OVERMANキングゲイナー

OVERMANキングゲイナー

遠い未来の世界、豊かな土地を求めて都市ごと脱走を行う「エクソダス」に巻き込まれた少年・ゲイナー・サンガが、ゲームチャンプの腕を買われ、人型ロボットのオーバーマン・キングゲイナーの操縦者となり、「エクソダス」を阻もうとするシベリア鉄道機甲警備隊を始めとした追っ手たちと戦う姿を描いたロボットアクション作品。TVアニメ『OVERMANキングゲイナー』のコミカライズ作品だが、一部の設定や終盤の展開などストーリーは異なっている。原作・富野由悠季。

正式名称
OVERMANキングゲイナー
ふりがな
おーばーまんきんぐげいなー
作画
原作
ジャンル
ロボット
 
アクション
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概要・あらすじ

地球に環境の大変動が起きたことから、人間は動植物を復活させるため彼らに良い環境の土地を譲り、自らは寒冷地に「ドームポリス」と呼ばれる天蓋つきの都市を建設して籠るように生活をするようになった時代。しかし、ロンドンに中央政府を置くその体制も長く続くにつれて、次第に環境保護を大義名分とした管理支配となっていた。人々はやがて、支配から逃れ自然環境の復活した土地に逃れる「エクソダス」に希望を抱くようになっていた。

ドームポリスのひとつ、ウルグスクに住む少年ゲイナー・サンガは、「エクソダス」を強行しようとする人々に両親を殺されて以来、現実に心を閉ざしゲームに没頭する日々を送っていた。だがある日、家に突然現れたシベリア鉄道機甲警備隊アデット・キスラーによって「エクソダス共謀罪」で逮捕・収監されてしまう。

牢で出会った男ゲイン・ビジョウの脱獄についていったゲイナーは、脱出のため博物館にあったオーバーマンの操縦を任されることとなる。ゲインはウルグスクの五賢教会をリーダーとするグループから「エクソダス」の手助けを依頼された請負人だった。

不本意ながら成り行きでシベリア鉄道機甲警備隊を敵に回してしまったゲイナーは、彼らの「エクソダス」に巻き込まれていく。

登場人物・キャラクター

ゲイナー・サンガ (げいなーさんが)

ドームポリス・ウルグスクに住む少年。視力はさほど低くないがメガネをかけている。内向的な性格。「エクソダス」を強行しようとする人々に両親を殺されて以来、現実に心を閉ざしゲームに没頭する日々を送っていた。オーバーマンに似た操作系を持つ対戦ゲーム「OVERMAN ARENA」では防衛200回の記録を持つ。「OVERMAN ARENA」では上位成績者に賞金が出るため、そのお金で暮らしている。 学校には行っておらず、ネットの教育カリキュラムで知識を身につけていた。「エクソダス」請負人であるゲイン・ビジョウの行動に巻き込まれる形でオーバーマンを起動させ、「ヤーパンの天井」の「エクソダス」に参加する。両親の死を招いた原因である「エクソダス」には反発を抱いていたが、強い意志と憧れをもって「エクソダス」を実行しようとするサラ・コダマや、ゲインの過去などに触れたことから、希望を持って新天地を目指す彼らに協力したいと思うようになる。 自らの操縦するオーバーマンにはキングゲイナーという名前をつけた。

ゲイン・ビジョウ (げいんびじょう)

「エクソダス」のためのルート確保や工作、物資補給、妨害阻止などを行う「エクソダス請負人」の青年。浅黒い肌でワイルドな性格。人望が高く、人を扱うのも上手い。ゲイナー・サンガの負けず嫌いな性格を見抜いて「エクソダス」に協力させるように仕向け、次第に信頼関係が芽生えて「相棒」と呼ぶようになる。元は「エクソダス」を図ったためセント・レーガンによって壊滅に追い込まれたドームポリス・ウッブスを治める領主フェリーベ侯爵家の跡取り息子で、「シャルレ・フェリーベ」という名前だった。 ロンドン留学時にアスハム・ブーンと知り合い、親友となる。留学から帰国し、「エクソダス」を計画するが、カシマル・バーレが率いるセント・レーガンの部隊の急襲により「エクソダス」は失敗、フェリーベ侯爵家は取り潰しとなってしまう。 その後、各地を転々としながら「エクソダス」を望む人々の手助けを行ってきた。狙撃の達人。戦闘の際は、オーバーマン・ブリュンヒルデの左腕を取り付けたシルエットマシン「ガチコ」を操縦する。

