ジョジョの奇妙な冒険 Part 5 黄金の風

ジョジョの奇妙な冒険 Part 5 黄金の風

『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの第5部となる作品。2001年のイタリアを舞台に、ギャング組織パッショーネに加入したジョルノ・ジョバーナが、彼の目標とする「ギャング・スター」へと上り詰める姿と、組織からは追われることとなる彼の仲間たちを描く群像劇。なお、副題の『黄金の風』はのちになって付けられたもの。連載時の副題は「第5部 ジョルノ・ジョバァーナ【黄金なる遺産】」であった。

正式名称
ジョジョの奇妙な冒険 Part 5 黄金の風
ふりがな
じょじょのきみょうなぼうけん ぱーとふぁいぶ おうごんのかぜ
作者
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

舞台となるのは2001年のイタリア。ギャング・スターに憧れる少年ジョルノ・ジョバァーナは、とあるトラブルが原因で、ギャング団「パッショーネ」の一員であるブローノ・ブチャラティに狙われる。しかし、戦いの中で彼が麻薬を憎む男であることに気がついたジョルノ・ジョバーナは、子供にまで麻薬を流すパッショーネのボスを倒し、自らが組織のトップに登りつめるという野望を告白。

ブローノ・ブチャラティはその想いに共鳴し、ジョルノ・ジョバーナを自身のチームに引き入れる。その後、戦いの中でジョルノ・ジョバーナは次第にチームの仲間達と信頼関係を築いていくが、やがてパッショーネのボスが保身のために娘のトリッシュ・ウナを殺そうとしたことが発端となり、ブローノ・ブチャラティたちは組織を離反。

追手との攻防を続けながら、ボスの秘密へと迫っていく。

登場人物・キャラクター

ジョルノ・ジョバァーナ (じょるのじょばぁーな)

父親はジョースター家の宿敵であるDIO。しかし、この時のDIOは首から下がジョナサン・ジョースターの肉体を乗っ取ったものであるため、結果としてジョースター家の遺伝子を受け継いでいる。母親は名称不明の日本人女性。本名は汐華初流乃だが、イタリアで生活する中で、現地での発音に似た「ジョルノ・ジョバァーナ」を名乗っている。 幼少の頃から劣悪な環境で過ごしていたが、たまたま命を助けたギャングの男によってはじめて「人を信じる」ことを教わったため、ギャング・スターに憧れるようになる。そして街を浄化するためにはギャング組織を掌握するしかないと考え、組織の頂点を目指す。 スタンドは幼少時より才能の片鱗を見せており、「ゴールド・エクスペリエンス(黄金体験)」と呼ばれるそれは、無機物に生命を与える能力を持つ。やがてその応用で人体の補修も可能となり、さらに最終的には「スタンドを超越したスタンド」というべき「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」へと進化を遂げる。

ブローノ・ブチャラティ

ギャング組織パッショーネの一員で、ジョルノ・ジョバーナの所属するチームのリーダー。地元の市民たちには非常に慕われている。組織の上層部からの信頼も厚く、ポルポの死後は幹部に昇進。しかし、自分のチームに下されたトリッシュ・ウナをボスのもとへ護送する任務の真意が「ボスの正体を知る手がかりをすべて消す」という保身であったことを知り、パッショーネから離反を決意。 その際の戦闘において本来なら死に至る重傷を追うが、ジョルノ・ジョバーナのスタンドで治療されたことによって、肉体が死亡したまま生命エネルギーによって活動する存在となる。しかし、その状態も長くは続かず、最終決戦ではボス打倒の希望をジョルノ・ジョバーナに託して息を引き取る。 使用するスタンド「スティッキィ・フィンガーズ」は、触れた箇所にジッパーを取り付け、中に空間を作ったり、物体の開閉や分離を可能とする能力を持つ。壁の通り抜けや物品の隠蔽、さらには違う肉体を繋ぎ合わせるなど、非常に応用性が高い。

