわびていたようで無道刹那の言うことも聞いた。実はライラによって汚名を着せられて処刑された天使の魂が入った竜で無道刹那にライラへの種をたくす。

ラジエル

士官候補生の天使。ザフィケルの補佐をしている少年。生真面目でいつもザフィケルをたしなめている忠実な部下。人の意識を読み取る等の能力がある。その特異な能力を持っているのがバレて実験施設で実験体とされていたところをザフィケルに救われた。実はザフィケルとアナエルの間に生まれた子供で変異亜種。 強く能力を発動すると目が赤くなる。ザフィケル亡き後はアニマ・ムンディのリーダーになる。

ベリアル

傲慢を司る地獄の七君主の一人。九雷をルシファーの花嫁にしようと窖にやってきた。元天使でラファエルの副官だった。いつも道化の化粧をしている。外見は細身の男性だが、実際の性別は女性になりつつあった身体を薬で止めたので不明。ルシファーに歪んだ愛情を抱いておりルシファーのために献身的に働く。

ミカエル

四大天使の一人。炎の守護者の天使。能天使長。ルシファーの双子の弟。天界の境界警備隊最高責任者。見た目は少年のようで赤毛で小柄、顔に竜のタトゥがはいっているのが特徴。好戦的で気性が荒い。ルシファーに強いコンプレックスを抱いており、ルシファーと身長の話題を出されると辺り一面を焼き尽くす。 ラファエルとは親友。

カマエル

ミカエルの腹心の部下。短髪でゴツく顔の半分が機械化している。また、身体も一見して人間の肉体のようだが幾多の戦をくぐり抜けてきたためほとんどが機械化されている。ミカエルの暴走を止める役目もある。

ラファエル

四大天使の一人。風の守護者の天使。力天使長。天界一の医者でもあり死者を蘇らすこともできる。飄々としており自己中心的だが優しい一面もある。女たらしだがその裏には女性を憎む気持ちがあり、無道紗羅の強さに惹かれた。ミカエルがルシファーのことで荒れた時に身を挺してミカエルの暴走を止めた。

バービエル

ラファエルの副官。常にラファエルのことを母や姉のように親身に暖かく支えてきた。ラファエルに強い愛情を抱いておりサンダルフォンに憑依された無道紗羅からラファエルを庇い瀕死になった。

エイシェラ

邪鬼の女性。ビーストに取り憑かれたノイズからベリアルが出てきた際に殺された。

料理長殿 (しぇふどの)

アニマ・ムンディのメンバーだと思われる男性の天使。メタトロンを暗殺しようとして返り討ちにあいジブリールの幽閉されている水の庭園でセヴォフタルタの正体を見てしまい殺される。

ビースト

ベリアルによってノイズに取り憑いた魔物。邪鬼を扇動しアレクシエルを敵だと思い込ませ排除しようとした。

アバドン

ルシファーの息子。子宮の地下に幽閉されている。一目その姿を見たものはたちまちにして死ぬと言われている恐ろしい魔物。しかし心は純粋で誰もが自分を恐れ死んでしまうのを嘆いていた。無道刹那のピアスを落として落ちてきた九雷に懐いてしまう。

アスタロテ

アスタロトと身体を共有している妹。元々は双子だったが後にアスタロトの身体に精神を移すという創世神の実験によって生み出された。一見して優しい性格をしているが子どもを身籠ることに固執しており子宮に迷い込んだ者を食べてはお腹に宿していた。

アスタロト

アスタロテと身体を共有している兄。怠惰を司る地獄の七君主の一人。身体にアスタロテの精神が移されることで自らも精神の均衡を崩し、その反動か残虐で狂気的な行いを好むようになってしまった。劣っているアスタロテのことを憎んでいた。

アスモデウス

淫欲を司る地獄の七君主の一人。様々な対象に対して淫らで冷淡だが面白半分で事を進める。ベリアルに愛情を持っておりアレクシエルの身体に入った無道刹那がルシファーの婚姻の儀に紛れ込めるよう協力した。

父王 (ちちおう)

