超兵器ガ壱號

超兵器ガ壱號

藤子・F・不二雄によるSF短編の一作。ガリヴァー旅行記を下敷きにした設定で、第二次世界大戦中に巨人が日本兵としてアメリカ軍と戦う、「もしも」の世界が描かれる。

正式名称
超兵器ガ壱號
ふりがな
ちょうへいきがいちごう
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
第二次世界大戦
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概要・あらすじ

第二次世界大戦の末期、とある南海の無人島で巨大な異星人を日本軍が発見し、「ガ一号」と命名。そして対米軍用の超兵器として前線に投入することを計画する。その目論見は見事に当たり、沖縄に集結していた米軍艦隊を撃退したのを皮切りに次々と戦果を上げ、日本の逆転勝利に大きく貢献する。ガ一号は英雄として讃えられるが、食料難に拍車をかけることになるガ一号がそのまま帰化することには軍部が難色を示し、さらにもし敵国に寝返った場合は脅威になるとの判断から、ガ一号は毒殺を命じられてしまう。

登場人物・キャラクター

ガ一号 (がいちごう)

巨大な体躯の異星人。昭和20年3月に搭乗していた円盤が大隅諸島の小島に不時着し、倒れていたところを日本軍に発見される。軍部は彼を対米軍用の超兵器として使えないかと発案。「ガリバ」の名前を伝えたことからガ一号と命名される。海堂敏明陸軍少尉の努力によって互いにコミュニケーションが可能となると、大東亜共栄圏の理念に共感。 自ら進んで戦線に参加する。そして携行していた宇宙服と光線銃の性能も手伝って武勲を重ね、ついには広島・長崎への原爆投下を阻止。そればかりか、単身アメリカ本土へ接近してサンフランシスコとロサンゼルスに原爆を投げ返し、日本を勝利へと導いた。 円盤の故障が直った後も日本に留まることを希望するが、それが受け入れられないことを知ると潔く自決をしようとする。しかし、そのとき故郷の星から救援が現れ、「チビ」と軽々しく扱われていたことが判明。それゆえ、「帝国最大の軍人」と讃えられた「最大」の部分には特別な喜びを示していた。

海堂 敏明 (かいどう としあき)

巨大な異星人であるガ一号と交流を深めた日本の軍人。陸軍所属で階級は少尉。大学で言語学を専攻していたため、参謀本部から密命を受け、大隅諸島のある島へ出頭。そこでガ壱号と出会い、上官からガ一号の言語を解明することを命じられる。やがてポリネシア語との類似点を手がかりにガ一号とのコミュニケーションに成功。 酒を酌み交わすほどの仲となる。しかしガ一号が終戦後に日本へ帰化したいという希望が食糧事情などから聞き入れられず、それどころか青酸カリによる毒殺を命令されてしまう。そして涙ながらにガ一号が故郷の星へ戻るように訴えかけるが、彼が帰りたがらない思わぬ理由を知ることとなる。

隊長 (たいちょう)

後にガ一号と名付けられる、巨大な異星人を発見した隊の隊長。海堂敏明陸軍少尉にガ一号を超兵器として投入した場合の心理的効果も含めた有用性を説き、早急に言語を解明することを命じる。少尉の意見にはかなり柔軟に対応しており、また彼を「海堂ちゃん」とざっくばらんに呼ぶこともある。

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