グイード・ミスタ

パッショーネの一員で、ブローノ・ブチャラティの部下。チームのムードメーカー的な存在で、単純な生き方を信条とする。非常に験を担ぐ一面があり、「4」という数字を異常なほど忌避している。組織に入る以前、数人の男から暴力を受けていた女性を救おうとして彼らを射殺。 そのことから禁固15年から30年の判決を下されてしまうが、人間離れした銃撃戦の証言に特殊な能力の才能を見出したブローノ・ブチャラティによって救い出され、組織の一員となる。使用するスタンドは、6体からなる小さな人型のビジョンで弾丸をコントロールする「セックス・ピストルズ」。6体それぞれが人格を備えており、食事や昼寝を要求することもある。 また、No.1からNo.7までのナンバーが割り振られているが、グイード・ミスタ本人が「4」を忌避しているためNo.4は存在しない。最終決戦ではジョルノ・ジョバーナをサポートする大きな働きを見せ、最後まで生存。組織のトップとなったジョルノ・ジョバーナの右腕と言うべきポジションに収まっている。

ナランチャ・ギルガ

パッショーネの一員で、ブローノ・ブチャラティの部下。浮浪児同然の生活をしていたところをパンナコッタ・フーゴに救われたことからパッショーネの一員となることを望むが、安易にギャングという生き方を選ぶことにブローノ・ブチャラティは反対。しかし、親にすら見捨てられた自分を真剣に叱ってくれた彼のために働きたいと強く願い、秘密で入団試験を受けて合格を果たす。 使用するスタンドは、プロペラ機のようなビジョンの「エアロスミス」。銃撃や爆撃によって攻撃が可能であるほか、二酸化炭素を探知する能力も備えている。満足な教育を受けていないため、計算は非常に苦手。そして最終決戦では、この戦いが終わったら学校に通うという希望を仲間に語るが、ディアボロのスタンド「キング・クリムゾン」の攻撃によって鉄柵に串刺しにされ、命を落としてしまう。

レオーネ・アバッキオ

パッショーネの一員で、ブローノ・ブチャラティの部下。組織に入る前は警察官だったが、汚職に手を染めたことが原因で同僚を死なせてしまい、失意のうちにパッショーネに入団している。疑り深い性格で、かつ排他的な一面が強い。そのため新入りのジョルノ・ジョバーナに初対面ではティーポットに注いだ自らの尿を飲むよう嫌がらせを行い、最後まで完全に心を許すことはなかった。 しかしチームの目的を達成しようという意識は非常に強く、そのためなら自らの犠牲も厭わない。使用するスタンドは、特定の人物やスタンドの行動を再現することができる「ムーディー・ブルース」。その能力によって正体不明のボスの素顔を知るキーマンとなるが、それが原因でヴィネガー・ドッピオに暗殺される結果となってしまう。

パンナコッタ・フーゴ

パッショーネの一員で、ブローノ・ブチャラティの部下。IQ152の頭脳を持つ、チームのブレーン的存在。入団以前も13歳で大学入学を許可されるほどの知性を見せていたが、温厚そうな外見に似合わずキレやすい性格で、大学の教師を百科事典で殴打したことからまっとうな社会生活の道から外れてしまう。 その性格を反映したかのように、自身のスタンド「パープルヘイズ」も非常に凶暴。両手のカプセルに殺人ウイルスが仕込まれており、感染した生物はおよそ30秒ほどで全身の肉が溶解するようにして死に至る。なお、ブローノ・ブチャラティがパッショーネを離反することを決めた際に、パンナコッタ・フーゴだけは現実的な選択をして組織に残留。 そのままチームを離れて本作中では姿を消しているが、その後の経緯は小説『恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-』にて描かれている。

トリッシュ・ウナ

パッショーネのボスであるディアボロの娘。その存在は、ボス自身も最近になって知ったことである。ブローノ・ブチャラティのチームが彼女をボスの元まで護衛する命令を受けたため行動を共にするが、その真の目的はボスの正体を探られる原因となる者をボス自身が殺害しようというものであったことから、その後はブローノ・ブチャラティたちと逃亡を続けることとなる。 護衛を始めた時点ではスタンド能力に覚醒しつつある状態だったが、ノトーリアス・B・I・Gとの戦闘において絶体絶命の危機に追い詰められてビジョンが発現。スタンド自身が人格を持っており、「スパイス・ガール」と自ら名乗っている。 能力はあらゆる物体の軟質化。時計のような機械類は、作動させたまま柔らかくすることもできる。

ディアボロ

ギャング組織パッショーネのボス。複数の偽名を持ち、自分の正体を探ろうとする者を決して許さない。その手がかりとなることが懸念された、実の娘であるトリッシュ・ウナをも自らの手で葬り去ろうとした。また、ヴィネガー・ドッピオという第2の人格を内包しており、そちらが表に出ている状態では、性格だけでなく顔や体格もまったく別人となる。 使用するスタンドは、時間を消し去る能力の「キング・クリムゾン」。額に現れる小さな顔の「エピタフ」で十数秒先の未来予知も可能なため、自分がダメージを受けるといった都合の悪い時間だけを消し去ることができる。しかし、無敵に思われた能力もジョルノ・ジョバーナのスタンドが「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」に進化したことによってことごとく無効化され、最後は「死ぬ」という終わりに到達することすらできずに永遠に死に続けるという、無限地獄を味わうこととなる。

