ゲームやるから100円貸して!

ゲームやるから100円貸して!

地味でお堅い上司とお調子者のイケメンが、ふとしたきっかけから、喫茶店に置かれたレトロゲームを通じて徐々に心を通わせていくという、ノスタルジックな要素が満載のほのぼの恋愛漫画。実在のレトロゲームをアレンジした、恋愛に関連した架空のゲームが多数登場する。「ヤングエースUP」2016年6月14日から2018年5月8日まで配信された。

正式名称
ゲームやるから100円貸して!
ふりがな
げーむやるからひゃくえんかして
作者
作者
ジャンル
ゲーム
関連商品
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あらすじ

第1巻

イケメンでお調子者の若手会社員、杉田は、お堅い性格の上司、弓原由美香補佐に目の敵にされ、なにかと厳しく指導される日々を送っていた。弓原からは怒られ、女性社員からはチヤホヤされる日常が騒々しく感じるようになった杉田は、ランチタイムにテーブルがゲーム筐体になっているレトロな喫茶店、デッドコピーを発見する。一人でくつろげる、面白い空間を見つけたと喜んでいた杉田は、となりの席でゲームに熱中している女性に気づく。なんと、その女性は上司の弓原だった。会社で見せる冷たい表情とはまるで違う、子供のような態度と振る舞いをする弓原に興味を抱いた杉田は、無理やり彼女に同席してゲームプレイを鑑賞。動揺した弓原はミスを連発してしまう。気を取り直した弓原は、残機がなくなったのは杉田のせいだとして、彼にゲーム代の100円を要求するのだった。(第1話「STAGE01」。ほか、8エピソード収録)

第2巻

泥酔して前後不覚になり、杉田に自宅マンションまで送ってもらうという失態を演じてしまった弓原由美香は、翌日のランチタイムにデッドコピーに立ち寄り、杉田に対し、もうゲームとお酒はやめると宣言する。しかし、新たに入荷されたレアなレトロゲーム、MORIMORIを見た事でテンションが上がってしまった弓原は、杉田に促され、結局ゲームをプレイしてしまうのだった。ゲームに夢中になっている弓原を見た杉田は、自分は弓原がゲームをプレイしている姿が好きだ、という率直な気持ちを彼女に伝える。激しく動揺しながらも杉田の言葉を真摯に受け止めた弓原は、ひとまずゲームをやめるという言葉を撤回するのだった。(第10話「STAGE010」。ほか、8エピソード収録)

第3巻

ある日、弓原由美香と外回りに出た杉田は、訪問先の会社で前職の先輩である先島に遭遇する。偶然の再開に感極まり、抱き着いてきた先島にたじたじとなった杉田は、仕事中だからという理由でその場を離れるのだった。仕事のあとに弓原といっしょにデッドコピーを訪れた杉田は、「一番会いたくない人にあってしまった」と弓原に告げる。二人の様子を観察していた店員の速川真帆は、その女性が杉田の元彼女である事に勘づき、杉田に問い質す。真帆の言葉に動揺する杉田の様子から、弓原はその指摘が図星であった事を悟るのだった。(第19話「STAGE19」。ほか、7エピソード収録)

登場人物・キャラクター

杉田 (すぎた)

イケメンの男性会社員。優しく人望もある若手のホープで、女性社員からは非常に人気がある。反面、ややチャラくてお調子者である事から、厳格な上司である弓原由美香からは必要以上に目の敵にされ、厳しく指導されていた。あらゆる運動が不得意な極度の運動音痴。天然な性格で、さらに女性慣れしているため、歯の浮くようなセリフを嫌味なくさらりと言う事ができる。とある日のランチタイムに、レトロな喫茶店であるデッドコピーを訪れた際、レトロゲームに熱中する弓原に遭遇した事で彼女に興味を抱く。それ以来、ランチタイムには弓原に同席して、彼女のゲームプレイを見るようになった。当初は純粋な興味で弓原に付き合っていたが、徐々に異性として弓原に惹かれていく。以前は東京の会社に勤めており、社長令嬢の先島の強引なアプローチに押されまくり、なし崩し的に付き合っていたが、結局別れている。

