ボクとキセキと宝石と

ボクとキセキと宝石と

得体の知れないラッキーアイテムの呪いによって、不幸を一身に背負う事になってしまった少年が、宝石の化身の守護を得て、呪いの真相へと迫っていくファンタジックかつオカルティックなBL作品。ASUKAで2014年8月号から2016年4月号まで不定期に掲載された。

正式名称
ボクとキセキと宝石と
ふりがな
ぼくときせきとほうせきと
原作者
実弥島 巧
作者
ジャンル
BL
関連商品
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あらすじ

第1巻

平凡な高校生活を送っていた水科晶は、ダメなアニキである水科英が買って来た幸運を呼ぶアクセサリー、エジプシャンマンダラの連帯保証人にされたせいで、最凶の不幸を背負う体質になってしまう。怪しいスピリチュアルショップ「シェンミィ」へエジプシャンマンダラを返品しに行った晶だったが、店主のシュウ・ミンはそういう契約だとして一切聞く耳を持たず、逆に呪いを弱めるというブレスレットのタリスマンを5000万円で半ば強制的に購入させられてしまう。借金を返済するためシュウの店でアルバイトを始める事になった晶は、ラズワルドという宝石の精霊と行動を共にするようになる。仕事をする中でラズワルドの信頼を勝ち取った晶は、ラズワルドと主従関係を結び、彼から守護される立場となる。もう一人の宝石の精霊であるカルネとも契約を果たした晶だったが、呪いを解くには宝石達に愛される必要があると知り、どうすればいいかを思い悩む。

第2巻

宝石に愛される事で、自身にかけられた呪いが解ける事を知った水科晶は、ラズワルドやカルネと交流を深め、彼らの愛情を一身に受けていく。しかし、兄である水科英エジプシャンマンダラの効果で幸運に恵まれるたびに、晶は凄まじいまでの不幸に見舞われてしまう。その過程で意識を失った晶は、夢の中で自分を責める少女の姿を見る。病院のベッドで目覚めた晶は、兄のクラスメイトであり、初恋の人である「そーちゃん」と再会。しかし晶が美少女と思っていた「そーちゃん」が、実は浜梨颯一郎という男性であり、シュウ・ミン達の仲間である事を知ってしまう。呪いの刻印が全身に出始めた晶は、自分が宝石の国の女王であるフォルトゥナに恨まれている事を知らされる。しかも、晶を守るために無理をしていたラズワルド具現化が解けてしまい、一介の宝石へと戻ってしまうのだった。ラズワルドを救うため、フォルトゥナのもとに出向いた晶は、陰で晶を呪っていた颯一郎の弟の浜梨咲太を捕らえ、姿を現したフォルトゥナの説得を試みる。会話の中ですべてを思い出した晶は、フォルトゥナにこれまでの不義理を謝罪し、ラズワルドを蘇らせる事に成功するのだった。

登場人物・キャラクター

水科 晶 (みずしな あきら)

可愛らしい顔立ちをした男子高校生。素直で優しい性格をしている。兄の水科英が幸運をもたらすラッキーアイテムのエジプシャンマンダラを購入した際、勝手に連帯保証人にされてしまい、そのせいでエジプシャンマンダラの呪いを受け、最凶の不幸を一身に背負う体質になった。英に代わってエジプシャンマンダラをスピリチュアルショップ「神秘宝石商会 シェンミィ」の店主であるシュウ・ミンに返品しようとするが、拒絶され、それどころか呪いを緩和するブレスレットのタリスマンを5000万円で買わされてしまう。それ以降は、借金を返すためにシュウの店で働く事になる。仕事を進める中で宝石の精霊であるラズワルドとカルネの二人と主従関係を結び、気を与える代わりに宝石から「愛してもらう」事で水科晶自身の呪いを解こうとしていた。英のクラスメイトである「そーちゃん」という美少女に恋をしていたが、のちにそーちゃんが浜梨颯一郎という男性であると知ってショックを受けてしまう。宝石の国の女王であるフォルトゥナとは、8年前に結婚の約束をしたが、晶はすっかり忘れている。そのため、フォルトゥナの強い怒りを買っており、命を狙われていた。

ラズワルド

宝石のラピスラズリが具現化し、人の姿をしている宝石の精霊。性別は男性。無口かつ無表情な美形で、やや不器用な性格をしている。シュウ・ミンのもとで働いており、のちにエジプシャンマンダラの呪いを受けた水科晶の命を守るため、晶といっしょに行動する事になった。同じ精霊仲間のカルネからは「ラズ」という愛称で呼ばれている。また、ラピスラズリが絵の具の材料である事から、「絵の具」というあだ名でも呼ばれていた。宝石の国と呼ばれる、地下にある国家の出身で、宝石の女王に仕える騎士の一人。女王絶対主義を掲げる「白の親衛隊」に所属していた。先代の女王を心より崇拝していたが、現・女王のフォルトゥナが地上世界で晶と出会って結婚を約束した事で、先代の女王が譲位する事になってしまったため、晶の事を強く恨んでいる。しかし、シュウの命で晶の護衛をしていた際に、彼の心の優しさに触れて態度が軟化。そのあとは晶と契約を果たし、マスターの晶を守護するようになる。

