ナニワトモアレ

ナニワトモアレ

長期連載となった南勝久のデビュー作。90年代初頭の大阪を舞台に、環状線を暴走する「環状族」の若者たちの日常や抗争を描いた作品。作者自身も元環状族ということもあり、登場する改造車や、環状族たちの会話、行動などがリアルに描かれている。講談社「ヤングマガジン増刊 KANSAI」2000年春号、夏号に掲載されたのち、同社「週刊ヤングマガジン」2000年36・37合併号から2007年4・5合併号まで連載。

正式名称
ナニワトモアレ
ふりがな
なにわともあれ
作者
ジャンル
下ネタ
 
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概要・あらすじ

平成元年、大阪。仲間たちと冴えない毎日を過ごしていたグッさんは、女にモテるため車の免許を取ることを決意する。そのころ大阪では環状線を暴走する走り屋「環状族」がブームだったということもあり、グッさんはシルビアを新車で購入し、思いっきり環状仕様に改造。はじめはナンパのためだけだったが、やがてグッさんは先輩・ヒロのレーシングチーム「トリーズン」に入り、環状族の世界にのめりこんで行くのだった。

登場人物・キャラクター

グッさん

坊主頭の青年。物語開始時点では18歳。スケベだが、一途な性格。ただ女の子にもてたいがために免許を取り、ローンで新車のシルビアを購入。環状族が女受けがいいと聞き、シルビアを環状仕様に改造した。はじめはナンパばかりしていたが、知り合った女の子・ユキが走り屋好きということを知り、いいところを見せようと環状に出ることになる。 やがて先輩であるヒロのチーム「トリーズン」に入り、走り屋の世界にのめりこみ、環状のトップを目指すようになる。喧嘩の際はダッシュボードに常備しているヌンチャクを使うことが多い。はじめに買ったシルビアに愛着を抱いており、事故を起こしても修理して乗り続けている。後にさらなる速さを求めるため、エンジンをターボに換装した。

マーボ

グッさんの親友。物語開始時点では18歳。坊主頭で、頭に横一文字のハゲがあるため「貯金箱ハゲ」と言われている。ケンカっ早く、熱くなりやすい性格。はじめは走り屋に興味がなかったが、トリーズンの集会でヒゲさんのスプリンタートレノ(ハチロク)を借りたことで、車の楽しさに目覚めた。ヒゲさんから譲られたハチロクを愛車にしていたが、事故を起こしスカイラインに乗り替えた。 そのことをきっかけに、環状族を続けることに反対していた彼女・ジュンコと破局した。

ヨネ

グッさんとマーボの友人。肥満体の童貞。AVマニアで、ビデオのダビングが日課。自宅にはグッさんやマーボ、トモたちが入り浸っている。合コンで出会ったミユキに好意を寄せているが、周囲の妨害のせいもあり空回りしている。長らく無職だったが、マーボの紹介で居酒屋「きみちゃん」で働くようになる。

トモ

グッさんとマーボの友人。プレイボーイで、20歳までに100人の女を抱くことを目標にしている。ただし、女であればみさかいがないこともあり、ブスとばかり付き合っている。最高で4股までかけていた。趣味は新たな体位の研究。愛車はカローラレビンだが、グッさんに騙されて「メルセデス・アルト」「4WD」などのありえないカッティングステッカーだらけになっている。

ユキ

グッさんの彼女。走り屋好きで、気の強い性格の美人。マーボの紹介でグッさんと出会い、付き合い始めた。かつてはプラウドレーシングの会長ナオキと付き合っていた。ナオキと再会し、グッさんとの間で気持ちが揺れ動いてしまう。

ヒロ

グッさんたちの先輩。物語開始時点では22歳。トリーズンの初代会長で、普段は中古車店で店長として働いている。口癖は「環状ナメんなよ」。顔が広く、他のチームからの信頼も厚い。グッさんにはシルビアの改造の都合をつけたり、走り屋のテクニックを授けたりと、さまざまな面で面倒を見ている。愛車はワンダーシビック。

