概要・あらすじ
少女漫画家の遠藤桜は、仕事に邁進するあまり、もう何年も男性と付き合っていない。そんな中、友人の上條美園から「漫画作りのネタになるかも」と無理やり誘われた合コンで、イケメンだが皮肉屋の是枝行と知り合う。軽口を叩く彼の第一印象は最悪なものだったが、その後桜は何かにつけて街中で行と出会うようになる。からかいながらも、桜の言動や仕事に対する前向きな姿勢に興味を抱いた行は、両親から結婚を迫られていることを口実に、桜に交際を申し込む。
当初は突っぱねていた桜だったが、行の良いところを少しずつ知るうちに、恋心は抱いていないものの交際をOKする。やがてデートを重ね、お互いに惹かれ合っていくが、桜の元カレの真保章の登場や、行の元カノの桐谷菜津子の登場により、2人は些細なことですれ違い始める。
登場人物・キャラクター
遠藤 桜 (えんどう さくら)
少女漫画家の26歳の女性。高校卒業後、19歳で「月刊ドロップ」でデビューし、それ以来大きなヒットはないものの、コンスタントに読み切りを掲載している。仕事が大好きで、結婚願望はまったくない。友達である上條美園に誘われて行った合コンで是枝行と知り合う。彼の毒舌のせいで第一印象は最悪だったが、恋愛漫画のネタを仕入れたいという考えから、彼の交際申し込みを受け入れる。
是枝 行 (これえだ いく)
美容整形外科医の30歳の男性。イケメンで、ちょっと皮肉屋なところがある。遠藤桜とは合コンで知り合い、仕事に前向きな姿に興味を持っていた。両親から結婚を迫られるていることに嫌気がさし、カモフラージュで桜と交際しようと持ちかける。5年前に当時真剣に付き合っていた桐谷菜津子から、一方的に振られて女性不信になっていたが、桜の影響で少しずつ凍った心が溶けていく。
真保 章 (まほ あきら)
遠藤桜の元カレで、是枝理沙と付き合っている男性。桜にとってはこれまでに付き合った唯一の男性で、高校1年生から21歳まで6年間も付き合っていた。軽くチャラチャラした性格で女癖が悪く、その場限りの噓をついては浮気を繰り返していた。理沙と付き合いながら、桜ともヨリを戻して二股をかけようとしたり、他の女性にちょっかいをかけたりと、懲りない性格でいつも騒動を巻き起こす。
是枝 理沙 (これえだ りさ)
是枝行の妹で、大学生。少女漫画雑誌「月刊ドロップ」を愛読しており、遠藤桜のファンで、コミックスも持っている。真保章と付き合っているが、彼が桜の元カレだということは知らない。人懐っこく感情表現が素直な無邪気な性格。兄想いなところがあり、兄が桐谷菜津子と破局した理由を、菜津子が亡くなったためだと勘違いしている。
桐谷 菜津子 (きりたに なつこ)
是枝行がかつて付き合っていた女性。行より1歳年下の29歳。行とは大学の時に知り合い、すぐに付き合い始めた。結婚を前提とした真剣な付き合いだったが、5年間付き合った末に、他の金持ちな男に言い寄られて舞い上がり、行を冷たく振ってその男性と結婚してしまった。5年ぶりに行の前に現れて寄りを戻そうと迫ったが、その原因は夫によるDVから逃れるためだった。
上條 美園 (かみじょう みその)
少女漫画家の26歳の女性。少女漫画雑誌「月刊ドロップ」の超人気漫画家で、遠藤桜とは飲み友達。中学3年生でデビューして以来、いくつも大ヒットを飛ばし、作品はアニメやドラマ化もされている。美人で男性からモテるが、男性に求める理想が高く、それを苦にした相手から振られてしまうことが多い。医者の集まる合コンで知り合った杉丘と付き合い始める。
杉丘 (すぎおか)
上條美園と合コンで知り合い、付き合うようになった男性。医者と偽っているが本当は書店員で、以前から美園のファンだった。憧れの美園に会うため心臓外科医のフリをしていたが、思いがけず美園と付き合うことになり、迷った末に本当のことを打ち明ける。経済的には美園に敵わないが、素直で素朴な性格で、しっかりした考えの持ち主。酒木澄の作品の大ファンでもある。
魅神 ユイ (みかみ ゆい)
ファンタジー小説家の24歳の男性。大学生の時にデビューし、売れっ子小説家として活躍している。是枝理沙や真保章とは出身大学が一緒ということもあって顔見知り。若くして成功し、しかも美形なので、自分は異性に何をしてもいいと勘違いをしている。一方で仕事に対しては真面目で、こだわりは強い。
吉川 舞 (よしかわ まい)
少女漫画家の24歳の女性。眼鏡をかけている。少女漫画雑誌「月刊ドロップ」で漫画を描いており、遠藤桜、上條美園、酒木澄らとは友達同士で、時々集まって食事をすることもある。既婚者のため、桜や美園の恋愛相談に乗ることもある。若いが、仕事に対して割り切った考えを持っている。
酒木 澄 (さかき すみ)
少女漫画家の28歳の女性。少女漫画雑誌「月刊ドロップ」で漫画を描いている。遠藤桜、上條美園、吉川舞とは友達同士で、時々集まって食事をすることもある。決して美人ではないが、漫画家として優れた才能を持ち、玄人受けする作品を描くことで有名。
小山 (こやま)
少女漫画雑誌「月刊ドロップ」の編集部で働いている女性。遠藤桜の担当をしている。いつもきちんとスーツを着こなした、仕事に厳しいバリバリのキャリアウーマン。桜の作品に対しても鋭く突っ込むが、桜の漫画家としての才能を高く評価しており、良い仕事を取って来てくれる。
鶴ちゃん (つるちゃん)
遠藤桜の高校時代の男友達。眼鏡をかけており、目つきが悪い。大阪に転勤中で仕事のストレスが溜まっており、特に人間関係に悩んでいる。久しぶりに再会した桜を相手に愚痴をこぼし、桜の仕事をお気楽なものと決めつける。しかし、のちに再会した時には反省して謝罪するなど、根は誠実。
その他キーワード
月刊ドロップ (げっかんどろっぷ)
遠藤桜、上條美園、吉川舞、酒木澄らの漫画が掲載されている月刊の少女漫画雑誌。若い女の子向けの雑誌なので表紙はカラフルで可愛らしく、特に恋愛物の漫画が人気。編集部には小山の他、若い女性漫画家にタメ口で話されることを期待するオジサン副編集長などがいる。
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