サムライが転生したらアイドルになった話

サムライが転生したらアイドルになった話

戦国時代、戦場で命を落とした侍の朔良は、令和時代のアイドルグループ「SSS7」のメンバー、橙山朔良として転生した。時代のギャップに翻弄されながら、あこがれだった鬼六剣そっくりなメンバーたちと共にアイドルとして邁進する朔良の姿を描く、転生アイドルストーリー。「月刊プリンセス」2019年5月号から掲載の作品。

正式名称
サムライが転生したらアイドルになった話
ふりがな
さむらいがてんせいしたらあいどるになったはなし
作者
ジャンル
アイドル
 
転生
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あらすじ

時は戦国時代、侍の朔良は戦場で、あこがれの鬼六剣の一人「白河煌之介」をかばって敵の刃を受け、そのまま海へと転落。次に朔良が目を覚ますと、自分の周りには鬼六剣の面々が顔をそろえていた。戦に勝ったのかと朔良は喜ぶが、そんな彼に対して鬼六剣の面々は怪訝な顔を見せる。そして彼に、今は2019年、場所は令和時代の東都であり戦などないこと、そして自分たちは鬼六剣ではなく、アイドルグループ「SSS7」であることを告げる。そして朔良もまた、SSS7のメンバーの一人、橙山朔良であることが明かされるのだった。病院での検査の結果、一時的な記憶障害と診断された朔良は、橙山朔良としてSSS7の活動に参加することになるが、知識や経験のギャップから、歌もダンスも満足にできない。それでも心優しい仲間たちの支えもあり、朔良は少しずつ、かつてのアイドル橙山朔良としての姿へと近づいていく。だが朔良は、自分の中にいるであろう本物の橙山朔良が、自分以上にアイドルとして活動したいのではないかと気にかかっていた。やがて迎えた音楽番組の生放送の日、朔良は鏡越しに橙山朔良に語り掛けるが、彼からの反応はない。するとそこに橙山朔良のことを知っている様子の見知らぬ人物が現れ、朔良に対してアイドル失格だと吐き捨てる。これによって体調に異変をきたした朔良は、薄れゆく意識の中、膝を抱えてうずくまる橙山朔良の魂を目撃する。

登場人物・キャラクター

朔良 (さくら)

戦国時代、柴田頼元配下の侍だった青年。明るく元気で少々天然だが、穏やかな性格で、気が弱いわけではないものの涙もろい。戦場で戦っていた際、柴田頼元の懐刀「鬼六剣」の「白河煌之介」をかばって敵の刃にかかり、命を落とした。その後、海に沈んでいくところで同じく水中を漂う自分そっくりな橙山朔良の姿を目撃。次に目を覚ました時は2019年の東都で、自分が橙山朔良になっていた。病院での検査の結果、一時的な記憶障害と診断されて仲間も一応はそれを受け入れるものの、橙山朔良が知りえない意識や記憶があることから、朔良自身は自分が橙山朔良の体に入り込んでいることを理解している。現代の生活環境やアイドル事情、橙山朔良のこれまでのことについてなんの知識もないため、アイドルグループ「SSS7」のほかのメンバーに迷惑を掛けていることを気に病んでいる。しかし、そんな自分を優しく受け入れ、支えてくれる仲間たちに強く感謝しており、どうにかして彼らに恩返しをしたいと願い、同時に戦国時代の鬼六剣の猛将たちとSSS7のメンバーを重ね合わせ、仲間たちに対して強いあこがれを抱いている。また、体の中には確かに存在していながらも、自分と入れ替わりに表に出てこなくなった本当の橙山朔良の意識のことを心から心配している。なお、口調は戦国時代のものから一貫して変わることはなく、周囲からは、かつての橙山朔良と区別する意味合いで、「侍朔良」と呼ばれる場合もある。

橙山 朔良 (とうやま さくら)

