CLAYMORE

CLAYMORE

異色のギャグ漫画『エンジェル伝説』で人気を博した八木教広の2作目の連載作品。半人半妖の女戦士クレアと人食の魔物・妖魔との戦いが描かれる、ギャグ要素を排した本格的ダークファンタジー。

正式名称
CLAYMORE
ふりがな
くれいもあ
作者
ジャンル
ダークファンタジー
関連商品
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あらすじ

第1巻

喰らった人間に化ける事ができる魔物「妖魔」に脅かされる世界。少年ラキの住む村にも妖魔が潜み、日々村人達を喰らっていた。追い込まれた村長は、妖魔を体内に取り込み半人半妖となる事で妖魔を見分け倒す事ができる力を持った女戦士達クレイモアを擁する組織に妖魔の討伐を依頼する。依頼を受けやって来たのは、大剣を携えたクレイモア・クレアだった。クレアに興味を持ったラキは彼女について回るようになるが、家に帰ると兄に化けた妖魔に叔父が殺されていた。喰われそうになるラキの前にクレアが現れ、妖魔を一太刀で倒す。悲しみに打ちひしがれながらも、ラキはクレアに感謝を伝えるのだった。その後、村で別れたラキがクレアのもとに現れ、自身も妖魔であると村人に疑われ村を追い出されたと告げる。ラキに過去の自分を重ねたクレアは、彼の面倒を見る事になる。後日クレアのもとに、友人であるクレイモアの討伐依頼が届く。半人半妖であるクレイモアは妖魔の力である「妖力」を振るい続けるといつか妖魔になるという。友人を倒したクレアは、戦い続ける事が自分達の存在理由だとラキに語るのだった。

第2巻

クレアは「聖都」と呼ばれる町ラボナに現れた妖魔の討伐を命じられたが、町の性質上、自身がクレイモアである事を伏せておくため、ラキと兄妹として潜入する事になった。依頼主である司祭のヴィンセントは、町にいる司祭が次々と犠牲となっている事をクレアに告げる。帰路についたクレアが警備兵に妖魔と間違われ交戦していた頃、聖堂では司祭達以外いないはずの内部に妖魔が現れ、犠牲者を増やしていた。手口を聞いたクレアは、今回の妖魔が「異常食欲者」と呼ばれる、長く生き強さを増した妖魔だと考える。夜、聖堂に現れた妖魔と戦い始めるクレアだったが、潜入捜査であるために愛用の大剣を持ち込めず、さらに兵士を守るため攻撃を受け重傷を負う。何とか逃げ延びたクレアは、ヴィンセントの助力を得て、妖魔を判別するべく容疑者の司祭全員を調べる。しかし、誰一人妖魔が見つからなかった事で、妖魔が聖堂に安置されている遺体に化けている事に気づく。聖堂内を散策していたラキは妖魔に襲われてしまうが、そこにクレアが駆けつける。圧倒的な強さの妖魔に対し、クレアは女神像に隠して持ち込んだ大剣を手に戦いを挑む。

第3巻

クレアは傷を負ったせいで本来の力が発揮できずにいたが、兵士達の力を借りて何とか異常食欲者の妖魔を仕留める。しかし、戦いの中で限界を超えたクレアは、自身の中の妖魔の力を制御できなくなってしまう。妖魔になる前に自分を殺すように頼むクレアだったが、誰よりも優しく接してくれたクレアが死ぬなら自分も共に死ぬというラキの言葉を受け、クレアは奇跡的に妖魔の力を制御する事に成功し、二人で旅を続ける事になる。

時はさかのぼり、クレアとラキの旅が始まる前。妖魔におもちゃのように弄ばれていたとある少女が、凄腕のクレイモアテレサに助けられた。長年の暴行のせいで言葉を失っていた少女は、助けてくれたテレサに、何もしゃべらずについていく。最初は少女を疎ましく感じていたテレサだったが、共に過ごす中で徐々に絆が生じ、彼女に「クレア」と名付けた。そんなある日、テレサは、人間を殺してはいけないというクレイモアの掟に縛られて暴漢に襲われたところを、クレアに助けられる。その時、しゃべれないはずのクレアの発した言葉に、テレサは守られていたのは自分の心の方だった事に気づくのだった。

第4巻

絆を深めたテレサクレアだが、危険な仕事にクレアを巻き込めないと、テレサは近隣の村に彼女を預けて一人旅立つ。だが途中で、以前自分を襲った暴漢達がクレアを預けた村を襲っている事を知る。駆け付けたテレサは、ボロボロに痛めつけられたクレアを見つけると、クレイモアの掟を破り人間の暴漢達を皆殺しにする。粛清のために向けられた刺客のクレイモア達に、一度は命を捧げようとするテレサだったが、クレアの叫びを聞き刺客を倒して生き残る事を選ぶのだった。一方その頃、組織のNo.3・イレーネや、テレサをしのぐ天才と噂されるプリシラら、凄腕のクレイモア達にテレサ討伐の命令が下っていた。組織から何とか逃げ延びていたテレサだったが、とある村に宿泊した際にイレーネ達に発見されてしまう。テレサは自身をライバル視するプリシラと1対1で戦い、彼女の才能に驚愕しながらも互角以上に渡り合う。その後、増援を加えた四人を同時に相手する事になるが、テレサはこれも圧倒する。しかもテレサは、力の源ともいえる妖力を未だ解放していない状態にあった。それを知ったイレーネは、戦いの中、恐怖を感じ始める。

第5巻

テレサは追手のクレイモア達に勝利を収めるが、クレアの顔がちらついた事で、イレーネ達を殺さずに見逃す。これに対し、見くびられたと怒ったプリシラは、妖魔となるギリギリまで妖力を解放する。だが、本気を出したテレサは、妖魔に近い存在となったプリシラすらも圧倒する。しかし、意識があるうちに殺してほしいと訴えるプリシラに油断したテレサは、不意を突かれて殺されてしまう。そして、プリシラは妖魔すら超えた人ではない存在「覚醒者」となり、仲間のクレイモアも血祭りにあげる。生き残ったクレアは、死んだテレサの首を持って組織のもとへ向かい、クレイモアとしての道を歩き始めたのだった。ラキと旅するクレアは、覚醒者の討伐依頼を受ける事となった。ミリアら上位ナンバーのクレイモア三人と共同で任務にあたるクレアだったが、実力で最下位のNo.47という事でミリア達には冷たく当たられる。そんな中、依頼のあった地に向かうと、そこにいたのは男の覚醒者だった。クレイモアが妖魔化した存在である事から、覚醒者もまた女性のみであるはずという常識を覆されてミリア達は混乱し、圧倒的な覚醒者の力に翻弄されてしまう。

