鉄拳チンミ

鉄拳チンミ

姉と2人で中華料理店を営んでいたチンミは、自己流ながらかなり拳法が使える少年。その素質を見出されたチンミは、四川省の大林寺で本格的な拳法を学ぶことになる。それ以来数、多くの拳法家や格闘家と遭遇。ときには拳法を教えてもらい、ときには戦って、拳法家として成長していくカンフーストーリー。第11回講談社漫画賞少年部門受賞。

正式名称
鉄拳チンミ
ふりがな
てっけんちんみ
作者
ジャンル
格闘技・武道
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概要・あらすじ

中国四川省にある大林寺には、ある伝説があった。大林寺建立百年にいたった現在、大林寺拳法を極めた「拳精」の素質をもつ若者が姿を現すという。大林寺老師は、偶然出会った姉のメイリンと中華料理店を営むチンミが、その拳精であると信じ、本格的な拳法の修業をさせるため、大林寺へ連れて行く。

そこで、日々厳しい修業を重ねながらも、楽しい毎日を過ごすチンミは、みるみる実力をつけていく。1年後、弟の顔が見たくなって大林寺まで旅をするメイリン。その途中、悪名高いならず者の集団、黒炎団(こくえんだん)に誘拐されてしまう。それを知ったチンミは、姉を助け出すため、夜になって黒炎団のアジトへ向かうのだった。

登場人物・キャラクター

チンミ

姉のメイリンと中華料理店を営む少年。眉毛によって隠れているが、眉間にホクロがある。自己流の拳法を使い、かなり強い。たとえば、薪割りは素手で行い、いきなりお箸まで作ることができる。また、水汲みをするときは、10以上のオケを持って川へ行き、水をオケに入れてはすぐに空に向かって次々と飛ばしていく。 そして、家まで戻ってきて、家の水瓶で待っていると、空から先ほど投げ飛ばした水入りのオケが落ちてきて、次々と受け取っては瓶に水を入れていく。さらに、料理店で無銭飲食しようとしたならず者を手際よく片づけている。これら一連のチンミの行動を偶然見ていた、四川省の大林寺の老師は、彼が寺に伝説として伝わっている「拳精」ではないかと思い始める。 そしてチンミの眉間にホクロがあることから、拳精と信じて疑わなくなり、大林寺拳法を学ばせるためチンミを四川省大林寺へと連れていく。のちに、テンドウ禅師、リュウカイ、ヨーセン道士などの優れた師から拳法学び、しだいに真実の拳精に近づいていく。ちなみに、まだ少年ながらお酒好き。

メイリン

弟のチンミと中華料理店を営む少女。チンミは店では、水汲みや薪割りなどの雑用をこなし、メイリンは接客と調理を担当していた。弟想いの姉で、チンミが四川省の大林寺へ修業に行って1年たつと、彼のことが気になって大林寺を訪問しようとしている。ただ、その道中で悪名高い黒炎団(こくえんだん)に誘拐されてしまった。 それを知ったチンミは、黒炎団との戦いで負傷しながらも、姉を助け出している。メイリンは、負傷したチンミを大林寺でしばらく看病していたが、その後自宅の料理店へ戻った。それ以来、チンミの姉は美人だと大林寺では評判になった。

ゴクウ

『鉄拳チンミ』に登場する動物。メイリンとチンミ姉弟が飼っている、とても陽気な猿。とくにチンミとは仲が良く、大林寺へチンミが修業に行くときもついていくほど。チンミは自己流の拳法を使っていたが、その1つは、ゴクウの動きをまねた猿拳だった。ときどき、ゴクウヌンチャクとして、ゴクウをヌンチャク代わりに振り回して相手を攻撃することもある。 また、チンミと同じくお酒が好き。

老師 (ろうし)

四川省大林寺の老師。鼻の下とあごに長くて立派な白ひげを蓄えた老人。酔拳の使い手。馬1頭といっしょに旅していたところ、偶然、超人的な薪割りや水汲みをしていたチンミと遭遇。さらに試しにと、自ら酔拳を使って戦っている。このとき、チンミは拳をかわしながら老師の腰にあった酒を盗み呑みしており、以来酒好きとなってしまった。 のちに、チンミの眉間にホクロがあることを知り、彼が大林寺に伝わる「拳精」であると信じ、大林寺拳法を学ばせるため寺へ連れて行く。大林寺では、チンミの親代わりのように世話を焼き、チンミの修業ぶりをいつも見守っている。

