スローループ

スローループ

親の再婚によって義理の姉妹となった海凪ひよりと海凪小春が、釣りを通じて絆を深めていくガールズストーリー。釣りの中でもフライフィッシングをメインに扱っているのが特徴の日常系釣り漫画。「まんがタイムきららフォワード」で2018年6月号にゲスト掲載され、2018年11月号から正式連載されている作品。

正式名称
スローループ
ふりがな
すろーるーぷ
作者
ジャンル
釣り
 
日常
レーベル
まんがタイムKRコミックス(芳文社)
巻数
既刊8巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

とても変わった女の子

3年前に父親を病気で亡くした海凪ひよりは、父親に教えてもらったフライフィッシングをしながら母親の再婚に思いを馳(は)せていた。その最中、ひよりは一人の少女と出会う。初めて目にする海にテンションを高める少女と釣りを通してなかよくなり、ひよりは彼女が再婚相手の連れ子、海凪小春であることを知る。義理の姉妹となった二人は、小春が「釣り」に興味を持ったのもあり、釣りを通じて少しずつなかよくなっていく。しかし二人はなかよくなるにつれ、あらためてお互いの親に距離があることに気づく。そこで二人はひよりの幼なじみである吉永恋に頼み、家族ぐるみの釣りキャンプを決行する。釣った魚を調理し、みんなで囲んで食べることで、二人はお互いの親とそれぞれ距離を縮め、家族としての第一歩を歩み始めるのだった。

また一緒に

海凪ひより海凪小春は、吉永恋の誕生日を祝うために吉永家を訪れる。そこで二人は、一花二葉という釣り船屋の姉妹と知り合う。船での釣りに興味を覚えた二人は、アルバイトをしてお金を稼ぎ、一花の船に乗せてもらう。どこかよそよそしい態度の二葉とも、船での釣りを通じて二人は打ち解け、なかよくなる。そしてひよりと小春は、二葉から釣り趣味がクラスの中で浮いているという、悩みを打ち明けられる。ひよりは二葉と釣り仲間になると宣言し、彼女を勇気づける。そしてひよりに背中を押された二葉は、友人の藍子に釣りが趣味であることを打ち明けることを決心。相談した恋にアドバイスされ、釣り堀のある遊園地に藍子を誘う。遊園地での釣りで背中を後押しされた二葉は、藍子に趣味を告白して心を通じ合わせるのだった。

「難しい」が楽しい

燦燦(さんさん)と照り付ける真夏の太陽に辟易(へきえき)とする海凪ひよりたちであったが、そこに突如、吉永良太の思い付きでシイラ釣りに向かうこととなる。いつものメンバーで船に乗るが、ひよりたちは慣れない海釣りに大苦戦する。結局、海凪小春が1匹釣れただけで、ひよりは釣れずじまいだった。そしてひよりは悔しがるものの、「難しい」が楽しいと実感し、シイラ釣りのリベンジを誓う。そしてひよりは、小春が釣ったシイラをさばくこととなったが、大きな魚をさばくのは難しいため、福元一花にプロの料理人の宮野楓を紹介してもらう。一花の傍若無人さに楓は嫌な顔をするものの、ひよりたちとはすぐに打ち解けなかよくなる。ひよりたちはシイラ料理を堪能しつつ、実は猟師でもある楓から狩猟の話を聞く。狩猟と渓流釣りの意外な関係に驚き、ひよりは自然の恵みを享受していることを実感するのだった。

