アニメ三銃士

アニメ三銃士

アレクサンドル・デュマ・ペール原作の小説『ダルタニヤン物語』の『三銃士』を原作とし、17世紀のフランスの王宮に渦巻く陰謀を描いた物語。原作との大きな違いは、アラミスが男装の女性であること。さらに、子供向けの作品のため、倫理上問題がある設定(メインキャラの不倫や愛人関係など)が変更されている。

正式名称
アニメ三銃士
ふりがな
あにめさんじゅうし
原作者
制作
スタジオぎゃろっぷ
監督
湯山 邦彦
放送期間
1987年10月9日 〜 1989年2月17日
放送局
NHK総合
話数
52話
ジャンル
その他歴史・時代
関連商品
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概要・あらすじ

ガスコーニュの片田舎から出世を夢見てパリへとやって来た、元貴族のダルタニヤンは、孤児のジャンと美少女コンスタンスと出会う。銃士隊きっての剣の使い手の三銃士たちと決闘の約束をするが、リシュリューと護衛隊に捕らわれそうになり、共に協力して逃れたことから三銃士と友達になる。

アンヌ王妃を陥れようとするリシュリューの企みから、コンスタンスを救い、ダルタニヤン三銃士たちと協力しながら、王宮に渦巻く陰謀に立ち向かっていく。

登場人物・キャラクター

ダルタニヤン

フランス、ガスコーニュ地方出身の元貴族。父の友人トレビルを頼り銃士隊に入るためにパリにやってくる。銃士隊きっての剣の使い手三銃士、アンヌ王妃の次女コンスタンス、ジャンと出会い、リシュリューの企みやフランスに渦巻く陰謀に立ち向かう。 下宿先のボナシュー家の1人娘、コンスタンスに一目惚れ。剣術や馬術に優れ知恵や機転も利き、アンヌ王妃の首飾りを取り戻すなど、最年少ながら三銃士とともに行動。 鉄仮面事件では、三銃士とともに大きな活躍を見せる。国王から象と賞金、及び休暇を賜り郷里へ凱旋する。ルイ14世親政初期に活躍した実在の銃士隊員がモデルとされる。

アトス

銃士隊の1人でリーダー格。銃士隊の隊長トレビルでさえ一目置く存在で、トレビルのみならず、ルイ13世すらに進言することがある知恵者。理知的で、ダルタニヤンやアラミスの行動を、黙って見守っている、どこか父親のような存在。 ポルトス、アラミスと合わせて「三銃士」と呼ばれ、よく行動を共にする。トレビルの辞任でアラミスが隊長を引き受けた際、アラミスに考えがあることを最初に見抜く。 ルイ14世親政初期に活躍した実在の銃士隊員がモデルとされる。原作ではミレディーとは浅からぬ縁があるが、本作では無関係。

アラミス

銃士隊の1人。金色の長髪で細身の美剣士。剣の腕はピカイチで、アトス、ポルトスとともに「三銃士」と呼ばれ、行動を共にすることが多い。恋人フランソワの死の真相を探るため、男装している。 女性であることを知っているのはトレビル隊長のみだったが、風呂に入っているところを覗いたジャンに知られてしまう。鉄仮面事件と恋人の死が関わっていることに気が付き、銃士隊を一時的に裏切り、辞任したトレビルに代わり隊長を拝命。 ミレディーたちの陰謀の全容を探る。ルイ14世親政初期に活躍した実在の銃士隊員がモデルとされる。勿論女性ではありません。

ポルトス

銃士隊の1人。剣の腕はアトス、アラミスにも引けを取らず、三人合わせて「三銃士」と呼ばれ、行動を共にすることが多い。大変な巨漢で怪力の持ち主で、荷馬車を持ち上げたりする。体力が尽きるのが早い。 大食漢ゆえいつも食べることを考えているため、ダルタニヤンによくからかわれる。ルイ14世親政初期に活躍した実在の銃士隊員がモデルとされる。原作では死亡するが、本作では生き残る。

コンスタンス

パリに出て来たばかりのダルタニヤンが一目惚れした少女。パリ一の腕を持つ仕立て屋ボナシュー家の1人娘で、アンヌ王妃の侍女。リシュリューの企みで攫われそうになったところを、ジャンとダルタニヤンに救われる。 ミレディーによって大けがを負わされ、記憶を失う。原作ではボナシューの妻で、ダルタニヤンの不倫相手だが、アニメでは娘になっている。

ジャン

生き別れになった母を捜し、やってきたパリで1人逞しく生きる孤児の少年。パリに出て来たばかりのダルタニヤンと出会い、ひょうんなことから行動を共にする。母の面影に似たコンスタンスが攫われるところを目撃し、ダルタニヤンと共に救い出す。 よく気が付き様々なところでダルタニヤンたちを助ける。貴族や金持ちを嫌い、銃士隊に入ったダルタニヤンとは一時反目するが、ピンチを救うなど根底では慕っている。 入浴中のアラミスをのぞき見し、女性だと知るが誰にも秘密を守っている。