第6巻

重傷を負ったデネヴヘレンをかばいながらも男の覚醒者と戦うミリアだったが、絶望的なまでの実力差を見せつけられる。だが、ミリアを追い詰める覚醒者の前に、組織最弱のクレイモアであるはずのクレアが立ちふさがる。妖魔相手ではなく、覚醒者との戦いだけを念頭に置いて訓練を行って来たクレアは覚醒者を圧倒し、ミリアの助力を得てついに討伐に成功する。その後ミリアは、自分達にはかつて覚醒しかけたという共通点があり、一時的に進行が止まっているものの「半覚醒者」とも呼べる状態になっていると語る。そして今回の任務は、半覚醒者となった自分達を処分するためのものではないかと考えを述べるのだった。自分をクレイモアにした組織に対する復讐を考えているというミリアは、信用の置けない組織に注意するよう促し、四人は生きて再会する事を誓いながら別れるのだった。後日、覚醒者討伐の依頼を受けたクレアの前に、クレイモア・オフィーリアが現れる。オフィーリアは、覚醒者の匂いがするという理由でクレアを襲うが、そこに依頼にあった覚醒者が出現。こうして、戦いは三つ巴の様相を呈する。クレアは圧倒的な力を持つオフィーリアから逃れるため、覚醒者を囮にしてその場を離れるのだった。

第7巻

オフィーリアから逃げきれないと判断したクレアは、ラキに再会の約束と共に別れを告げ、自身を囮にする。覚醒者を倒して追いついて来たオフィーリアを相手に、対覚醒者の戦法を応用して戦うクレアだったが、圧倒的な力を見せるオフィーリアの技で右腕を切断されてしまう。絶体絶命のクレアを救ったのは、クレアの恩人テレサの討伐隊の一人であり、組織から離反したかつてのNo.3・イレーネだった。救われたものの、利き腕を失ったクレアは、同じように左腕を失いつつもオフィーリアを圧倒したイレーネの技「高速剣」の教えを乞う。一方その頃、イレーネによって重傷を負わされたオフィーリアは、怒りと混乱によって体に変調をきたしていた。高速剣を会得したクレアに対しイレーネは、テレサが存在していた証として生きろという言葉と共に、餞別として自身の右腕を差し出すのだった。イレーネのもとを旅立ったクレアは、森の中で覚醒者となってしまったオフィーリアと遭遇する。オフィーリアの家族もプリシラに殺されたと知ったクレアは、彼女の復讐も自分が果たすと誓い、オフィーリアを倒す決意をする。

第8巻

イレーネの腕が馴染まない事もあり、苦戦するクレアだが、一瞬だけ人としての正気を取り戻したオフィーリアの助言によって討伐に成功する。その後、クレアはラキを探すために組織から身を隠しつつ旅を続ける。とある村でラキの情報を手に入れたクレアの前に、覚醒者討伐に赴き重傷を負ったクレイモアが現れる。捕まった討伐隊の仲間を助けてほしいという彼女の願いを聞いたクレアは救出に向かう。一方その頃、討伐隊の一人ジーンは、仲間を増やそうとする覚醒者の少女に拷問を受けていた。救出に向かうクレアの前に、少女の仲間である男の覚醒者ダフが立ちふさがる。苦戦するクレアだったが、組織の現在のNo.3・ガラテアが助力に入った事でダフを圧倒する。そこに覚醒者の少女が現れ、これまで体験した事のないほど禍々しい妖気にクレアは圧倒される。少女の正体は過去に3例だけ存在する組織の元No.1の覚醒者で、大陸の支配する三強「深淵の者」の一人「西のリフル」である事がガラテアの口から語られる。そして、プリシラらしき少女の存在を漏らしたリフルに対しクレアは、話を聞き出そうと挑みかかる。

第9巻

プリシラと行動を共にしている、大陸の北側を支配する男の居場所をリフルから聞き出すため、クレアは戦いを挑むが軽くあしらわれてしまう。そこで、組織のNo.9であるジーンの力を借りるべく、クレアは彼女の救出を優先する。しかし、ジーンは拷問の果てに覚醒者になりかけていた。殺してほしいというジーンだったが、クレアの助力によって人の姿を取り戻す。足止めをしていたガラテアのもとに戻ったクレア達は、三人でダフとの戦闘を再開する。三人を相手にしても圧倒的な力を見せるダフに対し、クレアは囮となって時間を稼ぎ、ジーンの必殺技でダフを無力化する。リフルは、ダフを倒した褒美としてクレア達を見逃し、プリシラと共にいる男の覚醒者イースレイの名と居場所を告げて去っていく。北に向かうクレアとジーンの前に組織の人間が現れ、逃亡の罪を見逃す代わりに北の地に現れた複数の覚醒者を討伐することを命令してくる。北の地に赴いたクレアは同じ命令が下ったミリアデネヴ達と再会する。総勢24名ものクレイモアが参加する作戦だが、ミリアは自分達が捨て駒である可能性を考えていた。

第10巻

町で準備を行っていたクレイモア達に、突如覚醒者が襲い掛かる。妖力を支配し、クレイモアをあやつりながら同士討ちさせてくる覚醒者に対し、苦戦を強いられるクレイモア達だったが、リーダーのミリア、副リーダーのフローラを中心にチームプレイで戦い、これを討伐する。戦いの中でクレアが見せた高速剣に、自身の必殺技「風斬り」と似たものを感じたフローラはクレアに興味を持ち、共に生き残る事を誓い合う。一方その頃、奴隷商に捕まり北の地で地下牢に入っていたラキは、町の壊滅に乗じて脱走した際、幼い少女を助ける。少女に懐かれたラキは、少女を「プリシラ」と呼ぶ保護者らしき男の旅に同行する事になる。旅の中でラキは、男の剣技を見た事であこがれを抱き、剣術の指南を乞う。快く了承した男はラキに、イースレイと名乗る。大陸の北側を支配するイースレイの指示によって襲って来る覚醒者達を相手に、クレア達は絶え間なく続く戦闘に苦しめられていた。そこに、「獅子王リガルド」と呼ばれる男の覚醒者が現れ、圧倒的な力でクレイモア達を殺し始める。怒りに震えるクレアはリガルドに戦いを挑むのだった。

第11巻

獅子のような異形の姿となりクレアクレイモアに襲い掛かるリガルドは、圧倒的な力でクレイモア達を攻撃する。善戦するクレアとミリアだったが、一瞬の隙を突かれミリアが重傷を負ってしまう。リガルドの圧倒的な強さを前に自身の力不足を痛感するクレアは、足だけを覚醒させるという離れ業でリガルドの速さに追従し始める。リガルドの虚を突き、片腕を奪ったクレアだが、不自然な覚醒に自分自身は振り回されてしまい、リガルドを追いつめる事ができない。さらなる力を求めるクレアは徐々に覚醒の範囲を増やしていき、意識も混濁していく。四肢の覚醒を行った結果、リガルドを越える力を手に入れたクレアはリガルドを倒す。しかし、覚醒から戻る事が出来ないと悟ったクレアは、仲間達に自身の殺害を頼む。そこに、クレアに命を救われた事に対する恩返しを考えていたジーンが、危険を顧みず命がけでクレアと妖力の同調を行い、クレアを元に戻す。ジーンの死に涙するクレアだったが、残った覚醒者との戦いに決死の覚悟で挑む。一方その頃、イースレイは大陸の西側を支配する覚醒者「南のルシエラ」に戦いを挑んでいた。

