デッドプール:SAMURAI

デッドプール:SAMURAI

マーベルコミック『デッドプール』の外伝的作品。世界一の無責任ヒーローであるデッドプールが日本にやって来て大暴れする。アクションあり、パロディあり、ギャグありのハチャメチャヒーロー活劇。マーベル・コミックと集英社のコラボ作品で、マーベル作品やジャンプ作品はもとより、他社の作品まで幅広いネタをパロディにしているのが特徴。「少年ジャンプ+」で2020年12月10日から2021年6月24日にかけて配信された作品。

正式名称
デッドプール:SAMURAI
ふりがな
でっどぷーる さむらい
原作者
笠間 三四郎
作画
ジャンル
パロディ
 
スーパーヒーロー
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

サムライスクワッド

対ヴィラン組織である「アベンジャーズ」は、日本のヒーローたちと共に、アベンジャーズ公認の日本のヒーロー組織「サムライスクワッド」を結成することを決める。そしてアベンジャーズからもヒーローを向かわせることにするが、白羽の矢が立ったのは最も自由奔放で、最も無責任なヒーロー・デッドプールだった。デッドプールは、日本のヒーロー・サクラスパイダーと合流するものの、初っ端からサクラスパイダーはデッドプールの言動に振り回されることとなる。しかしそこにヴィランのロキが現れ、日本を壊滅させるため、究極のヴィラン組織を作ると宣言して姿を消すのだった。サクラスパイダーたちはロキに対抗するためにも、新進気鋭のアイドルであると同時に、共生体を宿す者でもある新日ねいろをスカウトすることを決める。ロキの妨害に遭いつつも、ねいろを仲間に加える一行であったが、そこにロキが「ゲートウェイコントローラー」と呼ばれる装置を破壊しようとしているとの知らせが届くのだった。

最終決戦

ロキは並行世界からヴィランたちを呼び出そうとしていたが、ゲートウェイコントローラーによってそれを阻止されていた。そのため、ロキは最強のヴィラン・サノスを復活させ、デッドプールたちに差し向ける。圧倒的な力を持つサノスにデッドプールたちは手も足も出ず敗れるが、そこでデッドプールは掟破りのオールマイトを呼び寄せ、サノスを撃退する。しかしサノスの最後の抵抗で、ゲートウェイコントローラーを破壊する。ロキはその力を解放し、あらゆる次元のヴィランを呼び寄せ、軍団を結成する。そしてデッドプールとサムライスクワッドは日本を守るため、ロキとの最終決戦に臨む。

作風

本作『デッドプール:SAMURAI』で主人公を務めるデッドプールは、自分をコミックのキャラクターとして認識したことで、「第四の壁を破壊」する能力を得たという設定が存在する。第四の壁とは演劇などで用いられる用語で、舞台と観客を隔てる想像上の見えない壁のことを指し、転じて「フィクションと現実の境界」を表す言葉となっている。デッドプールはこの第四の壁を破壊できるため、ブラックジョークを交えたメタ的なネタを口ずさみ、本作においてはほかのジャンプ作品を読んでいると語っている。また、デッドプールが話数に言及したり、注意書きをテロップで書くように指示したり、果ては『デッドプール:SAMURAI』は紙媒体ではなく、電子媒体で配信されて連載されたが、偽のシークバーを表示して読者を混乱させ、リンクを仕込んで専用サイトを作ったりしている。一方で紙媒体向けに、ページの裏表でつながった表現をしたり、ページを逆にした上で画風を変えたりと、どこまでも自由でメタ的な表現をしている。また、原作ではコミックス発行元であるマーベル・コミックに乗り込んで抗議を行っていたが、本作でもそのオマージュが描かれており、デッドプールが現実世界に現れて集英社に乗り込む実写パートが存在する。