頭岩兄弟 (ずがんきょうだい)

鼻の下から長いひげを生やした、イヤリングと丸坊主の頭が光る兄弟で、顔つきは瓜二つ。悪名高いならず者。チンミの中華料理店で、料理がまずかったと難癖をつけて、無銭飲食しようとした。そこへチンミが現れ、兄弟と戦っている。頭岩兄弟の最大の武器は、頭の堅さで、店のテーブルを頭突きでまっぷたつにするほど。 また2人とも棒術が得意。兄弟が肩を並べて、頭から突進してくる技、岩砕弾頭を使えば、大きな岩も粉砕する力を持つ。

大僧正 (だいそうじょう)

大林寺拳法の総本山である、四川省の大林寺の大僧正。身長はチンミと同じぐらい。鼻の下とあごに白ひげをのばした老人。自分に触れることができれば、酒を飲ませるという条件で、チンミは大僧正に触ろうといろいろ努力するが、結局触れなかった。大林寺に入門する際には、チンミに、三日のうちに月ををまっぷたつに切る試験を与えている。 老師以上に、チンミの秘められた実力に期待する人物。

ジン・タン

四川省大林寺の修業僧。負けず嫌いで、拳法は勝つことがすべてと信じている少年。チンミとは奉納試合で対戦し、独自の技、三壊拳を使ってチンミを苦しめた。この拳は、木を相手に突きの特訓をして体得した技で、相手になった木は人型になってへこみ、急所の位置はえぐられたようになっていた。 こうした特訓によって威力が高められた左右の突きと、右足の蹴りを同時に相手に打つのが三壊拳だった。しかし、奉納試合でチンミから三壊拳返しをされて敗れてしまう。だが、それ以来チンミとは親友同士になる。

テンドウ禅師 (てんどうぜんし)

四川省大林寺で行われる厳しい修業「深山行」を指導する禅師。深山行は参加するだけでも難しく、今回参加できたのはチンミだけ。そのチンミに対し、釣りや座禅などを通して精神修業させていく。修業中のある日、谷に落ちたチンミは足にケガをして谷から出られなくなった。さらにその谷は、大群のマムシの棲家となっていた。 ちょうどそのとき、テンドウ禅師が現れたが、禅師はチンミを助けることなく冷たく去って行った。チンミはこの苦境をどう凌ぐか考え、日ごろの座禅の修業や、禅師の言葉を思い出す。そして、自ら無心となって岩のようになり、マムシが体の上を通り過ぎるのを待って、その場を切り抜けたのだった。 呼力流弾拳(こりきりゅうだんけん)の使い手で、これを使えば、相手の力を利用して、指一本触れずに相手を投げ飛ばせる。

リュウカイ

四川省大林寺で少年たちを指導する青年。武者修業に出ていたが、大林寺に戻ってきた。「鉄の男」と呼ばれる。大僧正にいわれ、「深山行」修業から戻ってきたチンミと、試合をすることになった。修業によって実力をかなり高めたチンミだったが、リュウカイには歯が立たず、さらにリュウカイは気功法を使って、チンミを立てなくしてしまった。 それ以来、チンミは彼を尊敬するようになる。また、気功法によって体を強くし、角材で殴られても平気でいられることから、「鉄の男」とも呼ばれている。ただ、体中に傷がある。

ヤン

四川省大林寺の近くに住む野菜売りの少女。チンミと同年代ぐらいで、肩ほどにある髪をうしろに束ねている。おじいさんと2人暮らしで、生活は貧しい。あるとき、チンミが掃除をしていると、野菜を2つの籠に入れて持っていた女の子が倒れてしまった。その女の子がヤンで、高い熱を帯びていた。 今日中に持っている野菜を売らないといけないということだったので、チンミが野菜を売る手伝いをして親しくなった。ただ、ヤンは悪徳業者の借金取りに苦しんでいて、その男には烈指拳(れっしけん)を使う用心棒がいた。チンミはこの用心棒に勝つため、リュウカイから気功法を学んでいる。のちに、チンミが修業のために東林寺に向かうときも、町に向かうヤンと船の上で偶然出会っている。 週に3~4日、船で町まで行き、野菜を売るという。