弓原 由美香 (ゆみはら ゆみか)

お堅い雰囲気を漂わせている、背が小さな女性。役職は補佐。若くして異例のスピードで昇進した仕事の鬼。小さなミスも見逃さず、指摘も的確で厳しいため、社員一同からは恐れられている。チャラ男の杉田をあまり快く思っておらず、仕事中はなにかと厳しく当たっていた。レトロゲームで遊ぶのを趣味にしており、ランチタイムに密かに喫茶店のデッドコピーに通い詰め、日々レトロゲームに興じている。レトロゲームを愛しており、一度語り出すと止まらない。ゲームをプレイする時は髪を下し、眼鏡をかけるため、印象が非常に変わる。ゲームプレイ中に杉田に発見された時は、激しく動揺し、それ以降もしつこく付きまとって来る杉田を煙たがっていた。特にマニアックなゲームが大好きで、度々デッドコピーのマスターに、市場に出回らなかったレアなゲームの入荷を要請していた。当初は弓原由美香自身の聖域に踏み込んで来る杉田の事を本気で嫌がっていたが、いつしか杉田の優しい人柄に惹かれていく。背が小さいのがコンプレックスとなっており、それを気にして慣れないハイヒールを履く事もあった。

マスター

喫茶店「デッドコピー」の経営をしているロングヘアの男性。昭和風のインテリアにこだわっており、店内にレトロゲームが遊べるテーブル筐体を置いている。豆の扱いが雑なため、煎れるコーヒーはあまり美味しくなく、店は繁盛していない。コーヒーよりお酒が好きで、お酒のラインナップは無駄に充実している。他人の愚痴を聞きたくないという理由により、バーではなく喫茶店を経営するなど、行き当たりばったりで適当な性格。のちに拾った野良犬と野良猫を店で飼い、集客に使っていた。レトロゲームには詳しいが、ゲームのプレイ自体はうまくなく、自分だけ強力な隠しキャラクターを使った状態でも、初心者である速川真帆との対戦に敗れてしまうほど。先島に告白して玉砕した際は、ショックのあまり数日間抜け殻のようにやつれてしまう。

速川 真帆 (はやかわ まほ)

ショートカットのかわいらしい女子高校生。1日にコーヒーを10杯は飲むという無類のコーヒー好きで、焙煎に関する知識も豊富。喫茶店でのアルバイトを探していたが、タバコの煙が苦手だったため、完全禁煙のデッドコピーを訪問し、マスターと掛け合った末にアルバイトとして正式採用された。コーヒーの煎れ方がうまい事から自らマスターに申し出て、コーヒー豆の管理を任されていた。美人なため、彼女目的に来店する男性客も多いが、豆を雑に扱う人は大嫌い。杉田と弓原由美香の関係性を観察しており、二人が付き合うのは時間の問題だと考えている。周りを気遣えるまじめな性格で、杉田や弓原からかわいがられていた。

先島 (さきじま)

優秀なキャリアウーマン。妙齢の美しい女性。杉田が以前勤めていた東京の会社の社長令嬢。杉田の事を気に入って猛烈にアプローチし、杉田を何度か食事に誘ったあと、強引に付き合っている事にしていた。積極的かつ強引な性格で、思い通りにならないと駄々っ子のように泣きわめく困った一面を持つ。杉田を先島グループの跡取りにしようと考え、父親に紹介するなど外堀を埋め続けていたが、結局杉田に振られてしまう。のちに偶然再会した杉田に対し、ストーカーじみた情熱で復縁を迫るが、再び断られてしまう。そのあとマスターに交際を迫られた際に、好きでもない人間に言い寄られる気持ち悪さを実感したせいで、杉田の事をすっぱりとあきらめる。

弓原の母親 (ゆみはらのははおや)