パロディネタ

本作『デッドプール:SAMURAI』はメタネタ、パロディネタが多い。パロディの内容としては原作『デッドプール』を発行するマーベル・コミックや、本作を掲載している集英社、世界的な大ヒットを記録した『ドラゴンボール』をはじめとした各ジャンプ作品から、連載当時に社会的なヒットを記録した『鬼滅の刃』まで登場している。連載後半に至ってはついにジャンプ系の作品だけではなく、「週刊少年サンデー」の『犬夜叉』や、「週刊少年マガジン」の『金田一少年の事件簿』までパロディに使い始めている。内容も有名どころのパロディだけではなく、マニアックなものや細かいネタも多いため、マーベルファンもジャンプファンも楽しめる作品となっている。なお、本作は短期集中連作であることが最初から決まっており、全2巻で完結しているが、あまりにパロディネタが多過ぎたため、その許可を取ることに非常に苦労したらしく、原作者の笠間三四郎はコミック第2巻の巻末コメントで、「本作の最大の功労者は担当編集者だ」と語っている。

単行本の装丁

本作『デッドプール:SAMURAI』のカバーを外した本体表紙にはおまけ漫画が存在する。第1巻では、デッドプールが「ネタなんて仕込んでいない」と言っているが、第2巻の本体表紙ではドラゴンボール最終巻のパロディイラストを仕込んで掲載している。

関連作品

実写映画

本作『デッドプール:SAMURAI』の原作でもあるアメコミ版『デッドプール』の実写映画版『デッドプール』が2016年に公開された。制作は20世紀フォックス、マーベル・エンターテインメント、ザ・ドナーズ・カンパニーが手がけた。監督はティム・ミラーが務めている。キャストは、デッドプールをライアン・レイノルズが演じている。また2018年には続編となる『デッドプール2』が公開された。『デッドプール2』の監督はデヴィッド・リーチ が務め、主演は引き続きライアン・レイノルズが演じている。映画は下ネタやスプラッタなシーンが多いためにR指定となっているが、大ヒットを記録し、『デッドプール2』は2018年4月20日にアメリカで最も売れたR指定映画となった。なお、本作においてホワイト・ウィルソンの登場シーンは映画『デッドプール2』のパロディシーンとなっており、『デッドプール2』で映画『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』に登場したウェポンXIをデッドプールが殺すシーンが元となっている。このように本作には映画を元にしたパロディシーンが非常に多いため、映画を見ているとより一層楽しめる構成となっている。

読み切り版

本作『デッドプール:SAMURAI』は、正式連載する前の読み切り版が存在する。本作と同じく読み切り版も原作は笠間三四郎、作画は植杉光が担当している。読み切り版は「少年ジャンプ+」で2019年10月16日に公開され、2020年2月に発売された『MARVEL×少年ジャンプ+ SUPER COLLABORATION』に収録された。読み切り版はデッドプールがタイムマシンを使って江戸時代にタイムスリップする内容となっている。作中に音楽アプリのボタンを表示させて読者を混乱させようとするなど、こちらでも好き勝手し放題で、本作でも読み切り版に言及し、今度こそデッドプール・バンドで音楽と漫画の融合を果たそうと画策している。

アメコミ版

本作『デッドプール:SAMURAI』は、ロブ・ライフェルドとファビアン・ニシーザの『デッドプール』を原作としている。『デッドプール』はマーベル・コミックより刊行されているが、日本語版は小学館より刊行されている。原作版はバイオレンスな描写やブラックジョークも多い。2022年2月には、逆に本作『デッドプール:SAMURAI』の英訳『Deadpool:Samurai』がマーベル・コミックとVIZメディアより刊行された。

関連商品

COOKING WITH DEADPOOL

デッドプールはメキシコ料理である「チミチャンガ」が好きだと公言しているが、そのレシピを収録した料理レシピ本『COOKING WITH DEADPOOL』がマーベル・コミックスより出版されている。本作『デッドプール:SAMURAI』でもチミチャンガを作るところを披露し、レシピ本の宣伝をしている。連載中は英語版しかなかったが、連載終了後の2021年12月には、日本語版『COOKING WITH DEADPOOL デッドプールのレシピブック』が小学館から刊行された。内容はレシピ本としてまじめに料理のレシピを紹介しながら、料理道具の紹介ページに、包丁と並んで日本刀が紹介されていたりと、デッドプールらしいネタ満載の本となっている。

