ハイパーミディ中島ハルコ

ハイパーミディ中島ハルコ

林真理子の小説『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』のコミカライズ作品。38歳独身のしがないフードライター・菊池いづみは、取材先のパリで型破りでパワフルな52歳の女社長・中島ハルコと知り合う。帰国後に偶然再会して二人の交流が始まり、いづみはいつも自信に満ちあふれるハルコに惹かれていく。そんなハイパーミディおばさんが、人間関係に悩む人々の人生相談を受けて彼女ならではのアドバイスで解決していく痛快コメディ。「ココハナ」2018年8月号から2021年6月号にかけて掲載された作品。2021年4月に原作小説版がTVドラマ化。

正式名称
ハイパーミディ中島ハルコ
ふりがな
はいぱーみでぃなかじまはるこ
原作者
林 真理子
作画
ジャンル
その他ギャグ・コメディ
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

菊池いづみの相談ごと

自腹でパリに取材に来ていたフードライターの菊池いづみは、ホテルで傍若無人に振る舞う中年女性・中島ハルコと知り合い、朝食をいっしょに取ることになる。会社を経営しているというハコは、自分の自慢話を延々としゃべり続けるが、嫌な感じはまったくせず、もはや爽快ですらあり、いづみは思わず笑ってしまうほどだった。パワフルなハコに圧倒されたいづみは、不倫相手に300万円を貸したことをついハコに打ち明けてしまう。そんないづみにハコは、その男はその300万円をほかの女に使っていると言い放ち、帰国したら男に請求書を送るようにアドバイスを送る。その助言に従ったいづみは、無事に男から借金を取り戻し、不倫男との関係も清算して心のモヤモヤも晴れる。その後、名古屋駅のホームで偶然ハルコと再会したいづみは、新幹線の車内でハルコの生い立ちを聞く。そして、仕事にも恋愛にも中途半端だから結婚できないと、痛烈なダメ出しを食らったいづみだったが、ハルコは人の悩みをばっさりと断ち切り、生きる元気を与えてくれる存在だと気づき、二人の不思議な付き合いが始まるのだった。

いづみと雄介

菊池いづみは、とある食事の席でトミー・ヤマダと出会う。彼は「口福御礼」というフリーの小冊子で「食って悪いか」というコラムを執筆しており、いづみはそのコラムの大ファンであった。いづみは、そのペンネームからてっきり二世かハーフかと思っていたが、実際は純日本人で小太りな大男で、本名は「熊咲雄介」。そして雄介は熊咲産業という大企業の御曹司でもあった。40歳でバツイチの雄介が結婚相手を探していることを知ったいづみは、名古屋財界に顔の広い中島ハルコならきっといい女性を見つけてくれると、二人を引き合わせる。ハルコは、いづみが玉の輿になればいいと提案するが、ハルコは太った男性が大嫌いだった。雄介の父親とも顔見知りのハルコは、雄介が本妻の子ではないことも薄々知っており、雄介が太ったのも食べ歩きのせいではなく、雄介自身の心の問題であると鋭く見抜く。雄介がキレイな顔立ちをしていることから、瘦せればいい男になると踏んだハルコは、その場に居合わせたいづみに、雄介を食事療法で瘦せさせながら交際すればいいと提案。こうして、いづみと雄介はハルコのアドバイスのもとお付き合いを始めることになるのだった。

関連作品

小説

本作『ハイパーミディ中島ハルコ』は、林真理子の小説『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』を原作としている。原作小説版は文春文庫より刊行されている。

TVドラマ

2021年4月から、本作『ハイパーミディ中島ハルコ』の原作小説『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』のTVドラマ『最高のオバハン 中島ハルコ』が、フジテレビ系列で放送された。監督は大谷健太郎、金子与志一、渋谷未来、脚本は西荻弓絵が務めている。キャストは、菊池いづみを松本まりか、中島ハルコを大地真央が演じている。

登場人物・キャラクター

菊池 いづみ (きくち いづみ)

フリーのフードライターをしている独身女性。レストランを取材して記事を書くのを生業としている。年齢は38歳。雑誌に6つの連載を持つほどの売れっ子ながら、原稿料は安く、本を出しても大して売れていない。ここ10年ほどは既婚男性との不倫を続けていたが、現在は付き合っている男性はおらず、焦りと不安を抱いている。ひょんなことからパリで知り合った中島ハルコのパワフルな生きざまに圧倒されつつも魅力を感じている。

中島 ハルコ (なかじま はるこ)

「ビュー・コンシュルジュ」というIT関連の会社で、代表取締役を務める女性。年齢は52歳。自立した美人社長ながら、歯に衣着せぬ性格で、言いたいことを無遠慮に言い放つ。父親は名古屋で寒天や蜜をお菓子屋に卸す会社を経営していた。中高短大一貫の名古屋では有名なお嬢様学校に通い、学生時代から人気者だった。しかし、父親が他界して会社も買収されると、女も手に職を持つべきという考えに至り、美容師となった。26歳でお見合い結婚後、エステサロンの経営を始める。しかし、家庭よりも仕事に生きがいを見いだしたことで離婚、その後再婚するが夫の浮気が原因で再び離婚した。現在はバツ2の独身ながら、恋人は多数いる様子。7年前から美容関係の情報サイトを立ち上げ、セレブが通う有名サロンやエステを予約できるシステムで人気を博し、急成長した話題の美人社長として雑誌に取り上げられるほどのやり手。広い人脈を持ち、有名企業の経営者たちからも人気が高い。

三島 昭宏 (みしま あきひろ)

