幽霊船

幽霊船

嵐山イサムが育ててくれた老人と父親を殺した犯人への復讐を誓い、海底魔王を名乗るボアーの世界征服を阻止するためにやってきたアトランティスの幽霊船に乗り込んで冒険をするSF海洋ドラマ。巨大ロボットのゴーレム0や幽霊船といった超兵器が登場する。1969年に公開された劇場アニメ『空飛ぶゆうれい船』の原作。

正式名称
幽霊船
ふりがな
ゆうれいせん
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

嵐山イサムは父の嵐山大作が財産目的に殺されたことを知る。育ててくれた老人を殺した犯人を追うと、彼らが父殺しの犯人でもあった。イサムのピンチを救ったのが幽霊船長だった。イサム幽霊船に乗り込み、父殺しの一味と彼らと手を組んで世界征服を狙うボアーと戦う。

登場人物・キャラクター

嵐山 イサム (あらしやま いさむ)

両親を亡くし、港の近くで働く舟虫じいさんに育てられた少年。舟虫じいさんに仕込まれた礫投げの腕は自慢で、飛ぶ鳥にも当てられるほど。嵐の海を見るのが好き。身軽で少し無鉄砲。嵐の中で幽霊船を見つけ、その乗組員らしい人物の後を追って黒潮たちの密談を見てしまう。そのため、黒潮たちに舟虫を殺され、息を引き取る前に父の名が嵐山大作だと教えられる。 舟虫の仇の黒潮を追ってゴーレム0に乗り込み、一味が父嵐山大作の仇でもあることを知る。幽霊船に救出され、世界征服を企む海底魔王ボアーと手を組んだ黒潮一味と戦う。

嵐山 大作 (あらしやま だいさく)

右目に眼帯をした口髭の男。嵐山イサムの父。黒潮たちに殺されかけ、発見した油田の権利を奪われた。車ごと海に落とされたが、通り掛かったアトランティスの調査船に救われて以来、十数年海底で暮らした。救出時に妻は死んでいて、息子のイサムは車内にいなかった。ボアーの事件が発生し、地上に詳しいことから幽霊船長として地上に帰ってきた。

幽霊船長 (ゆうれいせんちょう)

全身が青白く光り、人魂のような頭部につり上がった眼があるだけの顔で船長コートを着ている謎の人物。海底魔王ボアーの世界征服を阻止するために、アトランティスからやってきた幽霊船の船長。しばしば嵐山イサムのことを助けるが、イサムだけのために幽霊船を危険にさらすようなことはしない。 その正体はイサムの父、嵐山大作。

舟虫 (ふなむし)

頭髪も鬚も白髪で顔全体が毛のようになっている老人。港の近くの小屋で暮らしている。捨てられていた赤ん坊の嵐山イサムを拾って育てた。その名前は首にかかっていたお守り袋から。イサムを追ってきた黒潮の部下たちに撃たれて絶命。

ルビイ

ボアーによる世界征服阻止のために送り出されたアトランティスの幽霊船の女船員。負傷して収容された嵐山イサムの面倒をみて、幽霊船のことを教える。イサムにアトランティスのことを茶化されて涙を流すなど、かなり感情的。

黒潮 (くろしお)

左右に広がった髪の毛が逆立っている男。いつもサングラスをかけている。世界中を荒し回っているギャング団暗黒団の首領。十数年前、チンピラの殺し屋だったころに寺田広乃進、埴輪歯夫、左巻の依頼で嵐山大作とその妻を銃で撃ち殺し、死体を車ごと海に捨てた。子どもの嵐山イサムもいたが、子どもを殺すことはできずに捨てた。 大作の石油利権の分け前を得て、暗黒団を組織。寺田に大作が帰ってきたという手紙が届き、4人で会っているところをイサムに見られたため、口封じのために殺そうとした。イサムが大作の息子だと知ってからは人質にしようとする。ボアーと手を組み、世界征服に乗り出す。

左巻 (さまき)