一番の友達

福元二葉は海凪ひよりたちとの交流後、釣りに対して前向きになり、クラスにも仲間ができて楽しい日々を送っていた。二葉はひよりに懐いており、彼女との時間を楽しく過ごしていたが、その姿を見た二葉の友人、二宮藍子は、ひよりに二葉が取られてしまうのではないかと強い危機感を抱いてしまう。藍子は二葉に連れられ、ひよりたちの釣りに同行するが、そこでその不安な気持ちを吉永恋に吐露する。恋はかつての出来事に思いを馳せながら、藍子を励ますのだった。恋はかつてひよりの母親の再婚話を、ひよりが知らないとは思わずひよりに話してしまい、ひよりに再婚話をバラしてしまう失態を冒す。そのことを深く後悔していたが、実はその出来事が、ひよりが母親と向き合う大きなきっかけとなり、結果的に再婚を前向きなものにしていたのだ。そのためひよりからは深く感謝されており、二人は今一度、そのことに向き合って思いをぶつけ合う。恋はひよりという一番の友達のまっすぐな言葉に癒され、過去の後悔を乗り越えるのだった。

いただきます!

年の瀬も差しせまり、狩猟の解禁時期になったため、海凪ひよりたちは宮野楓に誘われ、狩猟の見学に行くこととなる。楓の車が小さいため一人ずつ見学することとなり、ひよりは最後の順番となったため、先に見学していた海凪小春吉永恋の体験談をうらやましそうに聞いていた。そしてついにひよりの順番が回ってきたため、ひよりは楓に連れられ、キジの狩猟に同行することとなる。楓は恋からキジの羽をコンプリートスキンとして使える話を聞いており、ひよりとその話で盛り上がる。無事にキジを狩った二人は、狩猟と釣りに意外と共通点が多く、自然の恵みをいただいていることを実感する。そして楓と別れたひよりは、後日、楓が恋のお店に納入したキジのコンプリートスキンを購入。そしてひよりは大晦日(おおみそか)にそのキジの羽を使って、みんなでオリジナルフライ作りをするのだった。そしてひよりはみんなに囲まれつつ、新たに迎える1年に思いを馳せる。

考えたこともなかった

新たな年を迎えても、海凪ひよりたちは釣りに熱中していた。そんな中、ひよりたちは鯉料理に興味を覚える。海凪小春は引っ越し前に鯉(こい)料理を食べたことがあったため、彼女の勧めもあって、ひよりたちは小春が中学時代に過ごした地元を訪れることとなる。小春は久しぶりの地元に喜び、昔の友人である土屋みやびに連絡を取り、彼女と会う約束を取り付ける。そしてひよりたちは鯉釣りを楽しむが、そこで小春を心配したみやびから、ひよりは小春のことを聞かれて戸惑ってしまう。ひよりはみやびから小春のことを頼まれたものの、今まで小春に無理をさせていたのではないかと悩み、その思いに囚われてスランプに陥っていた。過去の実父との別れまで思い出して深く落ち込むひよりだったが、小春との触れ合いで暗い気持ちを乗り越え、前を向くのだった。一方、小春も人知れずさまざまな思いを抱えていたが、何事にもまっすぐなひよりの姿を見て救われており、二人は姉妹として絆(きずな)を深めていく。

モデルになった町

本作『スローループ』は神奈川県横須賀市を舞台にしている。このためテレビアニメ版『スローループ』が放映された際には横須賀市観光協会(アニメ部)がコラボレーションし、期間限定で商店街や観音崎京急ホテルでタイアップ商品を販売した。また、コラボ商品の開発・製造には神奈川県立海洋科学高等学校の生徒がかかわっている。

関連作品

きららファンタジア

芳文社の漫画雑誌「まんがタイムきらら」シリーズのキャラクターが一堂に会するスマホアプリ『きららファンタジア』に、本作『スローループ』も2022年3月15日に参戦した。ゲームには海凪ひより海凪小春吉永恋の三人が登場し、キャラクターデザインはゲーム用のものが新たに作られている。

コラボレーション

ぼっち・ざ・ろっく!