サラ・コダマ (さらこだま)

ドームポリス・ウルグスクに住む少女。活発で前向きだが、思いやり深い性格。ウルグスクの自警団ガウリ隊の隊員。ヤーパンの天井の「エクソダス」実行部隊でもある。対シベリア鉄道機甲警備隊の主力であるオーバーマンを操ることとなったゲイナー・サンガを何かと手助けするうち、彼との距離が近くなっていく。 史上初めての「エクソダス」実行者であるミイヤ・ラウジンに強い憧れを持っている。

ヒューズ・ガウリ (ひゅーずがうり)

ドームポリス・ウルグスクに住む青年。ウルグスクの自警団ガウリ隊の隊長。ヤーパンの天井の「エクソダス」実行部隊の隊長でもある。身体能力に優れ、ヤーパンに伝わる忍法を使う。長年にわたる熱烈な「エクソダス」主義者。

ベロー・コリッシュ (べろーこりっしゅ)

ドームポリス・ウルグスクに住む青年。ウルグスクの自警団ガウリ隊の隊員。陽気で軽い性格。サラ・コダマに片思いをしている。ゲイナー・サンガとはすぐに打ち解け、「エクソダス」が始まってからはよく一緒に行動している。

ママドゥ・アザフ (ままどぅあざふ)

ドームポリス・ウルグスクで教師をしている大男。滅んだドームポリス・ウッブスの出身で、フェリーベ侯爵家のお抱え家庭教師だった。「エクソダス請負人」としてヤーパンの天井に現れたゲイン・ビジョウと再会し、元は風格ある貴族の子弟であったゲインの、すっかり世慣れた様子を見てショックを受ける。

アナ・メダイユ (あなめだいゆ)

ドームポリス・ウルグスクの領主メダイユ公爵の愛娘。ヤーパンの天井が「エクソダス」を始める際、教育係のリュボフ・スッメタナやペットのリンクスともどもゲイン・ビジョウによって「人質」とされた。しかしそれはあくまで建前で、本人の冒険心から「エクソダス」についてきたというのが実情であり、ヤーパンの天井内での行動は自由となっている。 一行のマスコット的存在。

リュボフ・スッメタナ (りゅぼふすっめたな)

ドームポリス・ウルグスクの領主メダイユ公爵の娘アナ・メダイユの教育係。女性で、小さな丸メガネをかけている。アナともどもゲイン・ビジョウによって「エクソダス」の人質として攫われたが、その際ゲインに一目惚れしている。しかしその後ゲインが子持ちであるとの噂が立ち、幻滅していた。

アデット・キスラー (あでっときすらー)

シベリア鉄道機甲警備隊の女性隊員。グラマラスな美女。言動は荒っぽく、がさつな性格で、少しのことでは参らない逞しさを持つ。ヤッサバ・ジンの部下としてゲイナー・サンガを拘留。「エクソダス」が始まってからは、ヤッサバの命令でヤーパンの天井に潜入、名目上の人質であるアナ・メダイユ姫の奪還を狙うが、ヤッサバがシベリア鉄道機甲警備隊自体から離脱状態となったため、命令が無効となる。 仕方なくヤーパンの天井内に住み着くが、ゲイナーたちに発見され、野放しにしておくのは危ないと考えたママドゥ・アザフによって教師の職に就けられる。以降はゲイナーの家に居候しながら、戦闘の補助などを行うようになった。

ヤッサバ・ジン (やっさばじん)

シベリア鉄道機甲警備隊・ヤッサバ隊の隊長。筋骨逞しい男性。幼少期、両親が自分を残して「エクソダス」を決行し、孤独のうちに生きてきた。そのため「エクソダス」を望む者たちに激しい怒りをもっている。ヤーパンの天井の「エクソダス」を阻止するため、オーバーマンのラッシュロッド、ブラックメールを駆り、ゲイナー・サンガのオーバーマン・キングゲイナーと戦う。

