銀牙―流れ星 銀―

銀牙―流れ星 銀―

平和を脅かす巨大熊・赤カブトを倒すために奮闘する虎毛の秋田犬・銀を中心とした犬たちの活躍を描いた冒険バトル漫画、後に銀の息子・ウィードを主役にした『銀牙伝説WEED』、『銀牙伝説WEEDオリオン』も描かれた、高橋よしひろの代表作。

正式名称
銀牙―流れ星 銀―
ふりがな
ぎんがながれぼしぎん
作者
ジャンル
アドベンチャー
 
バトル
 
 
動物擬人化
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あらすじ

熊犬銀誕生(第1巻~第3巻)

奥羽山脈が連なる東北地方で民宿を営む家で1匹の熊犬が誕生した。民宿の子供、大輔によって「」と名付けられたその犬は、生まれながらにして熊と戦う事を運命づけられた猟犬でもあった。山では赤カブトと呼ばれる熊がスキー客を襲撃する事件が相次ぎ、地元の猟師である五兵衛は銀の父犬であるリキを連れて熊撃ちへと向かう。しかし赤カブトに返り討ちに遭って、五兵衛は重傷を負い、リキも生死不明となってしまう。大輔は、東京から来た凄腕のハンターである秀俊と、彼の連れた洋犬のジョンと出会い、熊撃ちには犬と人間との信頼関係が重要である事を知る。赤カブトを倒すためのパートナーとして大輔を選んだ銀の気持ちに応えようと、大輔は再び山へと入っていく。辛うじて一頭の熊を仕留める事に成功した大輔達だったが、赤カブトは県境にある「二子峠」に配下の熊を集め、牙城を築きつつあった。赤カブトを追って山に入った銀とジョンは、そこで野犬の集団に出会う。司令官のスナイパーや小隊長のベンを中心に統率された犬達を率いるのは銀の父犬、リキだった。

甲斐の魔犬と霞岳のモス(第3巻~第4巻)

の父犬、リキ赤カブトに襲われて生死不明となっていたが、野犬達のボスとして生きていた。赤カブトの攻撃によって記憶を失いながらも赤カブトに対する憎しみは残っていたリキは、その赤カブトを倒すための戦士を集めるように銀達に命じる。銀は、戦士を集めるための旅に出たベンの小隊に加わり、ベン達と共に山梨県へと入った。そこで彼らを待っていたのは「甲斐の魔犬」と呼ばれる黒虎、赤虎、中虎の3兄弟だった。かつてベンに命を救われた事のある黒虎達は、恩義のあるベンの仲間となる。さらにベンは、長年にわたって黒虎達と抗争を続けて来た霞岳のモスの軍団も仲間に引き入れるために動き出す。その裏ではベンの上司である司令官のスナイパーとその腹心であるハイエナが、ベンとモスとの共倒れを狙って暗躍していたが、銀の活躍でスナイパーの企みは防がれ、モスはベンの配下として仲間に加わるのだった。

伊賀の赤目(第5巻~第7巻)

三重県に入った達は、そこで俊敏な体術をあやつる犬達と出会う。ベンの話から、彼らが伊賀忍の訓練を受けた忍犬達である事を知った銀は、その頭領である赤目と接触し、仲間に入れようとする。しかし赤目達と敵対する甲賀忍犬の策略によって、赤目達は銀達を甲賀忍犬と誤解し、敵対する事になってしまう。甲賀忍犬の頭領の黒邪鬼を倒す事で赤目の誤解を解いた銀達だったが、この戦いの傷がもとでベンは失明してしまう。赤目は成り行きとはいえ自身の責任でベンの光を奪ってしまった事に責任を感じ、ベン達の仲間に加わる。ベンはかつての飼い主のもとへと戻り、目の治療をする事になるが、銀は四国に最強の犬がいるという話を聞き、赤目や中虎達と共に海を渡る。

四国の武蔵とビル(第7巻~第8巻)

四国へと渡った達は、高知県の土佐犬である武蔵と出会う。闘犬として全国各地を巡っていた武蔵は、戦士を集めるために活動している銀達の事を知っていた。闘犬仲間を連れて銀達と共に戦う事を約束してくれた武蔵だったが、四国には「山賊」と呼ばれて恐れられている犬のビルがいた。しかもそのビルのもとには、かつて銀達の司令官だったスナイパーの姿もあった。ビルはスナイパーが同じ犬種だという事もあり、客人待遇として接していたが、そこへ銀達が現れる。銀達からスナイパーのこれまでの非道ぶりを聞かされたビルは、スナイパーに銀との決着をつける事を提案する。スナイパーは銀との一騎打ちに敗れ、そのまま姿を消す。そして、銀達の強さと結束力を知ったビルは、銀達の仲間となる。その後、愛媛県に向かった銀は、そこで最強の闘犬との呼び声も高い紅桜を仲間に加える事に成功する。だがその矢先、奥羽に残っていたモス達から強敵が出現したとの知らせが入る。