ゲヘナ皇国の先代の王で九雷と紫羅九音の父親。表立っては紫羅九音を次の後継者として育てていたが、実は本当の後継者である九雷を隠すための囮としていた。

(かい)

紫羅九音の直属の家臣。紫羅九音が次の王になるのだと信じており、それを誇りにしていた。

ルシファー

地獄の魔王。元々はルシフェルという名の天使でミカエルの双子の兄。生まれながらにして絶対悪になることを運命づけられており天界大戦を引き起こした。かつては絶対悪である運命に抗っており、アレクシエルを義の園から連れ出したが、創世神に七支刀御霊剣に魂と記憶を封印された。

アナエル

元主天使シンクタンクの天使。金髪碧眼の美しい女性。研究チームの主任を任されており、ザフィケルの恋人でライラの同僚。ザフィケルのことを咎めながらも付き合っていた。セヴォフタルタによって罠にはめられザフィケルの手で殺されてしまうがラジエルのことを身篭っていた。

ムーンリル

ジブリールの姿でセヴォフタルタに幽閉されていた無道紗羅の召使をしていた天使。純粋な少女。元精霊天使で肉体を与えられる際、人工的に知能指数を制限されているので自発的な思考が拙い。無道紗羅に懐いており、無道紗羅に騙されて代わりに人質になる。

石売りのおばさん (いしうりのおばさん)

表面上は水晶を売っている行商のおばさんだが実はアニマ・ムンディのメンバー。セヴォフタルタに捕まったジブリールの姿の無道紗羅を助けに来た。

アフ

変異亜種の子ども。生まれつき体毛が一切なく、視力が弱く、羽も骨がむきだしになっている。まだ3歳だが身体は成人のように成長している。怒ると叫びで敵を吹き飛ばすことができる。石売りのおばさんと共にジブリールの姿の無道紗羅を救いきた。

サリエル

権天使長の天使。罪人を投じている中空回廊の最高司令でもある。眼帯をしている右目は邪眼であり、その邪眼を見たものは命を落としたり操られたりする。

中空回廊の隊長 (ちゅうくうかいろうのたいちょう)

国境のパトロールをしていた軍の隊長。通行証の承認を担当している。ザフィケルを助けにきたラジエルによって殺される。

リウェイト

アニマ・ムンディに所属する発明家の天使。元大天使だがあまりにも研究熱心だったので危険因子とみなされた。まだ若い少年だが、戦闘用の兵器や戦艦を作っている。加藤故の身体に興味をもっており義手を作る。

アニマ・ムンディの女性

ザフィケルの元副官。アニマ・ムンディに所属しておりザフィケル奪還を無道刹那に願い出る。

フェリエル

ウリエル不在の間、ウリエルの代行として司法官をしていた天使。

ライラのことが好きな男性 (らいらのことがすきなだんせい)

ライラのいた研究所の同僚の天使。ライラのことが好きでライラがザフィケルのことを愛していたことも見抜いていた。ライラが優秀さゆえに嫉妬され他の男性に暴行された時に人を呼びライラを助けた。しかし、その無神経さが許せなかったライラに暴行の犯人だと突き出され処刑された。その後、星幽界で廃竜の中の魂となる。

サンダルフォン

ロシエルとアレクシエルに対抗するために作り出された双子の一人。メタトロンの双子の弟。手足や胴体はなく大きな頭部に6枚の羽が生えており、無数の赤い目を有する容姿をしており、その身体では人工羊水の中から出ることができない。ライラをセヴォフタルタに変えたり、人の悪夢に入り込んだりと絶大な力がある。 外を動き回ることのできる肉体を欲しており、メタトロンと融合してセヴォフタルタを襲い自分の身体を産ませようとした。

隊長 (たいちょう)

地獄が天界にぶつかった際に死にかけていた軍人の天使。そのショックで記憶を失っていた。空軍の警ら隊で反乱軍狩りをしていてアニマ・ムンディのメルカバにも乗り込んできた。しかしその正体は軍人が死ぬ間際にその姿を模した加藤故だった。

