サイバーブルー 失われた子供たち

サイバーブルー 失われた子供たち

地球から遠く離れた過酷な環境の惑星ティノスを舞台に、生命維持装置によって人類を支配している星府と、生命維持装置の承認ナンバーを持たないために粛清されつつあるロスト・ナンバーたちの闘いを描く。原哲夫による漫画作品CYBERブルーのリメイク作品。

正式名称
サイバーブルー 失われた子供たち
ふりがな
さいばーぶるー うしなわれたこどもたち
原作者
原 哲夫
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
アクション
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概要・あらすじ

西暦24XX年、惑星ティノスは地球から遠く離れた位置にある惑星で、地球を離れた開拓者たちの末裔が暮らしていた。しかし、そこでの過酷な環境で生活するために、人類は生命維持装置生命の母体(バイオ・マトリクス)の使用を余儀なくされていた。そして生命の母体に承認ナンバーを設けることで、星府は人類を管理していた。

承認ナンバーを持たないロスト・ナンバーの少年ブルーは、星府の役人に殺害されるが、旧型の生命維持装置ファッツに助けられ、人間とロボットの融合した新たな生命体サイバー・ビーイングとして蘇る。超人的な力を手に入れたブルーは、粛清されつつあるロスト・ナンバーズの仲間たちを救うため、星府との戦いを始めるのだった。

登場人物・キャラクター

ブルー

惑星ティノスの第9地区ジャンク・シティに暮らす17歳の少年。拳銃の扱いに長ける。生命維持装置による星府の管理を拒み、星府に反逆したロスト・ナンバーたちの血を引く「ロスト・ナンバー・チルドレン」で、生命維持装置の管理IDを持たない。仲間の赤ん坊の命を救うために生命維持装置を探していたが、ロストの粛清を行っていた役人に捕まり、殺害されてしまう。 しかし、旧型の生命維持装置ファッツに助けられ、ファッツの持っていた新世代生命維持装置(ネオ・マトリクス)によって人間とロボットの融合体サイバー・ビーイングとして蘇る。その体は銃弾をも跳ね返す強靭さと超精密な銃捌きを可能とするほかに、他人の記憶をハッキングするなど様々な能力を持つ。 また、機械にはなく生命だけが持つ「突然変異」という特徴を備え、戦いの中で能力を進化させる可能性を秘めている。ファッツのもつ300年分の記憶と知識を受け継ぐが、「ファック」などの隠語を多用する乱暴な口調も受け継いでいる。

ファッツ

『サイバーブルー 失われた子供たち』に登場するロボット。300年前に製造された旧型の生命維持装置生命の母体(バイオ・マトリクス)であり、球体状の大型な体を持つ。会話をすることができ、「ファック」が口癖。壊れてスクラップとして捨てられていたところを拾われ、販売されていた。ブルーに買われ、修理された際にブルーの記憶を覗いたことでブルーの人情的な人柄に惚れ、彼を相棒とみなすようになる。 星府の役人の手にかかり死に瀕したブルーを助けるために、ブルーとの融合を果たす。身に宿した人間を、生命維持装置なしで生存可能な肉体へ進化させる新世代生命維持装置(ネオ・マトリクス)を、開発者であるプラムから託され、相棒として認めることができた人間に渡すようにと伝えられていた。

ローズ

星府役人の女性。クリフの元で働いていたが、殺害されたブルーに同情し、ブルーの仲間たちを探して彼の死を知らせに行った。そこでサイバー・ビーイングとなったブルーと再会する。その際、本名はマリアという「ロスト・ナンバー・チルドレン」であり、幼いころにローズという少女から名前と生命維持装置の承認IDを受け継いでいたという過去が明らかになる。 それからブルーに協力するようになり、ブルーと共にクリフの元を目指す。かつての友人であるジン=サイクスとブルーの戦いの際に、ジンからとどめをさされそうになっていたブルーをかばおうとするが、クリフから指令を受けた星府軍の兵士に狙撃されて死亡する。

クリフ

星府軍の長官でジャンクシティを取り仕切っている。柔和な態度で管理局の役人を名乗り、ブルーに声をかけるが、実はロスト・ナンバーをおびき出して粛清するという目的を持っている。ブルーを殺害するが、サイバー・ビーイングとして復活したブルーから追われることになる。 同時にブルーが宿している力が新世代生命維持装置(ネオ・マトリクス)のものであることに気づき、それを奪うために星府軍や、秘密機関で人体実験のもと開発した新人類を刺客としてブルーの元に送り込む。新世代生命維持装置を手に入れ、惑星ティノスの権力を完全に手中に納めることを目論んでいる。

アレン

ブルーの仲間の少年。ロスト・ナンバーであり、子供たちだけで暮らしている。生命維持装置がないために仲間の赤ん坊が死に瀕しており、生命維持装置を探しに行ったブルーの帰りを待っている。住んでいたところを星府に見つかるが、サイバー・ビーイングとなって帰ってきたブルーに助けられる。