はまじあき原作の漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』と、本作『スローループ』のコラボレーションが行われた。本作第3巻に収録されている第26話「私もがんばりますねっ」において、『ぼっち・ざ・ろっく!』に登場する主人公たちのバンド「結束バンド」が文化祭でライブ演奏している姿が描かれている。このシーンはテレビアニメ版『スローループ』の第10話においてテレビアニメ化され、テレビアニメ版のTwitter公式アカウント(https://twitter.com/slowloop_tv/status/1502283199963009029)も宣伝している。

メディアミックス

テレビアニメ

2022年1月から3月にかけて本作『スローループ』のテレビアニメ版『スローループ』がTOKYO MX、BS-11、AT-Xほかで放送された。制作はCONNECTが担当している。キャストは、海凪ひよりを久住琳、海凪小春を日岡なつみが演じている。またAT-Xでは出演した声優たちが、実際にフライフィッシングに挑戦する特番『フライタイイング<疑似餌づくり>の世界へようこそ!』が2022年3月29日に放送されている。

登場人物・キャラクター

海凪 ひより (みなぎ ひより)

南神奈川高校に通う少女。登場時点では1年生だったが、のちに2年生に進級している。誕生日は1月4日。身長154センチで、血液型はO型。黒髪ショートカットで、内気な性格をしている。母親の再婚に伴って名字が変わっているが、元の名字は「山川」で、中学時代は「山川ひより」を略して「やまひー」の愛称で呼ばれていた。実父の影響で釣りが好きだが、虫が苦手なため、専らフライフィッシングを行っている。また、釣り用具は実用性第一でそろえているため、ボーイッシュな服装でいることが多い。吉永恋とは幼なじみで、母親同士も幼なじみであるため、小さい頃から家族ぐるみの付き合いをしている。母親の再婚話は知らなかったが、恋から聞いて知ることとなる。自分のために母親が再婚をあきらめているのを察しており、再婚話を聞いたのをきっかけに、母親と向き合って再婚を勧めた。このため再婚に関しては前向きに受け入れているが、人見知りな性格のため、当初は義父とその連れ子に対して一歩引いていた。しかし、天真爛漫な海凪小春とはすぐに打ち解け、釣りを通してなかよくなる。また、小春の影響を受けて性格も前向きなものになり、人見知りも少しずつ改善されている。

海凪 小春 (みなぎ こはる)

南神奈川高校に通う少女。学年は登場時点では1年生だったが、のちに2年生に進級している。誕生日は11月15日。身長は155センチで、血液型はB型。長く伸ばした明るめの小麦色の髪をツーサイドアップにしており、スタイル抜群。父親の再婚で海凪ひよりと義理の姉妹となる。天真爛漫(らんまん)な明るい性格で、ひよりより2か月早く生まれたために自分の方が姉だと主張し、何かと姉ぶって接する。幼い頃は喘息(ぜんそく)持ちでよく入院していたため、外で遊んだことがあまりない。そのため、アウトドアではテンションが高くなるが、3月の冷たい海に飛び込むなど後先考えない行動も多い。ひよりといっしょに行動するうちに、釣りにハマった。料理が得意なため、釣った魚の調理を担当している。初対面の人間ともすぐなかよくなれるコミュニケーションの高さを持つが、同時に一言多いため、ひよりからはそのうち問題を起こすのではないかと不安視されている。明るいムードメーカーとして振る舞っているが、実は人に嫌われるのを恐れ、自分の本音を隠して周囲を楽しませる自分を演じている。それを日常的に行っており、そんな一面を土屋みやびからは「ピエロ」と評され、自分でも「打算的」だと思っている。中学時代の友人のみやびだけは自分の本質に気づき、自分の思いを包み隠さず言ったため、彼女にあこがれのような感情を抱いている。またひよりと過ごすうちに、ひよりのまっすぐさにも救われ、ひよりとの絆を確かなものにしている。

吉永 恋 (よしなが こい)

