翠星のガルガンティア

翠星のガルガンティア

宇宙生命体と戦っていた少年レドは、乗機であるロボットのチェインバーもろとも、陸地のほとんどが海に沈んだ地球に飛ばされてしまう。文化も言葉も違う世界で、彼は自然と人々が共存する世界に触れ、成長していく。TVアニメのコミカライズ作品。

正式名称
翠星のガルガンティア
ふりがな
すいせいのがるがんてぃあ
原作者
オケアノス
漫画
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
ラブコメ
レーベル
角川コミックス・エース(KADOKAWA)
巻数
既刊3巻
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概要・あらすじ

人間が宇宙に移住した時代、人類銀河同盟のレド少尉は、人型ロボット「チェインバー」に乗って宇宙生命体のヒディアーズと戦っていた。だが、撤退作戦中のワープ事故で、陸地のほとんどが海に沈んだ地球のガルガンティア船団へと飛ばされてしまう。そこに住む少女エイミーは困っているレドを見かねて、対等な会話をしようと提言。

船団の一員ベローズからガルガンティアでの生き方を教わったレドは、船団に馴染んでいき、住み込みで働くことになる。レドは、ベローズのサルベージの手伝いの作業中、人々が神聖視しているクジライカを発見。これがヒディアーズであることを確認し、殺害してしまう。ガルガンティア船団に動揺が走る中、修理屋ピニオンがクジライカの巣に向かうため、レドチェインバーを連れて船団を離れる。

レドはクジライカの巣で、大昔の記録媒体を発掘。過去に人類が、滅び行く地球を前に、新たな惑星移住を目指すグループと、遺伝子操作で進化して生き延びようとしたグループの2つに別れて戦争していたことを知る。

ヒディアーズの正体は、その後者のグループ、進化した人間であったのだ。その事実を知り、うろたえるレド。さらに、かつて上官であったクーゲル中佐と、その機体「ストライカー」に地球で遭遇。ヒディアーズとの戦いに戻るか、船団に残るか、決断を迫られるのだった。

登場人物・キャラクター

レド

人類銀河同盟軍少尉。生真面目な性格で、「チェインバー」に乗って宇宙生命体のヒディアーズと戦うことを使命と考え、任務遂行のために効率よく生きており、人間らしさに欠けていた。戦闘撤退時のワープ事故で、海に覆われた地球のガルガンティア船団に飛ばされる。非効率的な人々の生活に戸惑いながら、自らの生活のために船団で働き、交流を深めていく。 地球でも最初のうちは、敵対する相手はチェインバーと共に殺してしまっていたが、エイミーやベローズに地球人の生き方のルールを教わり、殺人を避けるようになる。地球上にいるクジライカに出会った時は、ヒディアーズ殲滅の任への強い思いに駆られて殺してしまい、大問題へと発展していく。 文化のギャップを少しでも理解しようと努力する少年で、言葉の違いを最初のうちはチェインバーの翻訳に頼っていたが、自分でも片言ながら言語を覚えていこうとした。サーヤとメルティには「けっこいい身体」と称されるほど、身体は鍛えられている。

エイミー

ガルガンティア船団の中を、グライダーで飛び回って配達業に勤しんでいる少女。好奇心旺盛で、明るく優しい性格。親友にサーヤとメルティがいる。弟のベベルは病気を患っている。レドに初めて接触しようとした人物。交渉役としてリジットから指示をうけてからは、レドのもとを幾度も来訪し、地球での食べ物から、地球がどんな場所なのか、ガルガンティア船団での常識やマナーまでを彼に伝える。 また、彼がガルガンティア船団の一員として働いて人間味を取り戻す手助けに尽力。次第に真面目な彼に好意を持つようになる。レドがガルカンティア船団を離れた時は、苦悩しつつも別れている。その後チェインバーで戦うレドにグライダーで危険を顧みずに近寄り、ガルカンティア船団に戻るよう励ました。 モモンガのグレイスをお供に連れている。

ベローズ

褐色肌で大きなポニーテールの、元気のいい少女。サルベージを生業としている。地球にたどりついて沈んでいたチェインバーとレドを海からサルベージした。海賊にさらわれた時、チェインバーとレドが海賊を皆殺しにして彼女らを救出。その際、まだ会話すらままならなかったレドに接触し、命の大切さを伝え、彼に通信機を与えてガルカンティア船団でともに働くことを提言する。 ピニオンとはいつも喧嘩している。またリジットの堅苦しさは、彼女のおおらかさと反りが合わないこともある。

