ゾミア

ゾミア

西暦1215年。金国で働く元奴隷で語学の天才・ネルグイは、モンゴル軍の奇策により、すべてを失ってしまう。かろうじて一命を取り留め、再び奴隷となったネルグイは、モンゴル帝国への復讐を誓う。13世紀の中国を舞台に、言葉と智略で、自由を取り戻そうとする少年の活躍を描いた歴史大河スペクタクル。浅村壮平による、第83回ちばてつや賞ヤング部門、佳作+編集長特別賞受賞作の読み切り版『ゾミア』が元になっている。講談社「ヤングマガジン」2022年第13号から第33号に掲載後、「ヤンマガWeb」に移籍、8月6日から9月17日まで連載。

正式名称
ゾミア
ふりがな
ぞみあ
原作者
浅村 壮平
作画
ジャンル
その他軍事・戦争
 
東洋史
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
巻数
既刊3巻
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概要・あらすじ

西暦1210年。モンゴル帝国は、女真族の治める金国への進軍を開始。進路上のすべての村や町を壊滅状態にし、大量の難民を生む猛攻であったが、金国の首都・中都大興府は堅強な城壁を築き上げ、徹底抗戦。4年に及ぶ包囲戦でも金国は陥落せず、ついにモンゴル軍は撤退。金国との間に和解が成立した。それから5年後の1215年5月、金国。元奴隷のネルグイバートルは、金国の城壁を壊す仕事に就いていた。指揮を執っていたのは、金国の文官・耶律楚材であった。長年の籠城により、都には糞尿が溢れ、虫やネズミが増えていた。放っておくとペスト流行の危険性があるのだ。また、壁を壊せば、農奴の開墾や商人の往来も盛んになる。語学の天才であるネルグイは、契丹語、西夏語、ウイグル語などを自在に操り、多様な民族の仕事を差配。耶律楚材に重宝されていた。そしてとうとう、城壁を壊し終えたある夜のこと。金国は再び、モンゴル軍の襲撃に遭う。耶律楚材はモンゴル帝国のスパイであり、攻略に邪魔だった城壁を取り去ることに、まんまと成功したのだ。城壁を失った中都大興府はあっさりと陥落。金国は敗れ、わずかに生き延びた女真族は僻地へ追われて難民となった。重傷を負ったネルグイは奴隷商人に捕まり、バートルは耶律楚材によってモンゴル帝国へと連れ去られる。ネルグイは意識を失いかけながらも、モンゴル帝国、耶律楚材、奴隷商人に奪われたすべてを取り戻すことを誓うのであった。

登場人物・キャラクター

ネルグイ

奴隷商人に飼われていた少年。奴隷の間に出会ったすべての民族の言語を覚えた語学の天才。同じく奴隷商人に捕まったバートルと出会い、二人で奴隷商人を殺して脱走。その後、金国の文官・耶律楚材の下で、金国の城壁を壊す仕事に就く。耶律楚材の裏切りで金国が滅び、バートルと離れ離れになり、再び奴隷となる。「ネルグイ」とはモンゴル語で「名無し」という意味。本当の名前を忘れたネルグイが自分で名乗った。

バートル

契丹人(遊牧民)の少年。戦闘能力に優れており、性格は短気で怒りっぽい。両親と死別後、金国に到着するが、金国とモンゴル帝国との戦争に巻き込まれて地獄を見る。奴隷商人に捕まった際にネルグイと出会い、親友となった彼と二人で奴隷商人を殺して脱走。金国滅亡の際、ネルグイと離れ離れになり、耶律楚材に見込まれて、モンゴルの兵士になる。「バートル」はモンゴル語で「英雄」を意味する。

耶律 楚材 (やりつ そざい)

契丹出身の金国の文官を務める男性。実はモンゴル帝国のスパイで、知略と武力に長ける。「疫病のまん延防止」を口実に、金国攻略の障害となる城壁を壊すことに成功し、モンゴル軍の奇襲を導く。同名の実在人物がモデル。

クレジット

原作

浅村 壮平

書誌情報

ゾミア 3巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2022-05-06発行、 978-4065278079)

第2巻

(2022-08-05発行、 978-4065288023)

第3巻

(2022-11-04発行、 978-4065297520)

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