カシマル・バーレ (かしまるばーれ)

シベリア鉄道の運行部長。濃い化粧をしたモヒカンの男性。鉄道ダイヤの護持に強い執念を燃やしており、「エクソダス」をダイヤを乱すものとして憎んでいる。ヤーパンの天井の「エクソダス」を阻止するため、オーバーマン・デスネッタで襲いかかる。

キッズ・ムント (きっずむんと)

シベリア鉄道公社総裁。大柄で福耳の男性。酷薄な性格の持ち主で、目的のためならば犠牲を厭わない。元ロンドンIMA戦闘部隊セント・レーガンの諜報部出身。シベリア鉄道公社を統括する本部を置くドームポリス・リマンメガロポリスを移動要塞に改造している。シベリアで最悪のオーバーマン・オーバーデビルが眠る「アガトの結晶」を見つけ出し、これを操ることができる人材を探すため子供を集めて殺しあいをさせていた。 その中の一人であったシンシア・レーンを、オーバーデビルを操ることができるオーバーセンスを持つ者として可愛がっている。表向きは「エクソダス」阻止のためロンドンIMA から派遣されたアスハム・ブーンに協力するが、その真の目的はオーバーデビルを使い世界を手に入れることである。

シンシア・レーン (しんしあれーん)

シベリア鉄道公社総裁キッズ・ムント直属の部下。卓越したオーバーマン操縦センス・オーバースキルを持つ少女。ゲイナー・サンガとは、オンラインゲームOVERMAN ARENAを通じてのライバルで、お互いの正体を知らないまま親近感を持っていた。キッズがオーバーマン操縦者として集めた子供の一人で、ゲームと称した殺し合いをさせられて育つ。 本人は善悪の感覚が薄いこともあり、自分がオーバーマンを操り相手を倒すことが殺人であるという認識はなかった。普段はオーバーマン・ドミネーターを操る。

アスハム・ブーン (あすはむぶーん)

ロンドンIMA戦闘部隊セント・レーガンの特務大尉。金髪の美青年。元親友のゲイン・ビジョウがヤーパンの天井の「エクソダス」を仕掛けていると知り、部隊を率いてやってきた。その主な目的は、妹カリンを妊娠させたゲインに「責任をとらせる」ことであったが、ゲインたちに敗れたり、キッズ・ムントの策謀により部下を失うなどするうちに、とにかくゲインに一泡吹かせてやることに執心するようになる。 上流階級で育ちのいい言動をするが、思い込みが激しく自己中心的で、自らの野心に振り回されがち。オーバーマン・ゴレームを操る。

メダイユ公爵 (めだいゆこうしゃく)

ドームポリス・ウルグスクの領主。初老の男性。骨董品集めが趣味で、様々なものを芸術品として自らの博物館に飾っていた。ゲイナー・サンガが動かすオーバーマン・キングゲイナーも収集品のひとつ。ヤーパンの天井の「エクソダス」を扇動するゲイン・ビジョウたちに愛娘アナ・メダイユを攫われるが、本当は彼女が望んで外の世界へ行ったことを察している。

ミイヤ・ラウジン (みいやらうじん)

シルエットエンジンを開発し、「ドームポリス」構想に貢献したことで知られている女性科学者。初の「エクソダス」実行者であり、豊穣の地「ヤーパン」を旅したという伝説が残っている。オーバーマンの開発に携わっており、ブリュンヒルデを自ら操縦していたらしき記録がある。

集団・組織

シベリア鉄道公社 (しべりあてつどうこうしゃ)

シベリア一帯のドームポリスをつなぐ鉄道を管理する巨大組織。総裁はキッズ・ムント。鉄道はドームポリスに物資を運ぶ生命線であり、ロンドンIMAともつながりを持つ公社は、絶大な権力を有している。

シベリア鉄道機甲警備隊 (しべりあてつどうきこうけいびたい)

シベリア鉄道公社が抱える戦闘部隊。オーバーマンやシルエット・マシンを多数所有している。警察のように逮捕・拘禁などを行うが、本来その権利は有していない。ヤッサバ・ジンやアデット・キスラーなどが所属している。

ロンドンIMA (ろんどんいま)