ゼン

トリーズンの一員で、ヒロと同期。ケンカと祭をこよなく愛し、ベンツマークの入ったツナギがトレードマーク。前世はティラノサウルスと自称し、圧倒的強さとタフさを誇る。必殺技は張り手で、食らった場所にしばらく手形が残るほど強烈。また、敵の攻撃を「めんどくさい」という理由で一切避けない。好物はからあげくんレッドとトマトジュース。 愛車はワンダーシビックだが、運転はあまり上手くない。

ヒゲさん

トリーズンの一員で、ヒロと同期。男気のある人物で、マーボに自分の愛車だったスプリンタートレノ(ハチロク)をタダで譲った。

ユウジ

トリーズンの一員で、ヒロの後輩。車に関しては天性の才能を持ち、走り屋をはじめてすぐにヒロについて行くほど。後にトリーズンの二代目会長となる。シルビアを愛車としていたが、後にグランドシビックに乗り替える。前のシルビアのパーツの一部は、グッさんのシルビアに移植された。

ナオキ

プラウドレーシングの二代目会長。走りの腕はもちろん、ケンカも強く、後輩からの信頼も厚い。増えすぎた環状族とそれに伴って激化した摘発を危惧して引退を決め、ハジメに三代目の座を譲った。ユキとはかつて付き合っており、今でも未練のある様子を見せている。愛車はCR-X。

ハジメ

プラウドレーシングの一員。ナオキを崇拝している。まっすぐな性格を見込まれ、プラウドの三代目会長に指名される。グッさんとは何度か勝負しており、ライバル的関係だった。環状に人生を賭けていたが、ナオキの引退パレードで事故死してしまう。愛車はグランドシビック。

タク

プラウドレーシングの一員。アオってきたタツオ・ゴウ派のアンペアのメンバーを叩きのめし、抗争のきっかけを作った。自分が始めたことのケジメをつけるべく、タツオを狙う。抗争終結後は、ナオキから四代目会長に指名される。愛車はカローラレビン。

セイジ

アトミックレーシングの一員。もともとはプラウドレーシングの有力なメンバーだった。しかし、二代目争いでナオキに敗れ、自分のほうが上だと証明するためにナオキに挑むも、事故を起こしチームを去った。その後もナオキに執着し、つけ狙っている。愛車はグランドシビック。

タモツ

アンペアの三代目会長。子供が生まれたことで、ほぼ引退状態にあった。好き勝手に暴れ回っているタツオとゴウを快く思っておらず、四代目にはカンを指名しようと考えている。プラウド・トリーズンと、タツオ・ゴウ派のアンペアとの抗争を収めるため、現場に復帰する。愛車はRX-7。

カン

アンペアの一員。タツオ・ゴウ派とアンペアを二分する派閥のリーダー。ナオキにはかつて環状で助けられたことがあり、信頼を寄せている。プラウド・トリーズンと手を組み、タツオ・ゴウ派と対決する。愛車はワンダーシビック。

タツオ

アンペアの幹部。カン一派とアンペアを二分する派閥のリーダー。潤んだ瞳が特徴。愛称は「タッツン」。凶暴な性格で、地元を「ライオンの縄張り」と呼び、暴虐の限りをつくしてきた。プラウド・トリーズンとの抗争の際、一度ゼンに敗れ、彼に執着するようになる。

ゴウ

アンペアの幹部。ケンカ自慢で、タツオと組んで暴れ回っていた。愛車はレビン。プラウド・トリーズンとの抗争の際は、タツオとともにゼンに敗れ、復讐を誓う。愛車はカローラレビン(ハチロク)。

続編

なにわ友あれ (なにわともあれ)

南勝久の代表作『ナニワトモアレ』の続編。1990年代の大阪と大阪環状線を舞台に、「環状族」と呼ばれる不良集団たちが暴走を繰り返し、抗争に明け暮れる姿を描いたヤンキー漫画。全編関西弁でつづられた青春群像... 関連ページ:なにわ友あれ

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