南神奈川高校に通う少女。登場時点では1年生だったが、のちに2年生に進級している。誕生日は6月30日。身長145センチで、血液型はA型。色素が薄い灰色の髪をツインテールにしており、淡々としたペースで人と接する。海凪ひよりとは母親同士が幼なじみなため、子供の頃からの友人同士。中学時代はひよりの名字が変わる前の「山川」に掛けた「やまひー」のあだ名で呼んでいたが、高校からは「ひより」と呼んでいる。実家はフライフィッシング専門の釣具店「Permit」を営んでおり、看板娘を務めているため、釣りに関してはかなり詳しい。父親で、店主でもある吉永良太が釣りに入れ込み過ぎるあまり、家庭を顧みないため、釣りに関してはいい印象を持っておらず、自分から釣りをすることはあまりない。ただひよりたちとの付き合いで、釣りには同行するようになる。名前の由来も魚の「鯉」で、父親が無理やりその名前を付けようとしたのを母親が阻止し、最終的に同じ読みの「恋」となった経緯がある。父親とは一時期、険悪な関係にもなっていたが、成長するにつれその思いを乗り越え、父親を一人の人間として接することで関係を改善している。そのため、今ではなんだかんだ言っても尊敬する父親として接している。一方で母親のことはすごく尊敬しており、母親の前ではふだん見せない甘えん坊な一面を見せる。ひよりの母親と自分の母親が再婚話をしているのを聞き、ひよりが母親の再婚話を知らないのを知らずに、彼女にそのことを話してしまう。それを深く後悔していたが、のちにその出来事がきっかけでひよりは母親と向き合い、再婚を前向きに受け入れることができたと告白され、過去の後悔と決別することができた。

海凪 一誠 (みなぎ いっせい)

海凪小春の父親。やさしげな風貌をした中年の男性で、眼鏡を掛けている。妻と息子を交通事故で亡くし、小春を男手一つで育ててきた。海凪ひなたと再婚し、海凪ひよりの義理の父となる。実はファンシーなものが好きで、流行り物の店には小春を連れてよく遊びに行く。

海凪 ひなた (みなぎ ひなた)

海凪ひよりの母親。黒い髪をショートカットに整えた中年女性で、おっとりとした雰囲気を漂わせている。3年前に夫を亡くし、女手一つでひよりを育てた。吉永玲子とは幼なじみの関係で、吉永一家とは家族ぐるみの付き合いがある。玲子の紹介で海凪一誠と知り合い、同い年の子供を持つことで意気投合し、相談に乗っているうちに好意を持つようになる。その後、再婚を考えるようになるが、娘に遠慮して一歩踏み出せずにいた。しかし偶然、再婚の話を知ったひよりが、母親と対面して娘に説得される形で再婚に前向きになる。再婚前は「山川ひなた」という名前だったが、再婚後は名字が変わり「海凪ひなた」となる。結婚前の旧姓は「深沢」となっている。実は電子レンジを爆発させるほど料理を苦手としている。仕事が多忙なこともあり、再婚するまではスーパーのお惣菜(そうざい)で乗り切っていた。海凪小春が料理上手なこともあり、彼女から料理を教わることで少しずつ親子としての絆を深めている。

吉永 良太 (よしなが りょうた)

フライフィッシング専門の釣具店「Permit」の店主の男性。吉永恋の父親。「釣りバカ」と言われるほど釣りが大好きで、よく仕事をサボって釣りに出かける自由人。釣り人としての腕は確かで、その方面では名が知られており、釣り雑誌の取材が来るほど。しかし恋からは、その自由人っぷりから怒られることが多く、親子の力関係が完全に逆転している。海凪ひよりの実父、山川信也は釣り仲間で、彼が元気だった頃はよくいっしょに釣りをしていた。釣りで子供まで振り回すため、一時期妻の吉永玲子に本気で離婚を考えられたこともある。しかし夫として父親として家族のことを大切にしているのは、恋たちも知っているため、現在は良好な関係を築いている。信也にプレゼントするつもりで、高価なロッドを用意していたが、死別したため結局渡せずじまいだった。のちに、そのロッドはひよりに手渡されている。