アイドルグループ「SSS7」のメンバーの青年。淡い色の髪をストレートショートヘアにした、穏やかな顔立ちのイケメンで、朔良と外見が酷似している。低音の歌声が魅力で、ダンスも得意としている。デビュー曲PVの撮影現場で、バスタブに沈むシーンの撮影中にそのまま浮かんでこなかった。慌てた仲間たちに助け出されることになったが、それ以降橙山朔良としての意識は消え、戦国時代の朔良の意識が橙山朔良の体に入った状態となった。ただし、朔良のピンチの際には鏡越しにアドバイスを送ったり、時に自らの意識を短期間だけ覚醒させてダンスをしたりと、橙山朔良の意識は完全に消失したわけではない。もともと朔良と同じく、明るく元気で少々天然なところがあり、SSS7のほかのメンバーからも非常にかわいがられていた。ただ、本人は隠していたものの、実際は何か悩み事を抱えていた様子がある。

白河 煌星 (しらかわ こうせい)

アイドルグループ「SSS7」のメンバーの青年。年齢は17歳で、SSS7の最年少。無造作なショートヘアのイケメンで、下唇にほくろがある。ダンス、歌、演技と何をやらせても難なくこなし、ほかのメンバーたちからは「アイドルになるために生まれてきた様な男」「SSS7のミスターパーフェクト」と評されている。口数は少ないが、その姿に末っ子メンバーに負けてはいられないとほかのメンバーが奮い立つなど、グループ内でも重要な役割を担っている。一方で、朔良のことは大切に扱いつつも「今のままでいてほしい」など意味深な物言いが多く、橙山朔良が抱えていた悩みについて何事か知っている様子がある。かつて朔良がいた戦国時代で、鬼六剣最年少にして最強の剣士と評された「白河煌之介」と外見が酷似している。

朱池 智顕 (あかいけ ちあき)

アイドルグループ「SSS7」のメンバーの青年。赤みがかった無造作ショートヘアの知的なイケメンで、両目の下に一つずつほくろがある。SSS7のリーダーを務めており、そのカリスマ的なリーダーシップで仲間を引っ張るだけでなく、つねに周囲を見渡してみんなの様子を把握するなど、気配りもこまやか。かつて朔良がいた戦国時代で、鬼六剣一の智将にしてすご腕の剣客と評された「朱池智顕」と外見が酷似している。

藍京 十碧 (あいきょう とあ)

アイドルグループ「SSS7」のメンバーの青年。アシンメトリーな黒髪ショートボブヘアのイケメンで、口の右下にほくろがある。毎日、一人早起きしてメンバー全員の食事を手作りしたりと、非常に家庭的で包容力のある優しく穏やかな性格のスパダリで、SSS7のお母さん的な存在。また、リーダーの朱池智顕を傍らで支える、女房役でもある。かつて朔良がいた戦国時代で、「柴田頼元」の腹心にして参謀役を務めた鬼六剣の「藍京十之介」と外見が酷似している。

浅黄 凛太朗 (あさぎ りんたろう)

アイドルグループ「SSS7」のメンバーの青年。淡い色の髪をツンツン跳ねさせ、側頭部に小さな三つ編みを一つ作った特徴的な髪型のかわいらしいイケメンで、口の左上にほくろがある。朗らかな性格で、SSS7に笑いをもたらすムードメーカーとして、なくてはならない存在。一方で、時に挑発的な姿を見せたりと、小悪魔的な魅力も併せ持つ。SSS7のメンバーからは、「凛」と呼ばれている。かつて朔良がいた戦国時代で、鬼六剣一の愛嬌者にして力自慢として知られた「浅黄凛太朗」と外見が酷似している。

緑埜 琥珀 (みどの こはく)

アイドルグループ「SSS7」のメンバーの青年。淡い色のショートヘアをツンツンと跳ねさせ、優しげな目をしたイケメンで、左目の下にほくろがある。ふだんはおっとりした優しい性格の癒しキャラで、朔良に似た時代がかった口調で話すが、ダンスとなると目の色が変わり、誰よりも華麗で激しい動きと大胆なアクロバットで周囲をひっぱるダンスリーダーとなる。かつて朔良がいた戦国時代で、神速の槍の達人と評された鬼六剣の「緑埜琥珀」と雰囲気がよく似ている。ただし、戦国時代の緑埜琥珀は好々爺然とした老人だったこともあり、ほかのメンバーと比べて、現代の緑埜琥珀とは容姿的な乖離が最も大きい。