コラボレーション

僕のヒーローアカデミア

本作『デッドプール:SAMURAI』はパロディが多く、ジャンプ系列の他作品に言及することが多いが、第9話では『僕のヒーローアカデミア』とのコラボレーションが行われた。デッドプールが連絡先を間違えて『僕のヒーローアカデミア』に登場する日本のNo.1ヒーロー・オールマイトを呼ぶというもので、オールマイトとヴィランの戦いが描かれている。第9話から第10話におけるオールマイトの活躍シーンは、『僕のヒーローアカデミア』の作者である堀越耕平の描き下ろしで、デッドプールは「堀越耕平を地下に監禁して描かせた」と語っている。なお、奇しくもオールマイトの登場した回は2021年4月1日でエイプリルフールだったため、デッドプールと集英社のTwitter公式アカウントは、エイプリルフールだけどウソじゃないとわざわざアナウンスしている。

評価・受賞歴

本作『デッドプール:SAMURAI』は連載後すぐに話題となり、電子配信で無料で読めることも手伝って多くの読者を獲得した。第1話と第2話はそれぞれ100万ビュー以上を記録し、第9話における『僕のヒーローアカデミア』とのコラボは各ネットニュースに取り上げられるほどのにぎわいを見せた。そのため、「2021年の世界で最も読まれているマーベル・コミック」の快挙を果たしている。

登場人物・キャラクター

デッドプール

アメリカのスーパーヒーローが結集した組織「アベンジャーズ」から日本にやって来た男性。赤い全身タイツに日本刀を持った最も自由奔放なヒーローで、アイアンマンに大金を積まれて、サムライスクワッドのメンバーとなった。愛称は「デップー」で、一人称は「俺ちゃん」。本作『デッドプール:SAMURAI』では「少年漫画バージョン」らしく、伏せ字になるために下品な言動は慎んでいるらしいが、それでもメタネタ、パロディネタ満載の自重しない言動をしている。本名は「ウェイド・ウィルソン」で、末期がんの治療のために超人兵器製造計画「ウェポンX」から派生した人体実験に参加。「治癒能力(ヒーリングファクター)」を獲得して一命を取り留めるものの、その能力ががん細胞を暴走させ、全身の皮膚がただれて醜い姿となったという重めの設定がある。この結果、狂気に取りつかれたデッドプールは第四の壁を破壊し、現在のような破天荒な性格となった。享楽的で無軌道なトラブルメーカーで、各ヒーローからも毛嫌いされており、ロキからも本質的にはヴィラン側の存在と思われている。ヴィランと紙一重の存在であり、実際にロキは並行世界でヴィランとなったデッドプール、ホワイト・ウィルソンを呼び寄せている。しかし、ヒーローとしての側面を持つのも確かで、決めるところでは決める男でもあり、「最低で最高なヒーロー」と呼ばれている。

サクラスパイダー

サムライスクワッドのメンバーである女性ヒーロー。本名は「飛騨遥」で、蜘蛛の巣模様が特徴的なフード付きスーツを身につけている。自己紹介の際に自分が能力を持った経緯を話そうとしたが、デッドプールが遮ったために詳しい経緯は不明。ただオリジナルのスパイダーマンとほぼ同じ経緯で、ほぼ同じような能力を持つようになったらしく、デッドプールは「安直に作ったオリジナルスパイダーマン」と身もふたもない評価を下している。まじめな性格で、使命に燃える熱血系ヒーローだが、デッドプールに振り回され気味の苦労人で、彼の言動のツッコミ役を担っている。アイドル・新日ねいろの大ファンという年相応な部分もあり、彼女が絡む際には言動が暴走気味となる。ねいろと直に会った際には感激して泣き出し、その泣き顔は『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』に登場するデビィ・ザ・コルシファにそっくりと言われた。芽衣おばさんと勉(つとむ)おじさんと暮らしている。デッドプールのふざけた言動に悪印象しか持っていなかったが、行動を共にするうちに打ち解け、彼をヒーローとして認めていく。最終決戦に向かう際、デッドプールをヒーローと認め、決意を宣言するが、左右を確認せず道に飛び出してトラックにはねられる。なんとか立ち上がろうとするもののダメ押しで対向車に轢かれて、最終決戦に参加する前に戦線離脱する。