マーキュリー

星府軍の大佐。筋肉質の巨躯を持つ男性だが女口調で話す。特殊部隊隊長で、長官であるクリフのことも「さん」付けで呼べる立場を持つ。巨大なロボットを操り、ブルーを追い詰めるが、ブルーが新世代生命維持装置の力を覚醒させたことで退けられる。

ラモン

星府御用達の酒屋を営んでいる男。妻のカルメン、娘のジルと一緒に暮らしている。かつてエミリオという息子がいたが、借金返済のために星府の兵士養成所にその身柄を引き渡していた。しかし、店を訪れたブルーが星府軍の男とトラブルを起こしたことで、実はエミリオが星府の秘密機関に人体実験用のサンプルとして引き渡されていたことを知る。 エミリオを探すためブルーに同行するが、遺伝子操作によって新人類となったエミリオに殺害されてしまう。

ジン=サイクス

星府軍の精鋭部隊長。遺伝子的には人間だが、肉体は強化されており、それに最新の科学技術を組み合わせた格闘術超機甲体術(サイバネアーツ)を操る。銃弾をも避ける体術と、受けた傷を瞬時に再生する「人工免疫装置(メディックナノマシン)」によって銃を無効化し、ブルーを追い詰めた。 出身はロスト・ナンバーでマリアやローズとも知人。反逆戦争でローズを失ったことに心を痛めるが、その原因がロスト・ナンバーの起こした暴動が発端と信じこんでいる。争いを激しく憎んでいるが、その想いをクリフに利用されている。ブルーの新世代生命維持装置(ネオマトリクス)を停止させるまで追い詰めるが、クリフに殺害されたマリアの心によって再起動したブルーに敗北する。

エミリオ

ラモンの息子だったが、星府の手によって遺伝子操作を受け、新人類を作り出す実験体となる。狼の遺伝子を持つ「キメラ・ウルフ」に生まれ変わり、「サイバー・ビーイング」にも匹敵する身体能力を持つ。ブルーを殺害するために現れた。生命維持装置によって記憶と心を奪われ、ブルーに同行していた父親のラモンをその手にかけてしまう。 ブルーによって生命維持装置を取り外され、記憶と心を取り戻すが、生命維持装置によってつなぎとめられていた全身の細胞が崩壊し、死亡する。

プルム

女性科学者でブルーに拾われる前のファッツの所有者。旧来の生命維持装置を越える機能を持つ新世代生命維持装置(ネオ・マトリクス)を開発する。それは人類を生命維持装置なしに惑星ティノスの環境へ適応させる機能を持っていたが、生命維持装置を利用して人類を統制していた星府から狙われることになった。 星府から逃れるためにファッツに新世代生命維持装置を託した。

フレア

星府軍に捕らえられ、人体実験を受けていた少女。惑星ティノスの灼熱地帯に住み、触れるものを自然発火させる未知の元素を体内に持つ微生物「フィオファラス」の遺伝子を融合させられた「バイオ・ビーイング」。自分の体の周囲にある酸素に核融合のような反応を起こし、超高温を発することができる。 しかし、自分自身でもその能力を制御できず、融合したエネルギーが暴走し爆発しかけていた。ブルーに敗北したことで人間らしい心を取り戻したジン=サイクスが身を身を挺したことで暴走が止まり、命を取り留める。

ロスト・ナンバー

『サイバーブルー 失われた子供たち』に登場する人々。惑星ティノスで生命維持装置の使用が星府の承認制になることに抵抗し、反乱を起こした人々の総称。その反乱によって星府軍による粛清戦争が起こり、鎮圧された結果、星府による生命維持装置の徹底した管理が行われることになった。その子供たちは「ロスト・ナンバー・チルドレン」と呼ばれ、承認IDを持たないために非合法的に生命維持装置を手に入れているが、星府による粛清は続いており、生存を脅かされている。

集団・組織

星府 (せいふ)

『サイバーブルー 失われた子供たち』に登場する組織。惑星ティノスを支配する権力者たちで、生存に必須な生命維持装置の承認権を握っている。承認IDを持たず、かつて反乱戦争を起こしたロスト・ナンバーの子供たち「ロスト・ナンバー・チルドレン」を駆り立てて粛清している。

場所

惑星ティノス (わくせいてぃのす)

西暦21XX年に開始された、他の惑星の開拓によって発見された惑星で、地球からはるか離れた位置に存在する。酸素はあるものの、濃度は地球の50%程度であり、100度を越える昼夜の気温差や、未知のウイルスが存在する過酷な環境を持つ。そのため人類が生存するためには生命維持装置の使用が余儀なくされている。

クレジット

原作

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