ポルポ

パッショーネのネアポリス地区幹部で、かつ入団試験を担当。ブローノ・ブチャラティの直接の上役でもある。とてつもない肥満体型の巨漢で、あえて刑務所に収監されたまま外部に指令を出す。警察の内部にも融通がきくため、独房にはテレビやプラモデルから本物の名画、さらには拳銃までが持ち込まれ、ほぼ自由な生活を送っている。 彼の課す入団試験は「ライターの火を消さずに24時間守る」というものだが、実際にはライターを再点火することで彼のスタンド「ブラック・サバス」が出現。そして口の中にある矢によって射抜かれた者にスタンドの才能があれば生き残り、そうでない者は命を奪われてしまう。 しかしジョルノ・ジョバーナが入団試験を受けた際、無関係な学校の用務員が死亡したことで怒りをかうこととなり、ゴールド・エクスペリエンスの能力でバナナに変えられた拳銃を手にしたため、頭部を撃ち抜いて死亡。自殺ということで処理された。

マリオ・ズッケェロ

パッショーネの一員。ポルポが残した隠し財産を狙い、サーレーと協力してブローノ・ブチャラティのチームを襲撃した。手にしたレイピアで刺した人や物体を、空気の抜けた浮輪のようにペラペラにするスタンド「ソフト・マシーン」を使用。その能力でブローノ・ブチャラティたちが乗船するボートに特殊な隙間を作り、そこから次々とターゲットを戦闘不能にした。 しかし、戦闘には不向きなスタンドのため、トリックを暴かれるとあっという間に敗北。ブローノ・ブチャラティのスティッキィ・フィンガーズに首と胴体を分離され、グイード・ミスタたちに半ば弄ばれるような拷問を受ける羽目となった。

サーレー

パッショーネの一員。ポルポが残した隠し財産を狙い、ブローノ・ブチャラティのチームを襲撃。マリオ・ズッケェロと合流するはずだったが、彼が洋上で敗北したため、先行して上陸してきたグイード・ミスタと戦闘になった。スタンド「クラフト・ワーク」は触れた物を固定する能力があり、そのためグイード・ミスタの撃った拳銃の弾丸は、サーレーの皮膚に触れた所で止まってしまう。 また、空中で静止した弾丸に少しずつエネルギーを蓄積させて解放することで、反撃することも可能。しかしグイード・ミスタのスタンド・セックス・ピストルズの連携プレイによって、額に固定していた弾丸をさらに押し込まれて敗北する。

リゾット・ネエロ

パッショーネで暗殺を専門に行うチーム(通称・暗殺チーム)のリーダー。常に危険に晒されるにも関わらずチームは冷遇されているため、ボスの暗殺と麻薬ルートの乗っ取りを画策。そのためにボスの正体を探ろうとしている。自らの体内に潜む珍しいタイプのスタンド「メタリカ」を使用し、物質に含まれる鉄分を自由に操る。 それ能力でターゲットの血液中から鉄分をカミソリや針にして排出させ、直接的なダメージを与えると共に体を酸欠状態にしてしまう。また、砂鉄を利用して背景に溶け込むなど高い応用力を見せ、これまで一度も暗殺に失敗したことはなかった。サルディニア島にてブローノ・ブチャラティたちを追跡中に、ヴィネガー・ドッピオと交戦。 戦闘中に彼が二重人格者であり、正体がボスであるという真実に辿り着く。そして彼を瀕死の状態にまで追い込むが、近くにいたブローノ・ブチャラティのチームを利用されて敗北。ボスを道連れに死のうとするが、キング・クリムゾンの能力で自分だけが死亡してしまう。

ホルマジオ

パッショーネの暗殺チームに所属するスタンド使い。ボスの正体に繋がるトリッシュ・ウナを狙い、ブローノ・ブチャラティのチームを追跡。必要な物を買いに単独で行動していたナランチャ・ギルガと交戦する。使用するスタンドは、切りつけた物を小さくする能力を持つ「リトル・フィート」。 これによって縮小したナランチャ・ギルガを肉食の蜘蛛に襲わせる拷問を行い、トリッシュ・ウナの居場所を吐かせようとした。その後逆襲を受けたため、今度は自らを小さくすることで逃亡を図るが、ナランチャ・ギルガのスタンドによる無差別攻撃によって敗北。全身を撃ちぬかれて死亡する。

