おざなりダンジョン

おざなりダンジョン

未来的な機械化都市も存在するが、基本的にはファンタジーRPG風の世界感で構築された架空の「ゴンドワナ大陸」を舞台に、主人公モカたちにも「蛮族」や「獣人」といった種族や、「戦士」に「盗賊」、「魔法使い」といったファンタジーRPGによくある職業を設定するなどゲーム的な要素を数多く盛り込んだ長編作。全体的にコミカルな雰囲気ながら、バトルアクション描写が豊富でスケールの大きな物語も描かれる。続編として『なりゆきダンジョン』や『おざなりダンジョンTACTICS』、前日譚にあたる『なおざりダンジョン』といったシリーズ作品がある。

正式名称
おざなりダンジョン
ふりがな
おざなりだんじょん
作者
ジャンル
アクション
 
ファンタジー
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概要・あらすじ

怪力の女戦士モカと、獣人の盗賊ブルマンに魔法使いキリマンは、ギルドを通じた各所からの依頼を受け、ゴンドワナ大陸のどこでも与えられたミッションをこなしていく傭兵パーティー。行く先々で戦争などさまざまな事件に巻き込まれ、時に戦い、時に出会った人々の協力を受けて依頼とトラブルを解決していく物語。

登場人物・キャラクター

モカ

キリマン、ブルマンとともにパーティーを組んでいる戦士(ファイター)。燃え上がる炎のように逆立つ髪型と、エルフのように長い耳を持つ少女で、露出度の高い鎧を身につけているのが特徴。種族は蛮族(バーバリアン)。関西弁風の荒々しい言葉遣いに激しい気性を持ち合わせた、およそ女の子らしいところの見当たらない女性。 ケンカっ早く、戦い始めると仲間にも止められない暴れん坊。金遣いが荒く、損得勘定で物事を決めようとする傾向がある。

ブルマン

『おざなりダンジョン』シリーズの登場人物で、モカとパーティーを組んでいる盗賊(シーフ)。「ネコマタンゴ」と呼ばれる、猫型の獣人。パーティーの3人の中ではもっとも常識的で、自分勝手なモカを嗜めることも多いが、結果的には振り回されることの方が多い。

キリマン

『おざなりダンジョン』シリーズの登場人物で、モカとパーティーを組んでいる魔法使い(ウィザード)。尖った三角帽子とボロボロのマントを身につけ、長い鼻面といつも閉じているように見える目が特徴の獣人。種族名は「イヌモアルケバ」とされている。いわゆる魔法使いらしい魔法を滅多に使わず、「丑の刻参り」の「呪いのワラ人形」のような奇妙な術をよく使う。 言葉を発することは少なく、手に持った看板で意思を伝えることも多い。

白のマスター (しろのますたー)

モカたち3人組の最初の雇い主で、「理力(フォース)の塔」を支配する魔道師だったが、黒のマスターに塔と妻を奪われていた。「へのへのもへじ」のように文字でできた落書きのような顔のキャラクターだが、美人の妻がいて主にその顔が好まれていた。

奥さん (おくさん)

『おざなりダンジョン』の登場人物で、白のマスターの美人な奥さん。頭の両側に2本ずつ角が生えている清楚な印象の女性で、人妻でありながら多くの男性をトリコにする力を持つ。理力の塔が黒のマスターに奪われた事件以来モカのことが大好きで、かわいくデフォルメされたぬいぐるみも持っている。本来は巨大な竜で、白のマスターの術により人間の姿となり妻としてともに暮らしていた。

ファルコ

「白銀の鷹」あるいは「中原のファルコ」の呼び名で知られる白い鎧の騎士。いつも兜を被っているが、脱ぐと長い黒髪の美青年。親友だった忍者トビ・カトウの娘でクノイチのトビ・アズサと恋人同士の関係にある。

トビ・アズサ

ビフレスト国の忍者たちムマ一族の女性で、トビ・カトウの娘。父亡き後ムマ一族を率いる立場となる。理力の塔が黒のマスターに奪われた事件でも登場していたが、恋人のファルコが行方不明となった後捜してほしいとモカたちに依頼する立場で再登場した。

エスプリ

マジックアカデミーの一員で、肉体を持たない「アストラル」と呼ばれる存在。マジックアカデミーの決定により、野蛮な人類を粛清するため地上に降りてきた。白のマスターに見せられたモカに興味を持ち、自ら剣に姿を変えてモカの持つ武器となる。

