グッド・ちょっと・パーフェクト

グッド・ちょっと・パーフェクト

あるはずのない過去の記憶を持つOLの三角海冬音が、同じ記憶を持つ上司の九堂逸人と出会った事を機に、自身の家族の秘密に迫っていく姿を描くヒューマンドラマ。「YOU」2016年8月号から2018年3月号にかけて掲載された。

正式名称
グッド・ちょっと・パーフェクト
ふりがな
ぐっど ちょっと ぱーふぇくと
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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あらすじ

第1巻

在籍していた庶務課が解体された事に伴い、新たに秘書課に配属された三角海冬音は、自分に与えられる仕事を淡々とこなしていた。そんな中、海外本社からアジアエリアチームマネージャーの肩書を持つ九堂逸人が派遣されて来る。海冬音は秘書課の先輩からの依頼を受け、入手困難なチケットを手に入れるために奮闘していたが、逸人の介入によってせっかくのチャンスを逃してしまう。逸人に対して最悪な印象を抱いた海冬音だったが、逸人の秘書が海外からやって来るあいだの臨時秘書として任命され、しぶしぶながらも引き受ける。逸人は海冬音に対して人気料亭の予約を取れと命令したり、なにかと棘のある言い方をしたりと、海冬音との溝はどんどん深まっていく。しかし逸人には悪気がない事、そしてチケットの入手を邪魔したのはつまらない仕事を押しつけられていた海冬音を助けるためだったと知り、海冬音は少しずつ心を開いていく。そんな中、海冬音は記憶の中にある「在宅勤務の父親と意地悪な兄、ピンクの大きなクマ」と暮らした記憶を逸人も持っている事を知り、自分の生い立ちを改めて知ろうと、自身の祖父母の暮らす老人ホームへと向かう。

第2巻

三角海冬音は久しぶりに祖父母と再会を果たすが、特に有益な情報は得られなかった。その頃、社内では九堂逸人の厳しいやり方が気に入らないなど悪評が立つが、海冬音は社員達が適当に仕事をしていた事や、元庶務課の海冬音を見下している事を知り、逸人の秘書として手腕を振るう。そして逸人は業務だけでなく社内の福利厚生の見直しも行い、社員達もただ厳しいだけの人ではないと歓迎ムードが高まっていく。そんな中、海冬音は以前料亭の予約の際に世話になった九堂唯人と親しくなり、逸人と唯人が「在宅勤務の父親と意地悪な兄、ピンクの大きなクマ」と暮らした記憶の中の登場人物だったと知る。そして、海冬音はこれまでクマのぬいぐるみだと思い込んでいた唯人と親交を深めていく。また、唯人が倒れて病院に運ばれた際にやって来た逸人の父から、海冬音を半年間預かった話を打ち明けられ、海冬音は古い記憶が本物だったと感激するが、何となく逸人には真実を打ち明けられずにいた。そんな中、逸人は海冬音の働きぶりを評価し、アシスタントとしていっしょに第一線で働かないかと誘う。

第3巻

前日喧嘩別れのようなかたちになってしまった三角海冬音九堂逸人だったが、海冬音は社内で必死に自分を探している逸人の姿を見て、再び逸人のもとで働く事を決意する。そんな中、幼い頃にいっしょに暮らした記憶が本物だったと知った海冬音と九堂唯人はさらに親睦を深め、自宅で鍋をするなど楽しい時間を過ごしていた。その事実を知った逸人は、海冬音と唯人が交際していると勘違いし、隠されていた事に機嫌を悪くする。悪態ばかりをつく逸人に対して唯人は憤りを覚え、兄弟喧嘩が勃発。一方、家族との思い出のない海冬音は、そんな二人の様子を見て羨ましく感じていた。そんな日々の中、ついに海外本社から逸人の本来の秘書であるブルックリン・ファン・デルがやって来た。海冬音はブルックリンから引き継ぎを依頼されたものの、明らかに自分を格下に見ているブルックリンに不愉快な思いをする。同時に海冬音は逸人が日本支社にいるのはあと1か月程度だと知り、言いようのない寂しさを覚えていた。

第4巻

九堂逸人は未だに三角海冬音九堂唯人が交際していると誤解していたが、海冬音から否定された事から、二人の関係に疑問を抱き始めていた。そんな中、自社の社員食堂が美味しくないという評判を聞いたブルックリン・ファン・デルは、自社の食材イメージが悪くなるとテコ入れを決意し、現在の調理スタッフを全員解雇しようと計画する。その話を聞いた海冬音は、以前庶務課が解体された時の寂しさと悔しさを思い出し、自社食材に詳しいアルバイト女性を招いてメニューの開発を進め、社員食堂は現在のスタッフでリニューアルオープンする事が決定。社員食堂は一般にも開放され、これが事実上初めての直営飲食店となった事もあり、海冬音や逸人、ブルックリンは手伝いに奔走する。そして、社員食堂がオープンする頃には逸人が海外本社に戻る事も決定し、海冬音はこの仕事が逸人との最後の思い出になるだろうと感じていた。そんな中、唯人はかつて自分が着ていたピンクのクマの着ぐるみを解体し、家族の分のテディベアにリペアして海冬音と逸人に託す。それを受け取った逸人は、幼い頃、自分には大好きな妹がいた事を思い出し、徐々に記憶を取り戻していく。

登場人物・キャラクター

三角 海冬音 (みすみ みふね)