新日 ねいろ (あらたび ねいろ)

日本で大人気の女性アイドル。年齢は16歳。血液型はAB型で、いて座生まれ。ツインテールの髪型の美少女という設定だが、デッドプールには作者・植杉光は女性の描き分けができないと評されており、事実、顔のパーツはサクラスパイダーとそっくり。幼い頃から容姿端麗で、周囲からチヤホヤされていたが、母親は自分とは正反対の醜い顔立ちをしており、周囲から母親の陰口を言われて育ってきた。それでも自分のことを第一に考え、支えてくれた母親が大好きで、母親が褒めてくれた自分のかわいさを何より大切に考えている。そのため、自分のことを褒めてくれるファンも大好きで、彼らの応援に応えようと日々努力している。共生体のクロちゃんと共生しており、サムライスクワッドにスカウトされる。ファンを大切にしているが、逆に言えばファン以外はどうでもいいと思っており、クロちゃんが人間を食べた際も、「人間を食べたこと」よりも「ファンを食べたこと」を怒っているなど、価値観がどこかズレている。サムライスクワッドのスカウトを受けた理由も、ファンを守るためで、その行動原理は徹頭徹尾ファンを中心に回っており、クロちゃんからも呆れられている。最終決戦に向かう際、決意を新たにするが、ライブがあったことを思い出し、国の命運よりもファンが大切だと言い残して戦線離脱する。

クロちゃん

新日ねいろに寄生する共生体(シンビオート)。宇宙からやって来た邪悪で凶暴な寄生生物で、黒いコールタール状の液体のような姿をしている。ふだんは宿主の体の内に潜んで姿を見せないが、時折、黒い顔を作り出して意思疎通する。記憶喪失で自分が何者かもわかっておらず、ねいろとは記憶が戻るまで彼女を守る代わり、ねいろに自分の記憶が戻るのを手伝ってもらう約束を交わしている。ねいろが過激なファンに襲われた際にはファンを食べて彼女を守っているが、その後、怒られてファンを吐き出している。好戦的で荒い言動が多いが、デッドプールやねいろの言動がそれ以上にぶっ飛んでいるため、相対的に一行の中では常識的な言動が多い。ねいろと共にサムライスクワッドにスカウトされる。サノスとの戦いでは手も足も出なかったため、デッドプールと合体して「クロちゃんプール」となるが、瞬殺された。チョコレートが大好物。

キャプテン・アメリカ

アメリカのスーパーヒーローが結集した組織「アベンジャーズ」に所属するヒーローの男性。本名は「スティーブ・ロジャース」で、爽やかな性格の明るい好青年。みんなの嫌われ者であるデッドプールに対しても肯定的に接する数少ない人物で、デッドプールのふざけた招集メールを受け、わざわざ来日してサムライスクワッドの手助けまでしている。最終決戦でも仲間たちと共に駆け付け、ヴィランと戦った。

ハルク

アメリカのスーパーヒーローが結集した組織「アベンジャーズ」に所属するヒーローの男性。本名は「ブルース・バナー」で、ふだんは眼鏡をかけた穏やかな風貌の青年だが、怒ると緑色の肌の筋骨隆々とした大男「ハルク」に変貌する。デッドプールのことが嫌いで、彼がふだんの姿を「没個性すぎ」と言った際にはハルクに変身してボコボコにしている。新日ねいろがロキに付けられた洗脳装置を解除するために来日し、そのままサムライスクワッドと共闘する。ロキに激しい怒りを覚えており、最終決戦でハルクの怒り狂う姿を見たロキが、その瞬間に踵を返したほど。

