アナスタシアとおとなり

アナスタシアとおとなり

田舎でSF作家の父ローレンスと暮らす5歳の幼女アナスタシアの家の隣に、不思議な二人組、アーシェラとオルバー・ケロムが5匹の猫とともに引っ越してくる。彼女らは魔法を使い、退屈だったアナスタシアの暮らしを、騒がしくも楽しみに満ちたものに変えてしまうのだった。少女漫画が変革を迎えていたころに登場した、マジカル・ファンタジー・ドタバタコメディ・コミック。『アナスタシアのすてきなおとなり』『アナスタシアのすてきな一週間』『アナスタシアのすてきないとこ』『アナスタシアのすてきなさよなら』の4つの短編で構成される連作である。

正式名称
アナスタシアとおとなり
ふりがな
あなすたしあとおとなり
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

田舎でSF作家の父ローレンス・グレアムと暮らす5歳の幼女アナスタシア(ママは病気で亡くなっている)。おりからのSFブームのためパパは取材旅行と締め切り続きの忙しさで、アナスタシアは家政婦さんに任せっぱなし。寂しさと退屈でつらい思いをしていた彼女だったが、ある日、隣の家に不思議な二人組、アーシェラオルバー・ケロムが5匹の猫とともに引っ越してくる。

彼女らは魔法を使い、アナスタシアの暮らしを、騒がしくも楽しみに満ちたものに変えてしまう。混乱するパパを尻目に、アナスタシアははしゃぎまくり、彼らの家に訪ねてくる人々をも巻き込んで、日々ドタバタが繰り広げられる。しかし、アーシェラオルバー・ケロムに星からの知らせが届き、結末がやって来るのだった。

登場人物・キャラクター

アナスタシア・グレアム

田舎でSF作家の父ローレンス・グレアムと暮らす5歳の幼女。母のエカテリーナは病気で亡くなっている。SFブームのためパパは取材旅行と締め切り続きの忙しさで、アナスタシアは家政婦さんに任せられ、そのため寂しさと退屈でつらい思いをしていた。しかし、ある日、隣の家に魔法を使う不思議な二人組がやって来たために、アナスタシアの生活は、騒がしいが楽しさに満ちたものとなった。 最終話『アナスタシアのすてきなさよなら』で、その年の秋からアナスタシアは学校へ通い始めることが示唆され、幸せな幼年期の終りが示される。

ローレンス・グレアム

アナスタシアの父親。昨年までは純文学を書いていたが、遊び半分で書いたSF小説が「ヒュービュラ賞」をとってしまい、以後売れっ子作家になってしまう(「ヒュービュラ賞」は架空の名称。アメリカの有名なSF作品を対象とするヒューゴー賞とネビュラ賞をくっつけたものと思われる)。 『2001年宇宙のオットセイ』『火星人カムホーム』などという著作がある(有名なSF小説『2001年宇宙の旅(オデッセイ)』『火星人ゴーホーム』のもじり)。多忙なため、アナスタシアの面倒は家政婦に任せていたが、隣に魔法を使う不思議な二人組が引っ越して来てからは、家政婦がすぐやめてしまうので、仕方なく自分で家事をやるようになった。 死んだ妻のエカテリーナとは、できちゃった学生結婚だったらしい。マージョリーという妹がいる。

アーシェラ

アナスタシアの隣の家に、オルバー・ケロムと5匹の猫と一緒に引っ越してきた金髪眼鏡の女性。魔法を使う。外見は若いが、実際の年は365歳らしい(アナスタシアと同じ誕生日)。第3話『アナスタシアのすてきないとこ』で、いろいろな童話に登場する魔女たちはみんな彼女の親戚ということが判明する。 最終話『アナスタシアのすてきなさよなら』で、急に「集会」に参加するため、ブロッケン山に向かうことになる。短編『マーガレット荘の老婦人』に登場する(「秋田漫画文庫」版『アナスタシアとおとなり』に収録されている)。

オルバー・ケロム

アナスタシアの隣の家に、アーシェラと5匹の猫と一緒に引っ越してきた人型の存在。魔法を使う。顔は、丸い輪郭に毛が三本だけ生えており、鼻はなく、そばかすのようなものが頬のあたりに付いている。男性でも女性でもないと自称している。いつもタートルネックのセーターを着ている(作者の自画像がモデルらしい)。 いたずら好きで、5匹の猫を出したり消したり、宙に浮かべたりして人を脅かす。初登場時、アナスタシアから正しく名前を呼んでもらえず、「オバケ」「オルバケモノ」などと呼ばれた。最終話で、ブロッケン山へ行かなければならなくなる。アーシェラと一緒に短編『マーガレット荘の老婦人』に登場する(「秋田漫画文庫」版『アナスタシアとおとなり』に収録されている)。

ケインズ

アナスタシアの父ローレンスが書いている小説を掲載している雑誌の編集長。雑誌名は不明。額の生え際がかなり後退しており、わりと加齢が進んでいるらしいが、年齢は不明。名前も不明。かなり強引な性格で、自分のテーマをローレンスに押し付け、ローレンスが書けないでいると怒鳴りこんでくる。 第2話『アナスタシアのすてきな一週間』と第3話『アナスタシアのすてきないとこ』に登場。ローレンスの妹マージョリーと結婚している(後妻らしい)。

リオネル・ケインズ

アナスタシアのいとこの黒髪の男の子。年齢不明だが、だいたいアナスタシアより少し上くらい。ケインズ編集長がローレンスの妹マージョリーと結婚したため、連れ子のリオネルはアナスタシアと血の繋がらないいとことなった。マージョリーが突然家出したので、彼をローレンスの家で預かることになってしまう。 科学知識がありむやみに現実的で、女性が苦手でロマンチックなファンタジーなどは大嫌い。リオネルをこらしめるため、アーシェラは彼とアナスタシアを、童話の世界に送り込んでしまう。

ウィローミア先生 (うぃろーみあせんせい)

アナスタシアが参加した村の夏期学校で引率を務めた若い女性の先生。年齢・名前不明。最終話『アナスタシアのすてきなさよなら』に登場。ブロッケン山に行かなければならなくなったアーシェラとオルバー・ケロムが、魔法でウィローミア先生をローレンスと結婚させようと目論むが、ウィローミア先生にはトーマスという恋人がすでにいたためにあきらめる。 ウィローミアという名前は、小説『赤毛のアン』に登場する池の名前からとったと思われる。

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