名古屋でういろうを販売している「紫風堂」を経営している中年男性。老舗の四代目で、セレブ界に数多くいる中島ハルコのファンの一人。ハルコとは大学時代からの知り合いで、今もハルコからは「あっちゃん」と呼ばれている。息子の三島隆行が、会社を継がずにギタリストになると言い出したことで困惑しており、ハルコに相談に乗ってもらっている。

三島 隆行 (みしま たかゆき)

名古屋のういろう会社「紫風堂」を経営している三島昭宏の息子。中学時代は登校拒否気味だったが、高校では友達もでき、名古屋大学へと進学した。しかし、四代続く父親の会社を継がないと宣言して大学を中退、ギタリストになる夢を抱いている。昭宏から相談を受けた中島ハルコは、音痴の昭宏の息子がロックの才能なんてあるわけないと断言していたが、三島隆行本人に会ってみるとそのあまりのイケメンっぷりに発言を撤回し、これほどの男前なら音楽の才能がなくても食いっぱぐれることはないと判断し、夢を追いかけるように進言した。

大貫 (おおぬき)

海外の投資会社を経営している中年男性。事業に大成功して億万長者となり、現在の個人資産は200億円にものぼる。5億円は下らない六本木の高級マンションに住んでいる。証券会社に勤めていた頃から中島ハルコとは知り合いで、今もハルコには頭が上がらない。

吉岡 久美 (よしおか くみ)

大貫の愛人で、ハーブを輸入する会社を経営する若い美人社長。大貫とは8年前のワイン会で知り合って不倫関係となったが、妻と離婚しない大貫に見切りをつけて医者と結婚した。しかし、大貫のことが忘れられずに即離婚している。

高田 真央 (たかだ まお)

料理関連で有名な老舗の出版社「美食出版」に勤める編集者の女性。フードライターの菊池いづみとは仕事仲間。年齢は37歳。なかなか予約の取れない料亭にいづみから誘われ、その席で中島ハルコと出会う。美人ながらいまだ独身で、高田真央自身は東大出身であることが原因ではないかと考えている。

大江 怜奈 (おおえ れな)

菊池いづみの大学時代の同級生で、バツイチの女性。年齢は38歳。美人ではないが、垂れ気味の目と小さな唇が不思議な魅力を醸し出しているため、大学時代は男子学生から非常に人気があった。卒業後に就職した旅行会社で知り合った男性と結婚するものの、3年も経たないうちに離婚している。いづみを通して知り合った中島ハルコに、セックスで感動を得られないという悩みを打ち明ける。

加藤 妙子 (かとう たえこ)

中島ハルコのお嬢様学校時代の同級生の女性。短大2年生の時にお見合いをした年の離れた男性と、卒業後に結婚した。お金には不自由しない暮らしをこれまで続けてきたが、定年退職した夫が毎日家にいることに嫌気がさしており、ハルコに悩みを打ち明ける。

熊咲 雄介 (くまさき ゆうすけ)

「口福御礼」というフリーの小冊子で、「食って悪いか」というコラムを執筆している小太りな男性。年齢は40歳。若い時に結婚をしたが、現在はバツイチで子供はいない。熊咲産業という大企業の御曹司で、本名を伏せて、「トミー・ヤマダ」のペンネームで活動している。ワインと食に関する豊富な知識で、菊池いづみも注目していた。結婚相手を探していた際に、中島ハルコの提案でいづみと付き合うことになる。

ユ・ヒョンヒ

韓国で働いているコーディネーターの美人女性。日本好きでソウルの大学では日本語を学び、卒業後の2年間は東京に留学していた。その時に雑誌の編集部でアルバイトをしていた縁で、韓国に帰国後は日本のテレビや出版社が韓国で取材をする際のコーディネーターとして活躍していた。しかし、日韓関係の悪化と出版不況のせいで仕事が激減し、菊池いづみの韓国取材に同行していた中島ハルコに悩みを打ち明ける。ハルコからの提案で「韓流バブルと寝た女」というタイトルのノンフィクションルポを執筆する。

上原 美樹 (うえはら みき)

菊池いづみの飲み仲間の女性。年齢は40歳。ワインが大好きでソムリエの資格も取得している。女子大を卒業後、父親のコネで入社した小さな財団で秘書を務めている。40歳を迎え、貯金を切り崩して結婚相談所に入会し、55歳のバツイチの男性からプロポーズされているが、両親からは反対されて悩んでいる。

三村 妙 (みむら たえ)

料理研究家を生業とする女性。菊池いづみとは仕事での付き合いも長い。料理の腕も確かで、特にチェリーパイは絶品。両親が亡くなって相続問題で兄や姉ともめており、いづみを通じて知り合った中島ハルコに悩みを打ち明ける。

神谷 純子 (かみや じゅんこ)

歌舞伎役者の中村卜之助(なかむらうらのすけ)の妻。卜之助の後援会長をしている製薬会社社長が中島ハルコの小学校から大学までの同級生で、よく観劇にやって来るハルコとは顔なじみ。歌舞伎とは縁もゆかりもない家に生まれ育ったが、幼い頃から日本舞踊とお茶を習っており、23歳の時に踊りの師匠から紹介された縁談で卜之助と結ばれた。夫の浮気で悩んでおり、ハルコに悩みを打ち明ける。

島本 智子 (しまもと ともこ)

中島ハルコがなじみにしているフグ料亭の女将。元総理である神谷太郎の妾の子供。高校生の時に父親が病死し、その後母親も他界した。母親の遺産で10年前に銀座でフグ料亭を始め、客として店にやって来たハルコと知り合った。

クレジット

原作

林 真理子

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