第12巻

ルシエラの妹であるクレイモアラファエラ覚醒者となってしまった姉を救えなかった後悔から放浪を続けていたが、姉を殺す事を決意していた。イースレイとの戦いで深手を負ったルシエラを見つけたラファエラは、謝罪の言葉と共に姉を殺害する。それから7年の月日が経過し、クレア達が戦った北の地にある町ピエタに、現在のNo47・クラリスが任務で訪れる。7年前のクレア達の討伐チームは全滅した事を語る仲間と共に、残党である覚醒者討伐に向かうクラリス達だったが、覚醒者に重傷を負わされる。意識を取り戻したクラリスは、自分が生きている事に驚きつつ、覚醒者の死体と墓標のように地面に刺さる17本の大剣を見つけ、7年前に死んだはずの24名と数が合わない事に気づく。7年前、妖力を抑える薬を利用して死を偽装し、クレア達七人だけは生き延びていた。ミリア達は7年間姿を隠し、中でもクレアはラキを探し続けていた。ラキのいた痕跡を見つけたクレアは南の地へと向かう決意をする。組織への復讐を行うため、南へと向かったクレア達は、偶然リフルと戦闘中のクレイモア達を発見する。

第13巻

リフルを圧倒しているかに見えた現在のNo5・レイチェル達だったが、隠していた力を解放したリフルを前になすすべもなく痛めつけられる。そこに、表舞台に舞い戻る決意をしたミリア達が助力に現れる。リフルに現在の大陸の情勢を尋ねたクレアは、リフルから組織覚醒者に匹敵するほどの新たな戦士を作り出した事、自分よりも圧倒的な強さを持つプリシラが、現在もイースレイと共にいる事を聞く。プリシラを倒すためクレアを仲間に誘うリフルだが、クレアは提案を一蹴しその場を離れる。一方その頃クラリスは、組織の逸材とされ、自身を母親のように慕うクレイモアミアータと共にガラテア討伐の任務を受けていた。その道中、覚醒者に襲われる事もあったが、次期No.1とも称されるミアータは圧倒的な力で覚醒者を葬っていく。しかし、見た目以上に幼い精神を持つミアータは、戦いが終われば赤ん坊のようにクラリスに母性を求めていた。そして第六感に優れるミアータはとても大きな力を感じ取り、クラリスと共に聖都ラボナに足を踏み入れるのだった。

第14巻

ラボナに入ったもののクレイモアである事がバレてしまい追われていたクラリス達は、かつてクレアと共に戦った兵士シドとガークに助けられる。二人からの情報で、教会にいる盲目のシスターがガラテアである事を見抜いたクラリスは、ミアータと共に彼女に襲いかかる。クレイモアである事を隠すために自ら視力を捨てたガラテアだったが、そのおかげでほかの感覚が鋭くなり、ミアータを翻弄する。戦いが続く中、突如ラボナに巨大な覚醒者が現れ、場は混迷を極める。覚醒者討伐を優先しようとするガラテアだったが、融通が利かないミアータはなおもガラテアに襲いかかる。連携する事ができないガラテアとミアータは隙を突かれ重傷を負わされてしまう。自分より圧倒的に強いはずのミアータ達が倒されてしまい、絶望したクラリスは恐れをなして逃げ出してしまう。しかし、自分を母親と慕うミアータを見捨てる事ができずに彼女を守るため命がけで戦いを続ける。そこに、黒衣をまとったクレア達七人の戦士が助けに現れたのだった。

第15巻

クレア達は、7年の間に研鑽を積み以前とは比べ物にならない力を手に入れていた。焦った覚醒者は真の姿を現しクレア達に襲いかかる。だが、7年前の戦いで散っていった仲間達の必殺技も習得していたクレア達には敵わず討伐される。クレア達の存在や、自分のために命を差し出そうとするガラテアの行動に、組織に対して疑問を持ったクラリスは涙を流しながら迷いを吐露する。クラリスに対しミリアは組織からの離反を薦め、自分達が組織を潰すために行動している事を話す。そしてミリアは、自分の調べで衝撃的な事実が判明した事を伝える。組織が妖魔を生み出していた事、自分達が世界のすべてだと思っているこの大陸のほかに、戦争中のもっと大きな大陸があり、自分達がいるのは戦争の為の覚醒者の実験場だった事をミリアは告げる。その頃、妖魔に襲われたある村で、大剣を持ったラキが妖魔を切り伏せていた。ラキは今もなおクレアの生存を信じ彼女を探し続けていた。一方リフルは、ルシエララファエラが融合した不気味な存在「ラファエラの抜け殻」を入手し、その利用のためにクレイモアをさらっていた。

第16巻

リフルは、妖気の塊である「ラファエラの抜け殻」を利用するためにさらって来たクレイモア・ルネに妖力操作を強要する。だが、「ラファエラの抜け殻」は絶対に目覚めさせてはいけない危険な存在であると感じていたルネはそれを拒む。その頃、クレア達の前に組織でクレアの担当をしていた男が現れ、自分が戦争中の大陸において組織の側に送られたスパイである事、そして「ラファエラの抜け殻」の存在を伝える。偶然クレイモア・ディートリヒを助けたヘレンデネヴは彼女と共にイースレイが潜伏しているという町に向かっていた。イースレイに見つかり殺されかけるヘレンだったが、そこに組織の対深淵の者兵器・11体の「深淵喰い」と呼ばれる戦士が現れイースレイを襲い始める。数体倒しても新たに作られ、経験を共有して強くなり続ける深淵喰いに、イースレイは徐々に体を喰われていく。数体を倒しながらもイースレイはついに力尽き、地面へと倒れ伏す。深淵喰いに喰われながらも、ラキプリシラとの日々が、野望よりも大きなものになっていた事を感じながら、イースレイは命を落とすのだった。

第17巻

聖都ラボナに滞在していたミリアのもとに、ヘレン達からの伝言を携えたディートリヒが現れる。イースレイの死と組織が現No1・アリシアとNo2・ベスを西のリフルのもとに送った事を知ったミリアは西の地が荒れる事を予感する。一方その頃、ラファエラのもとに向かっていたクレアは、ダフやリフルの妨害に遭いながらも、何かに誘われるように「ラファエラの抜け殻」の元に辿りつく。ラファエラの精神世界に引き込まれたクレアは、ラファエラの記憶や感情などのすべてを託される。そして「ラファエラの抜け殻」は、深淵の者を越えるほどの覚醒者として目覚めるのだった。逃げ出そうとするリフルとダフの前に、深淵喰いとアリシア、ベスが現れる。ベスがアリシアの妖力制御を受け持つ事で覚醒しながらも意識を保つ二人にリフルは圧倒される。その頃、「ラファエラの抜け殻」が広範囲に吐き出した多数の杭から覚醒者が生まれ、さらに杭が刺さったものが覚醒者へと変貌していた。リフルを圧倒していたアリシアだったが、ベスが杭に被弾したせいで妖力制御がなくなり、完全な覚醒者になりかけていた。