白髪と顎鬚がつながった男。身よりのない老科学者で、巨大ロボット・ゴーレム0の開発の資金欲しさに嵐山大作暗殺計画に加わる。わが子のように思っているゴーレム0が怪物になってしまったと悔やんでいる。一度はボアーと手を組んだものの、世界征服の野望が恐ろしくなり裏切る。だが、ゴーレム0が幽霊船の攻撃を受けたときに、中に乗っていたため負傷し死亡する。 イサムに対して罪悪感があり、孫のように思って助けようとしていた。

寺田 広乃進 (てらだ ひろのしん)

バーコード頭で大きな鷲鼻の初老の人物。造船会社の社長。嵐山大作の持つ石油利権を狙って、埴輪歯夫、左巻、黒潮とともに暗殺を企てる。嵐山大作からの手紙が届き、かつての仲間たちを集めたが、有効な対抗策は見いだせなかった。繰り返し届く大作からの手紙に正気を失う。

埴輪 歯夫 (はにわ はお)

禿げ頭で豊かな白い口髭が顔の横まではねだしている初老の男。自衛庁長官。嵐山大作の持つ石油利権を狙って、寺田広乃進、左巻、黒潮とともに暗殺を企てる。ボアーを裏切って逃亡した左巻のゴーレム0を空爆するなど、黒潮たちと連携して行動している。だが、飛行島で東京都民を人質にするなど、行き過ぎた行動に困惑している。 大作とイサムによって人質にされ、二人を飛行島に入れてしまう。

ゴーレム0 (ぜろ)

『幽霊船』に登場する巨大ロボット。左巻が開発した巨大ロボット。首はなく、顔に当たる部分に出入り口をかねたハッチがある。中に数人乗ることが可能。口頭での命令で操縦ができ、空を飛ぶこともできる。指先には機銃が仕込まれている。ボアーが量産したものの、幽霊船によってほとんどが破壊された。

ボアー

深海魚を思わせるマスクとマントの男。アトランティスの科学者だったが、地上の人間を征服する野望を抱いた。海底魔王を名乗る。アトランティスでは仲間を得られず、単独で地上に出て準備を進めていた。黒潮たちと手を組んで、世界征服に乗り出し、アトランティスから送られてきた幽霊船と激しく戦う。

集団・組織

暗黒団 (あんこくだん)

『幽霊船』に登場する組織。黒潮の率いるギャング団。左巻がゴーレム0の開発に成功すると、ガイコツの紛争で研究所に乗り込み幽霊船に襲撃されたように見せかけた。黒潮の指示でゴーレム0の機密が漏れないように技師も皆殺しにした。寺田の家の周辺に潜んで嵐山大作の到来を警戒していたのも彼ら。

場所

飛行島 (ひこうとう)

『幽霊船』に登場する飛行基地。海底魔王ボアーが暗黒団の根城として無人島を改造して作り上げた。島の一部をくり抜いて作った、工場なども備えた大型の基地で、空を飛んで移動する。幽霊船との戦いで苦戦したボアーが最後の手段として浮上させ、東京まで飛行して民家の上に着陸。東京都民を多数人質にした。嵐山大作と嵐山イサムが埴輪歯夫を人質に内部に乗り込み、ボアーを事実上制圧。 だが、自爆をめぐる交渉によってボアーと黒潮たちは東京から飛び去ろうとする。

アトランティス

『幽霊船』に登場する大陸。かつて豊かな自然と巨大な都市に高い文明を持つ人々が暮らしていた大陸で、8000年ほど前に地殻変動により1万メートルもの海底に沈んだ。高度な科学技術によって生き延びた人々は、現在も海底で平和に暮らしている。

その他キーワード

マシンエビ

『幽霊船』に登場するメカ。ボアーが作った主力兵器。巨大なエビの形をしたメカで、人が中に乗って操縦する。ハサミは何でも切ることができる特殊合金。かなりの数が作られている。

幽霊船 (ゆうれいせん)

『幽霊船』に登場するメカ。空を飛び、海に潜る脅威の船舶。誰もがイメージする幽霊船を模しているが、アトランティスの科学技術がつぎ込まれている。世界征服を目論むアトランティス人のボアーを捕まえるために地上に送り出された調査船で、嵐山大作が船長を務めている。ボアーとの戦いが激しくなると、同形の幽霊船が増派された。

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