紫雲 風雅 (しうん ふうが)

アイドルグループ「SSS7」のメンバーの青年。金髪セミロングヘアのイケメンで、右目の下に縦に二つ並んだほくろがある。クールで少々ぶっきらぼうなところはあるが実際は仲間思いで、ハードな練習後には、自分も疲れているにもかかわらずメンバー全員にマッサージやストレッチを施したりと、トレーナー役を買って出ている。かつて朔良がいた戦国時代で、鬼六剣一の剣豪と評された「紫雲風雅」と外見が酷似している。

柴田 頼元 (しばた よりもと)

アイドルグループ「SSS7」のプロデューサーを務める中年男性。白髪のショートヘアで口ひげを蓄え、眼鏡を掛けている。いつもにこやかで口調も穏やかだが、何を考えているか読めないところがある。もともと伝説の二人組アイドル「doSO;L」を見いだしたのも柴田頼元であり、その審美眼とプロデュース能力には定評がある。現在は、新たにSSS7をプロデュースするべく会社から独立したため、doSO;Lの二人からは自分たちを見捨てた裏切り者扱いされている。かつて朔良がいた戦国時代で、朔良や鬼六剣が仕えていた「柴田頼元」と外見が酷似している。

集団・組織

SSS7 (とりぷるえすせぶん)

橙山朔良、白河煌星、朱池智顕、藍京十碧、浅黄凛太朗、緑埜琥珀、紫雲風雅の七人で構成された男性アイドルグループ。プロデューサーは柴田頼元が務めている。まだメジャーデビューは果たしていないが、柴田の人脈により、伝説の二人組アイドルグループ「doSO;L」のライブのオープニングアクトに抜擢された。その際に披露した剣舞パフォーマンスが受け、「イケメン過ぎる侍」として一躍世間の注目を浴びるようになる。その後も、超敏腕プロデューサーである柴田の仕掛けのもと、その人気と知名度を高めていく。「SSS7」の名は「スパークル」「スターズ」「スピリッツ」の頭文字から来ており、それぞれの闇から這い出してきた七人の魂が出会うことで、煌く星になるようにという意味が込められている。ちなみに、メンバーの七人は寄宿舎で共同生活を送っている。

doSO;L (どぅそる)

「橘陽架(たちばなはるか)」と「東郷響太朗(とうごうきょうたろう)」の二人組からなる男性アイドルグループで、「豊永臣尊(とよながおみと)」がプロデューサーを務めている。東都全土のドームツアーに加え、世界ツアーも成功させており、アイドル界の伝説となっている存在で、もともとは柴田頼元が見いだし育て上げたグループ。だが、柴田が新たにアイドルグループ「SSS7」をプロデュースするために会社から独立し、「doSO;L」のもとを離れた彼のことを、自分たちを見捨てた裏切り者扱いしている。そんな柴田がご執心のSSS7がどれほどのものか確かめようと、まだデビュー前の彼らを自分たちのライブのオープニングアクトに抜擢した。その際のSSS7のパフォーマンスに感銘を受けて彼らのことを認め、次は自分たちがSSS7のオープニングアクトを務めると、最大級の賛辞を送る。

鬼六剣 (おにろっけん)

かつて朔良がいた戦国時代で、「柴田頼元」の懐刀としてその名を轟かせた猛将の総称。いずれも一騎当千の「朱池智顕」「藍京十之介」「浅黄凛太朗」「緑埜琥珀」「紫雲風雅」「白河煌之介」ら六人の侍のことで、その名を聞くだけで戦場の空気が変わるほど、味方には頼られて敵には恐れられた。一方で、戦場を離れるといずれも気さくで心優しい人格者であり、朔良も酒宴の席での舞を気に入られ、彼らに大いにかわいがられていた。なお、鬼六剣および主君であった柴田頼元は、いずれも現代のアイドルグループ「SSS7」の関係者に酷似しており、朔良には別人だと理解されつつも、半ば同一視されている。

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