イルーゾォ

パッショーネの暗殺チームに所属するスタンド使い。鏡の中に空間を作り出すスタンド「マン・イン・ザ・ミラー」を使う。自らが許可したものだけを鏡の空間に出し入れでき、相手がスタンド使いの場合は本体だけを鏡の中に引き込んで、無力化した相手を一方的に攻撃することが可能となる。 その能力でポンペイの遺跡を訪れたパンナコッタ・フーゴ、ジョルノ・ジョバーナ、レオーネ・アバッキオをひとりひとりを孤立させて襲撃するが、あえてパンナコッタ・フーゴのスタンドによってウイルス感染したジョルノ・ジョバーナを引き込んでしまったことによって予想外の事態が発生。 感染した体の部位だけを分離する機転と覚悟を見せたが、結局はパープル・ヘイズに追い詰められ、全身を溶かされて死亡。

プロシュート

パッショーネの暗殺チームに所属するスタンド使い。弟分のペッシと共に、フィレンツェ行きの特急列車内でブローノ・ブチャラティのチームを襲撃。放出するガスによって生物を老化させるスタンド「ザ・グレイトフル・デッド(偉大なる死)」を使い、すべての乗客ごと無差別に衰弱死させようとする。 その後、ブローノ・ブチャラティのスタンド能力で走行中の列車から振り落とされ、瀕死の重傷を追う。しかし、一度食らいついた相手は決して離さない覚悟を身をもって示し、命と引き換えに精神的に未熟だったペッシの成長を促した。

ペッシ

パッショーネの暗殺チームに所属するスタンド使い。兄貴分のプロシュートとコンビを組み、釣り竿のようなスタンド「ビーチ・ボーイ」でブローノ・ブチャラティのチームを襲撃した。釣り針や糸は壁などを通過して標的を捕らえることが可能で、針を食い込ませた相手の心臓などを狙って殺害するほか、センサーのようにして対象を分析することもできる。 しかし、スタンドの強力さに比べて精神面は未熟で、プロシュートには「マンモーニ(ママっ子)」と呼ばれて甘さを指摘されていた。そのプロシュートが命をかけて見せた覚悟によって、戦いの中で大きく成長。だが、追い詰められたことでブローノ・ブチャラティのチームの者たちを人質にする卑怯さを露呈し、容赦の無い攻撃を受けて全身をバラバラにされる。

メローネ

パッショーネの暗殺チームに所属するスタンド使い。作中の女性に「変態のクソ野郎」と呼ばれるほど、極めてユニークな性格。「ディ・モールト(非常に、すごく)」が口癖。生物を含むあらゆる物をバラバラにして再構成する能力のスタンド「ベイビィ・フェイス」を使い、ジョルノ・ジョバーナたちと交戦した。 ベイビィ・フェイスは非常に特殊なスタンドで、ターゲットにする者の血液を解析し、人間の女性を介在させることで「受胎」させ、生まれた「子供」が任務を遂行する。その「子供」は実体化しており、独立した人格を持つためにメローネ本体から遠く離れてもパワーを失わない。さらに、血液さえあれば再び「子供」を作ることが可能で、ジョルノ・ジョバーナに「子供」が敗北したあとも次の手を打とうとしたが、その「子供」の一部からゴールド・エクスペリエンスが生み出した毒蛇がメローネの元に戻ってしまい、舌に咬みつかれて絶命した。

ギアッチョ

パッショーネの暗殺チームに所属するスタンド使い。「根掘り葉掘り」の「葉掘り」の部分の意味が分からないことにブチ切れるなど、常軌を逸した短気な性格の持ち主。しかし暗殺者としては極めて強敵。身にまとうタイプのスタンド「ホワイト・アルバム」で極低温を操る。 路面を凍結させながらスピードスケートのようなスタイルで移動し、車で移動中のブローノ・ブチャラティのチームに追いついて襲撃。空気中の水分を凝固させて作るアーマーで全身をガードしており、また敵を瞬時に冷凍して粉砕することも可能という、攻防両面に優れた特性を持つ。なお、ジョルノ・ジョバーナのスタンド「ゴールド・エクスペリエンス」が生物を生み出すためには「温度」が必要なため、彼にとっては天敵のようなスタンドである。 しかしグイード・ミスタとジョルノ・ジョバーナのコンビネーションの前に敗北。激闘の末、首を尖った鉄柱に貫かれて死亡してしまう。

