フリージア

フリージア

舞台は犯罪被害者の遺族の復讐が合法化される「敵討ち法」が施行された世界。敵討ち執行代理人となった人々と、その対象者同士の殺し合いを中心に描いたバイオレンスアクション作品。主人公の叶ヒロシをはじめ、登場人物たちの精神状態がきわめて不安定で、不確かな記憶や妄想が作品の緊張感を高めている。

正式名称
フリージア
ふりがな
ふりーじあ
作者
ジャンル
バトル
 
裏社会・アングラ
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概要・あらすじ

どこかの国との戦争が続き、「敵討ち法」が施行された日本。青年叶ヒロシは、敵討ち執行代理人として働き始めることになる。幻覚や幻聴のためなかば正気を失っている叶だが、殺人者としての適性は高く、次々と仕事をこなしていく。しかし、執行対象者やその警護人を殺していくにつれ、叶の精神は徐々に変調をきたしていく。

登場人物・キャラクター

叶 ヒロシ

黒髪でメガネをかけた青年。痴呆の入った母親と、ケイコの三人で暮らしている。ヒグチの推薦により、「カツミ執行代理人事務所」で敵討ち執行代理人として働くことになる。戦時中は後方支援で物資を運んでいたことになっているが、実際は特殊部隊に所属していた。そのためか、自分に向けられる敵意を察知でき、気配を消し幻影を見せる「擬態」能力を持つ。 幻覚や幻聴により、虚実の境界が不鮮明になっている。

ヒグチ

「カツミ敵討ち執行代理人事務所」に勤める美女。叶ヒロシを敵討ち執行代理人としてスカウトした。冷徹かつつかみどころのない性格で、何故か飲食店の店員への態度が異常に悪い。叶が幻覚で話している女性に酷似しており、彼の過去を知っている。

溝口

「カツミ敵討ち執行代理人事務所」所属の敵討ち執行代理人。叶ヒロシの先輩。弱者を「シマウマ」と呼び、敵討ちを狩りとして楽しんでいる。妻に日常的に暴力を振るい、対象者をいたぶって殺す残酷な人物。叶に異常なものを感じ取り、彼を敵視している。叶と仕事をこなしていくうち、精神の均衡を崩していく。

山田 一郎

「カツミ敵討ち執行代理人事務所」所属の敵討ち執行代理人。叶ヒロシと同期の新人。生真面目な熱血漢で、純粋な正義感から代理人を目指していた。はじめは甘さが残る半人前だったが、仕事をこなすなかで成長し、プロフェッショナルへと変貌していく。凶暴な溝口と、明らかに常軌を逸している叶に危機感を抱いている。

カツミ

「カツミ敵討ち執行代理人事務所」の所長。禿頭の中年。敵討ち法推進派の政治家とコネクションがあり、それが事務所の生命線になっている。

ケイコ

叶ヒロシとともに暮らす女性。平穏な日々を演じるために「恋人」として叶に選ばれた。叶の異常な言動には辟易しているが、愛情は抱いている。

幽霊

月山事務所所属の警護人。通称「幽霊」。誰とも組まず、常に一人で仕事にあたる。業界では実力者として恐れられており、溝口も「命がいくつあっても勝てる相手ではない」と仕事を降りようとした。外見は小柄な老人だが、叶ヒロシと同様、気配を消す「擬態」の能力を持つ。硝煙の匂いを嫌い、武器は大ぶりのナイフを用いる。

岩崎 トシオ

敵討ち対象者。元テロリストの青年。かつて国賊を討つつもりで発砲し、標的を守った別人を殺してしまった。軍に入り出征が決まっていたが、対象者になってしまう。

シバザキ

岩崎トシオの友人。アフロヘアーのような天然パーマにメガネが特徴。バイト先でいじめられていたが、唯一の友人であるトシオが敵討ちの対象者になったことで、警護をかってでる。

寺島 ケンジ

敵討ち対象者。かつて母子をひき殺し、対象者となった。元犯罪者を社会復帰させるためのNPO支援センターから仕事を紹介してもらい食いつないでいる。夜な夜な悪夢に苛まれている。

井手

寺島ケンジの幼馴染みで元暴力団構成員。現在は暴力団とは縁を切り、元受刑者のための更生NPOで働いている。敵討ち対象者となった寺島の警護人を行うことになる。

岩尾 ヒサエ

個人事務所「岩尾警護事務所」の女性警護人。寺島ケンジが対象者となった敵討ち執行案件で、井手と寺島に雇われる。アルコール中毒で、素面の時は手が震えてしまう。「殺し合いがおもしろい」と語る。

田中 慶太

「国防自警団」の代表。政界のサラブレッドと呼ばれ、メディアの寵児であるが、政治家の父や兄たちと軋轢を抱えている。また、死んだ母親に関する重度のトラウマに悩まされており、錯乱して女性を撲殺した過去がある。事件自体はもみ消されたが、反田中派の政治家たちの策略で、刑事告訴すらされていないにも関わらず敵討ち対象者とされてしまう。

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