福元 一花 (ふくもと いちか)

釣り船屋「つり福」で働く女性。年齢は23歳で、誕生日は8月2日。身長は168センチ。赤みがかったポニーテールの髪型で、小麦色の日焼けした肌をしている。自由奔放な明るい性格で、男女問わずに慕われている。吉永良太は店の常連で仲がいいが、ノリも同レベルの「釣りバカ」で店をサボりがちなため、吉永恋からは呆(あき)れた目で見られている。妹の福元二葉を溺愛しているが、最近はあまり釣りに行かない二葉を心配している。二葉が海凪ひよりとなかよくなって再び釣りをするようになってからは、よく二葉といっしょに釣りに出ている。宮野楓とは高校時代からの友人同士。釣りに誘ったりして遊びに行っているが、お酒好きで楓を振り回すことが多いため、彼女からはたびたび苦言を呈されている。

福元 二葉 (ふくもと ふたば)

福元一花の妹で、小学5年生の女の子。誕生日は5月12日で、身長は135センチ。茶色の髪をセミロングヘアにしている。勉強もスポーツも得意な優等生ながら、姉とは正反対の引っ込み思案でおとなしい性格をしている。釣り船屋の娘であるため、釣りが大好きで、虫を使うエサ釣りもまったく気にしていない。しかし女子にもかかわらず、男子に混じって釣りをするのが次第に浮いているのを自覚し、最近は周囲の目を気にして釣りに対して消極的になっている。周囲に悩みを打ち明けられずにいたが、海凪ひよりたちが楽しく釣りをしている姿を見て、彼女たちとの交流を通じて再び釣りに対して前向きな気持ちを持つようになる。吉永恋の計らいで、友人の二宮藍子に本音を打ち明けて以降は、友人たちを誘って釣りをするようになる。ひよりを慕っており、彼女がエサ釣りを苦手だと知った際には、懇切丁寧に教えている。また、ひよりも年下の福元二葉に教わったことで奮起し、苦手な虫を克服している。

二宮 藍子 (にのみや あいこ)

福元二葉と同じ学校に通っている小学5年生の女の子。誕生日は9月22日で、身長は136センチ。色素の薄い灰色がかった髪を肩口まで伸ばしている。感情豊かなおませな性格で、お菓子作りやお化粧といった女の子らしい遊びが大好き。二葉のことが大好きで仲もいいが、趣味が違いすぎるため、二葉から釣りのことは打ち明けてもらえずにいた。二葉から釣りの悩みを打ち明けられてからは、彼女を応援して釣りにも付き合っている。二葉には激甘だが、クラスの男子相手には辛らつに接している。二葉の釣り仲間の男子たちが、山本、山崎、山下と全員名字に「山」が付くため「山ばかトリオ」と呼んで適当に扱っている。また、二葉が海凪ひよりを慕っているのを見て、ひよりに嫉妬していたが、吉永恋にアドバイスをもらって折り合いをつけている。

宮野 楓 (みやの かえで)

飲食店「BASE FIELD」で働いている女性。誕生日は10月20日で、身長は165センチ。金髪をショートカットに整えており、さばさばした性格をしている。「BASE FIELD」は祖父が経営するカフェ&バーで、バータイムを担当している。「クロエ」と名づけた黒猫を飼っている。福元一花とは高校時代からの腐れ縁で、破天荒な彼女に毎回振り回されつつ、なんだかんだで世話を焼いている。プロの料理人で、その腕をあてにした一花が勝手に釣った魚を食材として持ち込むのに辟易(へきえき)している。一花がシイラを持ち込んだのをきっかけに、海凪ひよりたちと知り合う。実はプロの猟師でもあり、キジやカモを狩って、店で調理して提供している。ひよりとは似た者同士なために話が合い、彼女が狩猟期間と渓流釣りの期間が真逆なのを聞いて、フライフィッシングに興味を覚える。また、ひよりたちが狩猟に興味を覚えた際には、彼女たちを見学に連れて行っている。周囲からクールな女性だと思われているが、実はお化けなどの怖いものを苦手としている。