スクアーロ

パッショーネのボス・ディアボロの直属親衛隊のひとり。ティッツァーノとコンビを組み、ヴェネツィア市内でブローノ・ブチャラティのチームを襲撃。液体のあるところへジャンプするサメのようなスタンド「クラッシュ」を使い、的確に敵の急所を狙う。 スタンドのサイズはジャンプした先の液体の量によって可変し、また水に限らずスープや血液にすら出現させられるため、意表をついた攻撃が可能となっている。さらに、捕らえたターゲットごとジャンプすることもできる。しかし、ナランチャ・ギルガの捨身の行動によって、ティッツァーノと共に本体の場所が露見。ナランチャ・ギルガの首にクラッシュを食い込ませるも、エアロスミスに全身を撃たれて死亡する。

ティッツァーノ

パッショーネのボス・ディアボロの直属親衛隊のひとり。スクアーロとのコンビでブローノ・ブチャラティのチームを襲撃。自身のスタンド「トーキング・ヘッド」をターゲットの舌に取り付かせ、思っていることと逆の言動をとらせる。スクアーロの協力でナランチャ・ギルガの舌に取り付き、チームを混乱に陥れてスクアーロの攻撃をサポートする。 しかし、ナランチャ・ギルガが自分の舌をナイフで切断するという予想外の行動をとったために呼吸を大きく乱してしまい、そのためエアロスミスの二酸化炭素を探知する能力によって居場所を特定されてしまう。そして水のない場所へ誘い出されて攻撃手段を失ったスクアーロのため、彼をエアロスミスの銃撃から庇うとともに、血液でクラッシュの出現環境を作って絶命する。

カルネ

ディアボロの直属親衛隊のひとり。死ぬことではじめて本領を発揮する特殊なスタンド「ノトーリアス・B・I・G」を持つ。そのため、カルネ自身は、空港であっさりとグイード・ミスタによって射殺されるが、サルディニア島へ向かうプライベートジェットの機内でノトーリアス・B・I・Gが発動。 近くにある中で最も早く動いている物を優先的に攻撃し、あらゆるエネルギーを吸収して成長する。本体がすでに死亡しているため、「本体を倒せばスタンドも消滅する」という弱点が無い。最終的に完全に倒すことはできず、投棄された海上で波飛沫や通りかかった船舶を今も攻撃し続けている。

チョコラータ

セッコと共に、ディアボロが最後の手段として抑えていた危険人物。34歳の元医者だが、医療の道へ進んだのは人間の「死」や「痛み」を間近で観察できるため。14歳の頃に老人ボランティアで表彰されているが、実際は老人たちに得体のしれない薬物を投与したり、あるいは自殺に追い込むなどして、その様子を克明に記録していた。 発現したスタンド「グリーン・ディ」もそうした性格を反映したものであり、バラ撒いたカビの胞子によって、低い位置に移動した者を無差別に腐食させる能力を持つ。それによって戦闘には無関係なローマの市民の多くを死亡させ、街を大混乱に陥れた。ジョルノ・ジョバーナに追い詰められた際は、かつての人体実験の経験を活かして自身の体をバラバラに切り刻み、死角から攻撃するという奇策に走るが、これまでの行為によってジョルノ・ジョバーナの怒りが頂点に達していたため、猛烈なパンチのラッシュを受けてゴミ収集車に叩きこまれて敗北。 なお、パンチのラッシュは単行本にして7ページ以上も続く凄まじいものである。

セッコ

チョコラータと共に、ディアボロが最後の手段として抑えていた。チョコラータの元患者で、彼の言うことしか聞かない。ディアボロにも「何を考えてるのか分からない」と言わせしめる怪人物である。チョコラータが死の間際に指示したとおりにコロッセオを目指し、その付近でブローノ・ブチャラティと遭遇。 ラバースーツのように身にまとうタイプのスタンド「オアシス」によって、地中を自由に移動しながら戦闘した。周囲数メートルの物体は石畳でもドロドロにすることが可能。また、体から離れた物は再び硬くなるため、口に柔らかくなった岩石を含ませて吹き出し、空中から硬くなったつらら状の岩石を降り注がせる攻撃も見せる。 しかし、鋭敏な聴力によって周囲の状況を地中から察知していることをブローノ・ブチャラティに見抜かれ、タイヤのパンクを破裂させる音による攻撃で行動不能に陥る。最後は方向感覚を失ったところにスティッキィ・フィンガーズの攻撃を受け、ゴミ収集車に頭から突っ込んで運び去られる。