ウォン

雲南省にいた男。毒手拳(どくしゅけん)の使い手で、四川省大林寺のリュウカイを苦しめた男。左手を包帯でぐるぐる巻きにしている。もともとウォンには弟のペイがいた。ペイはリュウカイと拳法で試合し、敗れて死んでしまう。その復讐をするため、自ら厳しい修業を行って毒手拳を体得した。 拳を使う左手は、触れるだけで相手に毒効果を与えるので、包帯で予防しているほど。リュウカイも、ウォンの左手に触れただけで体中がしびれて動きが鈍くなり、ついに体に毒手の一撃を受けて生死の淵をさまよっている。

リュウヒ

残虐非道のならず者集団、黒炎団(こくえんだん)の一員。黒炎団を指揮する三兄弟の末弟。刺股の使い手で、そのすばやさにはチンミも歯が立たなかった。のちに、黒炎団はチンミの姉のメイリンを誘拐。それを救い出そうとチンミが黒炎団のアジトへ潜入し、真っ暗な部屋の中で、リュウヒと戦っている。

ザンギ

残虐非道のならず者集団、黒炎団(こくえんだん)の首領。黒炎団を指揮する三兄弟の長兄。マスクをいつもつけており、顔には大きな3本の傷がある。硬射気道拳(こうしゃきどうけん)の達人。宋家村(そうけむら)を襲おうとしている黒炎団に対し、チンミは首領であるザンギに1対1の勝負を挑む。 もしチンミが勝てば、村を襲わないという約束をとりつけるが、実際に戦ってみると、チンミの拳はザンギに見切られ、まったく歯が立たなかった。さらに、硬射気道拳は、外部よりも内部の器官を破壊する拳法。チンミは体に一撃を受けると、すぐには何でもなかったが、しだいに腹が煮えたぎるように熱くなって悶絶し、さらに血を吐いてしまう。

リキ

棍法(こんぽう)(棒術)の達人。肩まで伸びたストレートヘアの青年。幼少時から盲目だったが、花を愛する人。四川省大林寺で、ひととおり拳法の修業を重ねて上達したチンミが、棒術の修業をすることになったが、リキはその師匠。後ろ向きでありながら、近づいてくるチンミや老師のことがわかる。 目が見えていなくても、そのほかの感覚を研ぎ澄ませることで、音や気配、匂いを感じとり、目で物を見る人よりよく見えているかもしれないという。師匠はソシュウ禅師。

ソシュウ禅師 (そしゅうぜんじ)

棍法(こんぽう)(棒術)の達人。リキの師匠。チンミより小柄な老人。シーファンというチンミと同年代ぐらいの少年を弟子とし、いっしょに旅をしている。その途中立ち寄ったリキの家にしばらく滞在し、チンミとおとなしい性格のシーファンを棒術の試合をさせた。そしてチンミは完敗し、落ち込んでしまう。 そのときソシュウ禅師は、チンミに自ら限界を作るなと諭している。

シーファン

棍法(こんぽう)(棒術)の使い手。ソシュウ禅師の弟子で、リキの弟弟子。チンミと同年代の背格好も同じぐらいの少年で、おとなしい性格。チンミとすぐに仲良くなる。チンミからの申し込みで、シーファンは棒術の試合をするが、試合の途中から彼の性格と表情ががらりと変わり、チンミに圧勝する。 勝負強く、決してあきらめない強い心を持つ。棍を突くときに回転を加えて破壊力を増加させる、捻糸棍(れんしこん)を独自にあみだした。これは、当たれば床の石さえも深くえぐる威力を持つ。

ヨーセン道士 (よーせんどうし)