土屋 みやび (つちや みやび)

海凪小春の中学時代の友人の女性。黒髪をセミロングに伸ばしている。表情が乏しく、あまり感情をあらわにすることはない。一方で、物事の本質を見抜く鋭い洞察力を持ち、歯に衣(きぬ)を着せない物言いをする。小春が友人から無神経なことを言われても笑っているのを見て、小春に指摘した。言い方は厳しいが、小春からはその自分を偽らない姿にあこがれを抱かれ、その出来事をきっかけにして交友を持つようになる。小春が引っ越しをしたあとも、電話で連絡を取り合っており、小春が久しぶりに地元に戻って来た際に再会する。ゲーム好きで、色んなゲームで釣りのミニゲームをしているため、釣りに興味があり、小春と再会した際も釣りに付き合っている。小春のことを心配するあまり、海凪ひよりと話すが、その際の出来事がきっかけでひよりは大きく落ち込むこととなる。しかし最終的にひよりに落ち込ませたことを謝罪し、小春のことを託している。

土屋 あや (つちや あや)

土屋みやびの妹で、黒髪をおかっぱ頭にした女の子。姉とは正反対の活発で明るい性格をしている。みやびが海凪小春と再会時に姉に連れられ、彼女たちと釣りをした。吉永良太が太鼓判を押すほど釣りのセンスがあるらしく、初めての釣りで釣果をあげていた。

吉永 玲子 (よしなが れいこ)

吉永恋の母親で、吉永良太の妻。ウェーブの入った黒髪を長く伸ばしたキャリアウーマンで、スーツ姿で仕事をしていることが多い。釣りバカの夫に振り回されることが多く、子供たちまで巻き込んだ際には本気で激怒し、一時は離婚すら考えていた。しかし一方で厳格な両親に育てられ、結婚したら仕事を辞めるように育てられてきたが、夫が両親を説得してくれたお陰で仕事を続けられることができたため、感謝もしている。

山川 信也 (やまかわ しんや)

海凪ひよりの実父で、海凪ひなたの先夫。3年前に癌で亡くなった。ひよりには「変わり者」と評されており、急に見たこともない楽器にハマったり、目玉焼きにポン酢を掛けて食べたりしていた。料理が得意で、ひなたが料理が不得意なのもあり、家の料理当番を担当していた。吉永良太とは釣り仲間で、フライフィッシングをやっており、これがひよりに受け継がれている。

深沢 修 (ふかざわ おさむ)

海凪ひよりの母方の祖父で、海凪ひなたの父親。寡黙な老人で、無表情で物静かな性格をしている。ひよりはその性格から少し苦手意識を抱いているが、海凪小春はそのおとなしい性格はひよりそっくりだと思っている。登山が趣味で、ひよりの実父である山川信也の渓流釣りにもよく付き合っていた。あまり感情を表に出さないが、ひよりたちが遊びに来るのを楽しみにしている。最近は腰を悪くしているため、家にいることが多い。

深沢 恵美子 (ふかざわ えみこ)

海凪ひよりの母方の祖母で、海凪ひなたの母親。初老の婦人で、明るく人当りのいい性格をしている。ひよりたちが遊びに来た際には、海凪小春にイワナ汁の作り方を伝授している。また、深沢修とは夫婦の付き合いが長いため、物静かな彼の本心をひよりたちに伝え、フォローをしている。

書誌情報

スローループ 8巻 芳文社〈まんがタイムKRコミックス〉

第7巻

(2022-11-10発行、 978-4832274167)

第8巻

(2023-08-09発行、 978-4832274754)

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