シジュウカラ

シジュウカラ

坂井恵理の代表作で、現代日本を舞台にしている。子持ち主婦の売れない漫画家・綿貫忍は、読み切り漫画の仕事をきっかけに年下のアシスタント・橘千秋と出会う。40歳を迎え、漫画家の仕事も夢もあきらめていた忍の複雑な葛藤と危険な恋愛模様を描いた、サスペンスフル・ラブストーリー。人生の転機に訪れたセカンドチャンスと向き合う忍の漫画への思いや人生観が変わっていく様子が、本作の重要な見どころとなっている。双葉社「JOUR」2018年6月号から2023年6月号まで連載。第23回「文化庁メディア芸術祭」審査委員会推薦作品に選ばれている。2022年1月にテレビ東京系列でテレビドラマ化。綿貫忍を山口紗弥加、橘千秋を板垣李光人、綿貫洋平を宮崎吐夢が演じている。

正式名称
シジュウカラ
ふりがな
しじゅうから
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
ジュールコミックス(双葉社)
巻数
全10巻完結
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40歳で変わる人生を描く

主婦と漫画家を兼業している綿貫忍は、引っ越しを機に筆を折る決意を固めていた。しかし、新たな漫画の依頼を受け、新作を描くことを決める。そして忍は、40歳を迎えた日にアシスタントとして雇った美青年・橘千秋と出会い、彼の若々しい魅力に惹かれていく。人生の分岐点に立った忍が、仕事にもプライベートにも舞い降りた予想外のセカンドチャンスに戸惑いと葛藤を抱えながらも、家族・恋愛・仕事に向き合っていく姿を描いたヒューマンドラマ。

売れない漫画家と年下のアシスタント

デビューして20年が経つ売れない漫画家の綿貫忍は、売れっ子漫画家のアシスタントを20年も続けていた。そんな中、デビュー作の電子書籍がネット上で予想外の反響を呼び、再び漫画家として活動を開始する。まだ息子が幼かった頃、夫の綿貫洋平に浮気をされたことを思い出した忍は、その体験を基にした新作の執筆を開始する。そして、漫画家として敬意を持って接してくれるアシスタントの橘千秋との共同作業の中で、忍は忘れていたときめきを感じ始める。すると千秋からも思わせぶりな態度を取られるようになり、平常心を保とうとするものの彼に翻弄されてしまう。その一方で、洋平との夫婦関係はますます冷え切っていく。

橘千秋の意外な過去が判明

実は橘千秋は、綿貫忍がかつて連載していた漫画に感動して、漫画家を目指すようになった経緯があった。しかしその一方で、千秋の母親・橘冬子と綿貫洋平の不倫が原因で家庭崩壊したという衝撃的な事実が明らかになる。忍と出会った当初から、千秋は綿貫家への復讐をひそかにもくろんでいたのだ。だが、忍は千秋の過去の事実を知ったあとも彼のことが好きだと自覚すると同時に、かつて救えなかった同級生を思い出し、目の前で苦しむ千秋を必死に支えようとする。千秋の衝撃の過去を知ったことで揺れ動く忍の心境や、彼を救うために新たな決断をする姿も見どころとなっている。 

登場人物・キャラクター

綿貫 忍 (わたぬき しのぶ)

売れない漫画家の女性。旧姓は佐々木。初登場時の年齢は39歳で、橘千秋と出会った日に40歳を迎える。若い頃、連載が決まった機に「ササキシノブ」から「ささき蜜柑」にペンネームを変えてデビューしたが、うまくいかずに長らくアシスタントとして活動している。家族は一回り年上の夫・綿貫洋平と、中学生の息子・綿貫悠太がいる。義父の死をきっかけに洋平の実家に引っ越したあと、漫画家をあきらめてふつうの主婦になることを決意するが、唯一の単行本「地獄のホットケーキ」が電子書籍化されて大ヒットしていることを知る。その出版社から120ページの描き下ろしを依頼され、漫画家の活動を再開。これをきっかけに、アシスタントとして千秋を雇うことになる。

橘 千秋 (たちばな ちあき)

綿貫忍のアシスタントとして雇われることになった青年。年齢は22歳。漫画家志望の美少年で、爽やかな雰囲気を漂わせたイケメン。有名漫画家のアシスタント経験があるが、まだデビューはしておらず、個人での活動はイラスト投稿サイトに絵や漫画を投稿する程度。小学5年生の時に浮気が原因で両親が離婚した過去を持ち、その後は母親との二人暮らしで、忍の家に不定期に通うことになる。実は忍の夫・綿貫洋平の浮気相手だった女性の一人息子。

書誌情報

シジュウカラ 全10巻 双葉社〈ジュールコミックス〉

第1巻

(2019-04-17発行、 978-4575337655)

第8巻

(2022-08-17発行、 978-4575338874)

第9巻

(2023-01-17発行、 978-4575339079)

第10巻

(2023-07-14発行、 978-4575339222)

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