竜泉の東林寺の道士。高齢だが、いつも酒場で飲んだくれている男。しかし、気功法と通背拳(つうはいけん)の達人で、かつて凶暴な人食い虎を、指1本で倒したという逸話がある。四川省大林寺の大僧正が、新しい修業の師としてチンミに紹介したのが、この道士だった。だが、弟子は取らないと、チンミを追い返そうとする。 通背拳は一撃を重視した拳法で、気功も交えて使うと、壁の向こう側にいる相手を、壁を壊さずに倒すことができる。

ディック・スタイナー

白人系外国人の水兵で、ボクサー。通背拳(つうはいけん)の達人であるヨーセン道士も警戒するほど強く、チンミの顔に止まった蚊を、顔に触れずに高速パンチでつぶした実力者。さらには、水瓶にパンチで穴を空けるが、その衝撃によって、穴の反対側にも同じ穴が開いていた。町にリングを作り、1ラウンド3分。 どちらかが倒れるまでというルールで、チンミと異種格闘技戦を行う。

シオン

旋風拳の達人。町はずれで子供たちに、勉強と拳法を教えている青年。父のリクウと2人暮らしで、子供たちを家に招いて教えている。やさしい人だが、頑固で厳しい面を持つ。旋風拳は、高速に回転して、中から自在に拳や蹴りを繰り出す拳法で、攻防が完璧。チンミは向学心から、シオンに試合をしてほしいと願うが、シオンは受け付けず、チンミは彼の家の前で数日座り込んでいる。

ローエン

鋭裂拳(えいれつけん)の達人。リーゼント風のヘアスタイル。竹豊寺という大林寺派の寺で道場破りをし、師範代クラスの修行僧を打ち破った男。刃物を持っていないのに、近づく敵の腕を斬り、指を落とす拳法家。実は鋭裂拳は、糸を使った拳法で、相手の腕や指にすばやく糸を巻きつけ、すぐに引き抜くことで攻撃していた。 修業の旅をしていたチンミは、同門が襲われているのをじっとしてられず、ローエンに勝負を挑む。

集団・組織

黒炎団 (こくえんだん)

『鉄拳チンミ』に登場する組織。ザンギ、ドウコ、リュウヒの三兄弟が中心となった組織。数十人のならず者の集団で、極悪非道ぶりは右に出るものがないといわれている。略奪強盗、殺人を何とも思わず、襲われて廃墟になった村も1つや2つではないといわれている。首領はザンギ。

場所

東林寺 (とうりんじ)

ヨーセン道士が住む寺。境内は雑草だらけで、寺の内部はホコリだらけで、天井にはクモの巣が張ってある荒れ寺。四川省の大林寺の大僧正にいわれて、チンミが新しい修業の場としたところ。ヨーセン道士は、気功法と通背拳の達人で、のちにチンミに通背拳を伝授する。

その他キーワード

大林寺 (だいりんじ)

四川省に建つ、大林寺拳法の総本山。チンミ、ジン・タン、リュウカイ、老師、大僧正が所属する。大林寺には、建立百年目に、大林寺拳法を極めた「拳精」が若くして姿を現すという伝承がある。そして、その者には眉間にホクロがあるといわれている。老師が偶然出会った少年チンミは、身体能力抜群で、自己流ながら拳法も強い。 さらに眉間にホクロがあることから、彼こそは拳精と老師は信じ、大林寺まで連れてきた。大林寺には拳法を学ぶ修行僧が多く、焼けた砂を突いて指を鍛えるなど、厳しい修業をしている。

酔拳 (すいけん)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。四川省大林寺の老師が使う拳法。酔うほど強くなるといわれる。酒を飲んで酔った状態で、チンミに戦いを挑んだ。だが、チンミにこくごとくかわされ、さらに腰の酒まで盗み飲みされている。

岩砕弾頭 (がんさいだんとう)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。頭岩兄弟(ずがんきょうだい)が、チンミに対して使った技。頭が岩のように堅い兄弟が、肩を並べて頭から突進してくる。チンミはこれをかわすが、チンミの背後にあった大岩が、この技を受けて粉砕されている。

三壊拳 (さんかいけん)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。四川省大林寺の修行僧ジン・タンが、奉納試合でチンミに使った技。左右の突きと、右足の蹴りを同時に放って、避けにくくさせる。

