恋の門

恋の門

石に漫画を描くという自称「漫画芸術家」の男性・蒼木門と、コスプレを趣味とするオタク女性・証恋乃との恋愛を、独特のタッチと過剰な演出で描くラブ・コメディ 作品。『アワヤケ』『青(オールー)』などの羽生生純の代表的作品。それまで短編のみを手がけてきた作者の初めての長編ストーリー漫画。松尾スズキ監督、松田龍平 · 酒井若菜主演で実写映画化された。

正式名称
恋の門
ふりがな
こいのもん
作者
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

自称「漫画芸術家」の蒼木門は、石で漫画を描くことに固執していた。ある日は。たまたま知り合った証恋乃と一夜を共にするが、彼女の同人作家としての成功を知り、ショックから逃げ出してしまう。の家を探りあてた恋乃は、の「作品」をまのあたりにして戸惑う。やがて恋乃のマンションの部屋に一緒に住むことになるが、恋乃の勤め先が潰れてしまう。

漫画家として再スタートを切ろうとする恋乃と、石の漫画を諦めて一般誌に持ち込みを始めた。二人の生活はふたたび大きく動き出すことになる。

登場人物・キャラクター

蒼木 門 (あおき もん)

石で漫画を描くことに固執している。女性の目を引く外見をしているが、童貞。拾った石を部屋に敷き詰めている。証恋乃と一夜を共にするが、彼女の同人作家としての成功を知り、ショックで逃げ出してしまうなど、衝動に任せて生きてしまう傾向がある。十代の頃には普通の漫画を描いており、恋乃が驚愕するほど高いクオリティだった。 父は日本画家。追い詰められるとよく嘔吐する。

証 恋乃 (あかし こいの)

コスプレが趣味のOL。同人作家としても成功している。ペンネームは「イノコ」。コスプレの趣味も、衣装を自作するほど本格的。たまたま主人公の蒼木門と知り合い、自分のコスプレのイメージにピッタリな「お人形」として彼を認め「彼氏」にする。親に買ってもらった家に住むなど、裕福な暮らしをしている。門との関係において、意識的・無意識的を問わず、計算高い側面を発揮する。

相良 岸美 (さがら きしみ)

ヒロイン証恋乃のストーカー。肥満体でメガネをかけているのが特徴。異常な多汗体質で、走るときには「トプトプ」と音がする。一見したところ醜男だが、実は女性。恋乃のことを、「自分にない部分をすべて持っている」分身だと言い、自分を補完する存在だと思っている。恋乃に会うためにおしかけたイベントで流血騒ぎをおこす。

アケミ

蒼木門が放浪の旅をしているときに知り合う。「弱いのにイキがっている野良犬をからかうのが趣味」と言って門に酒をおごり、門の「初めての女」になる。そののち息子のキンゴを残して、男と逃げてしまう。

キンゴ

蒼木門が旅先で知り合った女アケミの息子。アケミの部屋の天窓に住んでおり、門を「十五号機」と呼ぶ。

田野村 (たのむら)

「ぢんぢろげ」の店員。証恋乃のオタク仲間で、恋乃のコスプレ写真をよく撮影している縁で、蒼木門をアルバイトとして採用する。黒い長髪にメガネが特徴の痩せた男性。大学生時代は漫画研究会に所属しており、今でも同人誌を作っている。萩原一至のファン。

蒼木 閘 (あおき こう)

蒼木門の弟。ふつうの企業に就職している。兄である門のことを「あいつ」「変な奴」と呼んでいる。門と違い、絵の才能はない。

証 圭一郎 (あかし けいいちろう)

証恋乃の父。妻は恋乃の母証泰子。恋乃が蒼木門を初めて参加させたコミケに、夫婦で来場。『イデオン』の登場人物「コスモ」のコスプレをしており、恋乃の両親とは知らなかった門に「いい大人が張り切ってるなあ…疲れる…」と思われる。コミケ歴20年のベテランコスプレイヤー。 門のことを「恋乃を守れる男」と評価するが、門が『イデオン』を知らないと告白するや激怒し、『イデオン』全話と劇場版を鑑賞し、「イデとは何か」についてのレポートを50枚書くように命令する。

証泰子 (あかしやすこ)

『恋の門』のヒロイン証恋乃の母。夫は恋乃の父証圭一郎。夫と同じくベテランコスプレイヤーで、蒼木門の前に『イデオン』の登場人物キッチンのコスプレで登場。

毬藻田 (まりもだ)

「ギャラリーバー ペン」のオーナー。通称「マリさん」。かつて人気漫画家だったことがある。漫画家時代のペンネームは「デン・マリモ」。蒼木門の作品をゴミだと評し、「恋人がいるならこんなことをやめて、まともな仕事を探せ」とアドバイスする。

園決理 (そのきまり)

「ギャラリーバー ペン」で、蒼木門が出会う自称「アーティスト」。門の作品を高く評価する。「ペン」のオーナー毬藻田と門を同種の人間だと言う。

セイキ

人気声優。ファンのことを「子羊たち」と呼ぶ。証恋乃が熱烈なファンであり、セイキが表紙の雑誌を蒼木門が雑に扱ったことで喧嘩になったこともある。

先細 野呂 (さきぼそり のろ)

蒼木門がアルバイトをしているギャラリーカフェ ペンの常連客で、ペンのオーナーで元人気漫画家の毬藻田の担当編集者だった男。現在は、月刊コミックナーバスの編集長をしている。

木背 正臣 (きせ まさおみ)

蒼木門が作品を持ち込んだ月刊コミックナーバス編集部で編集者に紹介される、「持ち込みの常連」。ボツをくらってうなだれている門を飲みに誘い、親しくなる。ヒロインの証恋乃が悪徳編集者に騙されて手篭めにされそうになっていたときには、「持ち込みの常連」だからこそ知っている情報で門をサポートした。 明るく社交的な性格で友人も多いが、ふとした思いつきで門に提案した「勝負」が原因となり、恋乃は心に大きな傷を負う事件へと足を踏み入れることとなる。

集団・組織

継野兄弟商会 (けいのきょうだいしょうかい)

『恋の門』のヒロイン証恋乃の勤め先。主人公の蒼木門がアルバイトとして入社し、ふたりの出逢いのきっかけになるが、初日の飲み会で喧嘩騒ぎをおこし門はクビになってしまう。

場所

ぢんぢろげ

『恋の門』に登場する架空の店舗。実在の店舗「まんだらけ」のように、マンガやゲームをはじめとする主にオタク向けの様々な商品を扱っている。ヒロイン証恋乃の紹介で、主人公蒼木門がアルバイトとして働くことになるが、自作の石漫画を売ろうとしたためクビになってしまう。

ギャラリーバー ペン

『恋の門』に登場する店舗。オーナーは毬藻田。毬藻田が選んだ漫画が棚に並び、原稿の展示なども行っている。主人公の蒼木門が働くことになる。

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