11人いる!

11人いる!

宇宙大学受験生の一人タダトス・レーンは、宇宙船・白号で53日間生活するという最終試験に臨んだ。しかしそこには大学が告げた定員10人よりも1人多く乗っていた。正体不明の11人目を恐れながらも受験生たち共に試練を乗り越え、心を通わせていく。

正式名称
11人いる!
ふりがな
じゅういちにんいる
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
サバイバル
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概要・あらすじ

宇宙航法の発達により、他星系との交流が盛んになった時代。設立された宇宙大学は、エリートへの登竜門となっていた。その受験生の一人タダトス・レーンは、宇宙船・白号で53日間生活するという最終試験に臨む。しかしそこには大学が告げた定員10人よりも1人多く乗っていた。間断なく襲い来るトラブルを切り抜けるには正体不明の11人目とも協力し合わねばならない。

異なる人種、異なる文化を持つ受験生たちは疑心暗鬼に陥るが、共に試練を乗り越えるうちに、次第に心を通わせていく。

登場人物・キャラクター

タダトス・レーン

テラ系シベリース出身。黒い髪にヘアバンドをした少年。超能力に似た「直感力」を持っている。両親の記憶はなく、シベリースの長老に育てられた。長老は医師であり、その助手を務めていた経験がある。宇宙船・白号に搭乗して以来、「直感力」の働きがおかしくなってしまう。宇宙大学合格後は、パイロットコースを志望している。

フロルベリチェリ・フロル

星系に所属していない惑星ヴェネ出身。少女のような容姿をしているが、口調は荒っぽい。フロルの種族は成長後初めて性別が確定するため、現在は雌雄未分化の両性体と呼ばれる状態。宇宙大学に合格したら男性になっていいという約束で試験を受けに来ている。

マヤ王バセスカ

サバ系アリトスカ・レ出身。髪の長い青年。試験の半年前にコモフ領の王位を継承したばかり。受験はあくまでプライドをかけた力試しであり、合格しても宇宙大学に通う予定は無い。宇宙船・白号での受験生たちの中でもリーダー的な立場をとる。

ソルダム四世ドリカス

サバ系アリトスカ・ラ出身の青年。アリトスカ・レとアリトスカ・ラは隣あった星であるため、王さまのことを見知っており、真っ先に打ち解ける。歴史の古いサバ系出身であることを誇りに思っており、ややテラ系を見下している傾向がある。

アマゾン・カーナイス

テラ系シュシュ出身の青年。口調はややぞんざいで、本人曰く「プロレタリア」。シュシュは狩りが盛んな星であるため、全身に傷跡がある。シャワーでフロルの裸を見てしまい、性別に疑問を抱く。

チャコ・カカ

テラ系クエス出身。色黒で、関西弁で喋る少年。試験中、宇宙船・白号内の温室で野菜や果物の栽培を担当していたとみられる。

ドルフ・タスタ

テラ系ペロマ出身。大柄で鼻の赤い青年。

トト・ニ

サバ系ミス出身。小柄で耳が大きい少年。植物に詳しい。宇宙船・白号にはびこっていた電導ヅタを採取し栽培実験を行った。

ヴィドメニール・ヌーム

星系に所属していない惑星ヴィヌドー出身。この星からの受験者は彼が初めて。長身で、全身が鱗に覆われている。ヴィヌドーは両性種の星で、成人すると男女に分かれるが、ヌーは性別が固定化されることなく成人した。そのため、星の慣習に従い僧となった。両性体であることを隠していたフロルを当初から同類と見抜いていた。

ガニガス・ガグトス

サバ系トレドレーガ出身の大柄な青年。星の風土病を防ぐためトレドレーガ型青緑色クロレラの培養を受けているため、血液を含む全身が緑色になっている。本人曰く「一種のサイボーグ」。

グレン・グロフ

セグル系灰白色星出身。まるで岩石人間のような外見の青年。テレパシー能力があり、タダの直感力に偽の情報を送り彼を試した。

場所

宇宙船・白号

宇宙大学実技試験の舞台として選ばれた宇宙船。タダトス・レーン達のチームナンバー・1が乗り込んだ。元は一年以上の長期旅行用の船で、ピラミッド型となっている上層部には二万人が生活できる住宅区がある。二十一世紀のテラの画家が描いた宇宙の守護神像がホールに飾られている。

テラ

ワープ航法と反重力の発見により、宇宙に進出した人類が、異星人との接触により作った統合政府。地球連邦と51の植民惑星からなる。ロタ、セグル、サバの3大国とその他の種からなる星間連盟に所属している。3大国の中ではサバ系に人類との類似が多く見られ、テラとはお互いライバル視している。 セグルは最も歴史が古く、他の種から尊敬を受けることが多い。

その他キーワード

電導ヅタ

『11人いる!』に登場する植物。配線に使われる鉱性植物。セグル系百二十星の温帯産。熱を吸収して育つが、一定熱量に達すると断熱のための結晶体を作り出す。その結晶体からは高熱と赤ハンを発生させ感染者を死に至らしめるウイルスが生成されることがしばしばある。その病気はこの結晶体の発見者名から取って「デル赤ハン病」と呼ばれる。

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