第18巻

ラファエラの抜け殻」を視察に来ていた組織の人間は、杭が刺さったにも拘らず人としての姿を保つラキを見つけ拉致する。役割を入れ替えながらもリフルを追いつめたアリシアだったが、ベスのピンチを感じ取りその場を離れる。ベスのもとに辿り着いたアリシアは、ベスとプリシラの戦いを目撃する。プリシラの力の前に二人は捨て身の覚悟と共に覚醒を行う。しかし、プリシラには歯が立たずに殺害されてしまう。リフルとダフも倒したプリシラは、ラキからも感じていたとある匂いを追って行動していた。プリシラの妖力を感じ取ったクレアは、ついにプリシラの前に立ちふさがる。自分を覚えてもいないというプリシラに怒りのままに襲いかかるクレアだが、まったく歯が立たない。人としての姿を捨て完全に覚醒者になろうとするクレアだったが、かつて命がけで自分を救ってくれたジーンの事が心の楔となり、覚醒できなくなっている事に気づく。圧倒的なプリシラの力に手も足も出ないクレアだったが、デネヴが、「ラファエラの抜け殻」とプリシラをぶつけるという作戦を立てるのだった。

第19巻

覚醒者に襲われ命を落としかけていたユマだったが、現れたディートリヒによって救われる。その頃、プリシラの前に、生き残り杭に刺された影響でパワーアップしたダフが現れ襲いかかる。覚醒者としての姿を取り戻したプリシラはダフを殺害し、自分の求めるものがかつて自分に屈辱を与えた相手をもう一度殺す事である事を思い出す。プリシラと「ラファエラの抜け殻」をぶつける事に成功したデネヴだったが、命を吸い尽くそうとする妖気の塊となった「ラファエラの抜け殻」がクレアを体内に飲み込んでしまう。しかし、飲み込まれたクレアの意識が作用し、妖気の塊はプリシラも飲み込むのだった。一方その頃、ミリアはすべてを終わらせるため、一人組織の本部へと攻め入っていた。しかし、ミリアの前にアリシア達と同じ能力を与えられた双子の訓練生が現れ彼女に襲いかかる。クレイモアを救うために戦っているミリアは、自身の信念のため訓練生を殺す事ができない。さらに感覚支配に特化した戦士が現れ、ミリアに幻覚を見せつける。かつての友の幻覚を見て油断したミリアは大剣で貫かれてしまう。

第20巻

聖都ラボナを大量の妖魔覚醒者が襲っていた。ヘレンガラテア達がなんとか襲撃を退けるが、今回の襲撃の原因がミリア組織襲撃失敗が原因である事を知る。その頃、クレアプリシラを飲み込んだ妖気の塊は、融合し岩のようになっていた。中にクレアとプリシラの気配を感じるというガラテアは、クレアの意識を目覚めさせるにはある人物の力が必要だと考える。ミリアの独断専行を知ったデネヴ達は、彼女を助けるため組織へと向かう。その道中、多数の覚醒者に襲われているクレイモア達を見つけ助力に入る。自分達を助けるために戦う姿を見たクレイモア達は、組織の実態や覚醒者の正体を聞き、組織を潰すために行動しているというデネヴ達に協力を誓う。一方その頃、反逆するデネヴ達の存在を察知した組織は、彼女らを倒すために強力な戦士を準備していた。そして反乱分子を粛清するため、現役クレイモア達を集め決起集会を行っていた。しかしクレイモア達は、たった一人で自分達を殺す事なく戦ったミリアの姿に心打たれており、生きていたミリアと共に組織に反撃の狼煙を上げるのだった。

第21巻

組織に属していた大半のクレイモアが仲間になり、一気に組織を潰そうとするミリアだったが、その前に組織の作った新たな戦士が立ちふさがる。その頃、組織に拉致されていたラキの前に訓練生達が現れる。逃げ出して来たという訓練生を連れラキは脱出を試みる。劣勢になった組織は、かつての上位ナンバーで、記憶を操作し蘇らせたヒステリアロクサーヌカサンドラの三人のクレイモアを仕向ける。三人の乱入でミリア達は一気に劣勢に追い詰められていく。かつてのNo.1・ヒステリアを相手に苦戦するミリアは得意の高速戦闘に持ち込んでも歯が立たない。そこでミリアは以前から構想していた玉砕覚悟の戦法を行い、徐々にヒステリアを追いつめていく。ロクサーヌとカサンドラも圧倒的な力でクレイモア達を倒していくが、戦いの中でカサンドラは過去の記憶を取り戻していく。過去にカサンドラの友人だったクレイモアを、自身の愉悦の為に見殺しにし、組織を裏切るように仕向け自分を殺したロクサーヌに対する憎悪を思い出したカサンドラは、ロクサーヌへの怒りで覚醒するのだった。

第22巻

覚醒者へと変貌し、暴走したカサンドラは欲望のままロクサーヌに襲いかかる。その頃、玉砕覚悟でヒステリアと1対1の戦いを繰り広げていたミリアは、彼女の美しすぎる戦い方に対し、口で大剣を振るうなどの荒々しい戦法を用いる事で油断を誘い撃破に成功する。敵味方関係なく暴れるカサンドラに苦戦していると、倒したはずのヒステリアとロクサーヌもまた覚醒者として目覚めてしまう。強力な覚醒者三体が好き勝手に暴れまわる戦場にミリア達は逃げ惑う事しかできない。しかしそこに、ミリアを追って来たデネヴ達が現れる。勝手な行動をしたミリアの謝罪を受け入れたデネヴ達は覚醒者に立ち向かう。ミリアに固執するヒステリア、相手を痛めつける事を楽しむロクサーヌ、敵味方関係なく暴れるカサンドラに苦戦が続くが、デネヴの提案でミリアを囮にしたヒステリア討伐の作戦が立てられる。作戦は成功し、ヒステリアを倒す事に成功するが、そこに突如プリシラの残留思念が現れる。残留思念は消え混乱するミリア達の前に、かつて出会い、ようやく見知った相手に出会えた事を喜ぶラキが現れる。