陸奥の四天王(第9巻~第10巻)

達は新たに仲間となったビルや武蔵、紅桜達を連れて急ぎ奥羽へと戻る。そこで銀は、ベン達が如月を頭目とする「陸奥の四天王」によって人質にとられている事を知らされる。ベンの救出に向かった銀達は、「陸奥の四天王」と対峙し、自分達が赤カブトを倒すために戦士を探している事を伝えるが、如月はあくまでも徹底抗戦を主張する。ついに如月達との全面対決が始まるが、そこへ赤カブトの配下の熊が現れる。如月達は銀達と協力して熊を撃退し、熊の脅威を目の当たりにした如月は銀への協力を誓う。

赤カブトとの決戦(第10巻~第13巻)

「陸奥の四天王」を仲間に加えた達は、さらに九州のベムや北海道の白狼を仲間に引き入れ、ついに赤カブトとの決戦の時を迎える。だがその赤カブトも多くの熊を配下に従え、銀達の攻撃を迎え撃つ。奥羽の犬達の総大将であり、銀の父犬でもあるリキは赤カブトとの決戦に際して、精鋭をよりすぐった「決死隊」を結成する。その一軍に志願した銀は、赤カブトの牙城を守る配下の熊、マダラを倒し、赤カブトに肉薄する。だが銀達の仲間も紅桜や中虎を失う。さらに死闘の末にリキもまた赤カブトによって命を落とすが、リキは死の間際に奥義「絶・天狼抜刀牙」を銀に授ける。銀は「絶・天狼抜刀牙」でついに赤カブトを倒すが、リキはその技を二度と使ってはならないと言い残して絶命する。

八犬士伝説(第14巻~第16巻)

赤カブトを倒した達のもとへ、狼の集団が攻撃を仕掛けて来る。銀が赤カブトを倒した奥義「絶・天狼抜刀牙」はもともと狼に伝わる奥義であり、伝説の八犬士のみが使えるとされて来た「抜刀牙」という技の一つだった。狼はベンの妻であるクロスを拉致し、銀達を自軍へと引き込もうとする。銀はこれを拒否し、狼との戦いに臨む。狼の一匹、烈牙は、銀の資質を見抜き、なんとか仲間にしようとするが、狼軍を率いる呪はそれを許さず、銀を亡き者にしようと目論む。銀はベンや赤目、黒虎達と共にクロス達の救出を目指すが、その前に狼軍の「八犬士」が立ちふさがる。

戦士待つ奥羽(第16巻~第18巻)

狼軍の「八犬士」と達の死闘が続く中、狼軍の戦士、烈牙は父親の風牙と再会、風牙から狼軍を率いる呪の野望を聞かされる。それは伝説の八犬士を揃え、すべての狼達の頂点に立つという事だったが、呪は烈牙達狼軍と敵対する「狼帝国」に敗れる。烈牙やその仲間の氷魔達に「狼帝国」が迫っている事を知った銀達は、烈牙達狼軍と共闘する事を決意する。銀達は激闘の末に狼帝国の皇帝ガイアを倒し、帝国を壊滅させる。戦いに生き残った烈牙と氷魔は銀達と共に奥羽で暮らす事を決意し、共に生きる道を探し始める。そんな銀のもとへ、かつての飼い主である大輔から五兵衛が危篤との知らせが届く。

登場人物・キャラクター

(ぎん)

猟師・竹田五兵衛の相棒として活躍する熊犬リキの息子であり、彼の虎毛を受け継いでいる子犬。犬種は秋田犬。生まれたころから五兵衛によって過酷な修業を受け、潜在的な才能が開花。勇敢で誇り高く、仲間思いの心優しい性格で、多くの仲間を惹きつけていく。必殺技は赤カブトとの戦いでリキから教わった絶 天狼抜刀牙で、自身よりも巨大な相手を一撃で沈める威力を持つ。

リキ

『銀牙 -流れ星 銀-』に登場する犬。銀の父親であり、猟師・竹田五兵衛の相棒として数多くの熊を倒してきた熊犬。虎毛を持つ秋田犬。赤カブトと戦い死亡したものと思われていたが、記憶を失いつつも生存。圧倒的な強さとカリスマ性から野良となった元猟犬を集めて赤カブトに対抗する軍団を作り上げていた。

大輔 (だいすけ)

奥羽でスキー宿を営む一家の一人息子。女性客にセクハラを働くなどやんちゃ坊主であるが、銀と共に赤カブト討伐に乗り出す勇敢さも持つ。特訓の末身に着けた洋弓の腕前は大人以上。その熱心さから偏屈な竹田五兵衛からも心を許されている。