カルネ

宝石のカーネリアンが具現化し、人の姿をしている宝石の精霊。性別は男性。端正な顔立ちをした美形で、高い治癒能力を持っている。ノリが軽く、いつも気取った態度をしているが、他人には本音を容易に見せない食えないタイプ。シュウ・ミンのもとで働いており、のちにエジプシャンマンダラの呪いを受けた水科晶の命を守るため、護衛をする事になった。宝石の国と呼ばれる、地下にある国家の出身で、宝石の女王に仕える騎士の一人。「黒の親衛隊」に所属しており、女王絶対主義を掲げる「白の騎士団」のラズワルドとは相性が悪い。シュウの命で晶の護衛をしていた際に失態を犯し、彼の命を危険にさらしてしまっため、そのお詫びとして晶と契約を果たし、命を賭けて守護するようになる。

シュウ・ミン

眼鏡をかけた長髪の美形な男性。宝石などを販売しているスピリチュアルショップ「神秘宝石商会 シェンミィ」の店主を務めている。クールな性格の腹黒い商売人。水科英に幸運のラッキーアイテム、エジプシャンマンダラを売っており、エジプシャンマンダラを返しに来た英の弟、水科晶に対し、返品は不可能である事を伝えた。連帯保証人となった晶に呪いが振りかかっている事実を承知しており、呪いを緩和するブレスレット、タリスマンを5000万円で晶に売ったうえで、彼を借金の形に自分の店で働かせていた。ラズワルドをはじめとする宝石の精霊を束ており、晶を守るように指示を出していた。本来は宝石の国の女王のフォルトゥナに付き従う存在だが、晶を強く恨む彼女のやり方を支持せずに静観している。

フォルトゥナ

地底にある宝石の国の女王。誇り高く、傲慢な性格をしている。8年前に守護する主を見つけるべく地上へと出向いた際に水科晶と出会い、結婚の約束をした。それ以来、晶の事を強く思い続けていたが、約束をすっかり忘れてしまった晶の事を、自分を弄んだとして深く恨むようになった。そのため、浜梨咲太を使って呪いで晶を亡き者にしようとしていた。宝石の精霊やシュウ・ミン達からは「女王陛下」と呼ばれていた。

浜梨 颯一郎 (はまなし そういちろう)

中性的な顔立ちをしたミステリアスな美少年。水科英のクラスメイト。友人からは「そーちゃん」と呼ばれていた。水科晶は初対面の印象で、颯一郎の事を女性と勘違いし、初恋の相手として密かに思い続けていた。人間だが具現化した宝石との関係が深く、のちに呪いで入院した晶のもとに姿を現し、自分がシュウ・ミン達の仲間であり、英の監視役だった事を明かしている。

浜梨 咲太 (はまなし しょうた)

中性的な顔立ちをした美少年。浜梨颯一郎の弟。シュウ・ミン達の仲間だが、彼らを裏切り、フォルトゥナの忠実な部下として秘密裏に活動していた。フォルトゥナの命令を受け、水科英に大量の宝くじを購入させて幸運を発現させ、そのぶんの不幸を水科晶へ集中させ、命を奪おうと画策する。

水科 英 (みずしな すぐる)

いい加減な性格をしたチャラい青年。水科晶の兄。自堕落なうえ、スピリチュアルな事柄が大好き。長らく自室で引きこもっていたが、ラッキーアイテムのエジプシャンマンダラを購入した事で幸運が舞い込むようになった。購入の際に晶を連帯保証人にするなど、あと先考えない刹那的なタイプ。無軌道な暮らしっぷりを浜梨咲太に利用され、大量の宝くじを購入するなど、晶に強大な呪いが集まる原因を無自覚に作っていた。

白木 虹也 (しらき こうや)

非常に明るい性格をした男子高校生。水科晶のクラスメイト。晶がシュウ・ミンのもとでアルバイトを始めた際に出かけた屋敷で初めて出会い、その時は宝石の呪いを受け、全身が真っ黒に染まった意思のない人間として、ラズワルドに襲い掛かっていた。晶とラズワルドの活躍でふつうの生活を取り戻し、新学期後に晶のクラスメイトになる。

場所

宝石の国 (ほうせきのくに)

地下に存在する、宝石の精霊が暮らしている国。多数の宝石が女王によって率いられている。将来女王となる事が定められた宝石は、ある程度の年齢に達すると具現化し、主を求めて地上世界へと旅立つ。そこで主を見つけた場合、先代の女王が譲位する事によって、女王の座を引き継ぐしきたりになっている。

その他キーワード

具現化 (げのむす)

宝石が精霊と化すという事象、あるいは精霊化した宝石そのものを指す言葉。具現化を果たした宝石は人間の姿に変化し、自身が認めた人間と主従契約を結ぶ。そのうえで「マスター」となった人間から「気」をエネルギーとしてもらう代わりに、守護者となって活動するようになる。

エジプシャンマンダラ

非常に希少な宝石。シュウ・ミンが経営するスピリチュアルショップ「神秘宝石商会 シェンミィ」から水科英が購入した。価格は55万円とかなりの高額。持ち主に最強の幸運を与える代わりに、保証人には最凶の不幸を授ける効力を持つ。保証人になった者は身体に入れ墨のような印が浮かび、それが全身に及ぶと死に至る。大抵の場合、保証人は入れ墨が全身に及ぶ前に降りかかる不幸によって死んでしまう。

タリスマン

呪いの効力を弱めるブレスレット。エジプシャンマンダラの呪いを一身に受ける事になった水科晶に対し、シュウ・ミンが5000万円で売りつけていた。高額だがその効果は確かで、降りかかる不幸によって死が時間の問題となっていた晶ですら、一応は通常の生活を送れるようになった。

クレジット

原作

実弥島 巧

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