第23巻

唯一倒せなかったカサンドラも突如姿を消し、ミリア組織を破壊し、長であるリムトの首を獲った事で組織を壊滅させる事に成功する。そして、ヘレン達との再会を懐かしむラキは彼女達から、クレアの現状を知らされる。去ったカサンドラが、クレアとプリシラが封じられた巨塊からプリシラを解放しようとしている事に気づいたミリア達は急ぎ聖都ラボナに向かう事になる。クレイモアの身体に施された醜い処置を見せ、クレアを救う覚悟を問うデネヴに対し、ラキはクレアを救う事を改めて決意する。聖都ラボナには異変を察知した多くの覚醒者が見物に集まっていた。巨塊を前にしたラキは巨塊からの攻撃に耐えながら、7年間探し続けたクレアへの思いを語りかける。そして、涙ながらのラキの言葉に反応した巨塊からクレアが排出される。突然の事に驚くクレアだったが、7年ぶりに成長したラキを見ると涙を流して抱き合うのだった。同時に解放されたプリシラと町で暴れる覚醒者を何とかするため、クレア達は戦士として最後の戦いに赴く決意をする。

第24巻

戦場が混迷を極める中、ミリア達は、自我を失い、自身が吸収されるためプリシラのもとに向かっているカサンドラを止めようと決意。暴れまわるカサンドラに対し攻撃を加えるクレアだったが、驚異的な再生能力を前に苦戦を強いられる。一方その頃、プリシラの前に突如少女の姿をした存在が現れ、プリシラと戦い始める。好機と見て見物に来た覚醒者達は自分達のメリットのため、ミリア達に助力をする。謎の存在を相手に苦戦するプリシラだったが、戦いの中で自意識と完全な力を取り戻す。カサンドラとの戦いを続けるミリア達は、カサンドラとしての意識を取り戻させようと奮起するが、彼女の中にカサンドラの意識を感じ取る事ができない。姿すらプリシラに近くなっていくカサンドラに苦戦するミリア達だったが、そこに最後の男の覚醒者クロノスとラーズが助力に現れる。計り知れない力を持ったクロノス達の助力で、クレアはカサンドラに対し会心の一撃を当てる事に成功するのだった。

第25巻

攻撃を加える事でカサンドラの意識を戻す事に成功するが、戦いを止めようとしないカサンドラとクレア達は戦闘を続ける。そのうえ、覚醒者の一人が裏切り、人間を襲うために聖都ラボナに向かってしまう。ラボナで状況を知ったガラテア達は町に向かう覚醒者を迎え撃つ事になる。強力な覚醒者相手に苦戦を強いられるが、クラリスミアータと妖力を同調し、ミアータを一時的に覚醒させていた。圧倒的な力を手にしたミアータは一人覚醒者に立ち向かう。一方その頃、謎の少女に苦戦していたプリシラだが、身体を人間に近づけ、背水の陣で挑む事で少女を撃破していた。覚醒者と戦うミアータだったが、戦いが長引いたせいで覚醒者としての面が現れだし、暴走を始める。ミアータを大切に思うクラリスは、自分の限界を越えた同調を行い、何とかミアータの意識を取り戻す。意識を取り戻したミアータは他のクレイモアと協力し覚醒者を倒す事に成功した。ひとまず危機が去り、クラリスのもとに向かうミアータだったが、限界を越えたクラリスは、ミアータに対し愛情を伝え消滅していった。

第26巻

戦いを終えたプリシラの前に、約束を果たしに来たというラキが姿を現していた。プリシラを止めるため、戦いを挑むラキだったが、プリシラには敵わない。そこにクレア達も現れ、人間としての姿をとったために全力を出すまで時間がかかるというプリシラに挑みかかる。クレアの高速剣や戦士達の連携をものともせずに戦うプリシラに対し、クレア達はかすり傷一つつける事ができない。しかしそこに、カサンドラや協力者の覚醒者達が助力に現れる。戦いの中でラキや仲間を失う事への恐れを感じ、心が折れそうになるクレアだったが、デネヴの言葉で仲間の大切さに気づきこれを克服し、再びプリシラへと立ち向かう。カサンドラ達の助力をもってしても倒せないプリシラに対し、かつて対プリシラ戦のレクチャーをイースレイから受けていたラキがプリシラに一撃を与える。そして、クレアがとどめの一撃で撃破する。しかし、かろうじて逃げ延びたプリシラはカサンドラ達を喰いパワーアップする。覚醒して戦おうとするクレアだが、自分の間違いに気づき、自分の中にいた最強のクレイモアを覚醒させる事に成功する。

第27巻

クレアは、クレイモアとなるために組織へと持参し、自身の体の中に埋め込まれていたテレサの血肉を利用して、自分の中に存在していたテレサを覚醒させる事に成功する。クレアの身体で蘇ったテレサは、クレアがいい男といい仲間に恵まれた事を喜びながらもプリシラとの戦いに赴く。かつて自分に屈辱を与えたテレサの出現にプリシラは喜びを見せる。テレサはカサンドラを挑発して自意識を取り戻させ、プリシラと分離させる事に成功する。テレサに挑みかかるカサンドラだったが、圧倒的なテレサの実力に対し、全力で戦えた事に喜びながらテレサに倒されるのだった。クレアの記憶を持つテレサは、クレアが普段口にしない仲間達への感謝を伝え、プリシラとの1対1への戦いに向かう。命がけで戦いながらも、プリシラの憎悪をすべて受け止めようとするテレサは、更なる力を手にするため覚醒を行い、背中に二対の羽を手に入れる。そして、プリシラがまだ人だった頃の最後の願いを叶えるため、彼女に大剣を向けるのだった。

登場人物・キャラクター

クレア

47名のクレイモアのなかで実力的に最下位でありナンバー47と呼ばれる。幼い頃に家族を妖魔に惨殺され、その後も妖魔によって虐待されていたが、ナンバー1戦士テレサに庇護され、彼女と共に旅をする。が、その道中、覚醒者プリシラによってテレサが殺されるのを目の当たりにし、その復讐を果たすため、自ら志願してクレイモアとなった。 通常は妖魔の血肉を取り込むことで戦士となるが、クレアはテレサの血肉を取り込んだために中途半端な戦士であり、通常の戦士と比べると身体能力的にかなり劣る。が、テレサが得意とした妖気の感知能力は受け継がれており、それを活用した戦い方によって次第に実力をつけていった。 物語の当初は組織の任務で各地を転々としており、その途上でラキと出会って、しばらく共に旅をする。その後、北の地の大規模覚醒者狩り(北の戦乱)に参戦するが、覚醒者の圧倒的な力の前に敗北。その戦いで組織の思惑を知った彼女は、同じく生き延びたミリアらと組織を抜け、7年の隠遁生活を経たのち、独自にプリシラを討つために旅立つ。