スコリッピ

本作のエピローグにあたる『眠れる奴隷』に登場する彫刻家。作中の時系列では、ジョルノ・ジョバーナが加入するより以前のブローノ・ブチャラティのチームと遭遇している。本人はスタンドという呼称を知らないが、「凶」という文字が彫られた石のような「ローリング・ストーン(ズ)」を発現させる。 通常は黒い球体だが、死の運命が迫っている者が近くにいると、その者の死ぬ姿が彫刻となる。そしてその彫刻に本人が触れることで、痛みの無い死を迎えることができる。あくまで攻撃の意志は無いが、結果的には触れると死ぬため、ブローノ・ブチャラティが彫られたその石は、グイード・ミスタが身を挺して破壊。 しかし、それによってブローノ・ブチャラティたちが、より過酷な運命を迎えることをスコリッピだけは知る。

ペリーコロ

パッショーネの幹部だが、スタンド使いではない。ボスからの指示をブローノ・ブチャラティたちに伝えるために登場。組織には絶対的な忠誠心を見せており、最後の指令を伝えた直後、ボスの秘密を守るために拳銃自殺を遂げている。

カメ

『ジョジョの奇妙な冒険 Part 5 黄金の風』に登場する亀。もともとスタンド能力があったようで、パッショーネもしくはボスが見つけ出したものとされる。トリッシュ・ウナを安全に護送できるよう、ボスがブローノ・ブチャラティに用意した。背中のくぼみに「鍵」をセットすることでスタンドが発動するように訓練されている。 能力は「鍵」の宝石の部分に部屋を作り出すもので、中は家具やテレビなどが備えられた快適な空間となっている。作中のプロフィールでは「誰も名付けることのない」ただの「カメ」とされ、スタンドも「カメのスタンド」となっていたが、画集『JOJO A-GO!GO!』が出版された際に「ココ・ジャンボ」と命名。スタンドも「ミスター・プレジデント」と名付けられている。

広瀬 康一 (ひろせ こういち)

第4部から引き続き、物語の冒頭に登場する。空条承太郎の依頼でジョルノ・ジョバーナの身辺調査のためイタリアを来訪。その際、空港でいきなり出会ったジョルノ・ジョバーナに騙され、トランクやパスポートなど貴重品を奪われる。そして盗まれた物を取り返しにジョルノ・ジョバーナの部屋まで来た流れでポルポのスタンドを相手にジョルノ・ジョバーナと共闘。 そのときの振舞いから、散々な目に遭わされたにも関わらず、ジョースター家の者たちと同じく、彼が正義の心を持っていることを見出している。なお、イタリア語に堪能なのは、日本を出発前に岸辺露伴によって話せるようにしてもらったため。

ジャン=ピエール・ポルナレフ

第3部にも登場した、スタンド「シルバーチャリオッツ」を使いこなす剣の達人。本作では右目と両足を失い、車椅子の男として登場。スタンド能力を引き出す「矢」の秘密を知り、戦闘不能となった自分に代わってディアボロを打倒できる者の出現を待っていた。 最終決戦では肉体は死亡したものの、魂はカメの作り出す空間に残り、そのままパッショーネの頂点に立ったジョルノ・ジョバーナのもとで現世に留まっている。

集団・組織

パッショーネ

『ジョジョの奇妙な冒険 Part 5 黄金の風』の舞台となる組織。イタリア語で「情熱」の意味を持ついわゆるギャング団だが、構成員に多くのスタンド使いを擁することが特徴。その要因は、ポルポが行う「入団試験」によって生き残るのは、スタンドの才能を引き出された者が少なくないという事情に因るもの。本作の物語が始まった時点では構成員756人。 活動はイタリア各地に及び、ホテルや港の運送会社、建築会社からレストラン、葬儀屋に至るまで、市民の生活と密接に関わる場から利益を上げている。さらに賭博場から大きな収入を得ているほか、近年は「禁じ手」とされてきた麻薬の販路を広げ、その結果ヨーロッパ全土の麻薬犯罪件数が約20倍にも増加する事になってしまった。

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