呼力流弾拳 (こりきりゅうだんけん)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。四川省大林寺の「深山行」を指導するテンドウ禅師が使う技。相手の力を利用して、指一本触れずに投げ飛ばす。相手の力が強いほど、その威力は増すという。

気功法 (きこうほう)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。四川省大林寺のリュウカイが使う拳法。中国拳法に古来から伝わる奥義の1つ。呼吸を整えて体内の「気」を充実させ、それを瞬間的に相手に放出することで、離れた相手にも大打撃を与えるといわれる秘拳。これを使いこなすことができれば、数本の剣を並べて、その刃の上で寝ることができるし、飛んでいる鳥に使うと、気絶させて落とすこともできる。

裂指拳 (れっしけん)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。悪徳の借金取りが用心棒として雇った拳法家が使う。人間の体に流れる特殊な経脈には、708のツボがあり、それを突くことで人の体に多大な影響を及ぼせる。それを利用した拳法。たとえば、相手の背中にある「裏神堂のツボ」を突くと、両手が動かせなくなり、胸にある「裏紫宮(うらしきゅう)のツボ」を突くと、全身に電流が走って動けなくなったりする。

経穴 (けいけつ)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。いわゆる人体にあるツボのこと。すべてのツボには2種類あり、表のツボは体をよくするためのもの。対する裏のツボは、体にマヒや痛みなどを与え、死に至らしめるものもある。拳法にはさまざまあり、裏のツボを利用する拳もあるが、大林寺拳法では、表のツボをよく学ぶ。

毒手拳 (どくしゅけん)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。四川省大林寺のリュウカイを狙ったウォンが使う拳法。相手を殺すことのみを目的にした闇の拳法で、触れるだけで効果がある。ウォンの場合、毒虫や植物の毒を砂に配合し、左手で何度もそれを突く。しばらくして薬(毒を中和する)で手を洗った後、すぐまた砂を突き続ける。こうした命がけの訓練をすることで、左手を毒手にすることができた。

硬射気道拳 (こうしゃきどうけん)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。黒炎団(こくえんだん)の首領のザンギが使う拳法。気功が体内で反射して、体内の内臓器官から破壊していく。最初に腹部に一撃を受けたチンミは、すぐには何ともなかったが、しだいに腹が燃えるように熱くなり、血を吐いている。拳を使う前には、必ず両手を広げる動作をする。

捻糸棍 (れんしこん)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。棍法(こんぽう)(棒術)の使い手であるシーファンが独自に編み出した棍法の技。棍を突くとき、すばやく棍に回転を加えて破壊力を増加させる。

通背拳 (つうはいけん)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。東林寺のヨーセン道士が使う拳法。一撃必殺を狙った拳法で、打ち込む瞬間に自らの体重を数倍にして、突きの威力を増加させる。大きな水瓶に手を添えて、ひと声かけただけで瓶を粉砕する威力を持つ。のちに、ヨーセン道士からチンミが伝授する。

旋風拳 (せんぷうけん)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。シオンが使う拳法。片足を軸にし、自ら強烈な回転をしながら、中から突きや蹴りを自在に放つ。遠心力も取り入れた拳法で、突きや蹴りの威力が倍増されている。攻守ともに完璧な拳法。拳法の使い手3人を相手に戦ったが、シオンは息一つ乱さず倒している。

鋭裂拳 (えいれつけん)

『鉄拳チンミ』に登場する技、拳法。道場破りのローエンが使う拳法。糸を見えないほどすばやく相手の腕や指に巻きつけ、さらにすばやく引き抜くことで、腕を斬りつけたり、指を落としたりすることができる。また、針のように突けば、相手の手の平を貫通させることもできる。

深山行 (しんざんぎょう)

『鉄拳チンミ』に登場する修業。四川省大林寺で行われた修業の1つ。指導者はテンドウ禅師。厳しい山籠もりの修業で、選ばれた者のみが参加できる。ここ数年、参加者がいなかったが、今回は4つの資格審査を切り抜けたチンミだけが参加できた。南高連山でひときわ高くそびえる剣霊峰が、その修業の場所。この修業の目的は、心身の鍛錬。 のちに、チンミはその成果として、マムシの大群が体の上を通っても、岩のように無心を続け、その窮地を脱している。

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