ラキ

クレアが任務中に知り合った少年。彼の家族を惨殺したうえ、兄に化けていた妖魔をクレアが殺したことから旅の道連れとなる。そのため半人半妖であるクレアを恐れず、旅を続けるうちに彼女に対して恋心も抱くようになった。が、ある任務でクレアとオフィーリアが敵対したとき、再会を約束しながら生き残るために別々の道を歩むことになる。 その後、ラキは奴隷商人に捕まり、北の地へ送られるが、そこで深淵の者・イースレイと記憶を失くしたプリシラに出会う。このときプリシラがなぜかラキのことを非常に気に入ったため、しばらく共に生活した。また、この時期にイースレイから剣技を学んだ彼は、後に単独で妖魔を倒せるほどの戦士に成長。 組織の追撃が激しさを増してくると、イースレイから後事を託される。そして、プリシラを伴い、クレアと再会するために旅立った。

テレサ

第77期のナンバー1であり、組織の182人目の戦士。歴代最強と謳われる戦闘力の持ち主で、妖気の感知能力が抜群に優れ、相手の行動を先読みできる。また、地力の戦闘技能も極めて優れ、同世代のナンバー2~5の4人を同時に相手しても、妖力解放せずにいなした。余りにも圧倒的な強さであり、表情ひとつ変えずに敵を屠る姿から「微笑のテレサ」の異名を持つ。 ある任務でクレアを虐待していた妖魔を斬り殺したことから少女時代のクレアに懐かれる。しばらくは突き放していたが、クレアのしつこさに折れる形で共に旅をするように。彼女の純粋さや優しさに触れるにつれ、戦士になって以降失っていた人間味を取り戻していった。 だが、クレアに危害を加えた盗賊を激昂の余り惨殺し、組織に追われる身となる。追手として差し向けられたプリシラ、イレーネ、ノエル、ソフィアを終始圧倒するが、プリシラを殺すチャンスを数度得ながらも、クレアとの旅で取り戻した人間味による情けから見逃してしまう。最終的には覚醒したプリシラによって斬首された。

プリシラ

戦士となってからわずか数か月で第77期のナンバー2に昇格した天才で、やがてはテレサを超えると言われていた。テレサ討伐の任を受け、他の上位ナンバー(イレーネ、ノエル、ソフィア)らとテレサに挑むが、この時点ではまだ及ばず、潜在能力の片鱗を見せつつも叩き伏せられる。 が、敗北を受け入れられなかったプリシラは、単独でテレサ追撃を続行。激しい感情の爆発とともに覚醒し、テレサを斬り殺す。さらに、駆け付けたノエル、ソフィアを殺し、イレーネには重傷を負わせたが、居合わせたクレアには危害を加えずに飛び去った。その後、北の地で深淵の者イースレイと戦い撃破。 しかし、この戦いで記憶を失い、以後、イースレイの庇護下(実際にはイースレイがプリシラに仕えている)に入る。ラキとの出会いで断片的な記憶は取り戻したものの、完全復活には今しばらくの時間を要した。額に生えた一本角と、一対の翼が特徴的なプリシラの覚醒体は、作中における最強の存在であり、圧倒的な力を持つ深淵の者すら軽く凌駕することから、深淵を超える者と呼ばれる。

ミリア

127期、ナンバー6の戦士。残像によって敵を惑わせる戦法を得意とし、「幻影のミリア」の異名を持つが、それ以上に統率力に優れ、チームでの戦闘で真価を発揮する。パブロ山での覚醒者狩りでクレア、デネヴ、ヘレンとチームを組んだことから、彼女らと親密に。その後、北の地ピエタでの戦い(北の戦乱)では、敗れはしたものの、戦士たちの総隊長として戦い、戦力で勝るイースレイの覚醒者勢に大きな損害を与えた。 だが、戦士を捨て駒としか考えていない組織に対して、不信感と復讐心を抱いていたミリアは、この戦いを機に組織を抜け、生き残ったクレアたちと行動を共にすることになる。

デネヴ

135期、ナンバー15の戦士。防御型の戦士で、抉られた腹を瞬時に修復するほどの超回復能力を持つ。姉の仇を討つためにクレイモアに志願したデネヴは、自己保身を最優先する深層心理から防御型になってしまったことに激しく苦悩していた。が、同期のヘレンによってその悩みから解き放たれ、以後、彼女とは深い信頼で結びつく。 また、パブロ山での覚醒者狩りでミリアやクレアとも知り合い、その時の激闘を通じて、彼女らとも固い絆で結ばれた。

ヘレン

135期、ナンバー22の戦士。四肢を自在に伸縮できる能力を持ち、利き腕を伸ばして相手の死角から攻撃することを得意とする。感情の起伏が激しくトラブルの起点となることが多いが、根は明るく素直な性格で、それによって他者の気分を和らげることもある。同期のデネヴとは長い付き合いで、ヘレンの一言がデネヴを苦悩から救ったことから2人は親友に。 また、ミリアやクレアとはパブロ山の覚醒者狩りで共に戦い、同じ秘密を抱える仲間となった。

イレーネ

テレサと同じ世代の戦士でナンバーは3。テレサ討伐の任を受け、プリシラ、ノエル、ソフィアとともに戦うが、覚醒したプリシラによって左腕を失う。プリシラへの恐怖から戦いを恐れ、組織には戻らずに山中で隠棲していた。その後、クレアと出会い、彼女がプリシラに挑もうとしていることを知ると、自身の右腕と得意技・高速剣を伝授する。

ガラテア

ナンバー3の戦士。極めて優れた妖気の感知・制御能力を持ち、相手の妖力に同調してそれを僅かながらコントロールもできる。消息を絶ったクレアの探索任務中に深淵の者である西のリフルと遭遇。クレア、ジーンと共に、リフルの配下である覚醒者ダフと戦った。その後、組織に戻るが、クレアとジーンを見逃したことから組織に煙たがられたために離反。 戦士の特徴である銀眼を自ら潰し、聖都ラボナで盲目のシスターとして潜伏する。

妖魔 (ようま)

『CLAYMORE』に登場する魔物。古来より存在し、人の内臓を好んで食べるという魔物。食った相手に擬態する能力を持ち、人間に成りすまして社会に溶け込んでいることが多い。人間を遥かに超える身体能力と、高い生命力を備えており、人間が倒すのはほぼ不可能。また、擬態を見抜くことも極めて難しいため、妖魔がいる疑いのある町や村は、莫大な報酬を用意してクレイモアを雇い倒してもらう、というのが一般的になっている。

ジーン

登場時点で組織のNo.9のクレイモア。覚醒者討伐のための任務中、仲間を増やそうと画策したリフルに捕らえられた。拷問を受けて覚醒してしまうが、救出に現れたクレアが妖力を同調させる事で人間としての姿に戻る。その後は、クレアに対し大きな恩義を感じ、彼女の旅に同行する。北の地での戦いにおいて、クレアやミリア達と共に覚醒者の群れと戦うが、重傷を負ってしまう。そして、暴走して覚醒を止められなくなってしまったクレアを妖力を同調させる事で救い、自らは命を落とした。ジーンに助けられた事はクレアの中でも大きな出来事になっており、以後クレアが覚醒する事に対しての心の楔になっている。