ヴァシル

アニマ・ムンディのメンバーの天使。ゴツイ強面の男性。ロシエルが大衆にアニマ・ムンディを悪だと印象付けるために本来のリーダーであるラジエルの代わりに、アニマ・ムンディのリーダーとして処刑した。

バルベロ

憤怒を司る地獄の七君主の一人。かつてはバルという名のミカエルの部下だったがルシファーのことが好きでルシファーを庇って死にかけた。ルシファーによって一命をとりとめ堕天する。相手の想い人の幻覚を見せて油断しているうちに殺してしまう。

Iチャイルド

禁じられている天使同士の間に生まれた子供たちの総称。赤い目と白い肌をしているためうさぎとも呼ばれる。天使同士の血は濃すぎるため、身体の一部が欠損していたり障害を持っていたりする子供が多い。親は処刑され堕天しているため形成界の最下層に隠れ住んでいる。

変異亜種 (あいおーん)

Iチャイルドの中でも特異な能力を持つ者の呼び名。ラジエルもその一人。

シャティエル

Iチャイルドの女の子。羽が片方しかない。視察をしていたラジエルを襲おうとして知り合う。勝気だが優しく他の幼いIチャイルドの面倒を見ている。上級天使に暴行をされた経験があり警戒していたが徐々にラジエルに心を開いた。

黄道十二宮天使 (こうどうじゅうにきゅうてんし)

白羊宮、金牛宮、双子宮、巨蟹宮、獅子宮、処女宮、天秤宮、天蠍宮、人馬宮、磨羯宮 、宝瓶宮、双魚宮の12人の天使。強力な術者でそれぞれ身体の一部に天使文字が入っており、それが揃うと神の塔へ続く神性界への扉が開く。

屍体請負人 (したいうけおいにん)

ロシエルに雇われて死体を運んでくる。マントをかぶり右目以外の身体を隠している。以前にはティアイエルをカタンの元へ連れてきたりロシエルの影武者を作ったりした。

アダム・カダモン

創世神が作り出した聖者。無限の宇宙元素を得る媒介。創世神の天使や人間に対する扱いに反発したため五体を割かれて封じられてしまった。封じられる前にロシエルとアレクシエルを生み出すも、頭部は永遠に天使の胎児達の養分にされてしまった。

創世神 (あどない)

外宇宙の意識集合体で自分という個体がこの世で至高の存在でなければならないという歪んだ概念を持つ。実体はない。世界を無に返す終末プログラムを発動させたため一度はアダム・カダモンに飲み込まれたが、復活しつつある。

地獄の七君主 (じごくのななくんしゅ)

地獄の最下層子宮を統治する7人の悪魔。傲慢のベリアル、淫欲のアスモデウス、怠惰のアスタロト、憤怒のバルベロ、嫉妬のリヴァイアタン、貪欲のグリード、暴食のベールゼビュートから成る。ルシファー不在の地獄が崩壊しかけた時に地獄の全壊を防ぐために7層の地獄を天界に体当たりさせた。

集団・組織

アニマ・ムンディ (あにまむんでぃ)

ザフィケルをリーダーとしていた天界の反乱組織。創世神不在のセヴォフタルタが実権を握る天界のあり方に疑問を抱いた者達の集まり。暴力的な手段も厭わない。

場所

義の園 (えでん)

かつて創世神がアレクシエルとロシエルが同化するのを恐れてアレクシエルを幽閉していた場所。エデンの木とも言う知恵の樹で覆われており、その知恵の樹はアダム・カダモンの左目を養分としていた。

神の塔 (えてめなんき)

創世神が住む塔。時限回廊という長い廊下を謁見を選ばれし者が一歩一歩進みながら罪と懺悔を行いながら進むと創世神の謁見の間がある。

物質界 (あっしゃー)

天界と地獄の間に位置する地球。創世神によって終末プログラムを発動され一度は破滅しかけたがアダム・カダモンによって崩壊直前の状態で時を止められた。

星幽界 (へいでぃーず)