弓原由美香の母親。娘とは対照的にゲームには理解がない中年の女性。ゲーム好きな弓原の心情をくまず、小学生の頃に地球儀をプレゼントしていた。いい年をして彼氏の一人もいない娘を心配しており、お見合い話を持ちかけていた。弓原に彼氏として杉田を紹介された時は、その好男子ぶりに驚愕してレンタル彼氏ではないかと疑っていた。

島田 (しまだ)

会社員の男性。眼鏡をかけている。杉田の先輩で、仕事上でなにかと頼りになる人物。杉田と弓原由美香が親密になっているのを、なんとなく察していた。のちに杉田に振られた先島といっしょに仕事をするようになり、彼女と意気投合をしてマスターを嫉妬させていた。

リョースケ

容姿端麗な在宅プログラマーの男性。弓原由美香とは幼少の頃に駄菓子屋のゲームコーナーで知り合っており、弓原の初恋の人物でもある。弓原の母親が持って来たお見合い話の相手だったが、その直後に弓原が杉田と結婚を前提に付き合う事になったため、再会が実現する事はなかった。

場所

デッドコピー

昭和な雰囲気を漂わせるレトロな喫茶店。マスターの趣味で、レトロゲームが遊べるテーブル筐体を設置している。プレイ目的で弓原由美香がランチタイムに通いつめ、常連になっていた。大通りから外れた位置にあり、立地に恵まれていないうえ、マスターの煎れるコーヒーがあまり美味しくないために、経営は厳しい状態にある。のちに店で飼い始めた犬や猫、さらにアルバイトの速川真帆を目当てに来店する客が大幅に増える。

その他キーワード

LOVERS INVADERS (らばーずいんべーだー)

1978年にタイトーが販売した、来襲する宇宙人を撃ち落とす「スペースインベーダー」によく似たシューティングゲーム。女性キャラクターを操作して上から降って来る男達の攻撃を避けながら、たまに出て来る王子様のハートに弾を撃ち込むという内容になっている。王子様のハートを射抜くのは難しいが、弓原由美香曰く、これは想い人には簡単に恋は届かない事を表しているとの事。市場に出回る事はほとんどなかったレアな逸品とされている。

パックガール

1980年にナムコが販売した、モンスターを避けつつ、画面上のエサをすべて食べていく「パックマン」によく似たアクションゲーム。まとわりつく男の敵をかわしながら、画面上のハートを全部集めて最後に出て来る王子様を捕まえるという、女の子の夢が詰まった内容になっている。アイテムの薬瓶を取ると、敵をドロドロに溶かす事ができるというバイオレンスな要素も盛り込まれている。王子様がやたらと高速移動する事と、敵の断末魔が恐ろしいのが特徴。

VS検非違使 (ばーさすけびいし)

東京大学の学生が開発した、平安京を守る検非違使を操作して侵略して来たエイリアンを穴を掘って埋める「平安京エイリアン」によく似たアクションゲーム。地球を侵略に来たエイリアンを主人公にしており、穴を掘る検非違使を捕まえるのが目的。二人協力プレイが可能で、その場合は検非違使が掘った穴に落ちた味方を救出できる。弓原由美香曰く、実機で動くのを見た人はほとんどいないといわれる「奇跡のゲーム」。

イー・ギャル・カンフー

1985年にコナミが販売した、当時としては珍しく主人公が16種類もの技を使う事ができたうえ、女性キャラクターも登場する「イー・アル・カンフー」によく似た異種格闘技ゲーム。女性格闘家のリーチュンをあやつって屈強な男達を倒していくルールで、先へ進めば進むほど敵のサイズが大きくなり、リーチも長くなるという特徴を持つ。二人対戦が可能になったデッドコピーの改造版「VSイー・ギャル・カンフー」も存在する。

LOVELOVE COMMAND (らぶらぶこまんど)

アメリカのゲーム会社アタリが販売した、敵国から飛来するミサイルを迎撃ミサイルで防ぐというレトロゲームによく似たゲーム。上から降って来るのはミサイルではなく流れ星の王子様になるなど、オリジナルよりかわいくアレンジされている。女の子を飛ばして王子にくっつけて爆発させるなど、演出は荒っぽく豪快。トラックボールと呼ばれる、ボールを転がして操作する特殊なコントローラーを使用するため、喫茶店のテーブル筐体だと料理を落としやすいという弱点がある。アメリカ発の亜流ゲームなため、世に出る事がなかった珍品とされていた。