スパイダーマン

アメリカのスーパーヒーローが結集した組織「アベンジャーズ」に所属するヒーローの男性。愛称は「スパイディ」で、本名は「ピーター・パーカー」。デッドプールから気に入られており、本作『デッドプール:SAMURAI』ではスパイダーマンは日本に来ていないために出番がほとんどないにもかかわらず、デッドプールに名前を騙られたりと不憫な目に遭っている。また本編ではコミックスのおまけに「スパイダーマンが出る」と販促に使われ、第1巻のおまけ漫画で散々な目に遭っている。デッドプールのことは嫌いだけれど、ヒーローを目指そうとするデッドプールのことを信じてみたいとも思っている。

アイアンマン

アメリカのスーパーヒーローが結集した組織「アベンジャーズ」に所属するヒーローの男性。本名は「トニー・スターク」で、天才的な頭脳を持つ発明家であるのと同時に、莫大な財産を持つ大富豪で、その頭脳と財産でアベンジャーズを支える。デッドプールをサムライスクワッドにスカウトした。その際に莫大な金額をデッドプールに払う約束をしており、ホワイト・ウィルソンとの戦いではこれが思わぬ功を奏すこととなる。

ソー

アメリカのスーパーヒーローが結集した組織「アベンジャーズ」に所属するヒーローの男性。ロキの義兄で、雷をあやつる神の力を持つ。ロキとは好敵手で、彼とは敵味方として何度も戦いつつも、兄弟として付き合う絆の強さを育んでいる。ただ最近は日本のアニメにはまり、自堕落な生活を送っている。特に『鬼滅の刃』が大好きで、ロキにも『鬼滅の刃』を勧めるものの、その際の強引な態度がロキを怒らせ、彼が日本壊滅を企む動機となってしまう。

ヤバイ人 (やばいひと)

ロキの仲間の一人で、本名不明の中年男性。身なりを整えていないために不潔感を漂わせ、肥満体型をしている。ステレオタイプなアイドルオタクのような身なりで、ロキに協力する見返りに、新日ねいろを洗脳して自分の意のままにあやつろうと考えていた。自己中心的で陰気な性格をしており、自分の不都合はすべて周囲に責任転嫁するひん曲がった根性をしている。ねいろのことも別にファンでもなんでもないが、デッドプールに敗北したあとはファンであるとウソをついて、ねいろに見逃してもらおうとしていた。ねいろの必死の説得もまったく響いておらず、内心ではねいろをバカにして、そのまま逃走しようとする。しかし、サクラスパイダーにライブチケットの転売の常習犯であることをバラされて、デッドプールに問答無用に銃弾を撃ち込まれた。

サノス

ロキの仲間の一人で、タイタン人の男性。「宇宙最強の男」と知られる最強のヴィランの一人で、かつてヒーローたちと戦って倒された。現在のサノスはヒドラによって再生されたクローンだが、ロキの手によって往年の力と記憶を取り戻しており、デッドプールへの復讐に燃えている。ただデッドプールいわく、サノスは自分が殺されたことよりも、惚れた女をデッドプールに取られたことに腹を立てている。宇宙中で暴れ回った最凶最悪の存在で、数多の悪の背後に存在し続けた。『To LOVEる -とらぶる-』に登場した『デビルーク星』も滅ぼしたらしく、その事を知ったデッドプールを激怒させた。サムライスクワッドのメンバーを一蹴し、デッドプールがクロちゃんと合体したクロちゃんプールや、応援に駆け付けたハルクまで打ち倒した。サムライスクワッドを全滅間近まで追い詰めるが、デッドプールがオールマイトを呼んで、彼に倒された。オールマイトに敗れたものの、ゲートウェイコントローラーの制御装置を壊して、デッドプールに一矢報いている。