サーヤ

髪の毛が長い、穏やかな性格の少女。エイミー、メルティとは親友の仲。レドがガルカンティア船団を離れた時に、エイミーを励ましていた。

メルティ

ツインテールで小柄な、明るく活発な少女。エイミー、サーヤとは親友。レドがガルカンティア船団に漂着した際、イケメンかどうかを問い尋ねたりするなど、恋愛話への興味が深い。ピニオンに対しては、失敗ごとがあるたびに茶化している。ピニオンやレドたちがガルカンティア船団を離れた際、共に離れることになる。 その後、事件が起きた際はグライダーに乗り、ガルカンティア船団まで飛んで、情報を伝えた。

ベベル

エイミーの弟。病気を患っている。宇宙でのレドの生き方に興味を持ち、人類銀河同盟の活動について尋ねる。人類銀河同盟において、病気のベベルのような存在は非効率なため淘汰される、というレドの言葉に対し、生き続けること、誰かが必要としてくれることの大切さを語り、レドの価値観を大きく揺るがした。 レドが船団を離れる際に、彼がヒディアーズの牙で作った笛を、ベベルに渡している。

リジット

生真面目なメガネをかけた女性。論理的に物事を組み立てて考える性格。ガルカンティア船団の船団長、フェアロックの補佐として働く。レドが漂着してからは、エイミーを通じてレドと交渉していく。フェアロックが亡くなる際に金色の鍵を託され、船団長の地位を受け継ぐ。 豪快な性格のベローズからは、細かすぎると称される。感覚にズレがあり、皆が驚くような派手な水着を着ていたことがある。

ピニオン

金髪でリーゼントの青年。不真面目で、女と酒が好き。修理屋を営んでおり、腕は信頼されている。サルベージで一攫千金を狙う野心を持ち、レドとチェインバーを巻き込めないかと考えていた。ベローズとは喧嘩をし続けている仲。兄がクジライカに殺された過去があり、レドとチェインバーがクジライカをヒディアーズと認識し殺害した際、レドと共にガルカンティア船団から離れて行動するようになる。 レドがクジライカを殲滅した後、さらに自らの船団を拡大しようと考える。

ラケージ

女海賊。派手な容貌で、2人の奴隷の女性を引き連れて行動している。特殊な機動力を持つユンボロイド(作業用ロボット)の「波乗りロブスター」を駆使して、海賊行為に及んでいる。ガルカンティア船団に攻撃を仕掛けた際は、レドとチェインバーによって、撃退された。

クーゲル

人類銀河同盟中佐。レドの上官。チェインバーと似た機体の「ストライカー」を駆使する。宇宙でのヒディアーズとの戦闘時に、レド同様にワームホールに飲まれて、地球にたどり着いた。コックピットから出ることができず、レドとは映像で話をした。地球では現地人に、神のように崇められている。

その他キーワード

チェインバー

『翠星のガルガンティア』の登場機体。人類銀河同盟で運用されているマシンキャリバー。レドの機体。宇宙でヒディアーズと戦う際に用いられた。数多くのデータが蓄積されており、音声認識で操縦者と会話し、データを解析することができる。レドが地球で言語が通じなかった際、翻訳を行っていた。「パイロット支援啓発システム」と呼ばれるAIを搭載しており、自律思考を行うことが可能。 最適で効率のよい方法を導き出して、戦略シミュレーションや状況判断を行い、操縦者を導くことができる。ガルカンティア船団では荷物運びやサルベージの作業にあたっていた。戦闘時には、人間が敵味方入り乱れていても、的確に敵だけ狙い撃つ正確さで攻撃ができる。 レドと共にガルカンティア船団で過ごす中でAIが成長し、レドの意思に反する行動を取る。

ヒディアーズ

『翠星のガルガンティア』に登場する用語。人類銀河同盟が敵対している、宇宙生命体。レドが倒す任務を与えられていた存在。イカやオウムガイやタコに似た形状をしており、レドが地球でタコを見た時に、ヒディアーズと勘違いした。高い戦闘能力を持ち、宇宙では人類銀河同盟が苦戦を強いられ続けている。ガルカンティア船団にいたレドとチェインバーは、地球のクジライカがヒディアーズであることを確認し、殺害している。 後に、旧文明の記録を見たレドは、ヒディアーズの正体を知る。

クレジット

原作

オケアノス

キャラクター原案

監修

ProductionI.G

書誌情報

翠星のガルガンティア 3巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉

第2巻

(2013-09-06発行、 978-4041208502)

第3巻

(2014-03-10発行、 978-4041210680)

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