ドランキー・コング

1981年に任天堂が販売した、全4ステージからなる「ドンキーコング」によく似たアクションゲーム。登場キャラクターが全員アルコール依存症という極端な設定がされおり、操作キャラクターが酒樽を取ると酔っぱらってしまい、操作がやりにくくなったり、味方である姫をハンマーでボコボコにできるという、デンジャラスな要素が盛り込まれている。

MORIMORI

1982年にナムコから販売された、地中を掘り進んで全部の敵を銛とポンプで膨らませて倒していく「ディグダグ」によく似たアクションゲーム。地中に住むモンスターに捕まったガールフレンドや動物達を助けるのが目的で、ガールフレンドを隠しているモンスターを銛で突き、ポンプで破裂させればステージクリア。ただし、モンスターがガールフレンドを連れ去ってしまうと、残機の数にかかわらず即座にゲームオーバーになるという、厳しい難易度設定になっている。

ヒタスラタタキンピック

1983年にコナミから販売された、ボタンを連打する事で選手が走ったり跳んだりする、オリンピックをテーマにした「ハイパーオリンピック」によく似たスポーツゲーム。オリジナルより連打に特化しており、全競技がボタンをひたすら叩くだけでクリアできるという、エッジの効いたものに仕上がっている。後半に進むほど協議の内容がスポーツとかけ離れていき、最終ステージの種目は鬼ごっことなっている。

クレイジー・マンション

1980年に日本物産が販売した、2本のレバーを交互に操作してビルを登り続けるという独自性の強い「クレイジー・クライマー」によく似たアクションゲーム。お盆を持った女子高校生を操作して、窓から降って来る食器を受け止めながら最上階を目指す。途中の食器をいくつ取れたかでボーナスがもらえる。「クレイジー・クライマー」は複数の会社から亜流作品が出ているが、その中でもレア中のレアとされていた。

SANTAN

1982年にコナミから販売された、オオカミにさらわれた子豚を助けるために母豚が奮闘するという、ファンシーな「プーヤン」によく似たアクションゲーム。主人公は煙突がない家で育った少年で、プレゼントを配りに行くサンタがトナカイに乗り込む前に弓矢で撃墜し、子供に現実を見せつけるというダークな世界観の問題作。弓原由美香は、世の中のサンタ信仰に一石を投じるゲームとして開発者を尊敬していると語っていた。

ギブミーチョコレート

1981年にセガから販売された、カエルを操作して道路や川を超え、ゴールを目指す「フロッガー」によく似たアクションゲーム。主人公の子供を操作して道路を渡り、奥にいる女の子にチョコレートをもらいにいく。しかし自動車からたまに落ちるエロ本に、主人公が自動的に引き寄せられてしまうという生々しい要素も盛り込まれている。

CHUPPY (ちゅっぴー)

1983年にナムコから販売された、ネズミの警官を操作して盗品を取り戻す「マッピー」によく似たアクションゲーム。ネズミの男の子「チュッピー」を操作し、チュッピーに恋する猫をよけながらステージ内のプレゼントを集め、意中の女の子に会いにいく。猫に見つかると、やたらとおどろおどろしいBGMが流れるのが特徴。杉田はチュッピーと猫の関係性を先島に見せる事で、自身と先島の歪んだ関係を伝えようとしていた。

マサオ&レイディ

1983年に任天堂から販売された、双子の兄弟を操作して敵を倒していく「マリオブラザーズ」によく似たアクションゲーム。マサオとレイディの二人で、侵略して来た宇宙人と戦う。宇宙人が歩いている床を下から突きあげて気絶させ、謎の薬物をかけて溶かして倒すという、ややグロテスクな要素が盛り込まれている。一人プレイ時は非常に難しいが、二人同時にプレイする事で大きく難易度が低下する。

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