ボナシュー

ダルタニヤンの下宿先で、パリ一番の仕立て屋の主人。コンスタンスの父親。相手の体に触れる事無く採寸ができ、国王の服をも仕立てている。客の女優から預かっていた宝石を鉄仮面に盗まれ破産したり、誘拐されたりと、事件に巻き込まれる頻度が高い。 リシュリューの企みで、コンスタンスに罪があるかのように脅されるが、最後まで抵抗する気概を見せる。

ロシナンテ

『アニメ三銃士』に登場する馬。故郷からともにやってきた、ダルタニヤンの愛馬。見た目はロバのようだが、三銃士や護衛隊の馬に負けない健脚を誇る。知恵も働き、敵の気配や危険を察知してダルタニヤンを救ったり、ドアを蹴破りコンスタンスを救い出すなど、大活躍を見せる。 ダルタニヤンとは、言葉は分からなくとも気持ちが通じ合っている。

ルイ13世

フランス、ブルボン王朝の国王。リシュリューに国政を牛耳られ、苦々しく思いつつも、その才能は認めている。アンヌ王妃を愛しく思ってはいるものの、たびたびリシュリューに唆されイギリスのスパイではないかと疑う。 鉄仮面とすり替えられ、シャトレ牢獄に収監され、あわや処刑というところを、ポルトスとダルタニヤン、アラミスに救出される。鉄仮面が双子の弟フィリップと判明し、最終話で和解した。 実在のフランス国王ルイ13世がモデル。

アンヌ王妃

スペイン・ハプスブルク王女で、ルイ13世の王妃。コンスタンスが仕える女性。スペインを警戒するリシュリュー枢機卿から快く思われず、国王との仲を裂こうとする陰謀に巻き込まれる。 バッキンガム公に渡してしまった首飾りを、ダルタニヤンが極秘に取り返してくれたことから、銃士隊への入隊に口添えする。実在のフランス国王ルイ13世の妃アンヌ王妃がモデル。

リシュリュー

フランスの実験を握る総理大臣(宰相にして枢機卿)]。スペイン人のアンヌ王妃を敵視し、手下のミレディーを使い数々の陰謀を企てるが、すべてはフランスのためという忠臣。ミレディーがダルタニヤンを護衛隊に推薦したことから、当初からダルタニヤンの能力には一目置いている。 物語の後半ではミレディーにも裏切られ、横領容疑でシャトレ牢獄に収監される。アトスやロシュフォールと共に脱獄する際には、聖書で戦うなど勇ましい一面もある。 ルイ13世の宰相を務めた実在のリシュリュー枢機卿がモデル。

ミレディー

リシュリューの部下の謎の女性。不思議な笛の音で動物を操り、催眠術を使い、火薬や毒薬も使いこなし、変装も得意。手乗り猿のぺぺを助手のように使い陰謀を遂行する。ダルタニヤンの能力を見抜き、「味方にすれば役に立ち、敵に回せば少々厄介な男」とリシュリューに護衛隊への入隊を推薦した。 ミラボー夫人と名乗り度々王宮へも現れる。バッキンガム暗殺の罪により囚われ、ダルタニヤンによって処刑されるはずが言葉巧みに免れる。 鉄仮面と組んで国王すり替えという陰謀に加担し、リシュリューとも敵対する。原作ではアトスと深い縁があるが、本作では無関係とされている。

ぺぺ

『アニメ三銃士』の登場する猿。ミレディーに飼われている小猿。軍神マルスのような赤い房飾りのついた兜をかぶり、言葉を発することは無いが人語を解し、陰謀の手助けをする。ミレディーが服毒自殺を装った際には、仮死状態から救う解毒剤を飲ませ、湖に遺棄されたミレディーの縄を切って助けるなど、ミレディーに忠実。

コピー

『アニメ三銃士』の登場するオウム。リシュリューからアンヌ王妃に贈られたオウム。聞いた事を覚えて口まねする。ミレディーに操られ、アンヌ王妃とコンスタンスの会話を盗み聞きしては、リシュリューたちに報告していた。 ミレディーの笛を真似たジャンの口笛で呪縛から解き放たれ、アンヌ王妃の危機を救った。ジャンやダルタニヤンに協力し、危機を知らせたり、首飾りのダイヤを取り戻したり、時には伝書鳩のように手紙を運んだり、剣を運んだりと大活躍する。

ロシュフォール

リシュリューの寵臣で、片目に眼帯をした伯爵。剣の腕がたち、三銃士やダルタニヤンと対決する機会は多いが、いつも出し抜かれて失敗。ミレディーと鉄仮面の策略により、リシュリューが横領容疑でシャトレ牢獄に収監された際には、単身で救出に向かうなど、忠誠心が厚く、ベル・イール要塞の攻防戦では、ダルタニヤンたちと和解し、共に先陣を切る。 実在の貴族、ロシュフォールをモデルとしている。

