競馬狂走伝ありゃ馬こりゃ馬

競馬狂走伝ありゃ馬こりゃ馬

ちゃらんぽらんで成績も冴えなかった騎手・氷室が、シンケンという名馬に出会い、ともにレースを通じて成長していく姿を描いた競馬ドラマ。原作者は元JRA騎手の田原成貴。

正式名称
競馬狂走伝ありゃ馬こりゃ馬
ふりがな
けいばきょうそうでんありゃまこりゃま
原作者
田原 成貴
漫画
ジャンル
競馬
関連商品
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概要・あらすじ

博打好きで成績もパッとしない三流騎手・氷室翔は、ある日、八百長疑惑に巻き込まれる。まったくの無実ではあったものの、イメージダウンから仕事を干されてしまう。落ち込む氷室に対し、調教師の大山は北海道に行ってある人物に会えという。その人物はかつて八百長疑惑で騎手を辞め、今は牧場を経営している土川だった。

氷室はそこで一頭の若駒と出会う。この馬こそ、後に氷室とのコンビで 3歳クラシック戦線を沸かす名馬・シンケンであった。

登場人物・キャラクター

氷室 翔 (ひむろ しょう)

騎手。デビュー以来10年間重賞未勝利で通算勝利数も100勝以下という三流騎手。性格はちゃらんぽらんで、金にだらしなく、いつも借金に悩まされている。マイラーズCで初重賞勝ちを収め、交際していたアブ美と結婚。子どもも産まれるが、生活態度は相変わらずだった。ある日、八百長疑惑に巻き込まれたことで、仕事を干されてしまう。 旧知の調教師・大山の勧めで北海道のある牧場に行き、そこで元騎手・土川と若駒・シンケンに出会う。土川にしごかれ、眠っていた才能が開花。復帰後に目覚ましい活躍を遂げる。さらに成長したシンケンと再会すると、ともに 3歳クラシック戦線を目指すこととなる。

大山 信 (おおやま まこと)

調教師。氷室の新人時代の先輩だったが、事故により騎手を引退し調教師となる。土川とは長年の親友で、仕事を干され落ち込む氷室に土川のところへ行くことを勧めた。シンケンを管理する調教師でもあり、シンケンと氷室との間の絆を信じ、シンケンの鞍上を氷室に託している。

土川 永造 (つちかわ えいぞう)

土川ファームの牧場主。かつてはリーディングジョッキーで上位を争う名騎手だったが、八百長疑惑に巻き込まれ、騎手引退に追い込まれた。大山の紹介でやってきた氷室を鍛え上げ、さらに高等テクニックや騎手としての心構えを教え込む。

東村 (ひがしむら)

大山厩舎の厩務員。シンケンを担当する。馬の身を第一に考えるベテランで、通称「オヤっさん」。当初は氷室がシンケンに騎乗することを快く思っていなかったが、氷室とシンケンの間の絆を知ると、オーナーと調教師に氷室の騎乗を直訴した。

西影 修平 (にしかげ しゅうへい)

騎手。氷室の先輩格で、氷室からは「アニキ」と慕われている。かつては有望な騎手だったが、恩師の調教師の死によりスランプに陥り、長らくローカル開催でくすぶっていた。シルヴァートレインとの出会いで復活、菊花賞制覇を果たした。 3歳クラシック戦線ではセルピコに騎乗し、氷室とシンケンのコンビの前にライバルとして立ちはだかる。

岡村 幸男 (おかむら ゆきお)

騎手。「世界の岡村」と称される超一流ジョッキー。英語を交えて喋るのが特徴。3歳クラシック戦線ではファイアスターに騎乗し、氷室とシンケンの最大のライバルとなる。勝つためにはあらゆる手段を講じてくる勝負師で、反則ギリギリのラフな騎乗で、直接的のみならず間接的なダメージを与えることにも抜かりない。 また、騎手心理を突く巧みなインサイドワークにも長けている。

竹 豊 (たけ ゆたか)

騎手。天才と呼ばれる若手のホープ。芸能人の妻を持つ。普段は先輩の氷室にからかわれることも多いが、レースではベテランに対しても一歩も退かない騎乗ぶりを見せる。シンケンの強さを肌で感じている騎手の一人。モデルは現ジョッキーの武豊騎手と思われる。

坂田 三夫 (さかた みつお)

騎手。氷室の後輩の新人。額に張り付いている渦巻き状の前髪が特徴。デビュー戦では、氷室にデタラメを吹き込まれた安胴に追いかけられるが、その顔の怖さに必死になり、逆に逃げ切ってしまった。氷室とは仲が良く、氷室が仕事を干された時は心配していた。

安胴 (あんどう)

騎手。パンチパーマに長いもみ上げという、ヤクザのような強面が特徴。氷室と仲が良い。八百長事件が起こった時、氷室の陰口を叩いていた他の騎手をシメるなど、義理人情に厚い性格。

氷室 アブ美 (ひむろ あぶみ)

氷室の妻。元JRA職員。3年間付き合っているのに、一向にだらしない生活がやめられない氷室に対して別れ話を切り出す。しかし、その週の重賞マイラーズCで氷室が1着になると同時にプロポーズするとこれを快諾した。結婚後も氷室の借金や女癖に悩まされはしているものの、夫を支える良き妻となっている。

早川 (はやかわ)

スポーツ紙「サンエイスポーツ」の競馬担当の女性記者。ファイアスターの実力に早くから注目し、熱意のこもった記事を書いている。サンエイスポーツにおける記事捏造を批判する記事を他紙に載せたことにより、サンエイスポーツをクビになるが、のちに競馬紙マガジン・サンの記者として復帰する。

シンケン

『競馬狂走伝ありゃ馬こりゃ馬』に登場する競走馬。大山厩舎所属。血統は二流だが激しい闘志と優れたポテンシャルを持つ。若駒のうちは手のつけられない暴れ馬で、鞍をつけることにも激しく抵抗した。氷室の懸命の馴致(馬を馴らすこと)により、競走馬としての道を歩み出す。

ファイアスター

『競馬狂走伝ありゃ馬こりゃ馬』に登場する競走馬。中田厩舎所属。シンケンと同世代の超良血馬。尾花栗毛の美しい馬体を持つ。デビューから氷室が手綱を執っていたが、氷室がシンケンへの騎乗を選択したため、岡村のお手馬となる。ゴール前で見せる驚異的な瞬発力が武器。

セルピコ

『競馬狂走伝ありゃ馬こりゃ馬』に登場する競走馬。シンケンと同世代。主戦騎手は西影。気性に問題があるが優れたスピードを持ち、逃げ馬として頭角を現す。皐月賞トライアルの弥生賞では、「スタートからの3ハロン」を「ゴールまでの3ハロン」に切り替えるという、西影の頭脳的な騎乗により、逃げから一転した追込スタイルで好走した。

クレジット

原作

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