ママゴト

ママゴト

スナックアムールの美人ママ映子は、旧友の滋子に5歳の息子タイジを強引に押し付けられる。そのまま行方をくらましてしまった滋子を恨みつつもタイジとの共同生活をはじめた映子だが、タイジの優しさや強さに触れることで頑なだった自分の心とその原因となった過去と向き合い、次第にタイジに愛情を傾けるようになっていく。物語の舞台は明記されていないが、登場人物の多くは広島弁を話す。

正式名称
ママゴト
ふりがな
ままごと
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
関連商品
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概要・あらすじ

20年前に赤ちゃんを亡くし、その過去から逃げるように生きてきたスナックの美人ママ映子。彼女の元に旧友の滋子が突然現れ、5歳になる息子のタイジを強引に預けるとそのまま行方をくらましてしまった。過去のトラウマから子供と触れ合うことを極度に嫌がる映子だったが、母と離れた寂しさを隠して、明るくふるまうタイジの優しさや強さに触れ、また自分の心の傷に向き合うことで、タイジを大切に思うようになる。

しかし滋子が結婚することになり、このママゴトのような共同生活にも終わりが近づく。

登場人物・キャラクター

恩地 映子 (おんち えいこ)

恵まれない家庭に育ち、逃げるように家を出て、ファッションヘルスで働いていたところ、まもなく妊娠。一人で子供を産むが、その赤ん坊をウッカリ熱中症で死なせてしまう。以来、その事実に背を向け細々と水商売を続けて20年。今は、スナックアムールを経営し、アラフォーながらも、美人ママと近所では評判になっている。 そんな映子のもとに、ヘルス時代の親友だった滋子が突如現れ、5歳になる息子のタイジを強引に押し付けていった。過去のトラウマから、明るくしっかり者のタイジを前にしても、映子は冷たい態度をとってしまう。タイジも母親と離れて寂しい思いをしていることを知った映子は、徐々に優しさを見せるようになり、いつしかタイジがかけがえのない存在になっていく。 裁縫は得意だが、それ以外の家事は苦手。

タイジ

丸々とした体格の5歳児。滋子の息子。髪は、滋子によく似た黒髪の天然パーマ。明るく元気なしっかり者で、人見知りせず誰とでもすぐに打ち解けられる。滋子によって映子の元に強引に預けられた際も、タイジを煙たがる映子を怖がるようなことはなく、マイペースで映子に接していた。 悪気なく一人でふらっと外に出て行ってしまったり、見知らぬ人に声をかけたりするので、周囲を心配させることもしばしば。戦隊ヒーローのウルトライジャーが大好き。

滋子 (しげこ)

映子の旧友で、タイジの母親。20年前、映子と同じファッションヘルスで働いていた頃は、映子と姉妹のような関係だった。子供の頃、両親が離婚する時に、2人が兄だけを取り合い誰も自分を欲しがらなかったことから両親とは絶縁。以降自分には苗字がない、苗字は結婚する相手からもらうことを夢見ている。 しかしながら、タイジの父親とは結婚していない。母親としてタイジの面倒はよく見ていたようだが、借金返済のための仕事が忙しくなり、断腸の思いで映子にタイジを預けた。後に舞善と結婚する。

岩木 亜編多恵 (いわき あぺんたえ)

南国ハーフの小学3年生の女の子。学校をサボって商店街に隠れていたところをタイジと出会う。生意気で勝ち気な性格だが、優しくて傷つきやすい面もある。一風変わった名前や、両親の歳の差、ハーフ特有の見た目などが原因で学校に行きづらくなり、度々さぼっている。「アペンタエ」という名は、彼女の祖母の名前からつけられたもので、本人はあまり気に入っていない。 しかしながら、アペンタエが子供の守り神と同じ名前であることから、子供、とくにタイジを守ることに使命を感じている。

岩木 チャルテシッサ (いわき ちゃるてしっさ)