トレビル

銃士隊の隊長。ダルタニヤンの父とは同じガスコーニュの出身の銃士仲間。アラミスの父とも親友で、アラミスが女性であることを知っている唯一の人物。性格は厳格そのもので、銃士見習いになって浮かれるダルタニヤンを厳しくたしなめる。 国王すり替えを見抜けず、偽国王に抗議し隊長職を辞任。三銃士たちの活躍で国王の救出に成功した後、銃士隊隊長に復帰する。実在の銃士隊長、トロワヴィル伯爵ジャン・ド・ペレ(通称トレヴィル)がモデル。

バッキンガム

イングランド王国の宰相。公爵。アンヌ王妃の昔の恋人で、度々お忍びでパリへとやって来るためリシュリューの陰謀に利用され、ダルタニヤンやアラミスの協力で窮地を逃れる。 陰謀の失敗を恨むミレディーにより暗殺される。実在の初代バッキンガム公、ジョージ・ヴィリアーズがモデル。

ジュサック

ロシュフォールの部下で、護衛隊の隊長。ロシュフォールとともに行動することが多く、ダルタニヤンや三銃士たちにいつも散々な目に遭わされる。一度はリシュリューを見限り、陰謀に加担するが、国のためを思い再びリシュリューの元につく。

鉄仮面 (てつかめん)

フランス王室の転覆を狙う正体不明の人物。国王の双子の弟フィリップを誘拐し監禁していた。剣術や馬術、格闘術にたけ、片手で相手を投げ飛ばしたり素手で 馬車や屋敷のドアを叩き割るなど常人離れした怪力を持つ。 資金集めに貴族を襲撃し、金品を強奪していたため、盗賊として三銃士とダルタニヤンたちに追われる。冷徹で計算高いが、味方の失敗には寛容。ベル・イール要塞の爆発に巻き込まれ、生死は不明。

マンソン

パリの商人。鉄仮面と結託し、塩不足となったパリを救う形でボロ儲けした。正体は盗賊一味の一人。背中にコブがあることから「ラクダ」と呼ばれる。ミレディーと共謀し、偽国王(フィリップ)の側近として王宮に入り込む。 アラミスの恋人フランソワを殺害した張本人で、フランソワのペンダントを持っていたことで確信を得たアラミスにより、ベル・イール要塞の攻防の際に討たれる。

フィリップ

鉄仮面のアジトに、仮面を被せられ監禁されていた青年。正体は国王の双子の弟。世継ぎ問題を恐れ辺境の地へ送られていたが、鉄仮面一味に拉致され陰謀に加担させられた。鉄仮面の策略で国王となったが、囚われた鉄仮面が兄である国王だと気が付き動揺。 ミレディーから執拗に処刑命令書へのサインを求められるが拒絶した。陰謀が暴かれてからは潔く従い、国王と和解する。

フランソワ

三銃士の一人アラミスの恋人だった。フィリップの家庭教師だったため、フィリップが襲われた際に、ラクダと呼ばれる盗賊に殺害された。

銃士隊 (じゅうしたい)

『アニメ三銃士』に登場する組織の名称。17世紀のフランスにおける、王室に仕える護衛兵士。主人公ダルタニヤンは銃士隊への入隊を希望し、隊長のトレビルを尋ねる途中で決闘することとなった、アトス、ポルトス、アラミスの3名も所属している。 リシュリューの配下の護衛隊とはいつもいがみ合っている。

三銃士 (さんじゅうし)

『アニメ三銃士』に登場する、銃士隊きっての剣の使い手3名のこと。国王の信頼も厚く、知恵者のアトス、怪力のポルトス、美男子アラミスの3名。パリへ出て来たダルタニヤンと出会い、意気投合し親友となり、時に四銃士となって共に戦う。

リシュリューの護衛隊 (りしゅりゅーのごえいたい)

『アニメ三銃士』に登場する組織の名称。17世紀のフランスにおける、国家警備のための兵士のうち、総理大臣(宰相)を務めるリシュリュー直属の一団。隊長はジュサック。リシュリューの命令で行動し、銃士隊とは犬猿の仲。

その他キーワード

ベル・イール要塞 (べるいーるようさい)

『アニメ三銃士』に登場する、要塞の名称。フランス、ブルターニュ沿岸に存在する島の名前。鉄仮面たちの活動拠点であり、要塞化された島として登場。最終舞台となり、ダルタニヤンとアラミスたちが熾烈な戦いを繰り広げる。 実在するベル=イル=アン=メールがモデル。実際にはルイ14世の時代に要塞化された。

クレジット

原作

アレクサンドル・デュマ・ペール

監督

脚本

田波靖男

作画監督

音楽

田中公平

アニメーション制作

スタジオぎゃろっぷ

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