概要・あらすじ
サッカー王国と呼ばれる県に存在する小学生のサッカーチーム・浜西FC。ピンからキリまで数多あるサッカークラブでは、中の下ぐらいの実力のチームである。小学6年生になったばかりの桜田創始(ソウシ)は、この浜西FCの一員。「塾かサッカーか」の二択を迫られ、「塾よりは」と消去法でサッカーを選んだ少年。だが、丸2年週末をサッカーについやしてきた結果、チームに愛着を感じるようになっていた。
他のチームメイトもだいたいそんな感じで始めた者たちばかりだが、皆、お互いに友情を感じている。そんな浜西FCにある日、6年生の七瀬晶(ナナセ)という女子が入団希望者として見学にやってくる。ナナセは、どんなポジションでもこなすことができるオールランドプレイヤー。
さっそくミニゲームに加わった彼女だが、すぐに浜西FCメンバーの秘められた実力に気づく。卓越したサッカーセンスの持ち主であるナナセの動きを見たソウシは、彼女と巧みに連携してゴールをもぎとる。ナナセが加わったので、メンバーたちの意識も変わり始め、浜西FCは地域の強豪チームへと変貌していく。
登場人物・キャラクター
桜田 創始 (さくらだ そうし)
浜西FCに所属する小学校6年生の男子。チーム1の俊足で背番号は7。友達思いの素直な性格。小4の時、親の教育方針で「塾かサッカーか」の二択を迫られ、消去法でサッカーを選んだ。最初は土日がサッカーで潰れることが不満だったが、丸2年をへて、チームにかなりの愛着を持つようになった。本人は、中の下ランク・チームのノンガチプレイヤーを自任している。 しかし、俊足に加え、瞬時に状況判断できる優れたサッカー脳の持ち主であり、かなりのポテンシャルを有している。女子との付き合いが苦手な面があり、隣に引っ越してきた七瀬晶との付き合いにもとまどいを見せるが、学校生活やサッカーを通じて次第にうちとけていく。
七瀬 晶 (ななせ あきら)
浜西FCに新たに加入した小学校6年生の女の子。背番号9。快活な性格で、優れた洞察力の持ち主。桜田創始(ソウシ)の隣の家に引っ越してきて、同じ小学校に通うようになった。ソウシのことを「ソウちゃん」と呼ぶ。どんなポジションでもこなすオールラウンドプレーヤーを自任しており、サッカーで高い実力を示す。卓越した反応速度の持ち主で、左右の足どちらからでも、正確なスルーパスを出すことができる。 彼女の母親とソウシの母親は、もともと友人同士で、その縁もあって隣に引っ越してきた。忙しく働いている母親に負担をかけたくないという理由で、もっとも近い場所で活動している浜西FCを選んだ。チームのポテンシャルの高さを見抜き、「正直大当たりだった!」と喜びの気持ちをソウシに表した。
両角 六郎 (もりずみ ろくろう)
浜西FCのメンバー。小学校6年生の男子。桜田創始(ソウシ)のチームメイトで背番号11。チーム随一の実力の持ち主だが、まだすべての力を見せ切っていない様子の少年。何故、中の下の実力のチーム浜西FCに所属しているのか、疑問に思われるほどのサッカー・テクニックの持ち主。チームの少年たちの中では、大人びた性格で、むやみに熱くなることもない。 女子の扱いにも慣れている様子で、七瀬晶を一目見て、「かわいいじゃん」と言って、ソウシを慌てさせた。姉に「女子とは今のうちに仲良くしとけ、じゃないと後で死ぬほど後悔する」と言われたことがあるらしい。
竹内 康臣 (たけうち やすおみ)
浜西FCのメンバー。小学校6年生の男子。桜田創始(ソウシ)のチームメイトで背番号1。長身でゴールキーパーをつとめることが多い。ソウシとは同じ小学校に通っており、クラスも同じ6年1組。
大和 哮 (やまと たける)
桜田創始(ソウシ)の所属チーム浜西FCのキャプテン。小学校6年生の男子。背番号10。教育熱心な母親を持ち、習い事の一環としてサッカーを始めた。普段は眼鏡をかけているが、本気になると度入りゴーグルに切り替える。誰よりも熱い性格で、空回りすることもあるが、常に闘志をもってチームを引っ張っていくキャプテンである。 その一方で「勉強のできるアホ」としてチームメイトに親しまれている。がっちりした体格で、並外れたキック力の持ち主。その全力キックは大人もビビる威力を誇るが、どこに飛んでいくかわからないという欠点がある。彼のキックは、チームメイトから「ヤマトの波動砲」と呼ばれている。
金子 張良 (かねこ はるよし)
桜田創始(ソウシ)が所属するチーム浜西FCのメンバーのひとり。坊主頭の小学校6年生の男子。背番号4。ディフェンス力に定評がある堅実なプレイヤー。
ユウキ
桜田創始(ソウシ)が所属するチーム浜西FCのメンバーのひとり。小学6年生の男子。背番号5。博学で変なことを色々知っている。
シュン
浜西FCのメンバー。桜田創始(ソウシ)のチームメイト。小学校6年生の男子。チームの得点王。
巨勢 達也 (こせ たつや)
桜田創始(ソウシ)が所属するチーム浜西FCの監督兼コーチ。27歳の青年。子供たちにのびのびプレイさせるタイプの指導者。明るい性格で、両角六郎に「冗談しかいわねェけど、ウソはつかない」と評されたこともある。
鴨志田 聖士郎 (かもしだ せいしろう)
地域の強豪チーム西美薗FCのメンバー。小学校6年生の男子。背番号4。モジャモジャ頭で、やたらと毒舌を吐く。桜田創始(ソウシ)とは同じ小学校に通うが、浜西FCに属すソウシを雑魚と見下している。校内の球技大会で、鴨志田聖士郎が七瀬晶を負傷させたことで、ソウシたちの闘志に火をつけた。ボールを奪うのが異常にうまく、長身ストライカー・熱海大地とのコンビネーションで得点を重ねるクセモノ・プレイヤー。
熱海 大地 (あたみ だいち)
地域の強豪チーム西美薗FCのメンバー。小学校6年生の男子。ポジションはFW(フォワード)。身長175cm。「巨神兵」の異名をもつ。鴨志田聖士郎とのコンビネーションで得点を重ねるエースストライカー。Jリーグの下部チームからも注目される有力選手である。極端に寡黙で、ほとんどしゃべらない。桜田創始(ソウシ)とは同じ小学校に通う。
集団・組織
浜西FC (はまにしえふしー)
桜田創始(ソウシ)が所属するチーム。巨勢達也が監督兼コーチを務める。サッカー王国と呼ばれる県内では、目立つことのないチームだった。ところが、七瀬晶の加入を契機に、秘められていた実力が表に出始め、地域の強豪チームと互角以上に戦えるようになっていく。
天龍SSS (てんりゅうえすえすえす)
浜西FCと同地域の少年サッカーチーム。地域の強豪チームのひとつであるが、浜西FCの監督・巨勢達也の中では、「宿敵」ということになっている。浜西FCは、この天龍SSSにずっと連敗を続けていたが、七瀬晶加入後の初試合で、久々に勝利した。
西御園FC (にしみそのえふしー)
浜西FCと同地域の少年サッカーチーム。鴨志田聖士郎と「巨神兵」熱海大地らが所属する。昨年度市内ベスト8の実績を誇る強豪チーム。
- SHARE
-
-
- EC
-