竹田 五兵衛 (たけだ ごへえ)

旧式の村田銃を武器に数々の熊を仕留めてきたベテランの猟師。偏屈な性格だが、熱い情熱の持ち主。五年前に狙撃するも仕留めそこなった赤カブトに止めを刺すことを悲願としており、そのため幼き銀に過酷ともいえる修業を課した。

ジョン

『銀牙 -流れ星 銀-』に登場する犬。赤カブトを退治すべく帰郷した村長の息子秀俊が飼うシェパード。幼いころから猟犬としての技術を叩き込まれ、秀俊と共に世界各国の猛獣を倒してきた歴戦の勇士。血の気が多い性格だが、実力は確かであり頭も切れる。銀と共に奥羽に集まる犬たちと相見え、ボスの座を狙いリキと一騎打ちを行い瞬時に負けを悟る。 その後は奥羽軍に参加、強力な戦力として活躍していく。

ベン

『銀牙 -流れ星 銀-』に登場する犬。奥羽軍団第一班の小隊長を務めるグレート・デン。小隊長の中で最強の力を持ち、卓越した統率力と知力をも兼ね備える歴戦の勇将。冷静だが、義に熱い性格でもある。銀の才能をいち早く見抜き、自身の後継者として目をかけていく。しかし、甲賀忍犬の策により赤目と戦った際に受けた毒によって失明してしまう。

スミス

『銀牙 -流れ星 銀-』に登場する犬。奥羽軍第三班の小隊長を務める洋犬。素早い身のこなしを得意としている。お調子ものでドジな奥羽軍のムードメーカー的存在。

クロス

『銀牙 -流れ星 銀-』に登場する犬。奥羽軍にて唯一所属を認められた雌のサルキー。勝気な性格で、軍団の「姐さん」的存在。力は雄に劣るが、優れた脚力と経験を生かして戦う。途中でベンの子供を身ごもるも、仲間の危機を救うために身重の体で海を渡る根性を見せた。

赤目 (あかめ)

『銀牙 -流れ星 銀-』に登場する犬。忍法を使う伊賀忍犬をまとめ上げる紀州犬。伊賀の地名から名前が取られている。冷静沈着で頭の回転が非常に早く、忍法と跳躍力を駆使したトリッキーな戦い方を得意とする。当初は敵対する甲賀忍犬の策を見破れずに奥羽軍を攻撃、旧友のベンの視力を奪ってしまう。わだかまりが解けた後は奥羽軍の戦力として活躍。 無鉄砲気味な軍を冷静に指揮する。

モス

『銀牙 -流れ星 銀-』に登場する犬。霞岳を根城にし、自らを閻魔大王と称する大柄なマフチス。巨体から繰り出される一撃はイノシシでさえ叩きふせる威力を誇る。獰猛な顔つきに違わず非常に喧嘩っ早い性格だが義に厚く、女・子供には甘い。奥羽軍とは最初火花を散らしていたが、ベンとのタイマンに敗れ、更に衝突の原因がスナイパーの策によるものだと知ると、奥羽軍に部下共々参加した。

甲斐の魔犬 (かいのまけん)

『銀牙 -流れ星 銀-』に登場する犬。山梨に縄張りを構える甲斐犬の三兄弟。上から赤虎、中虎、黒虎といづれも名前に「虎」の一文字が入る。産まれたばかりのころに捨てられるも、三匹で蛇を殺すなど力を合わせて成長してきた暴れん坊。また、一時期ベンに面倒を見てもらったことがあり、強く感謝をしている。それぞれそっくりな容姿をしているが、中虎は右耳が欠けており、黒虎は右目が潰れているのが特徴。

スナイパー

『銀牙 -流れ星 銀-』に登場する犬。リキのナンバー2として司令官を務めるドーベルマン。残忍で狡猾な性格であり、赤カブトの討伐ではなく奥羽軍のトップを狙い、謀略の限りを尽くす。鋭い牙と高い身体能力から戦闘力も非常に高く、また策を破られても諦めない不屈の精神を持つ。

赤カブト (あかかぶと)

『銀牙 -流れ星 銀-』に登場する熊。元々巨大で凶暴だったが、竹田五兵衛に傷を負わされたことで異常な凶暴性と体躯を手に入れた熊。その大きさは他の熊が赤子に見えるほど。肉体だけでなく、自らの牙城を築く仲間を呼び集めて軍団を結成するなど知恵も働く。

その他キーワード

絶 天狼抜刀牙 (ぜつ てんろうばっうとうが)

『銀牙 -流れ星 銀-』に登場する技。体を回転させながら突進し、鋭い牙で相手の体を切り裂く必殺技。赤カブトと戦う最中、リキから銀に伝授された。元々は狼・八犬士に伝わる秘術・抜刀牙の一つであり、他にも七種の型が存在する。

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