燃える虹

燃える虹

裕福な両親の元に生まれた主人公ドーナ・マーリンは幸せに育った。父親はライバルの陰謀により失脚、家族は殺され、家も燃やされる。失意の中、復讐に燃える主人公が、たくましく成長していく物語。

正式名称
燃える虹
ふりがな
もえるにじ
作者
ジャンル
復讐
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概要・あらすじ

ドーナ・マーリンは、裕福な家庭で両親に愛され、幸せに暮らしていた。次期ブルー市市長候補を目される父親のジェイムズ・マーリンは、ある日、市長選挙のライバル、ロッキンガムの悪事を告発しようとして、逆に陰謀にはめられ、失脚し殺される。主人公も首を切られるがメイド夫婦に助けられ九死に一生を得る。

死を意識した主人公だったが、ダニエル・パイロットと名を替え、マリーン一家の運命を変えたロッキンガム一家への復讐を誓う。

登場人物・キャラクター

ドーナ・マーリン (どーなまーりん)

裕福な家庭で不自由なく育った少女。市長選挙に出馬する父親のライバル、ロッキンガムの陰謀により、両親を殺され、自身も重傷を負う。屋敷の焼け跡を見て復讐を誓ったドーナは、孤島にあるブランシュ慈善院に送られるが、院内の洞窟に隠れ住むパイロット伯爵に生きる知恵を学び、島を脱出。 パイロット伯爵の養女となり、名をダニエル・パイロットと変える。その後、パイロット伯爵が発明した金脈探知器を使い、次々と金山を発見し、世界各国の社交界を賑わせる女性に成長。7カ国の言葉を理解し、話すことができるようになった。世界に53の金山を持ち「金山の女王」と呼ばれる。自身が刺されたラシュリイの短刀を肌身離さず持っている。 財産を築いた後、帰郷し、マリーン一家を不幸に陥れたロッキンガム一家、ラシュリイ男爵、元メイドのメリーに復讐をとげ、身も心もたくましく成長していく。

ジェイムズ・マーリン (じぇいむずまーりん)

ドーナ・マーリンの父親。次期プルー市市長候補。地元民の信望を集める好紳士。ライバルのロッキンガムの麻薬製造をケシ栽培に関わった親友テオの遺書を見せ告するが、遺書を盗もうとしたロッキンガムの陰謀によりアンヌ夫人とともに命を落とす。

パイロット伯爵 (ぱいろっとはくしゃく)

ブランシュ慈善院内にある洞窟に隠れ住む老人。ドーナ・マーリンの持つ資質に気づき、知恵を授けて助ける。慈善院脱出後、ドーナを養女にし、ダニエル・パイロットと名を変えさせる。ドーナの復讐を手伝う。

ロッキンガム

ジェイムズ・マーリンのライバル。麻薬製造とケシ栽培の証拠となるテオの遺書を奪うため、ラシュリイ男爵とメイドのメリーをそそのかしてマリーン家に押し入り、ジェイムズを殺した。屋敷はメイド夫婦によって放火されたとウソをつき、後にプルー市長となる。プルー市を訪問した伯爵令嬢がドーナ・マーリンだと気づき、彼女を殺そうと画策するが、ドーナを陥れるために開けた水門の罠に自分がはまり、水死する。

フィリップ

ロッキンガムの長男。地元に戻ったダニエル・パイロットが、プルー市に来たのは「花婿を探すため」と話しているのを誤解し、莫大な財産に目がくらみ、妻がいながらダニエルに求婚する。決闘を申し込んできた弟のクリフを脅そうとするが、誤って撃ち殺してしまい、一家で故郷を追われる身となる。

クリフ

フィリップの弟。ダニエル・パイロットの言動から、自分が兄よりも信頼されていると思い込み、ダニエルに言いよるフィリップに、決闘を申し込み、撃たれて死亡。

アンドレ・グリュウ (あんどれぐりゅう)

メイドのメリーの息子。10歳のときにドーナ・マーリンに結婚を申し込み、ペンダントを贈る。プルー市を訪問中のダニエル・パイロットが落としたペンダントから、ドーナだと気づく。母がマリーン一家を裏切ったことを遺書で知り、ずっと苦しんできたドーナの支えとなり、一生を共にすることを誓うが、ドーナの前から姿を消してしまう。

メリー・グリュウ (めりーぐりゅう)

マリーン家のメイド頭で、アンドレの母。マリーン一家の生活を妬んでいる。ロッキンガムにそそのかされ、1万フランでマーリン一家を裏切る。後にプルー市一のホテルとレストラン経営者グリュウと再婚し、裕福な生活を送っている。ダニエル・パイロットの着替えを手伝っているときに、左肩の刀傷を見て、ダニエルがドーナ・マーリンと気付き、罪の意識に苦しんで自殺。

ラシュリイ

酒と博打にうつつを抜かす貧乏貴族。ジェイムス・マーリンに5千万フランの借金がある。ロッキンガムにそそのかされ、5千フランでマリーン家に盗みに入ることを引き受ける。遺書を渡すことを拒んだドーナ・マーリンの母アンヌを殺害する。ダニエルが購入した古城のパーティーに招かれ、城に滞在しているうちにアルコール依存症で幻覚を見るようになり、ダニエルが作ったジェイムスの書斎を模した隠し部屋や自分が殺したジョスに化けたルノーを見て、動揺し、塔の上から身を投げて自殺。

ジョスとマリア

マリーン家に仕えるメイド夫婦。ラシュリイに首を刺され重傷を負ったドーナ・マーリンを助け、自宅に連れ帰る。ロッキンガムが命を狙っていることを知り、妹のローザにドーナを託す。ドーナの旅立ち直後にロッキンガムに殺され、庭に埋められた。ダニエル・パイロットの勘で発掘された人骨から故人の顔が復元され、放火逃亡犯の汚名を晴らすことができた。

ルノー

人買いの首領。ブランシュ院長により、ギロチンにかけられて殺されそうになっていたドーナ・マーリンを助ける。ドーナの味方となっていたパイロット伯爵に昔、仕えていたことがあり、再会を喜ぶとともに、伯爵らと行動を共にするようになる。ジョスのマスクを付けてラシュリイを怖がらせるなど、ドーナの復讐を助ける。

場所

プルー市 (ぷるーし)

マリーン一家が住む街。ドーナ・マーリンの父、ジェイムズ・マーリンは、次期市長と目される人物だったがライバルのロッキンガムの策略により命を落とす。現在は、ロッキンガムが市長を務めている。

ブランシュ慈善院 (ぶらんしゅじぜんいん)

ジョスの妹、ローザが、ドーナを追いやった慈善施設。孤島に建ち、100名以上の孤児が、ブランシュ院長に虐待され暮らしている。外に出る方法はなく、死ぬか病気になる道しかない。院長は、孤児を人買いに売っていた。ドーナはここで7年間暮らすことになる。

その他キーワード

ラシュリイの短刀 (らしゅりいのたんとう)

貧乏貴族ラシュリイが持っていた短刀。ドーナ・マーリンと母のアンヌはこの短刀で刺された。ジョスに拾われ、証拠としてドーナに渡した。ドーナは復讐の象徴として、この短刀を肌身離さず保管するようになった。

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