ミアータ

ミリア達多くのクレイモアが死んだとされる北の地での戦いから7年後の時点で、ナンバーが大きく変動した組織のNo.4になっているクレイモア。戦闘能力は上位ナンバーにも劣らないほどだが、性格的に幼く情緒不安定であるため、このナンバーが与えられている。ガラテアの討伐のために同行を命じられたクラリスを母親のように思っており、「ママ」と呼んでいる。通常、妖気感じて戦うクレイモア達と違い、優れた第六感を持っており、その超感覚を利用して戦っている。クラリスが組織を離反し、ラボナにとどまった際には自身も彼女についていった。最終決戦の際には、クラリスが妖力の同調を行う事で覚醒者としての力を手に入れて戦っている。しかし無理に妖力の同調を行ったせいで、戦闘後にクラリスが消滅してしまう。消滅の寸前にクラリスの手によって彼女の記憶を消されているが、それでも悲しみから涙を流し続けていた。

カサンドラ

組織がミリア達を粛清するために蘇らせた三人のクレイモアの一人であり、かつてNo.1として名を馳せた戦士。ゆらゆらと体を揺らしながら、地面近くまで頭を下げて相手に切りかかる戦法から、ロクサーヌに「塵喰いのカサンドラ」という蔑称を付けられている。生前は群れず友人もほとんどいなかったが、唯一の友人である当時のNo.35のクレイモアには心を許していた。しかし、友人がロクサーヌと共に覚醒者討伐に向かって命を落とし、その原因がカサンドラである事を知り、組織への反逆となる事も構わずカサンドラに切りかかる。だが、この状況を予測していたロクサーヌの策略に嵌まって殺されてしまう。蘇った後は生前の記憶があやふやだったが、徐々に記憶を取り戻し、ロクサーヌへの怒りから覚醒者へと変貌している。そして、ロクサーヌを追いつめ彼女を喰い殺している。その後は、プリシラの意思にとらわれてしまい、結果彼女に喰われてしまう。しかし、テレサの挑発に乗った事で分離に成功し、テレサとの一騎打ちに満足しながら消滅した。

リフル

大陸を支配する3体の覚醒者「深淵の者」と呼ばれる者の一人。大陸の西部を支配しており、「西のリフル」とも呼ばれている女性。配下としてダフを連れており、厳しく接するが、自身の男として大切に思っている。普段は黒い長髪をした幼い少女の姿をしているが、覚醒者としての姿は巨大で、人型の上半身と多数の触手状の下半身を持っている。自身の仲間を増やすため、クレイモアであるジーンを捕らえ、覚醒させるべく拷問をした事もあった。ルシエラとラファエラの融合体「ラファエラの抜け殻」を見つけてからは、自身の野望のために利用すべく行動していたが、「ラファエラの抜け殻」が暴走した際、重傷を負ったダフを連れ逃亡している。しかし、突如現れたプリシラによって殺されてしまう。

クラリス

ミリア達多くのクレイモアが死んだとされる北の地での戦いから7年後の時点で、ナンバーが大きく変動した組織のNo.47となっているクレイモア。ミアータからは血縁はないが「ママ」と呼ばれている。おどおどした性格で、本来クレイモアになった時点で抜け落ちるはずの髪の毛の色素が残っており、実力が低い事もあり周りのクレイモアからは「色付き」として蔑まれている。ガラテアの討伐を命じられ、ミアータと共に聖都、ラボナに向かう事になる。そこで見つけたガラテアと戦闘になるが、覚醒者の乱入や、生きていたミリア達、ガラテアの言葉などから組織に対しての不信感を持ち、組織から離れてラボナに留まる事になる。最終決戦の際には、ラボナを襲おうとする覚醒者を迎え撃つため、ミアータと妖力の同調を行い、彼女を覚醒者としながらも制御する事に成功する。しかし、長引く戦いで暴走を始めたミアータを止めるため、自身の力の限界を超えて同調を行い、覚醒者を討伐する。力を使いつくし、最期の時にはミアータに愛情を伝え、彼女が悲しまないようにミアータの中にある自身の記憶をすべて消して消滅した。

イレーネ

クレアがクレイモアになる以前、組織のNo.2であったクレイモア。プリシラ合流後はNo.3に降格されている。「高速剣のイレーネ」という通り名を持ち、片腕のみ妖力を解放して戦う高速剣を得意とする。組織を離反したテレサ討伐の命を受け、プリシラ達と共にテレサと戦うが惨敗する。その際に覚醒者となったプリシラに左腕を奪われ、恐怖のため組織から逃げ、戦いからも遠ざかっていた。のちに偶然クレアとオフィーリアの戦いを目撃し、クレアを救い出す。片腕を失ってなお戦おうとするクレアに対し、高速剣と自身の残った右腕を与えている。その後、居場所を突き止めたラファエラに粛清されたと思われていたが、生きており、プリシラ討伐後のクレアとラキは彼女のもとを訪れている。

ディートリヒ

ミリア達多くのクレイモアが死んだとされる北の地での戦いから7年後の時点で、ナンバーが大きく変動した組織のNo.8となっているクレイモア。融通が利かない性格で、覚醒者討伐に苦戦していた彼女を助けたヘレンは、彼女の言動を面倒くさく感じていた。幼い頃に覚醒者や妖魔の襲撃で故郷を失っており、その際に組織に拾われてクレイモアとなっている。しかし、故郷の襲撃は組織は仕組んだもので、事実を知った事で組織を離反し、ヘレン達に協力している。

リガルド

イースレイのもとについている男の覚醒者。クレイモアに男が使われていた時代はNo.2の実力者であり、「獅子王」の異名を持っている。普段は黒髪の美青年の姿をとっているが、覚醒者としての姿は異名の通り獅子のような姿である。北の地での戦いでは、イースレイの命を受け、圧倒的な力でクレイモア達を虐殺した。隊長のミリアすら圧倒する力を見せたが、身体の一部を覚醒させたクレアによって殺されている。

ヒステリア

組織がミリア達を粛清するために蘇らせた三人のクレイモアの一人であり、かつてNo.1として名を馳せた戦士。歴代戦士の中で最も美しい戦いをする事から「流麗のヒステリア」とも呼ばれている。戦闘スタイルはミリアと似ているが能力は格段に高く、ミリアを圧倒している。ミリアの自身の身を顧みない戦法にやられ、一時戦闘不能に追い詰められるが、ミリアへの執着を覚えた事から覚醒者となり、再びミリアに襲い掛かっている。最期はミリア達の作戦と、乱戦に陥った事で間違えて攻撃して来たカサンドラの攻撃を受けて消滅している。