冥界。人間が死んだ場合その魂が行き着く場所。羽を落とされて亡者化した天使もここにいる。ウリエルが隠れ住んでいた。

ゲヘナ皇国

九雷達邪鬼が所属する皇国。邪鬼たちで構成されている。九雷が亡国していた間に皇家の一族はほぼ全滅しており九雷と紫羅九音がたった二人の生き残りだった。自然霊である竜を信仰している。

イベント・出来事

天地大戦 (てんちたいせん)

ルシファーがまだ天使のルシフェルであった時に創世神に反逆するために引き起こした天界と地獄を巻き込んだ戦争。アレクシエルもこの戦争を機に堕天して九雷らと手を結んで戦った。この時アレクシエルはロシエルとも対峙しているがロシエルを殺すことができず封印するにとどまった。その後アレクシエルは氷漬けにされウリエルにより処刑された。

その他キーワード

不知火 (しらぬい)

『天使禁猟区』に登場する剣。高僧千人以上の血を吸ったたため自ら主人を選ぶ霊剣になった。七支刀が吉良朔夜の前に取り付いていた少年から離れる際に七支刀を主人と認めてついてきた。

苦よもぎの卵 (にがよもぎのたまご)

大天使が創世神から託された兵器。地上の3分の1をも破戒する巨大な流星を呼び起こす。ウリエルが星幽界で保管していたがルシファーに対抗するために発動した。本来は神の加護を捨てた者にのみ有効とされていたが、発動すると天使にすらその効力は発揮された。

神性界 (あつぃると)

天界の最上階に位置する層。創世神が住む神の塔が存在している。黄道十二宮天使の持つ天使文字を用いた儀式により宇宙でグランドクロスが起こらないと門が開かない。アレクシエルの住んでいた義の園もここにあり、アダム・カダモンが幽閉されている。

形成層 (いぇつぃらー)

7層に分かれた天界の下から5層全てを指す名称。上から順に上級天使から下級天使が住んでいる。一番下の層はIチャイルド等が住む貧民窟。

(あなぐら)

7層に分かれた地獄の最上位に位置する層。ゲヘナ皇国が存在する地。比較的住みやすい。

子宮 (しおうる)

7層に分かれた地獄の最下位に位置する層。ルシファーを王とする地獄。地獄の七君主も住んでいる。過酷な地なのでルシファーが自らの身体と子宮を同化させ、住めるように整備した。ルシファーの魂が七支刀御魂剣として抜かれてしまったため崩壊の危機に瀕している。

創造会 (べりあー)

7層に分かれた天界の上から2番目に位置する層。セヴォフタルタやメタトロン等の天界の政治を動かす天使たちがいる。

天使禁猟区 (てんしきんりょうく)

カタンがロシエルの封印を解くために物質界で人間に配ったPCゲーム。このゲームをするといずれその人間は生贄になる。このゲームによって生まれた生贄と東京大停電で生まれた熱量でロシエルは復活する。

続編

天使禁猟区-東京クロノス- (てんしきんりょうく とうきょうくろのす)

由貴香織里の代表作『天使禁猟区』の続編。舞台は現代の日本で、前作のストーリー終了から数十年後の世界。他人には見えないものが見える中学2年生の少年、叶久遠が、同じ学園に通う高校2年生の少女、風護カリスへ... 関連ページ:天使禁猟区-東京クロノス-

書誌情報

愛蔵版 天使禁猟区 10巻 白泉社〈花とゆめコミックススペシャル〉

第1巻

(2022-09-20発行、 978-4592212812)

第2巻

(2022-09-20発行、 978-4592212829)

第3巻

(2022-10-20発行、 978-4592212836)

第4巻

(2022-10-20発行、 978-4592212843)

第5巻

(2022-11-18発行、 978-4592212850)

第6巻

(2022-11-18発行、 978-4592212867)

第7巻

(2022-12-20発行、 978-4592212874)

第8巻

(2022-12-20発行、 978-4592212881)

第9巻

(2023-01-20発行、 978-4592212898)

第10巻

(2023-01-20発行、 978-4592212904)

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