ドロファイター

ドロファイター

賞金稼ぎレーサーとして米国各地を渡り歩く日系人ノブ・トクガワが、チャンピオンレーサーとなりアメリカンドリームを実現させるまでを描いた作品。スプリント、ドラッグ、オフロード、さらには非合法の大陸横断レースなど、日本ではメジャーとは言い難いが、荒々しくパワフルなアメリカンレースの世界が生き生きと描写されている。

正式名称
ドロファイター
ふりがな
どろふぁいたー
作者
ジャンル
カーレース・ラリー
関連商品
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概要・あらすじ

ノブ・トクガワは、妹と共に北米各地のレースを渡り歩く賞金稼ぎドライバー。シカゴで開催されたスプリントレースで、全米レース界の英雄ビッグマンことエンリコ・マンシーニの知己を得、彼と同じくドロファイターとしてのし上がっていくことを決意する。さまざまなレースでの出会いを経ながら、ついにストックカーの名門チームに参加する機会を得たノブは、ドロファイターとしての全てを賭けて、インディ特別記念レースに挑むのだった。

登場人物・キャラクター

ノブ・トクガワ (のぶとくがわ)

1960年生まれの日系アメリカ人で、北米各地のレースを渡り歩く賞金稼ぎドライバー。2mを超える身長と桁外れの怪力を誇り、野獣のような勝負勘を持つ。レースにおいては、決してパワー一辺倒の男ではなく、心理面を含む駆け引きも十分こなせるものの、激高すると勝敗さえ度外視した行動に出ることも少なくない。 両親共にすでに鬼籍に入っており、唯一の家族である妹サキと共に旅を続けている。

サキ・トクガワ (さきとくがわ)

ノブの妹で、兄と共に北米各地を巡っている。まだ初潮前のローティーンで、歳相応の幼さを残しつつも、経済感覚に優れ、非常にしたたかでもある。ノブとは異父兄妹だが、サキ自身もそれを承知しており、兄妹仲は良好である。

エンリコ・マンシーニ (えんりこまんしーに)

テキサス州出身のベテランレーサー。草レースのドライバーから腕一本でのし上がり、数々のビッグレースで勝利を収めたレース界の英雄であり、ビッグマンの愛称で親しまれている。シカゴ郊外で行われたスプリントレースで出会ったノブに、自分と同じものを感じ、ドロファイターの言葉を贈った。

マリア・シュナイダー (まりあしゅないだー)

オクラホマ州タルサ市を中心に、数々の企業を経営する女傑。ドラッグレースに参加するため、彼女からレースカーを借りたノブは、その車を大破させてしまい、彼女に多額の借金を負うハメになった。経営者としては冷徹だが、実のところかなりの人情家で、早世した娘の面影をサキに重ねていたこともあって、ノブとサキを非常に気に入っていた。

ガウス・オットー (がうすおっとー)

ハングリー精神に溢れる黒人レーサーで、ビッグマンのライバルとして知られる名レーサー、フレデリック・オールドマンの薫陶を受けたドロファイター。オクラホマ州タルサ市のドラッグレースで、ノブと出会い、数度にわたって火花を散らすことになる。

アニー・ボーマン (あにーぼーまん)

「ブラックローズ」の異名を持つ女性レーサーで、ルイジアナ州オフロードレースのトップドライバーのひとり。普段は長距離トラックのドライバーとして働いている。偶然知り合ったノブに惹かれるようになり、互いに恋仲となった。

ジロー・オグラ (じろーおぐら)

かつては日本で新進気鋭のレーサーとして活躍していたが、知人に陥れられ、全てを失ってアメリカに流れてきた男。ドラッグの売人として糊口をしのぎながらアメリカレース界で成り上がることを目論む。デンバーで開催されたオフロードレースでノブと出会い、激しいデッドヒートを繰り広げた。そのドライビングテクニックは緻密かつ大胆で、走行中の接触で相手マシンのバッテリーを破壊するという技を使いこなす。

サミー・ランプリング (さみーらんぷりんぐ)

カルフォルニア大学工学部で助教授を務める人物。冴えない風貌の男性だが、メカに対する愛情と、整備&改造の腕は確かで、自らが手を加えた長距離レース仕様のRX-7で、非合法の55レースに出場しようとしていた。偶然出会ったノブがプロレーサーであることを知り、RX-7のドライバーとなることを依頼する。

ロッド・ロンバルディ (ろっどろんばるでぃ)

カルフォルニアハイウェイパトロールにその人ありと知られる怪物警官。ブルドックのような風貌とノブさえ上回る巨体、姑息な犯罪者の車には躊躇無くショットガンをぶち込む凶暴性から、多くの者に恐れられている。非合法の55レース参加者全員の逮捕を狙うが、ノブたちによって多くの者を州外に取り逃がしたため、一個人としてノブを追い始める。 後にマリアの従兄弟であることが判明した。

アーバン

かつてはビッグマンを援助していたこともある企業家で、非合法の55レースのスポンサー。しかし、55レースと前後して、経営する企業が倒産し、レース優勝者のノブを支援することが不可能となる。その代償として、リチャード・ペティ率いるストックカーレースチームへの紹介状をノブに与えた。

マーフィ

共和党所属の上院議員で、「大統領に最も近い男」と呼ばれる有力者。サキの実父であり、現在の妻とは別の女性に産ませた子供の存在が公になることを恐れ、サキを手元に置こうとする。

リチャード・ペティ (りちゃーどぺてぃ)

ストックカーレースの世界に君臨するトップレーサー。アーバンから紹介されたノブの可能性を認め、自分のチームが封印していた超パワーのモンスターマシン、ビュイック・エクストラを与える。しかし、その裏にはノブが巻き起こすであろうレースの混乱を、自身の勝利のために利用しようというしたたかな計算があった。

イベント・出来事

55レース (だぶるにっける)

『ドロファイター』の作中で開催された非合法レース。米国ハイウェイの制限速度である時速55マイルに抗議する意味を込めて行われるレースで、5セントのニッケル硬貨にちなんで「ダブルニッケル」と呼ばれる。サンフランシスコからニューヨークまでを駆け抜ける大陸横断レースで、エンジンの付いた自動車であれば、どんなものでも参加が可能。 ただし、全米が注目する非合法レースであるため、参加者には各州の警察に逮捕される危険がつきまとう。

その他キーワード

ドロファイター

『ドロファイター』の主人公ノブが、モータースポーツ界の英雄ビッグマンから教えられた言葉。ビッグマンによれば、「金も学もなく、タフな肉体と不屈のガッツだけを武器に、ドロだらけになりながらはい上がってくる賞金稼ぎレーサー」のことを「ドロンコファイター、略してドロファイターと呼ぶ」とのこと。ノブは、偉大なビッグマンから自分の目を「ドロファイターの目だ」と評されたことで、一層の奮起を見せる。

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