イースレイ

大陸を支配する3体の覚醒者「深淵の者」と呼ばれる者の一人。大陸の北部を支配しており、「北のイースレイ」とも呼ばれる男性。最初に生まれた深淵の者で、男が使われていた時代はNo.1の実力を持つクレイモアだった。普段は長髪の美青年だが、覚醒者としての姿は半人半馬のケンタウロスのような姿をとる。支配する北の地で暴れていたプリシラと戦うが敗北し、彼女の軍門に下っている。その後はプリシラを利用して自身の野望を叶えようと行動していた。ある時、クレアと別れて奴隷商人に捕まっていたラキを見つけ保護し、プリシラと三人で旅をしていた。旅の道中で、ラキから剣術の指南を乞われ、彼に戦い方を教えている。三人での旅の中で徐々に心境に変化が現れ、二人を本当の家族と考えるようになり、人だった頃のプリシラの「殺してほしい」という最後の願い叶えるため、ラキに対プリシラの戦法を授けている。のちにラキ達と別れ、単独行動をとっていたが、組織の造った深淵喰いに追い詰められ、残されたラキ達家族の事を思いながら喰われていった。

深淵喰い (しんえんぐい)

組織が造った対深淵の者兵器。深淵の者の組織から作られた存在で、自我を持たずひたすら標的と定めたものの匂いを追い続ける。全部で11体存在し、戦いによって数が半数以下になると組織に戻って来るように設定されており、その後、新たに補充された深淵喰いと共に再び標的に向かっていく。戦いのデータはすべての個体で共有されるため、いくら倒してもいなくならず、戦いを重ねるたびに強くなっていくという恐ろしい存在である。

ルシエラ

大陸を支配する3体の覚醒者「深淵の者」と呼ばれる者の一人。大陸の南部を支配しており、「南のルシエラ」とも呼ばれている。普段はツインテールの女性の姿をとっているが、覚醒者としての姿は人型の獣のような姿をとる。組織のNo.5、ラファエラの実の姉だが、組織の実験の失敗により覚醒者になっている。ある時、プリシラの軍門に下ったイースレイが南の地を狙って攻めて来た際、敗走したところをラファエラに見つかり殺害される。しかし、身体はラファエラと融合し、「ラファエラの抜け殻」ともよばれる妖力の塊になってしまう。その後、クレアの接触などから凄まじい力を持った存在となる。

オフィーリア

登場時点で組織のNo.4のクレイモア。覚醒者となったプリシラに兄を殺された事から覚醒者を深く憎んでおり、半覚醒状態にあったクレアに対しても容赦なく襲いかかっている。覚醒者だと判断したクレアを殺そうとした際、偶然居合わせたイレーネに邪魔され、軽くいなされた怒りから自らも覚醒者となってしまう。クレアと再戦した際にも自身が覚醒者となっている事に気づいていなかったが、湖面に写った自身の姿を見て錯乱している。その後、自我を取り戻した際には、同じ仇を狙っているクレアに復讐を託して殺される。

ロクサーヌ

組織がミリア達を粛清するために蘇らせた三人のクレイモアの一人であり、かつてNo.1として名を馳せた戦士。「愛憎のロクサーヌ」とも呼ばれ、自己中心的でサディスティックな性格の持ち主。カサンドラとは生前からの知り合いで、彼女の戦い方を見て「塵喰い」という蔑称を付けている。生前、No.2であった自身がNo.1になるため、カサンドラの友人を見殺しにする事で、当時No.1であったカサンドラの離反を誘導し、粛清対象となったカサンドラを討伐する事でNo.1の座を手に入れている。蘇った後、記憶を取り戻したカサンドラに戦いを挑まれ、お互い覚醒者となりながらも激闘を繰り広げ、最終的にはカサンドラに喰われている。

ラファエラ

登場時点で組織のNo.5のクレイモア。深淵の者の一人であるルシエラは実の姉。組織によって行われた実験が失敗し、自身は左目を失い、姉を覚醒者にしてしまった事を後悔しており、放浪生活を送っていた。のちにルシエラを討伐する事を目的に組織に復帰している。イースレイとの戦いに負け、瀕死の重傷を負った姉を見つけた際には、涙ながらにとどめを刺している。しかし、その際自身の身体とルシエラの身体が融合した「ラファエラの抜け殻」とも呼ばれる妖力の塊になってしまう。その後はリフルに持ち去られ、利用されそうになるが、自身の意識の中に入って来たクレアに自身の記憶や思いなどのすべてを託して意識を消滅させた。

集団・組織

組織 (そしき)

『CLAYMORE』に登場する組織。極東の地スタフに本拠を構える。固有の名称はなく、ただ単に組織と称される。表向きは妖魔の退治依頼を請けて戦士を派遣し、討伐させることが主任務。が、その実態はある目的のために半人半妖の戦士の強化・研究を行う機関であり、戦士たちを使って様々な実験を行っている。

その他キーワード

クレイモア

『CLAYMORE』に登場する用語。対妖魔用に組織が作り出した半人半妖の女戦士のこと。彼女らが用いる大剣(=クレイモア)に由来する呼び名だが、あくまで俗称であり、当人たちが自称することはない。クレイモアは、人間の身体に妖魔の血肉を埋め込むことで作り出されるが、それにより身体の色素が抜け落ちるため、全ての戦士が白い肌、白髪またはそれに近い色、銀の瞳を備える。 その外見から銀眼の魔女、銀眼の斬殺者と呼ばれることも。また、半妖となることで、超人的な運動能力と回復力、妖気を感知する能力や老化の停止といった性質を得ており、妖魔に対する戦闘力を有する。なお、過去には男性の半人半妖も作られていたが、ある理由によって現在は女性のみとなっている。

覚醒者 (かくせいしゃ)

『CLAYMORE』に登場する用語。半人半妖の戦士が妖力解放の限界を超えたために、妖魔化してしまった存在。言わば戦士の失敗作であるため、一般人には妖魔の特異個体「異常食欲者」と説明されている。覚醒者になると、覚醒体と呼ばれる異様な姿に変貌し、通常の妖魔とは一線を画した戦闘能力を獲得。覚醒してもそれまでの記憶を保持しており、人間時の容姿に戻ることも可能だが、根源的な本能や思考は妖魔的なものにすり替わっており、人間の内臓を主食とするようになる。

深淵の者 (しんえんのもの)

『CLAYMORE』に登場する用語。かつてのナンバー1戦士が覚醒した個体で、通常の覚醒者よりも遥かに強大な力を備えていることから深淵の者と呼ばれる。北のイースレイ、西のリフル、南のルシエラの3体が存在し、長らく表立った行動はしなかった。が、イースレイがプリシラと接触したことにより、それぞれの思惑のもと、一斉に動き出した。

アニメ

CLAYMORE

ある世界。大陸と呼ばれる土地に暮らす人々は、人の血肉を喰らう妖魔の脅威にさらされていた。唯一の対抗手段は、謎の組織が派遣する白髪銀眼の超人的な女性剣士、通称クレイモアたちの力を借りること。 だがクレイ... 関連ページ:CLAYMORE

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