炎人

炎人

奇跡の精神科医・早乙女煌が、心に傷を抱える人の心の深層に触れ、その傷を癒していくヒーリングストーリー。

正式名称
炎人
ふりがな
かじん
作者
ジャンル
家族
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

深夜クラブのオーナーで、裏ではよろず屋も営む男・陣内虎之介は、ある日、街で早乙女煌という若い女と出会う。空腹で倒れそうなに食事を世話してやった虎之介は、食事のお礼をしたいというに対し、娘のアリサの遊び相手になってくれという。かつてアリサは、母親が目の前で殺されるという事件に遭い、そのショックで言葉も感情も持たない人形のような状態になっていた。

そこでアリサの心の中にダイブし、言葉と感情を取り戻すことに成功する。実はこそ、「悪夢喰らいの貘」の異名を持つ、奇跡の精神科医だった。

登場人物・キャラクター

早乙女 煌 (さおとめ きら)

「悪夢喰らいの貘」の異名を持つ、モグリ(無免許)だが凄腕の精神科医。「記憶解師(きおくげし)」とも呼ばれる。「人の心の中に潜水(ダイブ)する能力」の持ち主で、人の心の中にいる悪夢を炎で焼き尽くすことができる。8歳の頃、父親が目の前で惨殺され、そのショックで能力に目覚めた。普段はフリーター生活をしているが、すぐクビになってしまうので、常に金欠かつ空腹にあえいでいる。 子どもにもからかわれるほどの貧乳。ヘビースモーカー。

仲丸 救 (なかまる たすく)

漫画家。煌の幼馴染みで、煌が住むアパートの大家の孫。煌に家賃の催促をするのが日課となっている。幼い頃から煌にベタ惚れで、何度も煌に告白してはあえなく振られているが、あきらめずに煌を想い続けている。当初は煌がモグリの精神科医であることは知らなかった。 幼い頃、自閉症児だった友達・小西舞が事故死したことに責任を感じており、そのこともあって、今は自閉症児の遊に入れ込んでいる。

早乙女 蘭 (さおとめ らん)

煌の姉。売れっ子のAV女優。煌と同じアパートに住み生活費を出している。煌と一緒にAVに姉妹出演するのが夢。胸にちょっとだけシリコンを入れており、煌からは「偽パイ女」と呼ばれることもある。煌のことを陰ながら見守っており、煌が夢魔に襲われた際には、気丈な態度で夢魔に対抗した。

陣内 虎之介 (じんない とらのすけ)

深夜クラブ「雷電」のオーナーで、裏では揉め事の解決などなんでもこなす「よろず屋」を営んでいる。一人娘のアリサが、母親を目の前で殺されたショックから人形のようになっていることを気に病んでおり、煌が「悪夢喰らいの貘」であると知ると、アリサのカウンセリングを依頼する。かつて八尋里見を街で拾い、自宅に料理担当として住まわせている。 肺を患っており、余命はあとわずか。

八尋 那智 (やひろ なち)

ジャパニーズ・マフィア「青龍会」の頭。八尋里見の実兄。荒んだ家庭に育ち、様々な悪事に手を染めていた。14歳で家出した後、ホストを経て青龍会に入ると、のし上がって今の地位に付く。弟の里見を陰から見守っており、里見に手を出した男は人知れず制裁を加えている。煌とは友人の関係。

八尋 里見 (やひろ さとみ)

那智の実弟。虎之介の家で料理を担当しながら、アリサの面倒も見ている。理想の父親を求めて男を渡り歩いている時に虎之介と出会った。拒食症を患っており、煌たちの努力で一時期は治ったかに見えたが、実は完治はしていなかった。肉体は男性でも染色体は女性のXX型という特異体質で、ホルモンを投与しなければいずれ女性化してしまう。 虎之介の下で働くブンと相思相愛だが、生い立ちと体質のゆえに、自分はブンにふさわしくないのでは、と悩んでいる。

蜂屋 エイキチ (はちや えいきち)

通称「ブン」。虎之介の舎弟で、後に深夜クラブ「雷電」のオーナーを任される。かつてはギャング団・レッドドラゴンフライのボスだったが、虎之介に完膚無きまでに叩きのめされ、以降は虎之介の右腕として働く。かつて母親に殺されそうになった過去があり、PTSDを発症するも完治している。 里見とは相思相愛の仲。

陣内 アリサ (じんない ありさ)

虎之介の実娘。3歳。母を目の前で通り魔に殺されたことが原因でPTSDを発症。人形のように無感情となり、外に連れ出そうとすると発作を起こす。煌の治療によってトラウマから解放され、回復の一途をたどっている。里見のことを「やったん」と呼ぶ。ウサギが好きで、「ジョン×ジョン」という名のロップイヤーを飼っている。

仲丸 寿 (なかまる ことぶき)

救の実妹。医者を目指している秀才で、母親が不在の仲丸家の家事もこなす。実父から連日、性的虐待を受けているうちに、解離性同一性障害に陥り、もう一つの人格「かぐや」が生まれてしまう。夜な夜な「かぐや」が街で暴力行為を働くことで精神の均衡を保ってきたが、煌によって救われる。

(ゆう)

迷子の自閉症児。名前や身元がわかるような物を何一つ持たない状態で彷徨っていたのを、救が保護。家族からの捜索願も出されていなかったため、救が面倒を見ることになった。障害の程度は重く、他人とのコミュニケーションも取れないほど。救にもらったクレヨンで家に落書きをするのが好き。実はサヴァン症候群により、美術の分野で非常に優れた才能を持っている。

多門 (たもん)

クラブ「雷電」の用心棒。一卵性双生児の兄。左耳にピアスをしている。母が中国人で父が日本人のハーフ。虎之介やブンとは家族同然の間柄である。冷静沈着で頭も切れ、気配りにも長けている。里見がブンに対してぎくしゃくしている時も、その異変をいち早く見抜いていた。

嘉門 (かもん)

クラブ「雷電」の用心棒。一卵性双生児の弟。右耳にピアスをしている。多門に比べてガキっぽく、けんかっ早い性格のため、女の子をことごとく多門に取られている。粉物が好き。スキンヘッドにバンダナというスタイルをしており、外見上は多門とほとんど見分けがつかない。

ノボル

煌の友人で情報屋。凄腕のハッカーで、個人データから病院の診療履歴、学校の裏サイトなど、あらゆるデータをハッキングして情報を得る。さらに街のホームレスともつながりがあるなど、情報収集能力はネット上に限らない。三次元には興味がなく、二次元キャラを偏愛している。

アゲハ

かつてチンピラに絡まれた時にブンに助けられ、以来クラブ「雷電」によく顔を出すようになる。他人の恋人を略奪するのが好きで、そのためには手段を選ばない。また、妻子ある男だった場合は、家庭が崩壊するまでまとわりつく。子どもの頃、母親が自分を捨てて男と心中してしまったという過去を持つ。

その他キーワード

潜水 (だいぶ)

『炎人』に登場する治療法。患者の精神世界に潜入し、悪夢やトラウマの原因となっているものを見つけ出して排除する。ダイブしていられる時間は数分程度と長くない。また、煌と一緒であれば、ダイブ能力のない人間でも、精神世界に入り込むことができる。

SHARE
EC
Amazon
logo