ロゴス

肉体を持たない「アストラル」であることは同じだが、マジックアカデミーに反旗を翻し人類を戦争に導くなど混沌をもたらそうとしている存在。エスプリとはライバルとして相争う関係にあるが、それ以前にマジックアカデミーと対立する秘密をその身の内に秘めている。後に、エトスとパトスというアストラルに似た肉体を持たない部下を作る。

ヨナ

モカたちを含むさまざまな職業の人間が利用するギルドの創始者で、現在も組織の指導者である「ギルド・マスター」の老婆。大きな三角帽をいつも目深に被り、しわだらけの顔はほとんど見えない。格闘要素を持つ球技「ローラー・クライ」に出場していたモカを見て興味を持つようになる。ギルドを裏切ったサルバドルを執拗に追い続けている。

エルザ

ギルド・マスターのヨナを補佐する副官。長身の美女で、たてがみのような長髪に混ざった触覚のように見える色の異なる髪が特徴。気性が荒く、両肩に戦闘用の補助腕を2本ずつ装備しており、モカやキートンといったツワモノとも自身で互角に闘うことができる。ただし、くすぐられるのに弱い。

サルバドル

かつて「ギルド最強の戦士」と呼ばれ、「ローラー・クライ」という格闘要素のある球技で活躍していたが2年前から行方不明となっていた伝説の男。ギルドを裏切ったとされ追われている。故郷が焼け野原となり、天涯孤独の身となった幼い頃のモカを育てた人物でもある。巨大な剣「ケッアルカトル」を使用する。

キートン

ギルド・シティで「ソード・バスター」の称号を持つ名うての戦士だが、神出鬼没でなにを考えているのか分からない奇矯な行動を取る「変人」で通っている。かつてサルバドルとライバル同士だったことから、サルバドルと同じ剣技を使うモカを気に入り、なにかと手助けをしてくれるようになる。 大きな耳と鼻面のついた仮面をつけた「ねずみ仮面」に変装することが多いが、ほとんどの相手にはその奇矯すぎる行動から正体がキートンであることがバレてしまっている。

カイン

ギルドの三銃士のひとりに数えられるイシュライ公国の黒騎士。本来の黒騎士である父親・アサシン侯爵が病気のため代理として、毎年行われている「ギルド創立祭」の目玉イベントである黒騎士と白騎士対決に出場することになる。しかしカイン自身は生来のおとなしい性格で、戦いにならないことを懸念したエルザがモカに剣術指導を依頼。 指導を受けたカインはモカに恋愛感情を抱くようになる。モカに似合う強い男になるためファルコに剣を習うなど一途な性格をしている。

ピナ

依頼によってエルフの国の乳母のもとまでモカたちが届けることになった、エルフ族の少女。背中に昆虫に似た薄く透明な翅を持ち、自身のことを「ピナちゃん」と言う明るい性格の女の子。エルフ王国の王位継承者のひとりで、黒いローブを着た集団や、ダーク・エルフのアマゾナらに狙われていた。 モカのことを「おネー様」と呼び懐いている。エルフとダーク・エルフの間で行われていた種族間戦争を避けるため人間のもとに里子に出されていた。

集団・組織

マジック・アカデミー

『おざなりダンジョン』に登場する組織。ゴンドワナ大陸で最高の権威をもつ集団で、空に浮かぶ城に住み、普段は地上の様子には目もくれないが、時折地上に干渉してくる。より高度な精神を得るため、肉体を捨てた人々が暮らしている。

ギルド

『おざなりダンジョン』に登場する、ゴンドワナ大陸全土に勢力を広げている組織。モカたち傭兵を含むさまざまな職業の人間が所属する巨大な組合で、本拠地のあるギルド・シティは大陸でもっとも近代的な都市を形成しており、特定の国家に属さず王政もとってはいないが、商業と工業だけで運営されるひとつの国家に等しい存在になっている。 他の国家を含む外部からの依頼を受け、仕事として所属するメンバーに斡旋しているが、傭兵の派遣が多いことから「死の商人」と呼ばれることもある。

場所

ゴンドワナ

『おざなりダンジョン』の主な舞台となる、人類の文化圏とされる大陸の名称。中心に帝都バハムートがあり、東の海の底には水棲人の暮らす海底神殿、南には機械化都市、西にはレインボー・ブリッジ城を中心とするビフレスト国、北にはギガ・クレーターの門とその先に人類未踏地域が広がっている。北東の山地にはエルフ城とダークエルフ城があり、北西の空にマジックアカデミー、南西に白のマスターの支配する理力の塔がある。

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