ロキ

地球を侵略しようとしているヴィランの男性。ソーの義弟。多彩な魔術をあやつり、日本壊滅を目的として暗躍する。「ゲートウェイコントローラー」と呼ばれる装置で並行世界をつなぐ能力を封印されていたが、サノスのクローンを使って装置を破壊し、並行世界のヴィランを集め「究極のヴィラン組織」を結成する。デッドプールからは、やっていることは「スピンオフにありがちな設定」と言われている。富士山でヴィランたちを集め、駆け付けたアベンジャーズたちと最終決戦を繰り広げる。自分もアベンジャーズたちと戦おうとするが、ハルクの姿を見て及び腰となる。ホワイト・ウィルソンを呼び出してデッドプールと戦わせるものの、ホワイト・ウィルソンが寝返ったため、デッドプールとホワイト・ウィルソンの二人がかりの攻撃で敗北した。日本を滅ぼそうとした動機は、義兄が『鬼滅の刃』にはまってキメハラ(鬼滅の刃ハラスメント)を受けたからで、あまりにしょうもない理由だったため、デッドプールにすら呆れられた。

ホワイト・ウィルソン

ロキが召喚した並行世界「Earth617」のデッドプール。本来のデッドプールが赤い姿であるのに対して、ホワイト・ウィルソンは白い全身タイツを身につけている。基本的に好みも言動も本家デッドプールと同様だが、Earth617では集英社の「少年ジャンプ+」ではなく、小学館の「週刊少年サンデー」とコラボレーションをしていることもあって、『犬夜叉』に登場した必殺技「金剛槍破」を使える。本家デッドプールと同じくふざけた言動が多いが、根っこの部分では大切なものを何一つ守れない自分に嫌気が差しており、本家デッドプールに殺意を向ける。本家デッドプールを追い詰めるが、実はお金が大好きな部分も本家デッドプールと同じで、ロキが報酬で100万ドルを約束していたが、本家デッドプールがそれ以上のお金を持っていることを知り、あっさり寝返った。

オールマイト

日本のNo.1ヒーローである男性。デッドプールとは5年前に「毒々チェーンソー」といっしょに戦ったらしく、連絡先を交換していた。デッドプールがサノスとの戦いでピンチに陥った際に仲間に連絡を取ったが、連絡先を間違えてオールマイトに連絡してしまい、応援に駆け付ける。『僕のヒーローアカデミア』からの特別出演で、作画は堀越耕平が担当したため、デッドプールは「神コラボ」と感激している。なお、コラボレーションとしてデッドプールとオールマイトの合体攻撃が行われたが、デッドプールが直前にこけて攻撃に失敗したため、オールマイト一人でサノスを倒して去っていった。

集団・組織

サムライスクワッド

アメリカのスーパーヒーローが結集した組織「アベンジャーズ」の公認組織。アベンジャーズと日本のヒーローたちが対ヴィランを目的に結成した組織で、サクラスパイダーとデッドプールが所属している。できたばかりの新しい組織で知名度がないため、社会的な人気があるうえにヒーローの素質がある者として新日ねいろを見いだし、彼女をスカウトした。

デッドプール・バンド

デッドプールのことを愛するメンバーで構成されたバンド。本作『デッドプール:SAMURAI』の第1話の最後のページに広告を貼り付け、メンバーを募集した。本作が「少年ジャンプ+」でのアプリ配信という強みを生かして、第6話で作中にデッドプール・バンドのミュージックビデオにつながるリンクを作成し、漫画と音楽の融合を試みた。なお、のちに発売された紙媒体のコミックスでは、リンクの箇所がQRコードに変更されている。しかし、デッドプール・バンドはメンバーの音楽性の違いと、外患誘致罪で起訴されたメンバーがいたことで、一度も日の目を見ることなく解散。リンク先には解散のお詫びが掲載されるのみとなった。

ヒドラ

世界最大の秘密結社。世界征服をもくろむ典型的な悪の組織で、人間を超人化する薬物を開発していたがロキに乗っ取られ、彼の手先として戦うこととなった。サノスのクローンも製造しており、サノスの復活のきっかけもつくり出している。

クレジット

原作

笠間 三四郎

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