外資系商社に勤務している女性。最近まで在籍していた庶務課が解体されたため、秘書課に異動となった。実際の業務内容は雑務ばかりだが、ここで仕事ぶりが認められれば庶務課が復活するかもしれないと希望を抱き、職務に励んでいる。何事も器用にこなし、コミュニケーション能力もあるため、秘書課ではサポート役として人気が高い。また、入手困難な接待用チケットも三角海冬音が動けば入手できるという逸話を持っており、実際に高い成功率を誇る。九堂逸人から、海外本社から本来の秘書のブルックリン・ファン・デルがやって来るあいだの臨時秘書として任命され、最初は嫌がっていたものの次第に打ち解けていった。幼い頃に「在宅勤務の父親と意地悪な兄、ピンクの大きなクマ」と暮らした記憶があるが、実際にそのような家族構成ではないため、自分でも不思議に感じていた。仙川のカウンセリングの中でその出来事を打ち明けていたところ、逸人にも同じ記憶がある事を知ってしまう。そして、逸人や九堂唯人とかかわっていくうちに、その記憶は本物であったと自覚していく。

九堂 逸人 (くどう いつと)

「アジアエリアチームマネージャー」の肩書を持つ男性。三角海冬音が勤務する外資系商社の海外本社からやって来た。将来を有望視されており、現在は会社組織を知るために本社からさまざまな支社に派遣されている。幼い頃までは日本にいたものの、その後は海外で暮らして大学を飛び級で卒業し、父親が勤務していた会社に20歳で入社した。どこかつかみどころがない性格だが、言いたい事ははっきりと主張する。そのためややデリカシーに欠け、五代など一部からは反感を抱かれている。海冬音の事が何となく気になり、海外本社から秘書のブルックリン・ファン・デルが来るまでの臨時秘書に任命した。幼い頃に「在宅勤務の父親と弟、さらに大好きな妹」と暮らした記憶があるが、実際に妹はおらず、記憶があいまいになっているのだと気にしていない。弟の九堂唯人をかわいがっている。

九堂 唯人 (くどう ゆいと)

九堂逸人の弟。現在は自宅でテディベアのリペアの仕事を請け負っている。仕事柄自宅に引きこもってばかりで、不健康な生活を送っている。人見知りで、言いたい事をなかなか口にできない奥手な性格。幼い頃に「在宅勤務の父親と兄、さらに大好きな妹」と暮らした記憶があるが、逸人の父と逸人から否定されたため、楽しい夢だったのだと記憶に蓋をしていた。しかし、三角海冬音と偶然再会したあと、すぐにその妹が海冬音だった事に気づき、以降は積極的に交流を持つようになる。海冬音の事をずっと妹だと認識していたが、実際は海冬音の方が九堂唯人より半年ほど年上。ちなみに、海冬音の過去の記憶の中では九堂唯人は「大きなピンクのクマのぬいぐるみ」と認識されているが、それは当時、よくお気に入りのクマの着ぐるみを着ていたため。

五代 (ごだい)

三角海冬音が勤務する外資系商社の秘書課に所属する女性。海冬音の先輩にあたる。仕事はできるが、その分スパルタで人使いの荒い一面があり、海冬音からはいっしょに仕事をしたくないと言われている。五代自身も強引な部分がある事は自覚しており、海冬音や周りから指摘されても特に気にしていない。海冬音の仕事ぶりを高く評価しており、九堂逸人に対しては有能ぶりは認めているものの、彼のデリカシーに欠ける部分から、いい印象を抱いていない。

奥瀬 (おくせ)

三角海冬音が勤務する外資系商社の秘書課に所属する女性。海冬音の先輩にあたる。秘書課の中では実質的なトップで、日本支社の社長と共に国内だけでなく海外も飛び回っている。スタイルのいい美人で、美意識に反するからと社員証を首からかけたがらないなど、独自の感覚を持つ。趣味はサバイバルゲームで、謎の人脈を持つ。

仙川 (せんかわ)

三角海冬音が勤務する外資系商社の医務室に常駐している社医の女性。サバサバとした性格で、言いたい事ははっきりと主張する。カウンセリングを得意としており、海冬音からは定期的に話を聞いている。離れて生活していたはずの海冬音と九堂逸人のあいだに共通の記憶がある事を知り、興味を抱く。

ブルックリン・ファン・デル

三角海冬音が勤務する外資系商社に勤務する外国人男性。九堂逸人の秘書を務めている。日本で働くための手続き期間が必要だったため、先駆けて逸人だけを日本へ向かわせた。そのあいだ、逸人の臨時秘書を務めた三角海冬音の存在は特に気に留めていなかったが、のちに彼女の働きぶりを認め、打ち解けていく。

逸人の父 (いつとのちち)

九堂逸人、九堂唯人の父親。シングルファザーとして二人を育てた。以前は三角海冬音と逸人が勤務している外資系商社で働いていた。海冬音の母と故人である海冬音の父親とは大学時代からの友達だった事から、海冬音を引き取り、逸人の父と逸人、唯人の四人で半年間暮らした事がある。幸せな日々を過ごしていたが、仕事よりも子育てに一生懸命になってしまい、怒った海冬音の母から海冬音を取り上げられてしまう。以降、息子達が悲しむために海冬音の存在はなかった事にしていたが、突然の再会を機に、その場にいた海冬音と唯人に真実を打ち明けた。

海冬音の母 (みふねのはは)

三角海冬音の母親。現職の海上自衛官。夫とは死別している。全国各地に転勤するため、一度仕事に出ると数か月帰宅できずに、海冬音を両親に預けて働いていた。そのため、海冬音の中には母親と過ごした記憶がほとんどない。過酷な仕事を続けているのは、なにがあっても仕事を辞めないと、海冬音の父親と生前に約束したためである。

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