ロンドンに本拠地を置く国際監視機構「International Monitoring Agency」。ドームポリス社会を維持するための調停や、環境保護区の設定と保護を行う。実質的な世界の中央政府。セント・レーガンと呼ばれる戦闘部隊を持つ。

セント・レーガン (せんとれーがん)

ロンドンIMAが抱える戦闘部隊。ゴレームシリーズをはじめとする多数のオーバーマンを所有している。アスハム・ブーンなどが所属。また、過去にはキッズ・ムントがここの諜報部に所属していた。

場所

ヤーパンの天井 (やーぱんのてんじょう)

ドームポリス・ウルグスクの一部を構成する都市ユニット。巨大なシルエットマシン「シルエットマンモス」を取り付け、街ごと「エクソダス」に乗り出した。

その他キーワード

オーバーマン

シルエットエンジンの発展系となる機関「マッスルエンジン」と脊柱のような「コントロールブロック」に、それらを保護する「オーバーコート」と呼ばれる外装をつけた搭乗型ロボット。それぞれ個体ごとに「オーバースキル」と呼ばれる特殊能力を有している。

シルエットエンジン

様々な機械の動力源となっているエネルギー機関。石油燃料に代わるものとして、伝説の女性科学者ミイヤ・ラウジンが開発した。都市機構にも使用されている。搭乗型の移動機械と合わせたものは、「シルエット・マシン」と呼ばれる。

キングゲイナー

ドームポリス・ウルグスクの領主メダイユ公爵が芸術品として所有していたオーバーマン。ゲイナー・サンガが起動させ、「キングゲイナー」と名前をつける。特殊能力・オーバースキルは「超加速」。過去の記録としてオーバーデビルと戦っている映像が残っているなど、謎が多い機体。

ラッシュロッド

シベリア鉄道機甲警備隊のヤッサバ・ジンが使用しているオーバーマン。「ベロウズ」と呼ばれる火炎放射器を装備している。特殊能力・オーバースキルは「オーバーミラー」と呼ばれるバリアー。

ブラックメール

シベリア鉄道機甲警備隊が保有しているオーバーマン。開発が上手く行かなかったため、メインで使用されることはなかった。特殊能力・オーバースキルは透明化する「オーバーステルス」だが、少しの衝撃で透明化が解けてしまう。

ゴレーム

ロンドンIMAの戦闘部隊セント・レーガンが使用するオーバーマン。特殊能力・オーバースキルは所持していないが、強力なマッスル・エンジンから生み出す余剰エネルギーを使用した高い防御力を誇る。

ブリュンヒルデ

ミイヤ・ラウジンが乗ったとされる伝説のオーバーマン。「ミイヤの街」と呼ばれる遺跡で搭乗者もいないまま彷徨っている。特殊能力・オーバースキルは重力を操り、小型ブラックホールのようなものを発生させることができる。

デスネッタ

シベリア鉄道運行部長カシマル・バーレが操るオーバーマン。特殊能力・オーバースキルは不安を増大させ、悪夢を見させること。特殊なイヤホン状のものをつけさせることで、能力の被害を防げる。

ドミネーター

シベリア鉄道総裁キッズ・ムントが所有するオーバーマン。直属の部下であるシンシア・レーンが主に操縦する。特殊能力・オーバースキルは、自在に体の形を変える「変形」。普段は球状で、戦闘時のみ人型となる。

オーバーデビル

ミイヤ・ラウジンによって最初に作られたオーバーマン。世界の守り手となるように作られたが、独自の意志を持ち、暴走した。特殊能力・オーバースキルはすべてを凍結させる「オーバーフリーズ」。その威力は周囲だけでなく、世界中に影響を及ぼすほど強い。

アガトの結晶 (あがとのけっしょう)

ミイヤ・ラウジンによって最初に作られたオーバーマンであるオーバーデビルが封印されていた結晶体。シベリアで眠っていたところをキッズ・ムントによって見つけ出された。

OVERMAN ARENA

ネット通信対戦型のゲーム。世界中にプレイヤーがおり、ランキングの10位までには高額の賞金が出る。オーバーマンの操縦機能に似た操作形態をもつ。開発元はシベリア鉄道公社で、有能なプレイヤーは鉄道警備員がさらっていくという噂がある。

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