亜編多恵の母親で南国の島生まれの28歳。カラオケパブで岩木と出会い、略奪婚の末、亜編多恵を産んだ。天然ボケで未だに日本語がおぼつかないところがあるが、子供に対する愛情は深く、自分に優しく接してくれるタイジを引き取りたいと映子に談判することも。料理が上手く、ちゃんとした食材を作る「チャントメイト研究所」のものを使うなど、家族の健康にも気を配っている。

舞善 (まいぜん)

「チャントメイト研究所」という食品を作る農場を経営している男性。一人息子の光が体が弱く、幼いころの怪我が原因で車椅子生活なので、彼のためにより良い食品と、独自の教育方針を考案している。理屈っぽい堅物で、子供らしく振る舞うタイジをとても厳しく躾けようとする。滋子に対しても最初は人となりや、母親や妻としての資質を見極めようと厳しい態度を取っていた。 出て行った光を探しに来た際に映子に一喝され、滋子にプロポーズ。滋子と結婚する。

舞善 光 (まいぜん こう)

舞善の一人息子。母親は、横暴な性格の舞善とそりが合わず光を連れて出ていったが、その道中で交通事故にあい死亡。光は一命はとりとめたが、車椅子生活を余儀なくされる。父親の独自の教育方針のため、学校には通わず家庭学習を続けている。物静かで、不満があっても父親には逆らわないようにしているが、本当はもっと強くなって何でも自分でできるようになりたいと思っている。 滋子にもなついている。

コーリ

本名不明。高利貸しの借金取り。返済が滞っている滋子を追い回し、映子のもとを訪れた。強面で債務者には厳しい取り立てをするようだが、その息子であるタイジには優しく接してくれる。タイジと触れ合うのを怖がったり、失うことを恐れる映子に対してもそれとなくアドバイスをしてくれる。妻とは離婚して、一人娘がいる。 娘には「パパちゃん」と呼ばれている。

クロジ

『ママゴト』に登場する動物。タイジと亜編多恵が商店街でみつけたカラスのヒナ。巣から落ちたようで、猫に襲われそうになっていた。まだ飛べないのでタイジが連れ帰り、映子の反対を押しのけ世話をすることに。しかしその数日後、タイジが寝ている間に死んでしまう。映子は、こっそりクロジを埋めたが、亜編多恵に見られてしまい、2人でクロジはお母さんが迎えに来たことにした。

高城

アムールの近くにある老舗スナック高城のママ。表向きはアムール開店の際に挨拶がなかったという理由で映子を目の敵にしているが、本当の理由は、客をアムールに取られたため。お金が大好きで、愛犬にもゆきちという名前を付けている。元は信金の支店長の愛人で、バブルの時はブティックやお好み焼き屋なども経営していたが、10年前に支店長が脳溢血で亡くなり、以来資金繰りに詰まるように。 ついには高城も手放すことになった。その際、ゆきちをタイジに託したが、後日考えを改めて連れ戻しに来た。弟が経営する工場で働きながら、ゆきちと暮らすことにしたと映子に報告し、街を離れた。

ゆきち

『ママゴト』に登場する動物。スナック高城のママが溺愛している愛犬。マルチーズのような長毛の小型犬で、白くてふわふわしている。人見知りしない性格で、タイジにもすぐなついたが、やはり一番好きなのは飼い主の高城のよう。

岩木 (いわき)

カラオケリースのロックウッドという会社の社長。亜編多恵の父親でチャルテシッサの夫。48歳の妻がいたが関係が冷え切っていたため離婚、カラオケパブで出会った当時18歳のチャルテシッサと再婚した。

ウルトライジャー

幼児から小学生の男の子を中心に人気を集めている。パジャマやチョコレートなど関連商品がたくさん発売されている。

場所

アムール

主人公映子が経営するスナック。つぶれたスナックを居抜きで映子が安く買いたたいた。フードは基本的に乾きもののみで、料理は出ない。小さいお店ながらも常連が何人かいる。

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